【決定版】予備試験の論文の書き方7ステップ!評価されるコツや論文の型とは?
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基本書や参考書で基本的知識をインプットし、短答式の過去問もある程度解けるようになっても、論文の書き方が分からない方、得点が伸び悩んでいる方はいませんか?
このコラムは予備試験の論文の書き方を7つのステップに分けて解説し、得点が伸びるコツや論文の型などについて解説していきたいと思います。
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予備試験論文式の基本的な書き方7ステップ
予備試験論文式の基本的な書き方7ステップは、
- 設問を正確に把握する
- 事例の把握整理
- 論点の抽出
- 論点を正確に示す(問題提起)
- 規範を定める
- 事実を規範に当てはめて、評価する
- 結論を書く
という流れです。
これらのステップは、論文式のどの科目でも共通して求められる論理的思考の筋道を意識するために重要となります。
STEP1:設問を正確に把握する
まずは、設問を正確に読み取ることが必要です。
当たり前ではありますが、問われたことに対して答えていないと、いくら書いても点数は付きません。
司法試験予備試験に限らず、どんな試験でも同様となります。
例えば、「Aの請求は認められるか。」という問いに対しては、「Aの請求は認められる。」又は「Aの請求は認められない。」と答案の末尾を締めくくる必要があります。
この際、「Bの反論にも言及しつつ」などとあれば、必ず答案の途中でBの反論について論じましょう。
STEP2:事例の把握整理
次に、事例を正しく把握し、整理して何が問題となるのか見定める必要があります。
時系列、登場人物、契約・行為の有無などをチェックしていきます。
例えば、蛍光ペンの色を決めて、例えば、日時は水色、登場人物は緑、条文はピンク、「本件〇〇」などの定義はオレンジ、重要と思われる事実は黄色など、問題文を見返せば事実関係が整理しやすくなります。
また、民法など、特に法律関係を的確に把握する必要がある科目は、登場人物の関係図を作成し、契約当事者間は黒線でつなぐ、所有権の移転は矢印で示す、土地や建物などの簡単な絵を描くなどの方法がおすすめです。
(なお、2026年より、CBT形式となり、パソコンで解答作成する形式となる可能性があります。その際には、蛍光ペンの使用ができず、画面上でマーカーを引くことになると予想されます。)
STEP3:論点の抽出
事実関係が把握できると、条文や判例百選掲載判例などの基本的知識があれば、本件において何が問題となるか、論点が見えてくるはずです。
ここで、事実関係の把握が十分でなく、自分の知っている論点に引き付けてしまうなど、論点を見誤ってしまうと、いくら書いても点数が付かないという結果になってしまいます。
例えば、令和6年の憲法の問題では、設問に、
XとA町内会との間で
「(1)神社の氏子の祭事挙行費を町内会の予算から支出することの可否」
「(2)一律に会費を徴収することの可否」
と書かれています。
そのことから、「憲法の私人間効力」の問題について論ずる必要があることが分かります。
また、神社の氏子の行事に一律に費用徴収することが問われていますから、A町内会やA町内会とほぼ同一の集団としての氏子集団の活動と、構成員である会員の信教の自由(憲法第20条)との問題の調整が問題となり、A町内会が事実上の強制加入団体であることを踏まえ、南九州税理士会事件(最高裁平成8年3月19日判決)等の判例の判断枠組みなどを用いて検討することになります。
ここで、例えば、神社の氏子の問題であるとして空知太神社事件(最高裁平成22年1月20日判決)の判断枠組みなどを用いて政教分離の問題を論じてしまうと、Aは国や地方公共団体ではない上に、XはD教徒であることによって不利に取り扱われたなどの事情もないことから、誤った論点設定ということになってしまいます。
STEP4:論点を正確に示す(問題提起)
事案を把握し論点整理ができたら、いよいよ答案を書き始めます。
答案の冒頭の書き出し部分で、何が論点となるのか、示しましょう。
この際、単に「Aの請求は認められるか」といった問題提起ではなく、問題となる法令の条文を示す必要があります。
例えば、「Xは本件処分の相手方ではないところ、「法律上の利益を有する者」(行政事件訴訟法9条1項)に当たるか。」などと示します。
STEP5:規範を定める
規範とは問題を解決するための判断基準です。
論点についての判断枠組みを示した最高裁判決の判旨を用いるのが適当です。
この際、判旨をそのまま示すのは困難かもしれませんが、キーワードを落とさないようにできるだけ正確に示しましょう。
ここで判例の判旨が思い出せない、該当判例が分からない場合などは、問題文の具体的事実を抽象化させて規範を作る(問題文の具体的事実から規範を逆算する)といった手法も有効です。
優れた法的センスの持ち主であれば、判例をほとんど知らなくても、この手法で乗り切れるという方もいます。
規範は条文の趣旨を示しつつ論ずるのがよいでしょう。
条文の解釈はその条文の趣旨から導かれます。規範においては「Aは〇〇であるから」、などと具体的な事実を使ってはいけません。
あくまで関係条文の趣旨、解釈から規範(判断枠組み)を示すようにしましょう。
STEP6:事実を規範に当てはめて、評価する
先ほどの規範に、問題文の具体的事実を当てはめます。
ここでよくある、良くない答案としては、規範で示していないことを当てはめで書いたり、反対に、規範で示したことに当てはめで触れなかったり、規範と当てはめの不整合を起こしてしまう答案です。
自分の定めた規範には責任をもって当てはめるようにしましょう。
書いた後で、規範と当てはめがきちんと整合しているか見直しましょう。
当てはめを書いていて規範が足りていないことに気付けば、規範を追記して当てはめと整合させればOKです。
また、具体的事実は、例えば原告Aの主張を基礎づける事実と、被告Bの反論を基礎づける事実の両方を考慮するようにしましょう。
例えば、Aの主張を認める結論を導く場合には、まずBの反論を基礎づける事実を示してから、それを否定する事実を示すという流れが良いでしょう。
論理の流れが、「Aの主張は認められる→認められない→認められる」などと行ったり来たりしてしまうと、採点者も混乱してしまい、論理の流れが良くないと評価されてしまう可能性があります。
STEP7:結論を書く
最後に結論を書きます。
結論の書き始めは「よって、」出始めると良いでしょう。
実務では「よって書き」などといいます。
よって書きでは余計なことは書かず、「Aの請求は認められる。」などと、設問の問いにピッタリ合わせた結論を端的に示すようにしましょう。
「Aの請求は認められるか」という問いであれば「よって、Aの請求は、認められる。」などと書きましょう。
法的三段論法とは?
法的三段論法とは、「一般的なルール(大前提)」と「具体的な事実(小事実)」を使って、結論を導く論理の型です。
- 大前提(規範)
- 小前提(設問上の事実)
- 結論
という流れのことです。
答案を書くときには、これに冒頭に問題提起を加えて、①問題提起→②規範→③当てはめ→④結論の順で論じましょう。
司法試験は、この法的三段論法で文章が書けるかどうかを試す試験であるといってもよいでしょう。
法的三段論法を死守して答案を作成することが合格に必須条件です。
よくある良くない答案としては、(1)②規範と③当てはめが混在してしまう答案、(2)③先に当てはめを示した後で②規範を示している答案、(3)②規範で関係条文があるのにもかかわらず、その関係条文を示していない答案(「〇〇すべきである」などと論じているのにそのようにいえる根拠条文やその解釈を示さないと、法律的な文書とはいえず、単なる論説文、作文になってしまいます。)、(4)③当てはめで②規範で示していない条文が突然③当てはめで出て来る答案などです。
これらに該当しないように注意しましょう。
予備試験で評価される論文のコツ
予備試験で評価される論文のコツとしては「論文の型を意識する」「見出しを付ける」「事実の引用は丁寧に行う」「簡潔な表現を心がける」「答案構成をメモしてから、書き出す」といったポイントが挙げられます。
これらを徹底することで、読み手にとって理解しやすく、論理的な答案を作成することができます。
論文の型を意識する
法的三段論法(①問題提起→②規範→③当てはめ→④結論)は必ず守るようにするとともに、例えば、憲法であれば、「1、原告の主張→2、被告の反論及び私見」などと、科目ごとに特有の構成を意識して論ずるようにしましょう。
見出しを付ける
答案には、法的三段論法や各科目特有の構成の型を意識して、項目番号と見出しを付けると良いでしょう。
適切な見出しが付いていると、採点者は何について書いているのか一目瞭然になりますので、採点がしやすくなり結果として得点が入りやすくなります。
ただし、見出しを細分化しすぎてしまうと、かえって読みづらくなってしまうおそれもあるため、注意が必要です。
何について論じているのか分からない状態で10行程度進んでから、やっとどの条文について論じているのか分かる、といった答案は採点者にとってストレスになってしまいます。
項目番号に、条文の要件など、的確な見出しが付いていると、採点者は答案をスムーズに読み進めることができますし、受験生自身にとっても、後で自分の答案を読み返して前後の整合を確認したりする際の助けになります。
項目番号は、判決書きのルールに合わせて、「第1」→「1」→「(1)」→「ア」→「(ア)」の順に付けるようにすると良いでしょう。
事実の引用は丁寧に行う
「当てはめ」では、問題文の具体的事実をできるだけ答案に引用し、抽象論だけでなく「Aは~した」など丁寧に抜き出して論じましょう。
この際、金額や距離などの数字が問題文にある時は必ずその数字を使って評価を加えましょう。
簡潔な表現を心がける
論述は主語と述語の関係が明確な簡潔な文章を心がけましょう。
一文ごとのわかりやすさはもちろん、全体的な構成についても簡潔にすべきです。
例えば、「〇〇ともいえる。しかし〇〇である。とはいえ、〇〇」など、論理が右に行ったり左に行ったりして、一体何を言いたいのか分からない文章や、句点まで5行以上あるような一文が長い文章などは、マイナス評価となることがあります。
答案構成をメモしてから、書き出す
中には問題文を読んだだけで何の構成もせず、いきなり書き出して理路整然とした文章を書ける天才的な受験生もいます。
ですが、基本的には、問題文を読み終わっていきなり書き出すのではなく、書き始める前に、答案構成メモを作成し、答案の大項目と見出しを書いたメモを作成してから、その答案構成に従って一気に書き進めることをお勧めします。
途中で迷ったりすると論理の流れが悪くなり、論理がブレてしまいます。
最悪、自分で一体何を書いているのか分からない答案になってしまうケースもあるため、注意するべきです。
自分で何を書いているのか分からない答案は、当然ながら、他人が読んだらもっと何が書かれているのか分かりません。
以下の動画ではアガルートの富川講師が論文添削でどこを見ているのか、文章スキルを上げるアドバイスもしています。ぜひ参考にしてください。

予備試験の論文式で問われる能力とは?
予備試験の論文式では「法科大学院修了と同程度の知識と理解」「法的思考力・論理力」「答案の書き方・読みやすさ」が問われます。
単なる知識の暗記ではなく、事例に即した適切な分析と説得力のある文章構成が重視されます。
法科大学院修了と同程度の知識と理解
条文や判例百選掲載判例などの主要な論点、判例をきちんとおさえているかや理解にずれがないかが試されます。
基本的な法律知識があることが合格の必須要件です。
そのような知識は、標準的な基本書を読んだり、短答式試験の過去問を解いたりすることで養われます。
典型的な論点については自分なりの論述をあらかじめ作っておくという方法もあります。
必要であれば、条文の要件や主な論点について、自分なりに論述をまとめたエクセルシートを作って、本番直前まで繰り返し見直せるようにしておくと良いでしょう。
論述をまとめるときは、できるだけ短く簡潔にまとめるようにしていました。
法的思考力・論理力
司法試験予備試験では、問題文の具体的事実を使って、事案が法的に処理できているかや「当てはめ」が適切か(ただルールを書くのではなく、きちんと事実に適用してるか)が見られます。
判例などの規範を単に暗記しているというだけでなく、問題文の具体的事実に即してその規範を使いこなせるのかが問われています。
規範を知っているだけでなく、事案に応じて適切に使いこなせる能力が問われます。
答案の書き方・読みやすさ
法的三段論法の型に沿った答案になっているかや、主語と述語が対応していないなど、日本語が破綻しておらず、読みやすい答案になっているかが見られます。
どれだけ内容が正しくても、論理の流れや文章表現が不明瞭であれば評価は下がります。
採点者にとって「わかりやすい」答案を書くことが、合格への近道といえるでしょう。
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まとめ
論文の書き方について、次の7つのステップを把握しましょう。
STEP1:設問を正確に把握する→問われていることに素直にそのまま答える
STEP2:事例の把握整理→問題文へのマーキングや、関係図などで整理
STEP3:論点の抽出→ここで論点を誤らないように注意。外すと得点にならない!
STEP4:①問題提起:論点を正確に示す。関係条文、要件を示す。
STEP5:②規範を定める→主に最高裁判所判例の規範を使う。できるだけ正確に、キーワードを示す。
STEP6:③問題文の具体的事実を規範に当てはめて、評価する→問題文の事実を抜き書きする。抽象化しない。数字を使う。
STEP7:④結論を書く→簡潔に設問の問いに答える。「よって、」で書き始める。
法的三段論法(①問題提起→②規範→③当てはめ→④結論)で答案を作成できるようにすることは、合格のために必ず必要です。
②規範と③当てはめが混在している答案では合格することは難しいです。
答案には、採点者が読んで、答案の論理構造が分かり易いような文章や構成、ナンバリングを心がけましょう。
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この記事の著者 谷山 政司 講師
平成23年度に(新)司法試験に合格後、伊藤塾にて主に予備試験ゼミを中心とした受験指導業務を担当。
谷山ゼミ受講者のうち、およそ70名ほどが予備試験に合格。谷山ゼミ出身者で、最終的な予備試験の合格率は7割を超える。
自身の受験経験だけでなく、答案の徹底的な分析やゼミ生への丁寧なカウンセリングの結果確立した論文作成ノウハウをもとに、アウトプットの仕方はもちろん、インプットの仕方までをも指導するスタイルは、ゼミ生の圧倒的支持を受けた。
また、期をまたいだゼミ生の交流会等を定期的に行うなど、実務に出た後のフォローも積極的に行っている。
谷山講師の紹介はこちら
ブログ:「谷山政司のブログ」
Twitter:@taniyan0924