社会保険労務士(以下、社労士)と行政書士は仕事の内容や試験科目、難易度などが異なる資格です。

2つの資格の違いがわからない方やどちらの資格が自分に合っているか知りたい方は、このコラムを見て違いを理解しましょう。

また、社労士と行政書士のダブルライセンスを取得するメリットについても解説します。

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社労士と行政書士の違い

社労士と行政書士の違い

社労士と行政書士は同じ国家資格ですが、活躍する分野が異なります。

年収は、圧倒的に社労士が高いという結果でした。

比較社労士行政書士
専門分野労働問題のエキスパート頼れる街の法律家
仕事内容・行政機関へ提出する書類の作成、申請の代行
・労働の帳簿の作成
・労働に関する相談、アドバイス
・行政機関に提出する許認可等の書類の作成
・権利義務又は事実証明に関する書類の作成
・書類の作成に関する相談
年収903.2万円591万円

社労士の仕事内容

社労士は、労務管理のエキスパートです。

仕事内容は、おもに3つあります。

  1. 行政機関に提出する労働社会保険諸法令に基づく申請書、届出書、報告書などの作成や代行
  2. 労働社会保険関係法令に基づく帳簿書類の作成
  3. 労務管理や社会保険に関する相談、指導

上記で挙げた社労士のお仕事のうち、1と2の分野が独占業務となっています。

行政書士の仕事内容

行政書士は、「頼れる街の法律専門家」と呼ばれる専門家です。

仕事内容は、おもに3つあります。

  • 行政機関に提出する許認可等の書類の作成
  • 権利義務又は事実証明に関する書類の作成
  • 書類の作成に関する相談

少し市街地を散策すると、行政書士事務所は街のいたるところにあり、地域と密接に関わる仕事です。

※関連記事:行政書士とは?仕事内容・なり方・試験概要までまとめて解説!

社労士と行政書士、難易度が高いのはどっち?

社労士と行政書士の試験では、社労士試験の難易度の方が高いです。

科目等が違うので単純に比べられるものではありませんが、受験資格や試験内容、合格率、勉強時間のを比較すると、社労士のほうが挑戦するハードルは高くなっています。

資格名社労士行政書士
受験資格ありなし
試験内容深く狭く浅く広く
合格率6~7%10~13%
勉強時間1000時間500~1,000時間

受験資格の比較

社労士試験の受験資格

社労士試験の受験資格は、下記の3つのうちひとつを満たすことです。

  • 学歴…大卒、短大卒、4年生大学で62単位以上取得など
  • 実務経験…社労士事務所に3年以上従事など
  • 試験合格…行政書士試験に合格など、厚生労働大臣が認めた国家試験に合格

行政書士試験の受験資格

行政書士試験に受験資格はなく、誰でも受験することが可能です。

試験内容の比較

社労士の試験内容

択一式と選択式問題が出題され、全てマークシートでの解答となります。

各科目に合格基準点が設けられており、どれかひとつでも基準点を下回った場合には全体の点数が合格点を上回っていても、不合格になります。

行政書士の試験内容

行政書士はマークシート式の択一式に加え、40字程度の記述式が採用されています。

試験範囲は以下のとおりで、さまざまな分野の知識が必要です。

  • 憲法
  • 行政法
  • 民法
  • 商法
  • 基礎法学
  • 一般知識(政治・経済・社会、情報通信・個人情報保護、文章理解)

社労士が「深く狭く」なら、行政書士は「浅く広く」という差があるといえるでしょう。

行政書士試験にも基準点が設けられており、総合得点が合格点を上回っていても基準点に満たない分野があれば不合格となります。

合格率の比較

社労士試験の合格率

社労士試験の合格率は、おおよそ6~7%で推移しています。

行政書士試験の合格率

行政書士の合格率は、おおよそ10~13%で推移しています。

社労士試験よりは高いですが、行政書士試験も10人に1人しか合格できない難しい試験です。

行政書士試験は絶対評価であり、300点満点中180点を取れば合格となります。絶対評価のため、その年度の問題の難易度や受験生の質により合格率が異なる点に注意しましょう。

勉強時間の比較

社労士試験合格までに必要な勉強時間

社労士試験の合格までに必要な勉強時間は、1000時間が目安と言われています。

特に社会人でこれから社労士を目指す場合、働きながら勉強をする必要があります。

そのため、勉強範囲を絞って学習し、最短で合格を目指せる通信講座を活用するのがおすすめです。

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行政書士試験合格までに必要な勉強時間

行政書士試験の合格に必要な勉強時間は、500~1,000時間が目安といわれています。

社労士よりはやや短期間で合格を目指せるものの、難関資格ということもあり長期の学習が必要です。

アガルートでは行政書士講座も提供しているため、短期合格を目指す方はチェックしてみてください。

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社労士と行政書士、どちらの資格を取得したらいい?

続いて、社労士と行政書士が向いている人の特徴を紹介します。

社労士に向いているのはこんな人

・労務管理のお仕事をしたい人

社労士の仕事は、おもに企業を相手に労務管理をすることです。

そのため、労務管理に興味がある、労務管理のお仕事を目指したい方におすすめします。

・勉強時間を確保できる人

社労士試験は1000時間の勉強時間を要する試験である一方、取得すれば生涯の職業にできる職業です。

勉強時間をしっかり確保できる方はおすすめです。

行政書士に向いている人

・行政に携わる仕事をしたい人

行政書士の仕事は、個人や企業を相手に行政への文書を書くことです。

この分野に興味がある人や、行政に携わりたいと考える人におすすめします。

・幅広い法律の知識を持ちたい人

行政書士試験では、憲法や民法といった基本的な法律を勉強します。

また、依頼者の相談に乗る中で試験科目以外のさまざまな法律を学ばなくてはなりません。

幅広い法律知識を得ることができるので、幅広い法律知識を身に着けたい人におすすめです。

・この資格を第一歩としたい人

行政書士は司法書士などの他の国家試験と試験科目が重複し、浅く広く勉強します。

そのため、行政書士を勉強することで他の資格の勉強に活かすことが可能です。

この資格の他に他の資格を目指す人におすすめします。

社労士と行政書士のダブルライセンスを目指すメリット

社労士と行政書士の両方を取得するのは、将来性が高い最強のダブルライセンスだと考えられます。

社労士と行政書士のダブルライセンスのメリットは以下の通りです。

相互の資格で補完しあえる

2つの資格はお仕事の領域が異なるため、片方の資格をとっても、他方に生きることはないようにも思えます。

しかし、領域が違うからこそ使える資格なのです。

例えば、新規の建設会社を設立する際、行政書士として会社の設立に必要な許可の申請書の提出ができ、その後従業員を雇い入れる際には社労士として社会保険関係の書類の申請をすることができます。

具体的に言うと、法人の場合、社会保険は強制加入です。

これは社長一人の会社であってもです。

営業許可の申請など法人設立に関する書類は行政書士として作成、申請を行い、社会保険の新規適用の手続きや各種助成金の申請は社労士として行います。

本来であれば社労士と行政書士の2人が必要な事務を1人ですることができ、収入につながります。また、会社からしても担当を変更せずに頼ることができるので、安心して幅広いお仕事を任せることができます。

年収アップに繋がり収入が安定する

社労士と行政書士のダブルライセンスの場合、セールスポイントが増え営業がしやすいといえます。また、お仕事のできる範囲が広く、1つの資格しか所持していない人より依頼が舞い込みやすいといえ、収入が安定するといえます。

どのように働くかの選択肢が増える

行政書士の場合、選択肢はほぼ独立開業に限定されます。そうすると営業の効果が出るまでの収入が乏しく最初のうちは苦労が絶えないと思います。

一方、社労士は独立開業だけでなく、企業や事務所に勤務をする勤務社労士としての道があります。

しばらくは勤務社労士として仕事をし、仕事のノウハウを学び、その後ダブルライセンスでの独立を考えるというのも良いかもしれません。

いずれにせよ、ダブルライセンスであれば、その後の働く選択肢を増やすことができます。

※関連コラム:社労士におすすめのダブルライセンス9選!取得するメリットを簡単に解説

社労士と行政書士ならどっちが先?取得する順番

社労士と行政書士、どっちを先に取得するべきか順番に悩んでいるのであれば、「行政書士」を先に取得することがおすすめです。

社労士には受験資格があり、高卒では基本的に受験することが出来ません。

しかし、行政書士などの一部国家資格を保有していれば、高卒であろうとも社労士試験を受験することが可能です。

そのため、社労士の受験資格を得る目的で、行政書士を受験する人は一定数存在しています。

行政書士を取得することで科目免除があるなどはないですが、事前に法律系の知識が入ることで、社労士の勉強の導入がスムーズに進むというメリットもあります。

まとめ

ダブルライセンスについて知っている部分もあれば、知らなかった部分もあったのではないでしょうか。まとめると、以下の通りになります。

  • 社労士と行政書士は同じ国家資格だが、活躍する分野が違う
  • 試験の難易度はやや社労士の方が高い
  • 社労士と行政書士の両方の資格を得るとメリットがたくさんある
  • 社労士の受験資格を得るために行政書士を取得する人もいる

社労士と行政書士は1つの資格でも魅力的ですが、ダブルライセンスも更に魅力的な資格です。

両方を取得し、ダブルライセンスのメリットを享受することも含めて検討してみてはいかがでしょうか。

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※2027年合格目標

この記事の監修者 竹田 篤史講師

2003年に行政書士試験に合格。
翌年の2004年に社会保険労務士(社労士)試験にも合格する。
2017年に司法書士試験に合格し、2019年にアガルートに入社し講師を担当。

社会保険労務士事務所、司法書士法人勤務後、大手資格予備校にて受講相談、教材制作、講師の担当経験あり。
これまで、ほぼ独学で行政書士試験、司法書士試験に合格し、社会保険労務士試験には一発で合格。
自らの受験経験で培った短期合格のノウハウを余すところなく提供する。

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