関西学院大学法科大学院(ロースクール)入試(以下関西学院ロー)の過去問の出題傾向と対策について、アガルートアカデミーの中山講師が解説していきます。

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関西学院大学法科大学院の入学試験要項

募集人員・競争倍率

⑴ 募集人員

既修者20名、未修者10名(うち「5年一貫型教育選抜入試」既修者若干名、 「開放型選抜入試」既修者若干名を含む)

⑵ 競争倍率

関西学院大学法科大学院の2019年~2025年度の一般入試倍率(既修・未修合計)は以下のとおりです。

年度受験者数合格者数倍率
2025380904.2倍
2024277833.3倍
2023283704.0倍
2022223962.3倍
2021160602.7倍
2020209673.1倍
2019170792.2倍

※参考:入試結果 | 関西学院大学 司法研究科

※関連コラム:関西学院大学法科大学院の特徴・入試情報

試験日程・試験科目

試験日程(A日程法学既修者コース)
例年8月第1土曜日 ①民法・商法、②憲法、③刑法

試験形式
【法学既修者コース】
・筆記試験(民法 100 点、商法 50 点、憲法 100 点、刑法 100 点):350 点満点を 300点換算
・学部成績:早期卒業見込者試験 200 点、卒業見込者試験 100 点、新卒者試験 50 点
・総合得点が合格最低得点を上回っていても、法律科目試験の成績が一定の基準を満たさない場合は、不合格となる場合がある。

試験科目
1 憲法
・試験時間:80分
・配点:100 点

2 民法・商法
・試験時間:120 分
・配点:民法 100 点、商法 50点

3 刑法
・試験時間:80分
・配点:100 点

関西学院大学法科大学院(ロースクール)入試過去問の出題傾向と対策

科目別の傾向と対策

1 憲法
⑴ 傾向
2022 年度は、人権分野に関する事例問題のみの出題であったが、2023 年度以降、統治分野に関する語句の説明問題と人権分野に関する事例問題の2問構成になっている。
事例問題については、例年三者間形式ではなく私見を論述させる形式であり、年度によっては、判例や自己の見解と異なる見解に言及しながら論じるように求める出題もある。

⑵ 対策
人権分野については、判例百選に掲載されている重要な判例をベースとした事例問題が出題されることが多いため、重要判例の理解が必要であり、その上で、判例との異同を意識して論述をする必要がある。
統治分野については、基本的な概念に関する説明を求める出題がほとんどであるため、基本書等で用語の意味内容及びそれに関する論点の確認をしておく必要がある。

2 民法
⑴ 傾向
例年、大問2問の事例問題が出題されている。請求や主張の当否を問う出題形式が基本であるが、年度によっては、反論を踏まえて解答することを求める出題もある。

⑵ 対策
請求や主張の当否を検討するに当たり、請求の法的根拠を指摘して条文から要件を列挙して要件へのあてはめを行えるように、重要条文の規定内容、趣旨について理解しておく必要がある。特に、単純な条文の知識が問われることがあるので、普段の学習においても条文を引くように心掛けておくのがよい。
また、判例百選に掲載されている重要判例の論点を問う出題もあるため、基本的な論点・判例の学習も必要である。

3 商法
⑴ 傾向
例年、典型的な論点を問う事例問題が出題される傾向にある。なお、出題範囲から、海商法、保険法、手形法及び小切手法は除かれている。

⑵ 対策
設問で問われる論点は、細かい知識を問うものではなく、基礎的な内容がほとんどであるため、会社法上の基本的な制度とその趣旨、判例百選に掲載されている重要判例を理解しておけば十分である。
なお、民法と合わせて 120 分の試験時間内に解答しなければならないため、時間配分に気を付ける必要がある。

4 刑法
⑴ 傾向
例年、語句の説明問題と事例問題の大問2題が出題されている。
語句の説明問題は、2022 年度、2023 年度は、2つのうち1つを選んで解答する形式であったが、2024 年度以降選択形式ではなくなっている。
事例問題は、例年「罪責について論じなさい」という出題形式が取られており、年度によっては、弁護人の主張の当否の検討を求める出題もある。

⑵ 対策
事例問題において罪責を検討するに当たっては、各犯罪の構成要件の解釈を示してあてはめを行えるようにしておく必要がある。また、事例問題で扱われる論点は基本的な内容がほとんどであるため、典型的な論点や百選に掲載されている判例などを中心に学習すればよいが、語句の説明問題に備えて、学説の対立状況についても意識しておくとよい。

過去5年の出題論点

1 憲法

・2026 年度
内閣総理大臣の行政各部に対する指揮監督権(憲法 72 条)、ロッキード事件、大阪市屋外広告物条例事件判決、大分県屋外広告物条例事件判決、パブリック・フォーラム論

・2025 年度
地方公共団体の条例制定権(憲法 94 条)、思想・良心の自由、君が代起立斉唱事件判決

・2024 年度
政党、八月革命説、信教の自由(宗教的行為の自由)、オウム真理教解散命令事件

・2023 年度
付随的違憲審査制、国家単独立法の原則、政教分離原則、津地鎮祭事件

・2022 年度
公務員の政治活動の自由、堀越事件判決、寺西事件決定

2 民法

・2026 年度
代金減額請求(民法563条)、解除、取得時効(民法162条2項)、時効と登記

・2025 年度
詐欺(民法 96 条)を理由とする取消し、錯誤(民法 95 条)を理由とする取消し、転用物訴権

・2024 年度
動産の物権変動、即時取得(民法192条)、書面によらない贈与の解除、強迫による意思表示

・2023 年度
賃貸人の地位の移転、信頼関係破壊の法理、受領遅滞の法的性質、受領義務違反に基づく解除・損害賠償請求

・2022 年度
債権者代位権の転用(民法 423 条の7、423 条の4)、中間省略登記、契約締結上の過失

3 商法

・2026 年度
競業取引(会社法 356 条1項1号)、競業取引を行った取締役の任務懈怠責任(会社法 423 条1項)

・2025 年度
一部の取締役に対する招集通知を欠く取締役会決議の効力

・2024 年度
利益相反取引(直接取引)(会社法 356 条1項2号)、利益相反取引を行った取締役の任務懈怠責任(会社法 423 条1項)、任務懈怠の推定(会社法 423 条3項)

・2023 年度
重要な財産の処分(会社法 362 条4項1号)の該当性、取締役会決議を欠く重要な財産の処分の効力

・2022 年度
表見代表取締役(会社法 354条)の制度趣旨・適用要件

4 刑法

・2026 年度
背任罪における財産上の損害、中止犯、教唆犯、具体的事実の錯誤(方法の錯誤)

・2025 年度
詐欺罪における財産的損害、共同正犯、共謀の射程

・2024 年度
横領の意義、遅すぎた構成要件の実現、抽象的事実の錯誤、因果関係の錯誤、共犯関係

・2023 年度
過失犯における注意義務、財物の概念、強盗殺人罪(死傷の結果に故意がある場合、死傷結果の原因行為)、強盗利得罪(「財産上……の利益」の意義、処分行為の要否)

・2022 年度
安楽死、不法領得の意思、教唆犯、(共謀)共同正犯、共犯と過剰防衛、間接正犯

※関連コラム:法科大学院(ロースクール)入試の対策・試験科目・勉強方法を解説

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  • 明治大学
  • 東京都立大学
  • 中央大学
  • 日本大学
  • 京都大学
  • 大阪大学
  • 名古屋大学
  • 東北大学
  • 九州大学
  • 北海道大学
  • 神戸大学
  • 同志社大学
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