行政書士試験を突破するうえで、攻略が欠かせない民法。300点中76点と、かなりのウェイトを占めていることから、民法を制する者は行政書士試験を制するとまでいわれています。

しかし、ボリュームがあるだけに、苦手意識を持っている人も少なくありません。とくに民法総則に関しては、抽象的でわかりにくいという人もいるのではないでしょうか。

当コラムでは、行政書士試験対策における民法総則の勉強法や注意点について、アガルートアカデミー行政書士試験講座の豊村慶太郎講師による動画解説と併せて解説していきます。

ぜひ民法総則の攻略に役立ててください。

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行政書士試験における「民法総則」とは?

民法は、私人間の権利義務関係について定めた法律で、大きく分けて総則、物権、債権、親族、相続の5つから成り立っています。

関連コラム:【行政書士試験】民法の勉強法とは?科目の特徴と勉強のポイント3つ

その中でも総則とは、物権や債権といった財産法にも共通するルールを定めた部分のことをいい、以下の条文を総称して呼ばれます。

  • 通則
  • 法人
  • 法律行為
  • 期限の計算
  • 時効

行政書士試験においての民法総則は、5肢択一式での出題数が1〜2問と、それほど多く出題されるわけではありません。

関連コラム:行政書士の試験内容とは?試験科目・出題形式・科目別対策法を徹底解説!

しかし、資格試験において、あと1問取れていれば合格だったのに、ということはよくあります。

だからこそしっかり得点しておきたいところですよね。

記述式で出題される可能性もあるため、確実に取れる分野にしておいて損はないでしょう。

出題傾向としては、制限行為能力者、意思表示、代理など、重要な部分がよく出題される傾向にあります。

まずは過去問でどのような分野がどのように出題されているかをチェックしましょう。条文の意味をどれだけ理解し、判例を知っているかを試されるような問題が多く出題されるため、しっかりと条文をおさえておく必要があるでしょう。

【民法総則】勉強のポイント3つ

下記、民法総則の勉強について3つのポイントです。

  1. とにかく立ち止まらずに一周し、繰り返す
  2. 条文は暗記するよりも理解する
  3. 可能なかぎり民法に触れる

1.とにかく立ち止まらずに一周し、繰り返す

わからないことがあっても、立ち止まらずに進むことが重要です。

民法総則では、物権や債権にも共通するルールを定めていることから、物権や債権の分野で学習することになる内容も最初からごろごろ出てきます。

そのため、はじめは知らない単語が出てくることに戸惑うかもしれません。

しかし、あとで点と点は繋がります。

最初はわからなかったことも、何度か繰り返しているうちに知識が定着していきます。

やっぱり向いていない、苦手だとネガティブに考えず、こんなものだとスルーすることも大切です。

とにかく、多少わからないことがあっても立ち止まらずに、一気に駆け抜けることをおすすめします。 

豊村慶太郎講師が「キックオフ行政書士」という講座のサンプル動画でも民法総則の勉強法について動画でも解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

2.条文は暗記するよりも理解する

条文を学ぶうえで大切なことは、単に暗記することではなく理解することです。

民法では、条文の背景にある趣旨を意識して理解しておくことで問題が解きやすくなります。ただ丸暗記するだけでは通用しないためです。

条文の意味を理解するためには、まず条文が定められた目的や、制定に至った背景から知る必要があります。

ただ読むだけではなく、目的や趣旨を考えながら、一つのストーリーとしてとらえて読み込んでいくと理解も早くなるでしょう。

また、条文の知識を問われる問題は記述式でも出題される可能性があることから、条文を学習することは記述式対策にもつながります。

事例に該当する条文をあてはめ、知識を身につけていきましょう。

3.可能なかぎり民法に触れる

民法の考え方になじむためには、可能なかぎり民法に触れ、当たり前にしてしまいましょう。

移動中や休憩時間などの隙間時間に繰り返し講義を聴いたり、問題を解くことはもちろん、日常生活で起こったことを民法にあてはめてみると、なるほどそういうことか、と腑に落ちることがあるはずです。

これまで法律に触れてこなかった人は、法律=難しいというイメージがあるのではないでしょうか。

勉強しながらも、知らず識らずのうちに苦手意識を持ち、敬遠している人もいるかもしれません。

しかし、民法は数ある法律の中でも日常生活になじみのある法律です。

普段生活する中で民法を意識することで、自分の中で民法の存在が当たり前になり、しだいに親しみやすくなっていくのではないでしょうか。

【民法総則】間違えやすい箇所は?

以下については、民法総則に関する間違えやすい箇所といえます。

  • 失踪宣告における死亡とみなされるタイミング
  • 詐欺、強迫の場合に取り消せるかどうか
  • 通謀虚偽表示の場合の第三者保護ついて

ひとつずつ解説します。

失踪宣告における死亡とみなされるタイミング

民法総則に関することで間違いやすいこととして挙げられるのは、失踪宣告における死亡とみなされるタイミングです。

まず、失踪には以下の2種類があります。

  • 普通失踪:通常の行方不明の場合
  • 特別失踪:戦争や船の沈没などによって生死不明となった場合

たとえば配偶者や親、子どもなど、身近な人が何らかの理由で生死不明の状態になった場合、法律上の利害関係を有する人は、家庭裁判所に失踪宣告の請求が可能です。

その際、普通失踪と特別失踪とでは、死亡したとみなされるタイミングに関する考え方が異なります。

請求できるタイミング死亡とみなされるタイミング
普通失踪生死不明になってから7年間7年間経過した時点
特別失踪危難に遭ってから1年間危難が去った時点

普通失踪の場合の死亡とみなされるタイミングが「7年間経過した時点」とされているのに対し、特別失踪の場合は「危難が去った時点」とされていることに注意してください。

普通失踪の考え方でいくと、特別失踪の場合も1年間経過した時点となりそうなものですが、死亡とみなされるタイミングは危難が去った時点になります。

▼動画も参考にしてください。
民法(総則)「失踪宣告」キックオフ行政書士-豊村慶太講師|アガルートアカデミー

詐欺、強迫の場合に取り消せるかどうか

詐欺、強迫の場合に契約を取消せるかどうかということも、間違いやすいことの一つです。

詐欺や強迫による意思表示は取消しが可能です。

たとえば、不動産を売却する契約を結んだとしても、その契約が詐欺や強迫による場合は、あとから取消しできるのです。

しかし、相手方が目的の不動産を第三者に売却してしまった場合、詐欺と強迫では扱いが異なります。

第三者がいない場合取消し前の善意無過失の第三者がいる場合取消し後の第三者がいる場合第三者による詐欺、強迫の場合
詐欺取消しできる第三者に対抗できない登記を先に備えたほうが保護される相手方がその事実を知り、または知ることができたときにかぎり取消しできる
強迫取消しできる第三者に対抗できる取消しできる相手方が善意であっても取消しできる

詐欺の場合は騙された本人にも問題があるといえるのに対し、強迫の場合は脅された恐怖から従わざるを得なくなっている状態での契約です。

そう考えると、強迫によって契約させられた場合のほうが保護する必要性が高いため、第三者が善意であっても取消できるようになっています。

詐欺の場合と強迫の場合との違いを理解しておきましょう

▼動画も参考にしてください。
民法(総則)「詐欺・強迫」キックオフ行政書士-豊村慶太講師|アガルートアカデミー

通謀虚偽表示の場合の第三者保護ついて

たとえば税金の支払いを免れるために自己の所有である不動産をAが友人Bに売ったことにするなど、相手方と通謀して虚偽の意思表示をすることを通謀虚偽表示といいますが、この場合の第三者保護についても間違いやすいところです。

通謀虚偽表示によって行われた契約は原則無効です。

しかし、善意の第三者Cが存在することによって結果が変わってきます

上の例で、AからBへ渡った不動産が、さらにCに売却された場合、契約は有効となります。

通謀虚偽表示であるからといって無効になってしまっては、善意の第三者が報われないためです。

ちなみに、第三者が保護されるためには、善意であれば足りるとされており、無過失であることまでは求められていません。

▼動画も参考にしてください。
民法(総則)「心裡留保・通謀虚偽表示」キックオフ行政書士-豊村慶太講師|アガルートアカデミー

まとめ

以上、行政書士試験における民法総則の勉強法や注意点についてお伝えしました。

最後に、このコラムの要点をまとめます。

【民法総則】勉強のポイント

  • わからなくても、とにかく立ち止まらずに一周し、ひたすら繰り返す
  • 条文はただ単に暗記するのではなく、目的や背景を理解する
  • 日常生活の中で、可能なかぎり民法に触れるようにする
  • 普通失踪と特別失踪とでは死亡したとみなされるタイミングが異なる
  • 強迫の場合は取り消せても、詐欺の場合取り消せない場合もある
  • 通謀虚偽表示の場合の第三者は、善意であれば保護される

行政書士試験は決して合格できない試験ではありません。

独学では何年もかかってしまう可能性がありますが、通信講座を受講すれば効率よく学習ができます。

アガルートであれば、初学者から上級者まで自分の状態に合わせてコースが選べるため、誰でも安心して始められます。

気になる人は一度挑戦してみてはいかがでしょうか。

▼この記事で使われている動画「キックオフ行政書士」はこちら▼

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豊村慶太講師

この記事の著者 豊村 慶太 講師

豊村 慶太講師


行政書士受験指導のカリスマ。早稲田大学3年次にわずか2か月の学習期間で行政書士試験に合格。
大手資格予備校LECで12年以上にわたり、行政書士試験の受験指導を行い、基幹講座・単科講座・全国向け収録講座のみならず、大学学内講座(成城大学・学習院大学)も担当。
LEC時代・アガルート移籍後を通じて、19年以上の講師歴を通じて、のべ1万人以上の受験生を指導(2023年4月時点)。高い合格率に定評がある。

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グルメを中心としたブログも人気。趣味は、サーフィン・スキューバダイビング・ゴルフ・トランペット・神社仏閣めぐり。

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