予備試験に合格する以外で司法試験を受験するには、法科大学院(ロースクール)に通わなければなりません。

しかし、社会人の方など、必ずしも平日に法科大学院に通う時間がとれない方もいらっしゃるかと思います。

社会人で法科大学院受験を目指している人向けに、法科大学院の入試内容や社会人でも通える夜間コースがある法科大学院を紹介します。

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社会人が法科大学院を目指すには?

これまで法律の勉強をしたことがない方は、法科大学院の未修者コース(3年)に入学することになります。

法科大学院には全日制だけでなく夜間も併設している場合がありますが、その数はとても少なく、また修了するまで通常よりも長い時間かかってしまいます。

しかし、仕事をしながら法科大学院に通うことが出来るという大きなメリットもあります。

法科大学院に働きながら通える?仕事と両立可能?

法科大学院には働きながらでも通えるや夜間コースがありますが、法科大学院と仕事の両立はとても難しいです。

なぜなら、法科大学院の勉強はハードなので、仕事との両立は時間的制約がかなり厳しくなってしまうからです。

しかし、この点はどのような仕事をしているかによってかなり変わってきます。

たとえば、平日フルタイムで働いている方は夜間の法科大学院に通うしかありませんが、そうなると土曜日は1日中授業で日曜は復習に追われることになります。

したがって、気長に楽しんで勉強をするくらいの心構えでないと苦しいかと思います。

他方で、ある程度時間の融通が利く自営業の方などは、夜間ではなく全日制の法科大学院に通うことをおススメします。

夜間のコースのある法科大学院(ロースクール)一覧

全国にある、夜間の法科大学院一覧は以下の通りです。
夜間のコースでは、平日夜に開講する授業を履修しつつ、通常よりも長い年数をかけて、
法科大学院を修了することになります。

 

もし、通いたい学校が見つかった方は、上記のリンクから、詳細を確認してみてください。

夜間のコースがある法科大学院は、日本大学法科大学院・筑波大学法科大学院・琉球大学法科大学院の3です。
(琉球法科大学院のみ、「夜間コース」という名称を用いています。)
福岡大学法科大学院も募集していましたが、2024年度入学者選抜以降、一時停止しています。

なお、以前は募集を行っていた甲南大学法科大学院は2019年度以降募集を停止。
成蹊大学法科大学院は2021年度に廃止されています。

夜間コースがあるのは、一部の地域のみ!通えない人には、通信講座がおすすめ

法科大学院 夜間 社会人 通信講座

上記の通り、夜間コースを設けている法科大学院は少なく、通えるのは一部の地域の方のみです。
社会人など、学習時間が限られている方、夜間の法科大学院に通いたいけれど難しい方には、通信講座で学習し、予備試験を受けることをおすすめします。
予備試験に合格すれば、法科大学院卒業と同様に司法試験の受験資格を得ることができます。
予備試験を目指す方向けの主な通信講座は以下の通りです。

通信講座・予備校名 アガルート LEC 資格スクエア 伊藤塾 辰巳法律研究所
代表的なカリキュラム価格 約37.4万円〜99.8万円 約65.6万円~139.2万円 約76万円 約117.8万円~149.9万円 約39.8万円~149.3万円
無料体験
割引制度
返金制度 × ×
特徴 ・予備試験合格で全額返金
・業界最大級の講師陣
・受講生同士の質問機能あり
・4校舎で生講義も実施
・デジタル教材
・電話で学習相談あり
・リーガルトレーニングあり
・塾長直々のクラスあり
・講師1人が全科目一貫指導

アガルートの予備試験対策講座なら、最短ルートで合格を目指せる

時間がない社会人の方、夜間の法科大学院に通いたいけれど、近くに夜間コースがある学校がない方におすすめしたいのが、アガルートの「予備試験最短合格カリキュラム」です。

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最短合格を目指す「凝縮されたカリキュラム」

アガルートの予備試験最短合格カリキュラムは、今から学習を始める方を対象として、予備試験合格を目指すことを目的としています。
合格に必要な知識、ノウハウを習得するための講座をすべて凝縮させた上に、短時間で学習を終えられるようにコンパクトにまとまっていますので、とにかく早く合格したい方におすすめです。
【2026・2027年合格目標】司法試験|予備試験最短合格カリキュラム
【2025・2026年合格目標】司法試験|予備試験最短合格カリキュラム

オンライン添削や質問制度も活用できる

アガルートの予備試験最短合格カリキュラムでは、オンライン添削や質問制度もあるため、学習をスムーズに進めることができます。
また、その他にも以下のようなフォロー制度を利用することができます。

・学習サポーター・・・学習相談
オフィスアワー・・・オンラインで講師に質問
・ホームルーム
・・・アンケートをベースにした毎月1回のホームルーム
・合格ハンドブック・・・カリキュラムの進め方のガイドブック)
バーチャル校舎・・・仲間と一緒にバーチャル空間で学習
(※2026・2027年合格カリキュラムの場合の例)

フォロー体制が充実しているため、一人で悩まず最後までモチベーションを維持して学習を続けることができます。

合格したら、全額返金!

アガルートでは、予備試験最短合格カリキュラムを受講後、予備試験に合格された場合、講座料金の全額返金を行っています。
つまり、実質無料で予備試験合格を目指せることになりますので、費用面でお悩みの方にもおすすめです。

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講座やテキストが自分に合っているか不安という方は、無料体験から始められることをおすすめします。
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夜間のコースに入学して司法試験に合格するのは厳しいルート

法科大学院の夜間コースに入学することはあまりおススメできません。

まず、夜間コースは仕事をしながら法科大学院に通うということになるため、プライベートの時間がほとんど取れません。

そして、筑波大学法科大学院のように、夜間に特化した法科大学院で、ある程度人数もいるところは別かもしれませんが、夜間コースは基本的にはイレギュラーなコースです。
そのため、必ずしも最良の教育が受けられるとは言い切れません。

高い学費を払い、少ない時間を削り忙しなく勉強したとしても、結果を出すのはかなり難しいといえるでしょう。

実際に、夜間のロースクールを修了した場合の司法試験の合格率はかなり低いです。

だからといって社会人の方に法曹の道を諦めろといっているわけではありません。

司法試験を受験するためには、法科大学院を修了する以外にも、予備試験に合格するという方法があります。

予備試験は司法試験と異なり受験資格の制限がないため、誰でも受けることができます。

予備試験合格者の司法試験合格率は90%程度にものぼります。
つまり、予備試験であれば、社会人にも等しく受験のチャンスがあり、かつ合格すれば司法試験合格に一気に近づけるのです。

※関連コラム:予備試験とは?

現在では予備試験も過去問の蓄積があり、独学でも合格することが可能です。
また、予備校であれば予備試験受験に関する充実したノウハウを有しています。

そして、忙しい社会人にとっては仕事の合間を縫って法科大学院に通うより、自宅での独学や、予備校のオンライン授業の方が時間を有効活用出来るといえます。

夜間コースを検討されている方は、予備校や独学での予備試験受験についても前向きに考えてみることをおススメします。

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夜間コースがある法科大学院の特徴・概要

ここでは、簡単に各法科大学院の特徴をご紹介します。

日本大学大学院 法務研究科

水道橋駅にキャンパスを構えるロースクールです。

令和元年度司法試験では、14名が合格するという実績を有しています。

1学年の人数は60人程度であり、今回紹介するロースクールの中では比較的規模が大きいといえます。

日本大学法科大学院の令和5年の司法試験は、受験者数86名、合格者数12名、合格率14.0%という結果でした。

日本大学大学院 法務研究科
住所:東京都千代田区神田三崎町2-3-1(日本大学法学部キャンパス内)
最寄り駅:各線水道橋駅から徒歩4分 各線神保町駅から徒歩5分
公式HP:https://www.law.nihon-u.ac.jp/lawschool/index.html

【日本大学法科大学院】社会人でも夜間に通える!卒業生が語るリアルなロースクールライフとは?

筑波大学法科大学院

筑波大学法科大学院は筑波ではなく東京の茗荷谷にあります。

筑波大学法科大学院は夜間コースのみを設置していることが大きな特徴です。

したがって入学者は基本的に社会人です。

1学年45名程度の学生が在籍しており、そのほとんどは未修者です。

筑波大学法科大学院の令和5年の司法試験は、受験者数51名、合格者数17名、合格率33.3%という結果でした。

■筑波大学法科大学院
住所:東京都文京区大塚3-29-1(筑波大学東京キャンパス文京校舎)
最寄り駅:東京メトロ丸ノ内線 茗荷谷駅から徒歩3分
公式HP:https://www.lawschool.tsukuba.ac.jp/

琉球大学法科大学院

平成31年度(令和元年)より、既修者コースでのみ夜間コースが設置されています。

大学卒業後3年以上経過している社会人であり、さらに昼間就労している有職者のみが対象です。

琉球大学法科大学院の令和5年の司法試験は、受験者数34名、合格者数3名、合格率8.8%という結果でした。

■琉球大学法科大学院
住所:沖縄県中頭郡西原町字千原1番地(千原キャンパス内)
公式HP:http://web.law.u-ryukyu.ac.jp/

福岡大学法科大学院(※夜間コース一時停止中)

上記の2校と異なり、福岡大学法科大学院は東京ではなく、福岡県福岡市にあります。

ほとんどすべての入学者が法学未修者であることが大きな特徴です。

そして夜間コースは未修者コースのみに設置されています。

平日受講できるコマ数が1時限のみであり、また土曜は午前中の2時限のみ授業を開講しているため、修了までに5年の期間を要します。

福岡大学法科大学院の令和5年の司法試験は、受験者数21名、合格者数2名、合格率9.5%という結果でした。

■福岡大学法科大学院
住所:福岡県福岡市城南区七隈8-19-1(七隈キャンパス内)
最寄り駅:福岡市地下鉄七隈線 福大前駅から徒歩8分
公式HP:https://www.ilp.fukuoka-u.ac.jp/

夜間コースのある法科大学の司法試験合格率一覧【令和5年】

夜間コースのある法科大学院の令和5年度司法試験受験者・合格者・合格率を紹介します。

合格率が大きい大学から順に紹介します。

大学名受験者数(人)合格者数 (人) 合格率
筑波大学511733.3%
日本大学8612 14.0%
福岡大学2129.5%
琉球大学3438.8%

令和5年度司法試験で合格率が最も高い夜間コースのある法科大学院は、筑波大学の受験者数51人に対し、合格者数17人、合格率は33.3%です。

続いて日本大学の14.0%、福岡大学の9.5%、琉球大学の8.8%となっています。

令和5年度の法科大学院全体における司法試験の平均合格率は40.6%のため、筑波大学の司法試験合格率33.3%は低くない数字と言えます。

社会人で司法試験合格を目指す方は夜間コースのある法科大学院に進学することも検討するのはいかがでしょうか。

夜間コースの基本情報

夜間コースの時間割

大学院によりますが、夜間コースでは、大体平日18時頃からの1~2コマと、土曜日の授業を履修することになります。

したがって、社会人の方はプライベートの時間がほとんど取れなくなってしまうでしょう。

在学年数

平日に履修できる授業が少ないため、在学年数は通常より長くなります

基本的には既修者であれば3年、未修者であれば4年ということになります。

もっとも、福岡大学法科大学院の夜間コースは5年間のコースになります。

学費

学費は、夜間の授業しか受けないからといって特別に低額になるということはないようです。

なお、福岡大学は夜間コースの学費を通常のコースと比べて低廉に設定していますが、在籍年数が長くなるため、結果的には通常のコースの学費とあまり変わりません。

入試

入試問題は夜間コースに特別のものが用意されているわけではありません。

未修者は小論文、既修者は法律論文の試験を受験することになります。

社会人入試特別枠が設けられている法科大学院一覧

法科大学院の中には、社会人入試特別枠を用意している法科大学院もあります。
社会人入試特別枠とは、一般の入試よりも試験科目が少ないなど、社会人を幅広く受け入れるために設けられた入試枠です。試験の形式や条件は、各大学院によって様々です。
上で挙げた夜間ロースクール以外は日中授業のため、仕事を辞めて、法科大学院に入学せざるを得ないケースがほとんどですが、これから法曹を目指したい方はこちらも検討するといいでしょう。

法科大学院名社会人枠の人数特徴・備考
筑波大学法科大学院36名夜間・土曜に通学できる社会人大学院
東京大学法科大学院概ね5名社会人経験3年以上の人が対象
創価大学法科大学院2名大学卒業後1年以上の社会人経験を有する人が対象
金沢大学法科大学院3名事前提出課題あり。
大学卒業または大学院修了後1年以上が経過しており,そ
の間に学業以外の活動に従事した経験を有する者が対象。(学業以外の活動に1年以上従事
した後に大学へ入学した場合は,大学卒業または大学院修了後1年未満であっても
出願資格を満たすものとする。)
名古屋大学法科大学院概ね5名書類審査及び口述試験で選抜
愛知大学法科大学院記載なし小論文、口述試験及び、出願書類にて選抜
立命館大学法科大学院若干名社会人としての実務経験が3年以上の者が対象
同志社大学法科大学院記載なし面接試験による評価、自己推薦書等の出願書類
大阪大学法科大学院7名程度官公庁・会社等における勤務経験や自営業者としての経験等、通
算して3年以上在職した経験を有する者が対象。
書類選考、小論文、口述試験により選抜。
関西大学法科大学院若干名官公庁・会社等における勤務経験、自営業者としての経験等が出願時に合計3年以上ある者が対象。
書類審査、小論文、面接が行われる。
神戸大学法科大学院他学生特別入試と併せて5名程度大学卒業後1年以上の社会経験を有する者が対象。
書類審査と口頭試問により選抜。
福岡大学法科大学院記載なし25歳以上の者で、3 年以上の社会経験を有する者が対象。
小論文、面接、その他資料にて評価。

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