国家試験である社会保険労務士試験(以降、社労士試験)は誰でも受験できる試験ではなく受験資格があります。

受験資格は、主に『学歴』『実務経験』『厚生労働大臣の認めた国家試験合格』の3つに分けられ、いずれか1つを満たしている必要があります。

また申し込み時には、満たしている受験資格に合わせて『受験資格証明書』を提出しなければなりません。

例年、申込みの段階になって初めて受験資格の存在を知り、受験することができませんでした……という方が、いらっしゃいます。

そこで、社労士試験の勉強を始める前に、社労士試験に設けられている『受験資格』『受験資格証明書』について確認しましょう。

令和4年度の社労士試験合格率27.37%!全国平均の5.16倍!

資料請求で社労士試験対策ができる講義とテキストを無料でプレゼント!

 ・判例解説付!80ページのフルカラーテキスト

 ・【2023年・2024年合格目標】「労働基準法」講義まとめて約6.5時間

2分で簡単無料体験(会員登録→お申込み→視聴)!

20日間無料で講義を体験!

社会保険労務士試験の受験資格

社会保険労務士試験を受験するためには、下記の3つのうち、いずれか1つの要件を満たしている必要があります。

①学歴要件
②実務経験
③厚生労働大臣の認めた国家試験合格

※出典:受験資格について | 社会保険労務士試験オフィシャルサイト

①学歴要件

社労士試験を受験するための学歴要件は、原則として短大や大卒、高等専門学校卒の学歴が必要となります。
大学の場合は、62単位以上修得している場合は受験資格を満たします。また短大や専修学校の場合も一定の要件を満たした場合は受給資格が与えられます。

②実務経験

以下の実務経験がある場合は社労士の受給要件を満たします。
・公務員として3年以上従事
・社労士や弁護士の補助に3年以上従事
・事業を営む個人として労働社会保険諸法令に関する事務に3年以上従事

実務経験が社労士の受給要件を満たすものなのかの判断は容易ではありません。
そのような場合は全国社会保険労務士連合会にて受給資格の有無の確認が可能です。

③国家試験合格者

厚生労働大臣が認めた以下の国家試験の合格者にも受験資格があります。

・弁護士
・公認会計士
・不動産鑑定士 など

1.学歴(大卒・短大卒・専門学校卒・など)

社労士試験の受験資格の中で、最も分かり易いのは「学歴による受験資格」です。

■一般的な大学(4年制大学)、短期大学、高等専門学校(5年制)を卒業していれば、受験資格があります。

専攻している学部や学科を気にされる方がいらっしゃいますが、学部や学科による条件はありません。

【受験資格証明書】
卒業証明書又はその写し、卒業証書または学位記の写し

■大学(※短期大学は除く)を卒業をしていない在学中の方、または大学を中退された方の場合、大学において、「学士の学位を得るのに必要な一般教養科目の学習を終了した」や「62単位以上を修得した(卒業認定単位以外の単位を除く)」を満たしていれば、受験資格があります。

ご自分の大学に履修状況を確認してみてください。

【受験資格証明書】
4年制大学の成績証明書又はその写し

■専門学校を卒業された方の場合、それだけでは条件を満たしたことになりません。

併せて下記(A)(B)のどちらかを満たしていれば、受験資格があります。

(A)卒業時に授与された「卒業証書」又は「称号授与書」に「専門士」又は「高度専門士」の 記載がある。(専門学校を平成7年以降に卒業した方が対象)

(B)修業年限が2年以上かつ課程の修了に必要な総授業時間数が1,700 時間(62単位)以上かつ専修学校の「専門課程」を修了した。(専門学校を平成6年以前に卒業した方、(A)を満たしていない方が対象)

【受験資格証明書】
(A)「卒業証書」又は「称号授与書」の写し
(B)「社会保険労務士試験 専修学校修了者 受験資格証明書」 又はその写し
※社会保険労務士試験オフィシャルサイトに用紙がPDFでありますので、卒業した専門学校から発行して貰ってください。試験センターでは確認をしてくれません。

Q.高卒でも社労士試験を受験できますか?

「高等学校の卒業(高卒)」は、社労士試験の受験資格の中には含まれていません。

(詳しくは後述しますが)「実務経験」や「国家試験合格」など、別の受験資格を取得することをご検討ください。

高卒の方だと、「行政書士」を取得後に社労士を受験するケースが多く見られます。

※関連コラム:社労士と行政書士の違いとダブルライセンスのメリットを解説

2.実務経験(職歴)

一定の職業に従事している方であれば、その職歴によって、社労士試験の受験資格を得ることも可能です。

■国又は地方公共団体の公務員として行政事務に従事した期間及び行政執行法人(旧特定独立行政法人)、特定地方独立行政法人又は日本郵政公社の役員又は職員として行政事務に相当する事務に従事した期間が通算して3年以上になる者(普通に公務員としてお仕事をされていらっしゃる方)は社労士試験を受験することができます。

■社会保険労務士法人、弁護士法人の業務の補助の事務に従事した期間が通算して3年以上になる方も社労士試験を受験することができます。

【受験資格証明書】
実務経験証明書
※社会保険労務士試験オフィシャルサイトに用紙(PDF)があります。
※実務経験証明書の記載例も載っていますので、確認してみてください。

3.厚生労働大臣の認めた国家試験合格

「学歴」も「実務経験」も満たしていない方は、「国家試験合格」によって社労士試験の「受験資格」を満たすことができます。

■司法試験予備試験、税理士試験、公認会計士試験、弁理士試験など(その他、約80の国家試験)に合格した方は、社労士試験の受験資格があります。

【受験資格証明書】
当該試験に合格したことを証する書面又はその写し

■「行政書士となる資格を有する方」も、受験資格があります。こちらは実際に行政書士として業務を行っている必要はなく、行政書士試験に合格しさえすれば問題ありません。なお、同じ法律系資格試験ということもあり、社労士と相性の良い行政書士試験に合格して、受験資格を満たすという方は多いです。

【受験資格証明書】
行政書士となる資格を有することを証する書面又はその写し

Q.宅建試験に合格しているのですが、社労士試験を受験できますか?

「宅地建物取引士試験(宅建試験)」の合格は、社労士試験の受験資格の中には含まれていません。

「学歴」や「実務経験」、他の「国家試験合格」など、別の受験資格を取得することをご検討ください。

Q.日本国籍を持っていない(外国籍)のですが、社労士試験を受験できますか?

社労士試験を受験するにあたっては、日本国籍を有していることは求められていません。

つまり、日本国籍を有していない方(外国人の方)であっても、「受験資格」を有していれば、社労士試験を受験することができます。

外国人であっても受験することができるのは、社労士試験の特徴と言ってもいいかもしれません。

※関連コラム:社会保険労務士(社労士)試験の概要

受験資格がない人向けの受験資格を得る3つの方

ここからは、社労士になりたいけど受給資格が無いという場合の対処法について説明します。

受給資格を得るための方法としては以下の3つがおすすめです。

①実務経験を3年以上積む

受給資格を得るおすすめの方法の一つ目は実務経験を3年以上積むことです。

社労士事務所によっては、社労士の資格取得を目指している人の採用を行っているケースも少なくありません
実際に社労士の業務を行いながら資格の勉強を続け、社労士の資格取得を行っている方も多数いらっしゃいます。

実務経験で受験要件を満たすためには時間がかかりますが、社労士の資格取得に向け、社労士に関わる業務を続けながら社労士の受給資格を得られるのがメリットです。

②行政書士の資格取得

受給資格を得るおすすめの方法の二つ目は行政書士の資格取得です。

社労士として活躍されている方の中には行政書士とのダブルライセンスを活かして活動されている方もいらっしゃいます。
行政書士の業務にも関心がある、将来ダブルライセンスを活かして活動していきたいという場合は、行政書士の資格取得から目指すという方法もおすすめです。

③通信制短大を卒業する

社労士の受給資格の学歴要件を満たすためには、短大や大学の卒業が必要です。

通信制短大であれば通学や学費の面での負担も抑えることが可能です。
社労士として独立を考えるのであれば法学部や経営学部での学びは役に立つでしょう。

これから社労士を目指す方へ

既に受験資格を有している方であれば、『受験資格証明書』を準備しつつ、合格に向けて社労士試験の勉強を開始してください。

受験資格を有してない方であれば、まずは受験資格を得る必要があります。

今からでも取得することのできる受験資格をご確認いただき、最終目標である「社労士試験の合格」まで頑張ってください

※本ページを参考にして頂きながらも、詳細は『社会保険労務士試験オフィシャルサイト』で必ず確認をしてください。

※『全国社会保険労務士会連合会 試験センター』には電話でお問い合わせをすることもできます。

令和4年度の社労士試験合格率27.37%!全国平均の5.16倍!

資料請求で社労士試験対策ができる講義とテキストを無料でプレゼント!

 ・判例解説付!80ページのフルカラーテキスト

 ・【2023年・2024年合格目標】「労働基準法」講義まとめて約6.5時間

2分で簡単無料体験(会員登録→お申込み→視聴)!

20日間無料で講義を体験!

この記事の監修者 池田 光兵講師

池田 光兵講師

広告代理店で、自らデザインやコピーも考えるマルチな営業を経験後、大手人材紹介会社で長年キャリアアドバイザーを経験、転職サポートを行う。

面接対策のノウハウや数々の自作資料は現在でも使用されている。

その後、研修講師や社外セミナーの講師などを数多く経験。

相手が何に困って何を聞きたがっているのかをすばやく察知し、ユニークに分かりやすく講義をすることが得意。

ほぼ独学で就業しながらも毎日コツコツと勉強し、三度目の社労士試験で合格した苦労談も面白く、また、三度やったからこそ教えられる「やっていいことと駄目なこと」も熟知している。

合格のノウハウをより多くの受講生に提供するため,株式会社アガルートへ入社。

自らの受験経験で培った合格のノウハウを余すところなく提供する。

池田講師の紹介はこちら

 

社労士試験講座を見る