「社労士試験は独学でも合格できるのか」
社労士を受けるにあたり、誰もが一度は考えるのではないでしょうか?
いざ勉強を進めると「独学は自分には厳しそうだ。予備校や通信講座を受けたほうがいいのかな」と悩みはじめていませんか?
結論から言うと、独学で合格することもできますが、それは一部の人であり、誰でも独学で受かるというわけではありません。
合格するには講座を受講するのが手っ取り早い方法と言えます。
社労士は毎年約4万人が受験する人気の国家資格です。
独学で合格を目指す人も多いのですが、途中で挫折してしまうケースが少なくありません。
なぜそれほど独学での合格は難しいのでしょうか?
このコラムでは、社労士に独学では合格するのが難しい理由と独学だと厳しい人を解説します。
社労士になるため独学で目指そうかと考えているあなた、ぜひ参考にしてみてください。
目次
社労士は独学でも合格できるが難しい
社労士試験は独学で合格できる人がなかにはいますが、実際には独学で合格することは困難です。
社労士の合格率は年によって変化するものの、例年6~7%前後であり、非常に難易度の高い資格といえます。
合格者の中には独学で合格した人もいますが、受験生の中でみるとごく一部です。
独学で合格出来る人は、実務経験があったり、法律の知識が長けていたりする方が多く、初心者である場合は合格するまで多くの年数がかかるのが一般的。
社労士試験は予備校や通信講座を受講している方でも、なかなか合格までたどり着けない試験です。
全くの実務未経験者や法律系の試験をはじめて受ける方が、独学で合格するパターンは稀であり、難しい資格といえます。
独学でも合格できるけど難しい(大変な)理由

社労士試験は独学で合格できる人も中にはいますが、ごく一部の人のみであり、多くの人が挫折してしまいます。
なぜ社労士試験が独学では合格することが難しいか、理由を以下にまとめています。
社労士試験の独学合格が難しい理由
- 勉強時間の確保が難しい
- 試験範囲が膨大な上に、毎年ある法改正や一般常識に対応できない
- 講座受講するよりもお金がかかる場合がある
- 独学だと無駄が多い
- モチベーションの維持が難しい
①勉強時間の確保が難しい
社労士試験に合格するためには、膨大な勉強時間が必要で、勉強時間が確保できないと合格は難しくなります。
一般的に社労士試験に合格するには独学の場合、最低でも1000時間程度必要と言われています。
平日1日2時間、週末5時間ずつ勉強しても1年はかかる計算です。
社労士試験の受験者は社会人が多く、厚生労働省のデータによると、合格者の半数以上が社会人であると判明しています。
働きながら勉強時間を確保することは、想像以上に大変です。
勉強のために充分な時間を確保するのはなかなか難しいでしょう。
このように、社労士試験に合格するためには多くの時間を勉強に割く必要があり、独学で勉強する人がつまずいてしまう原因の一つと言えます。
②試験範囲が膨大な上に、毎年ある法改正や一般常識に対応できない
社労士試験の特徴として、試験範囲が非常に広いことが挙げられます。
試験範囲が広いだけでなく、毎年ある法改正や一般常識対策も受講者を悩ませる種であり、独学で勉強している人が最も苦しむ箇所です。
社労士試験の試験科目は、以下の通りです。
- 労働基準法
- 労働安全衛生法
- 労災保険法
- 雇用保険法
- 労働保険徴収法
- 労働に関する一般常識
- 社会保険に関する一般常識
- 健康保険法
- 厚生年金保険法
- 国民年金法
このように試験の範囲が広く、科目ごとに細かな論点を突いてきます。
さらに、社労士試験には合計点だけでなく、科目ごとに「合格基準点」があり、合格基準点に達しない科目があると、たとえ他の科目が満点であっても不合格になってしまいます。
総合得点のみならず、科目ごとでも満遍なく点数を獲得しなければなりません。
苦手な科目を捨てることができないことが、社労士試験が難関とされる所以です。
そして、科目の中でも難関科目のひとつが「一般常識」です。
一般常識は法令の種類が多く、全てを網羅しようとすると、とてつもない時間が必要になります。
一般常識の出題範囲に限定はなく、過去問やテキストのみで対応することはほぼ不可能です。
一般常識は、
- 厚生労働省白書
- 政府の報道発表
- 総務省の統計データ、調査をまとめた報告書の報道発表
等から問題が出題される傾向があるため、これらを読み込まなくてはいけません。
膨大な資料の中から出題される箇所を見極める必要があるのですが、独学ではポイントが分からず、相当な時間を要してしまいます。
さらに、社労士試験は頻繁にある法改正も把握していなければなりません。
毎年、社労士試験の問題には法改正に関連した問題が出題される傾向にあります。
独学の場合だと法改正は自分で調べなければならず、全ての情報をキャッチするのは難しいでしょう。
このように、社労士試験は勉強する範囲が広いため、独学で全てカバーするのは難しいのです。
その点、予備校や通信講座では、過去の傾向を分析し、重要な箇所を効率良く勉強ができるようなカリキュラムが作成されています。
幅広い試験範囲を網羅するためには、独学よりも予備校・通信講座を受講する方が断然有利であり、合格率も高まります。
事実、アガルートアカデミーでは、社会保険労務士試験における受講生の合格率は25%でした。(令和2年度実績)
これは、全国平均よりも3.16倍も高い合格率となっています。
※合格率は,アガルートアカデミーカリキュラム受講生の合否アンケート集計結果により,合格者数を受験者数で除して算出しております。
③講座受講するよりもお金がかかる場合がある
独学は費用が安く済むと考えがちですが、講座受講するよりもお金がかかるケースがあります。
なぜなら試験に不合格であると、テキストを一から揃えなれけばならず、費用が倍になるためです。
社労士試験に合格するためには、最低でも以下を用意する必要があります。
- 基本テキスト
- 過去問題集(10年分)
- 模擬試験
この他にも法改正や一般常識に対応するために、適宜テキストを購入する必要もあるでしょう。
また、一般的に市販のテキストは内容が薄く、判例集などを別に購入する必要がある場合もあるでしょう。
独学の場合安く済むというのは、1年~2年の短期間で合格できる場合のみです。
合格出来なかった場合、法改正に対応するため最新のテキストを購入する必要があります。
講座を受講する場合、一見すると高額に感じるかもしれません。
しかし、上でも述べた通り効率良く学習できるため、短期間で合格する確率も高まります。
さらに通信講座は、比較的値段も安価です。
結果的に独学より効率よく合格できるだけでなく、費用を安く抑えられる可能性もあります。
このように、独学で勉強する方が費用を抑えられるとは一概には言えません。
④独学だと無駄が多い
独学での勉強は無駄が多く、非効率になりがちです。
なぜなら、多くの場合テキストを使用し勉強をしますが、勉強法が分からず、理解に時間がかかってしまいます。
難しい問題も自力で解決しなければならず、リサーチに多くの時間を費やしてしまいます。
社労士試験は試験範囲も広いため、合格するには学習スケジュールを組み、スムーズに進めなくては期限までに合格ラインには達せません。
一つの問題が解決できず、先に進めないとなると、合格は厳しくなると言わざるをえません。
一方通信講座を利用すると、合格のためのスケジュールがきっちりと組まれています。
さらに、講師に質問できる環境も整っています。質問は無料で何度も聞けるため、独学よりも圧倒的に理解が早くなります。
このような理由から独学は無駄が多いと言えます。
⑤モチベーションの維持が難しい
独学の場合、モチベーションを保つことが難しくなります。
勉強は基本的に孤独ですが、講座を受ける場合と比べて、さらに独学は孤独です。
周囲に社労士試験を受ける人はほとんどいないでしょうから、気軽に相談するわけにもいきません。
働いていると日々の業務や残業・飲み会等に時間を取られ、勉強時間の確保に一苦労することでしょう。
勉強をはじめたころはやる気があっても、時間の経過とともにモチベーションも下がり、挫折してしまう人が多いのが現実です。
講座を利用している人は高い受講料を払っているため覚悟もあり、独学の場合と比べ、はじめから歴然とした気持ちの差があります。
さらに、講座を受講すれば他の受験生と励まし合ったり、講師が受講生にカウンセリングを定期的に行ったり、と勉強へのモチベーションを維持しやすい状況を作れます。
長期間にわたる勉強にはモチベーションの維持が不可欠です。
1人ではどうしてもモチベーションの維持が難しくなってしまいます。
このような理由から、社労士試験を独学で合格するのは大変であると言えます。
※関連コラム:社労士試験の一発合格におすすめな勉強の順番とスケジュール
独学だと厳しい人の3つの特徴

社労士試験に独学で合格するのが厳しい人は以下の通りです。
- 時間の確保が難しい人
- 最短で合格したい人
- 周囲に質問できる環境がない人
一つずつ説明していきます。
①時間の確保が難しい人
勉強する時間の確保が難しい人は、独学での合格は厳しいです。
仮に、合格に必要な時間が1000時間必要とし、一年間勉強するとすれば、1日の勉強時間は
・1000時間÷365日=2.73時間
必要です。
仕事もありながら、毎日3時間もの勉強時間を捻出するのは、簡単なことではありません。
仕事だけでなく家族との時間も削る必要があるため、相応の覚悟も必要でしょう。
独学では予備校・通信講座などと比べて、より時間がかかることは否定できません。
時間の確保が厳しい方は、独学ではなく講座受講する方が効率良く勉強でき、勉強時間の短縮にも繋がるため、試験に受かりやすくなります。
②最短で合格したい人
最短で合格したい人には独学はおすすめできません。
独学で勉強するには多くの時間を情報収集に費やすため、どうしても無駄な時間が発生してしまいます。
講座受講であれば、合格のために必要な情報を提供してくれるため、勉強だけに専念することができます。
また、独学では自分でスケジュールを決めなくてはいけません。
そのスケジュールが正しければ良いのですが、間違っていることもあるでしょう。
どちらにせよ、正解が分からないので、不安なまま勉強を進めなくてはいけません。
講座であれば、最適なスケジュールを組んでくれるため、その通りに進めていくだけで合格に近づけます。
独学は合格まで遠回りしてしまう危険性が高いので、最短で合格したい人にはおすすめできません。
③周囲に質問できる環境がない人
質問できる環境がない人は、独学での学習は避けておくべきでしょう。
理解できない問題に出会ったとき、その答えを調べるために時間を使わなければなりません。
もし、他人に分からない箇所を教えてもらえるのであれば、勉強に当てられる時間が増えます。
ただでさえ時間の確保が厳しい社会人が、理解できない問題のリサーチに時間を取られていては、スケジュール通り勉強を進めるのが難しくなってしまいます。
講座であれば、分からない点は講師に教えてもらえるため、スムーズに問題を解決でき、時間を有効に使えます。
周囲に質問できる環境がない人は独学での合格は難しいでしょう。
講座を取り入れた独学で合格を目指す方法も
社労士試験は独学でも合格できなくはありませんが、いばらの道となります。
より確実に合格を目指すのであれば、講座を受講することをおすすめします。
通信講座であれば、自分のペースで勉強を進められます。
通信講座のテキストは、合格のために必要な箇所が絞られて作られています。時間がなくても合格まで最短ルートで近づけます。
通信講座のテキストを使って、効率良く勉強を進め、合格を勝ち取りましょう。
この記事の監修者

広告代理店で、自らデザインやコピーも考えるマルチな営業を経験後、大手人材紹介会社で長年キャリアアドバイザーを経験、転職サポートを行う。
面接対策のノウハウや数々の自作資料は現在でも使用されている。
その後、研修講師や社外セミナーの講師などを数多く経験。
相手が何に困って何を聞きたがっているのかをすばやく察知し、ユニークに分かりやすく講義をすることが得意。
ほぼ独学で就業しながらも毎日コツコツと勉強し、三度目の社労士試験で合格した苦労談も面白く、また、三度やったからこそ教えられる「やっていいことと駄目なこと」も熟知している。
合格のノウハウをより多くの受講生に提供するため,株式会社アガルートへ入社。
自らの受験経験で培った合格のノウハウを余すところなく提供する。
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