法科大学院入試においてGPAは重要な評価要素のひとつですが、大学院によって配点・取り扱いは大きく異なります。

GPAを一次選抜の足切りに用いる大学院がある一方、GPAの比重を明示しないケースや、GPAよりも筆記試験を重視するケースもあります。

GPA以外の要素で挽回できる可能性もあるため、自分の状況に合わせた対策が重要です。

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法科大学院(ロースクール)入試におけるGPAとは

法科大学院(ロースクール)入試にGPAは関係ない?入試でのGPAの取り扱い傾向4つも紹介

法科大学院入試におけるGPA(Grade Point Average)とは、特定の方式によって算出された成績評価値を指し、多くの大学院で合否判定の資料として用いられています。

大きく分けると、事前に提出した書類で一次選抜が行われ、一次選抜の合格者が二次選抜を受験し最終合格者が決まるという方式をとるものと、志願者全員に筆記試験を科し事前に提出した書類との総合評価で合否を決めるという方式があります。

そして多くの法科大学院では合否判定の資料としてGPAが用いられています。

例えば東京大学法科大学院(既修)の入学試験概要では、以下のように記載があり、一次選抜、二次選抜ともに学部成績が評価対象になっていることが分かります。

第1段階選抜では外国語の能力及び学業成績等を総合的に審査し、第2段階選抜では入学願書、外国語の能力、学業成績及び筆記試験(法学未修者は総合問題、法学既修者は法律科目問題)の成績を総合的に審査することによって、問題発見能力、論理的思考力、文章作成能力、語学力等を評価し、上記の学生像に合致するかが総合的に判定される。

※出典:令和8(2026)年度 東京大学大学院法学政治学研究科法曹養成専攻 専門職学位課程(法科大学院)学生募集要項

法科大学院入試のGPA足切り基準と一次選抜の突破ラインは?

一次選抜ではGPA以外の書類も含めての総合的な審査が行われることが多いため、「GPAが○○以上であれば確実に一次選抜を突破できる」と明記している法科大学院はありません。

そのため法科大学院入試においては、一次選抜で足切りとなるリスクも考慮したうえで、複数の受験校を検討しておくことが重要です。

参考として東京大学法科大学院(法学既修者)過去6年の一次選抜結果を掲載しておきます。

年度出願者数(人)合格者(人)
2025年度572473
2024年度598480
2023年度493429
2022年度478428
2021年度506432
2020年度453409
※参考:東京大学法科大学院(法学既修者)過去6年の一次選抜結果

法科大学院の入試合否にGPAは関係ない?配点割合4パターンを紹介

各法科大学院のGPAの取り扱いは①書類審査の割合を明示していない②書類審査全体の比重を明示している③GPAのみの比重を明示している④特にGPAを重視している、の4パターンに分かれます。

自身のGPAに応じた受験校選びの参考にしてください。

1.書類審査の割合を非公表としているパターン

まずGPAを含む提出書類が合否判定の資料になることは明らかにされていますが、その割合は明らかにされていない場合があります。

例えば早稲田大学法科大学院(一般選抜・2年短縮過程)入学者選抜試験要綱では以下のような記載がされています。

一般選抜(法学既修者試験)では、①出願書類による書類審査、②志願者全員に課される法律科目論述試験の成績を総合的に評価し、合格者を決定します。この試験では、法律学の能力を確認することに主眼が置かれるため、②の法律科目論述試験の成績が最も重要視されます。また、①の提出書類において法律能力を証明する資料を提出した場合も特に評価されます。
① 書類審査 進学調書,申述書,大学・大学院成績,能力証明資料,推薦状の各書類を基に総合的に 審査します。
② 民法、刑法、憲法、民事訴訟法、刑事訴訟法、商法の6科目について、本学独自の
法律科目論述試験を実施します。配点は民法120点、刑法100点、憲法80点、
民事訴訟法80点、刑事訴訟法80点、商法80点とし、計540点として審査します。
※審査結果に関する問い合わせは一切受け付けません。

※引用:2026年度早稲田大学大学院法学研究科法曹養成専攻(法科大学院)

2.書類審査全体の配点を公表しているパターン

次は書類審査の評価における割合が明示されている法科大学院を紹介したいと思います。ただし、書類審査の中でのGPAの割合については明示されていません。

例えば令和9年度日本大学法科大学院(法学既修者・一般選抜)の入学試験概要では以下のように書面審査の配点が明示されています。

区分点数
憲法100点
民法 100点
刑法 100点
面接150点
書類審査50点
合計500点
令和9年度日本大学法科大学院(法学既修者・一般選抜)の入学試験概要

1 憲法・民法・刑法の全科目について,それぞれ最低基準点(50点)を設けます。1科目でもその最低基準点を下回る場合(未受験を含む)は,他の選抜方法の成績にかかわらず不合格とします。
2 面接について,最低基準点(100点)を設けます。最低基準点を下回る場合は,他の選抜方法の成績にかかわらず不合格とします。面接の参考資料として出願書類を使用します。

※出典:日本大学大学院法務研究科

3.GPA(学部成績)の配点を直接公表しているパターン

書類審査という大きな括りではなくGPAのみの比重を明示している法科大学院もあります。

明治大学法科大学院(一般選抜入試・法学既修者コース)の入試要綱では以下のようにGPA(学部成績)の配点が明示されています。

 法学既修者コース
選考項目配点
筆記試験憲法60 点
民法60 点
刑法60 点
商法40 点
民事訴訟法40 点
刑事訴訟法40 点
書類選考学業及び社会的活動10 点
資格15点
法曹としての資質・意欲・将来性40 点
合計365点
※参考:明治大学法科大学院2026年度入学試験概要

4.配点比率が高くGPAを特に重視しているパターン

関西学院大学法科大学院の早期卒業見込者試験では筆記試験350点、学部成績200点と配点からGPAを重視していることが伺えます。

入試形態入試区分筆記試験面接試験学部成績特性・加点合計点
既修者早期卒見35020010550
卒見350100450
新卒35050400
既卒350350
未修者早期卒見2005015010400
卒見20050100350
新卒2005050300
既卒20050250
※出典:関西学院大学司法研究科「入試の概要・入試日程」

法科大学院入試でGPAに自信がない場合の対策

GPAに自信がない場合は合否判定におけるGPAの割合が低い法科大学院を受験するという戦略をとることになるでしょう。

これは当然の戦略に思えるかもしれませんが、実際には法科大学院はたくさんあり、すべての法科大学院の入試要項に目を通すのは大変な作業です。
そこまで深く調査せず受験校を決められる方もいると思います。

そのなかで、自分にとって有利な選抜基準を持つ法科大学院を選べるかどうかが、合否に大きく影響します。

そのため、GPAに自信がなくても諦めず自分にとって有利な法科大学院を選びましょう

まとめ

法科大学院入試においてGPAは重要な評価要素のひとつですが、大学院によって配点・取り扱いは大きく異なるのが実態です。

GPA以外の要素で挽回できる可能性もあるため、GPAに自信がない場合は合否判定におけるGPAの割合が低い法科大学院を受験するという戦略をとるなど、自分の状況に合わせた対策が重要です。

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この記事の著者 富川 純樹 講師

富川 純樹 講師


2010年 神戸学院大学法学部卒業
2013年 関西学院大学法科大学院(未修コース)卒業
2017年~2018年 関西学院大学法科大学院にて指導

関西学院大学法科大学院(未修)を卒業後,平成27年に司法試験に合格(69期)。
アガルートアカデミーでは,ラウンジ(個別指導)や受験生の受講相談も担当している。

富川講師の紹介はこちら

Twitter:@dsx79079

 

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