弁護士にならない人もいる?司法試験合格者が就く職業とは
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司法試験に合格すると、ほとんどの場合弁護士になります。
しかし、なかには弁護士以外の職を選ぶ人もいます。
では、司法試験に合格した後弁護士以外にはどのようなキャリアを考えられるのでしょうか。
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司法試験に合格しただけでは弁護士になれない
司法試験に合格しただけでは弁護士になることはできません。
日本の司法制度には司法修習というものがあり、司法修習を修了して初めて法曹資格を得ることが出来るというシステムになっています。
また、弁護士として働く場合最初は主に弁護士事務所に籍を置くことになりますが、弁護士事務所も民間企業なので就職活動をする必要があります。
弁護士事務所にも色々な種類があり、刑事弁護をやっている事務所や、一般民事に強い事務所、企業法務でもファイナンスに強い事務所、訴訟に強い事務所、税務会計に強い事務所など様々です。
国内系だけでなく外資系事務所に就職するということも考えられます。
司法試験に合格した後、約7割の修習生は法律事務所の弁護士になります。
すぐに司法修習に進むべき?
司法試験に合格すると、原則として次の期の司法修習に参加することが推奨されます。
弁護士、裁判官、検察官を目指すなら、司法修習とその後の二回試験を経て資格を得る必要があります。
特に明確な職業目標がある場合は、なるべく早く司法修習に進むほうが効率的です。
修習中は収入が限定されるため経済的なハードルはありますが、司法制度の根幹を学べる貴重な機会です。
修習を保留して働く選択肢もある
近年では、司法試験に合格したものの、あえて修習を見送って民間企業や官公庁で働く人も増えています。
修習には申請期限がありますが、すぐに受ける義務はなく、ある程度の猶予があります。
民間企業での実務経験を積んだ後に修習を受けることで、より多様なキャリア形成が可能になります。
ただし、修習のタイミングが遅れることで、弁護士登録や独立までの年数も長くなるため、長期的な計画が重要です。
合格後の進路を明確にするために必要な準備
司法試験に合格したとはいえ、それだけではキャリアが自動的に開けるわけではありません。
自分に合った進路を選ぶには、まず「自分が法律を使って何をしたいのか」を明確にする作業が欠かせません。
- 弁護士として独立を目指すのか
- 企業でインハウスローヤーとして働くのか
- 公務員や政策立案に携わるのか
進路に応じて、必要な準備や実務経験の積み方は大きく異なります。
法曹志望であっても、今のうちに修習後の職場選びやネットワークづくりを始めておくことが、将来の差につながります。
司法試験に合格しても就職できないって本当?
「司法試験に合格したのに就職できない」という話を耳にして、不安を感じる方も少なくありません。
結論から言うと、司法試験に合格しただけで就職が自動的に保証されるわけではないのは事実です。
司法試験合格は大きな実績ですが、就職市場では「いつ・どの立場で・どの職種を目指すのか」によって状況が大きく異なります。
ここでは、なぜそのような声が出るのか、実態を整理します。
弁護士志望が多すぎる問題
司法試験合格者の多くは、まず弁護士を志望します。
一方で、法律事務所が毎年採用できる人数には限りがあります。
特に、修習終了直後の若手弁護士を大量に採用できる事務所は限られており、希望する分野や勤務地によっては競争が激しくなる傾向があります。
その結果、「弁護士になりたいが、すぐに希望通りの就職先が見つからない」というケースが生じます。
法律事務所への就職事情
法律事務所への就職は、司法修習中や修習終了直後の活動が重要になります。
インターンや事務所訪問、人脈づくりを行っていない場合、情報不足のまま就職活動を進めることになります。
また、事務所ごとに求める人物像や専門分野が異なるため、成績や学歴だけで一律に評価されるわけではありません。
主体的に動かないと、就職活動が長期化する可能性もあります。
合格者が企業に就職するケース
近年では、司法試験合格後に企業へ就職するケースも増えています。
インハウスローヤーだけでなく、法務部、コンプライアンス部門、企画職など、法律知識を活かせる職種は多様です。
企業就職の場合、弁護士資格がなくても評価されることがあり、修習前・修習後を問わず採用されるケースもあります。
そのため、「弁護士になれない=就職できない」というわけではなく、視野を広げることで選択肢は十分に存在します。
司法修習に行かずに働くメリット・デメリット
司法試験に合格したものの、すぐに司法修習に進まず、いったん就職や別の進路を選ぶ人も増えています。
「修習を遅らせてもいいのか?」と迷う方にとって、その選択のメリットとデメリットを知っておくことは非常に重要です。
ここでは、司法修習に行かずに働く場合のメリットとデメリットについて解説します。
実務経験が積める
司法修習を保留して企業や官公庁などで働く最大のメリットは、早期に実務経験を積めることです。
特に企業法務や政策立案に関心がある場合、法学の知識を活かしながら働くことができ、修習後のキャリアにも好影響を与えます。
また、一般企業での経験を通じて、ビジネス感覚やコミュニケーション能力が磨かれる点も、将来弁護士として活動する上で強みになります。
経済的な自立を図りやすい点も見逃せない利点です。
弁護士資格取得が遅れるリスク
一方で、司法修習に進まないことで弁護士や裁判官、検察官といった法曹資格の取得が遅れるリスクがあります。
司法修習とその後の二回試験に合格しなければ、弁護士登録はできません。
また、修習までに時間が空いてしまうと、学習内容を忘れてしまったり、法曹としてのモチベーションが低下してしまう可能性もあります。
周囲の同期がすでに弁護士として活躍し始める中で、キャリアの遅れを感じる人も少なくありません。
弁護士以外で司法試験合格者が就くことが多い職種とは?
では、法律事務所の弁護士以外にはどのような道が考えられるのでしょうか。
裁判官
まず考えられるのは、法曹三者のうちのひとつ、裁判官です。
裁判官は、全国各地の裁判所においてあらゆる訴訟の判決を下す仕事です。
裁判官はほぼ3年にいちど転勤があります。
裁判官は修習で良い成績を修めた優秀な人材にお声がかかると言われています。
裁判官に少しでも興味があるなら、修習は真面目に行いましょう。
検察官
次に考えられるのは、法曹三者のうちのひとつ、検察官です。
検察官は、刑事事件の被疑者を取調べ、起訴不起訴を決定し、立証活動を行う仕事です。
検察官の転勤は裁判官よりも多く、おおむね2年単位で全国各地の検察庁を転々とします。
検察官も素質を見出された修習生にお声がかかると言われています。
インハウスローヤー
インハウスローヤーは企業内弁護士と呼ばれる職業で、近年採用の数が増えています。
弁護士事務所で働く弁護士は基本それぞれが独立した個人事業主として活動していますが、インハウスローヤーは民間企業に雇われている会社員ということになるので、ワークライフバランスがとりやすいというメリットがあります。
もっとも、インハウスローヤーとして採用されるのは主に実務経験のある弁護士なので、司法試験合格後すぐに働くということはあまり考えられません。
その他
その他には予備校の講師や政治家などの職業が考えられますが、いずれも法律実務家としての経験を積んだ後のセカンドキャリアとして位置づけられる場合が多いです。
裁判官、検察官以外の職種は、弁護士として実務を経験した上で転職するケースが多いです。
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