MBAとは、Master of Bussiness Administrationの略で、経営学修士の学位です。分かりやすくすると、経営に関することが学べる大学院です。

本コラムでは、国内MBAの難易度について説明します。

難易度と言いましても、大学受験のような偏差値という概念は、国内MBA受験にはありません。

そこで国内MBAの難易度を測る目安として、ここでは受験倍率を取り上げて、倍率が高い大学院を難易度が高い国内MBAと定義します。

その上で、難易度が高い国内MBAはどこの大学院か、その大学院を素人が目指すには、どう勉強したらいいのかについて解説します。

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合格倍率を公開しない大学も多いですが、気になるポイントかと思います。
ぜひ参考にしてみてください。

MBAとは資格ではなく学位なので合格率ではなく倍率

よく間違われる方がいますが、MBAとは、Master of Business Administrationのことで、ビジネス・スクールの修了生に対して授与される修士号です。

USCPAや公認会計士、中小企業診断士といった資格の場合は合格率で表記されますが、MBAの場合には入試なので倍率という表現をします。

国内MBAの倍率から見る難易度とは?

国内MBAの難易度を測る目安として、受験倍率が2倍を超えてくると人気があり入学するのが難しい国内MBAだと言えるでしょう。

特に倍率が高く難易度が高い国内MBAとして早稲田大学大学院、一橋大学大学院、慶應義塾大学大学院、京都大学経営管理大学院、筑波大学大学院東京都立大学大学院、が挙げられます。

2025年度の国内MBAで人気がある大学院のプログラム・コース名の倍率は下記のとおりです。

国内MBAの難易度(倍率)ランキング

順位大学院名プログラム・コース名倍率年度
1一橋大学 経営管理プログラム 5.372025
2京都大学一般選抜5.122025
3早稲田大学夜間主総合4.692025
4神戸大学現代経営学専攻3.372025
5早稲田大学全日制3.182025
6早稲田大学夜間主プロフェッショナル3.162025
7筑波大学国際経営プロフェッショナル専攻3.112025
8東京都立大学経営学専攻2.942025
9京都大学特別選抜2.892025
10一橋大学金融戦略・経営財務プログラム2.732022
11筑波大学経営学学位プログラム(博士前期課程)2.692025
12明治大学グローバルビジネス研究科(9月入学)2.502025
13慶應義塾大学MBAプログラム2.492025
14明治大学グローバルビジネス研究科(4月入学)2.472025
15九州大学産業マネジメント専攻2.362025
16兵庫県立大学経営専門職専攻地域イノベーションコース2.332025
17一橋大学経営分析プログラム2.272025
18立命館大学経営管理専攻2.012025
19立命館大学観光マネジメント専攻2.002025
19青山学院大学国際マネジメント研究科2.00※1
19中央大学戦略経営研究科戦略経営専攻2.00※1
22慶應義塾大学EMBAプログラム1.952025
23兵庫県立大学医療マネジメントコース1.852025
24立教大学ビジネスデザイン研究科1.762025
25関西学院大学企業経営戦略コース1.552025
26関西学院大学国際経営コース1.362024
27兵庫県立大学 介護マネジメントコース1.332025
28同志社大学ビジネス研究科ビジネス専攻1.292024
※1アガルート調べ、一部、概算、推定含む。詳しくは各大学院に直接お問い合わせください。

続いて難易度が高い(倍率が高い)と言われている国内MBAの倍率の推移について詳しくご紹介します。

早稲田大学大学院

早稲田大学大学院経営管理研究科(WBS)には全日制、夜間主総合、夜間主プロフェッショナルの3つのコースがあります。

早稲田大学大学院の2025年度の入試は、夜間主総合の受験者数は581名で合格者数は124名なので、 受験倍率 は4.69倍となっています。

下記は2025年度の入試による受験倍率となっております。

2025年度
全日制プログラム3.18倍
夜間主総合4.69倍
夜間主プロフェッショナル3.16倍

一橋大学大学院

一橋大学大学院経営管理研究科には、実務経験がなくても受験できる経営分析プログラム、社会人対象の経営管理プログラム、金融・財務を学ぶ金融戦略・経営財務プログラムがあります。

経営分析プログラムが2025年は出願者数116名に対して、合格者が51名なので、倍率は2.27倍となっています。

経営管理プログラムが2025年は出願者数338名に対して、合格者が63名なので、倍率は5.37倍となっています。

2020年度2021年度2022年度2023年度2024年度2025年度
経営分析プログラム2.26倍2.13倍3.4倍2.64倍2.73倍2.27倍
経営管理プログラム3.14倍4.88倍4.75倍5.34倍5.58倍5.37倍
※参考:合格実績

慶應義塾大学大学院

KBSには全日制のMBAと実務経験15年以上の方を対象としたEMBAがあります。

慶應義塾大学大学院の全日制の入試倍率は、2025年の入試は182名受験して73名の合格者なので、2.49倍となっています。 E-MBAは、受験者数が115名で合格者数が59名なので、受験倍率は1.95倍となっています。

2020年度2021年度2022年度2023年度2024年度2025年度
MBA3.08倍3.76倍4.85倍4.02倍3.72倍2.49倍
EMBA1.43倍1.40倍1.69倍1.66倍1.63倍1.95倍
※参考:入学試験要項

京都大学経営管理大学院

京大は実務経験がなくても受験できる一般選抜と、社会人が対象の特別選抜に分けられます。

京都大学経営管理大学院の2025年度の一般選抜は受験者128名で、合格者が25名なので、受験倍率は5.12倍となっています。

2020年度2021年度2022年2023年2024年2025年度
一般選抜5.80倍7.52倍7.57倍8.56倍5.25倍5.12倍
特別選抜2.00倍2.29倍1.75倍1.67倍2.03倍2.89倍
※参考:入試データ

神戸大学大学院

神戸大学大学院の2025年度の入試は、受験者数が239名に対して、合格者数 71名なので、受験倍率は3.37倍となっています。

2020年度2021年度2022年度2023年度2024年度2025年度
1.80倍1.99倍2.49倍2.42倍2.39倍3.37倍
※参考:入学生情報

筑波大学大学院

ビジネス科学研究科には、経営学学位プログラム(博士前期課程)と国際経営プロフェッショナル専攻の2つのコースがあります。

筑波大学大学院の2025年度入試の経営学学位プログラム(博士前期課程)は 受験者数が97名に対して、 合格者数 36名なので、受験倍率は2.69倍となっています。

国際経営プロフェッショナル専攻は 受験者数が112名に対して、合格者数 が36名なので、受験倍率は3.11倍となっています。

2020年度2021年度2022年度2023年度2024年度2025年度
経営学学位プログラム2.78倍2.50倍2.31倍2.47倍2.92倍2.69倍
国際経営プロフェッショナル2.61倍2.23倍2.03倍1.59倍3.11倍
※参考:入学試験実施結果

中小企業診断士を取得できるコースも倍率が高い

その他、倍率が高い国内MBAとして、兵庫県立大学大学院経営研究科があります。

2025年度同研究科の地域イノベーションコースは受験者数が93名で合格者数が40名なので、受験倍率は2.33倍となっています。
同研究科が倍率が高くなっている理由は、中小企業診断士の2次試験が免除になるためです。

倍率が2倍未満の国内MBA

では、受験倍率が2倍未満の大学院(例えば、1.4倍)はどこがあるのでしょうか。

こちらも大学院によっては倍率が公開されていませんので、アガルートの受講生でその大学院を受験した方々から得た情報をもとに本コラムは執筆します。

  • 立教大学大学院 ビジネスデザイン研究科
  • 関西学院大学大学院 経営戦略研究科
  • 立命館大学大学院 経営管理研究科 観光マネジメント専攻
  • 兵庫県立大学大学院経営研究科 医療マネジメントコース、介護マネジメントコース
  • 同志社大学大学院ビジネス研究科

は、アガルートから受験している方がいますが、その方々に聞くと、倍率は2倍に届いていないようです。

中には、1.2倍とほぼ全入の大学院もあります。
国内MBAでは、こういった倍率が低く全入に近い大学院がけっこうあると筆者は推測しています。

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この記事の著者 飯野 一 講師

飯野 一 講師

1990年に成城大学経済学部、2003年に早稲田大学大学院アジア太平洋研究科(現:経営管理研究科)を卒業。
2003年にウインドミル・エデュケイションズ株式会社を設立し、以降国内MBA試験の受験指導に従事。
2019年からはアガルートアカデミーにて国内MBA受験指導を中心に活動している。
指導課目は、経営戦略、マーケティング、組織論、組織行動学、アカウンティングなど経営学全般。
国内MBAに関する書籍を多数出版し、ベストセラーを生み出すなど、国内MBA受験における人気作家としての側面も持つ。
ウインドミル・エデュケイションズ株式会社で代表取締役を務めながら受験指導をおこない、約20年間にわたる指導経験を有する国内MBA受験に精通したプロフェッショナル講師。
国内MBA修了生としては珍しい学術論文の学会発表、学会誌掲載の実績も持つ。
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