法科大学院(ロースクール)入試について調べてみると、試験科目として「小論文」を挙げている大学院が多くあります。

しかし実はこの小論文試験は受験生全員に課されるわけではありませんし、法律の知識も基本的には不要な試験です。

ここではどのような人が小論文の試験を受けることになるのか、またその内容、対策について解説していきたいと思います。

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法科大学院(ロースクール)未修コースの入試の小論文とは?

1 誰が小論文試験を受けることになるのか

法科大学院には大きく分けて、

①法学未修コース
②法学既修コース

の2種類のコースが存在します。

①は、今まで法律を勉強してこなかった人向けのコースで原則として大学院には3年間通うことになります。

②は、ある程度法律の勉強をしてきた人向けのコースで、基本的にこちらは2年間の短縮過程になっています。

②のコースの入試内容は法律の基本的な知識を問う問題ですが、①のコースの入試では基本的には法律の知識が不要な小論文式の試験が課されることになります。

したがって小論文試験を課されるのは①のコースを受験する人のみということになります。

2 小論文式試験の内容とは?

小論文試験は大学院ごとにばらつきはありますが、おおよそ2~3時間程度の試験時間で、内容としては時事的なテーマを題材にするもの、社会科学・人文科学に関する文献をテーマとするものが多い印象です。

小論文試験は2019年に廃止された適性試験にとって代わる役割を果たすものとされています。

そして適性試験の趣旨が論理的思考能力や分析力、表現力を測ることにありました。

そのため小論文試験も資料の読み取りや要約、およびその考察など上記能力を測ろうとする出題が多い傾向にあります。

小論文の準備・流れ

1 受験を予定するロースクールの出題傾向を把握する

先述のとおり小論文試験には時事的なテーマを題材にする物や、資料の分析を題材にする物など様々です。

そこでまずは志望する大学院の過去問を入手しその出題傾向を把握してください。

基本的には各大学院のホームページから過去問はダウンロードできます(ただし東京大学に関しては文学部複写センターでの購入が必要になります)ので少なくとも3年分程度は入手しておくと良いでしょう。

2 小論文で取り上げられる可能性の高いテーマについての知見を得る

実際に試験で取り上げられるテーマについての知見がなければ小論文の内容は薄いものになってしまいます。

そこで1で把握した出題傾向から、受験年度に聞かれる可能性が高いであろうテーマについての知見を広げておくことが必要です。

例えば時事問題を多く出題する大学院の受験を予定しているのであれば「日本の論点」(文芸春秋)など時事問題をコンパクトにまとめた書籍を読んで自分の考えを整理しておくといいでしょう。

3 実際に小論文を書くトレーニングをする

テーマについての知見を有していることと、そのことについての意見を表現できなければ小論文試験は突破できません。

そのため実際に小論文を書いてみて、自分の意見を表現するトレーニングをすることが必要です。

具体的には2で読んだ本の中からテーマをピックアップしたうえで、そのテーマについて1500字程度で自分の意見をまとめるトレーニングをしてみることをおすすめします。

4 書いた文章を人に読んでもらう

小論文試験では「自分の意見を相手に伝えたい」と思うがあまり、世にある反対意見を無視した独りよがりな文章になりがちです。

それでは説得的な文章にはなりません。

そこでそのような独りよがりな文章になっていないか自分以外の人にチェックしてもらうべきです。

具体的には同じ大学院を目指す友人に読んでもらう、予備校の講座を利用して添削をしてもらうなどの方法が考えられます。

また小論文は明確な採点基準がなく、その対策をしていても自分が合格レベルに達しているのかがわかりにくいという特徴があります。

そのため一度は専門的な知識のある人に小論文を読んでもらい、アドバイスをもらう機会を設けることをおすすめします。

※関連コラム:法科大学院(ロースクール)入試の対策・試験科目・勉強方法を解説

小論文学習のスケジュール

法科大学院未修コースの入学試験では、

①小論文対策
②志望理由書の作成
➂面接試験

の対策をする必要があります。

特に未修者試験では募集人員を出願者が大幅に上回る大学院が多いです。

そのような大学院では志望理由書によって第一次選抜(いわゆる足切り)を実施しています。

そのため志願理由書の対策も全く手を抜けない状況にあり、小論文、志望理由書、面接対策すべてに全力を尽くすためのスケジュール管理が重要になってきます。

そこで、ここではそのようなスケジュールについての一例を紹介したいと思います。

まず志願理由書は願書と共に小論文試験の1か月程度前に大学院に提出します。

そのため、その時期には志願理由書の対策に時間が割かれる可能性が高く、それ以前から十分な小論文対策をするべきです。

また、面接試験は小論文試験と同日もしくは近接した日程で行われることが多いため小論文式試験の対策と並行して行う必要があります。

もっとも、面接で聞かれる内容は志願理由書で書いたことや小論文対策として学んだ内容と重複する場合も多いので、面接独自の対策のために費やす時間は、比較すると短く済むと思われます。

以上勘案すると以下のようなスケジュールで学習を進めていけると理想であると考えます。(※スケジュールはあくまで一例です。)

試験6か月~4か月前

小論文対策:主に大学院の出題傾向の分析と、小論文を作成するのに必要となる知識を身に着けること

試験4か月前~2か月前

小論文対策:小論文を実際に書き、添削を受けることを繰り返す

面接対策:小論文で書いた内容を口頭でも説明できるようにしておく

志願理由書対策:志願理由書のアウトラインを作成する

試験2か月前~1か月前

小論文対策:小論文を実際に書き、添削を受けることを継続する

面接対策:志願理由書の内容を口頭で説明できるようにしておく

志願理由書対策:志願理由書を作成し、願書と共に提出する(提出前に一度添削を受けるとよい)

試験1か月前~試験本番

小論文対策:小論文を実際に書き、添削を受けることを継続する

面接対策:予備校の先生やチューター、志望する大学院に入学した先輩等の協力を仰ぎ、実際の面接のデモンストレーションをしてもらう

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この記事の監修者 谷山 政司 講師

谷山 政司 講師

平成23年度に(新)司法試験に合格後、伊藤塾にて主に予備試験ゼミを中心とした受験指導業務を担当。
谷山ゼミ受講者のうち、およそ70名ほどが予備試験に合格。谷山ゼミ出身者で、最終的な予備試験の合格率は7割を超える。

自身の受験経験だけでなく、答案の徹底的な分析やゼミ生への丁寧なカウンセリングの結果確立した論文作成ノウハウをもとに、アウトプットの仕方はもちろん、インプットの仕方までをも指導するスタイルは、ゼミ生の圧倒的支持を受けた。

また、期をまたいだゼミ生の交流会等を定期的に行うなど、実務に出た後のフォローも積極的に行っている。

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ブログ:「谷山政司のブログ」
Twitter:@taniyan0924

 

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