合格者インタビュー

下記リンクは最新版となります。合格者の方の受講年度と異なります。

自己紹介

氏名: 陶久 晴岳(すえひさ はるたけ)

年齢: 47歳

所属企業・役職:株式会社GF・執行役員/風力グループマネージャー 

最終学歴:慶應義塾大学 法学部 法律学科

合格した研究科:慶應義塾大学大学院 EMBAプログラム

MBAを目指すきっかけ

2021年夏、社内の後継者候補の一人に選ばれたこともあり、経営判断に資する高度で体系的な知識を幅広く身につけたいと考えるようになった。
これまでの日本の風力発電事業は陸上風力が中心であり、事業規模も数十億円から数百億円であった。2050年カーボンニュートラルに向けて、今後は洋上風力の案件形成も加速していく。
洋上風力では1案件の規模が数千億円に及び、事業スキームも段違いの複雑さとなる。
激しく変化する再エネ業界で、弊社は、地方に本社を置く中小企業でありながら、全国で風力事業を展開する。
弊社の経営には深い思考と実践力が求められるが、これは本のみで学べるものではなく、MBAプログラムで理論と現実を何度も往復しながら議論・思索することでしか身に付かないものと考えた。
弊社にとり最適な資源配分の在り方と変革の方向性について、自分の判断に確信と責任を持てるようになるために、貴大学院にて研究したいと考えた。

アガルートアカデミーをお選びいただいた理由

後継者候補として、2021年夏に大学院進学を勧められるまでは大学院進学を考えたこともなかったため、大学院入学準備がどのようなものか、どのように進めるべきかについて、全くイメージが無かった。
そのため、2022年度の入試(冬)を受験したが全滅した(慶應、一橋、早稲田)。
不合格となってはじめてその準備の重要性に気付き、MBAの受験本を手にしたことで、アガルートという予備校を知った。
アガルートの受験相談を2022年5月頃に受け、その時相談に乗っていただいた女性の方に励ましを受けたことでアガルートを選ぶことにした。

勉強の方針とどのように勉強を進めていたか

①勉強の方針

経営に関する知識はOJTレベルのものしかなかったため以下の勉強を計画した

  1. 経営本の熟読
    『世界標準の経営理論』入山章栄 著(ダイヤモンド社)2019
    『経営戦略全史』三谷宏治 著(ディスカバー・トゥエンティワン)2013
  2. 英語力(TOEIC)の勉強
  3. アガルートのテキストの読み込み

②研究計画書のテーマ設定までの流れ

当初は、後継者候補として現社長の路線を引き継ぎつつ、新しい事業を探し、会社の戦略と組織を変革していくためのコーポレートトランスフォーメーションを研究しようと考えていた。
しかし、その後、会社の方針が、柔軟かつ迅速な課題解決が可能な組織に変わるために、機能部門型組織とPJ型組織のハイブリッドとなるマトリックス組織を取り入れる流れになったため、マトリックス組織の可能性と限界を研究しようと思うようになった。

③勉強のスケジュール

1月 受験願書作成

2月 受験(一橋、早稲田、慶応)

3月 TOEIC

4月 TOEIC

5月 アガルート受講、TOEIC

6月 世界標準の経営理論、TOEIC

7月 世界標準の経営理論、TOEIC

8月 願書作成、アガルートテキスト

9月 受験、経営戦略全史

10月 受験、経営戦略全史

11月 アガルートテキスト

12月 願書作成

1月 受験

2月 受験

受講された講座の良さ・当該講座の学習方法(使い方)

▼国内MBAの入試攻略講座

特に使わず。

▼経営学の基礎講座

テキストを熟読。

経営学の全体像がコンパクトかつ平易にまとめられており、初めて経営学という学問に接するには非常に勉強になった。
また、小論文の書き方の基本が分かり易く解説されており、経営学の論点が論文試験にどのように関わっているのかについては、練習問題を通して知ることができるようになっているため、論文対策としてこれ一冊でいいのではないかと感じた。

▼小論文対策講座(基本編)

提出した回数:0回

テキストを熟読。
「伝達効率」という言葉を改めて意識させられた。
「評価=内容×伝達効率」という数式も非常に納得がいった。

結論→根拠・理由→要約という形を身につけておけば、構成に悩むことなく自らの伝えたい内容の吟味に時間を掛けることができるため時間内にまとまった論述をしやすくなると実感した。
基本編と一緒に『自頭力を鍛える』(細谷功 著)を読むと、仮説思考力、フレームワーク思考力、抽象化思考力についても合わせて理解でき、より効果的であると感じた。

▼小論文対策講座(大学院別対策編) 

提出した回数:0回

該当大学部分のテキストを熟読。
合格答案のレベルを知ることができるのは極めて貴重。

▼出願書類・研究計画書の書き方講座

提出した回数:0回

該当大学の合格実例答案は参考にした。

▼研究テーマの探し方講座

ほとんど活用できなかった。

▼面接対策講座

テキストを熟読。

▼各種フォロー制度について(Facebookの質問制度、受験校相談、ホームルーム)

使用しなかった。

スランプ・挫折・それを乗り越えるための工夫

2022年度の早稲田冬入試にて、年齢が46歳であることを、圧迫面接的に追及された。
また、受験本により、一橋については首都圏の大手企業優先であり、地方中小企業には厳しい旨の話を読み、消沈していた。
初めての受験で圧倒された上、ネガティブな情報を得て、EMBAかグロービスなどの通信制のMBA以外では合格の可能性は殆どないのではないか、と諦めていた。
しかし、アガルートの受講相談で、40代後半から50代の合格者もいるので、十分可能性がある、旨の話を聞き、再び受験に挑むやる気が出た。

学習時間はどのように確保し、一日をどのように過ごしていたか

業務が多忙であったために平日は学習時間をほとんど確保できなかった。
しかし、週末はカフェなどで読書を中心に時間を取るように努めた。

【読んだ本】

  • 『世界標準の経営理論』入山章栄 著(ダイヤモンド社)
  • 『経営戦略全史』三谷宏治 著(ディスカバー・トゥエンティワン)
  • 『経営戦略 第三版』大滝精一他 著(有斐閣アルマ)
  • 『組織論 補訂版』桑田耕太郎 他著(有斐閣アルマ)
  • 『ビジネスマンの基礎知識としてのMBA入門』内田和成他 著(日経BP)
  • 『MBAビジネスデザイン』浅羽茂他 著(日経BP)
  • 『グリーン・ジャイアント 脱炭素ビジネスが世界経済を動かす』森川潤 著(文春新書)
  • 『ワーク・シフト』リンダ・グラットン 著(プレジデント社)
  • 『学習する組織』ピーター・M・センゲ 著(英治出版)
  • 『両利きの経営』チャールズ・A・オライリー他 著(東洋経済)
  • 『ティール組織』フレデリック・ラルー著(英治出版)
  • 『コーポレート・トランスフォーメーション 日本の会社をつくり変える』冨山和彦 著(文藝春秋)
  • 『研究計画書デザイン 大学院入試から修士論文まで』細川英雄 著(東京図書)
  • 『自頭力を鍛える 問題解決に活かす「フェルミ推定」』細谷功 著(東洋経済)

また、TOEICの受験のために移動中は英語のヒアリングの勉強を行っていた。

  • 『新TOEICテスト文法問題でる1000問』TEX加藤 著(ASK)
  • 『シャドーイングで学ぶTOEIC TEST860突破ボキャブラリー』大賀リエ他 著(ASK)
  • 『新TOEICテスト900点突破20日間特訓プログラム』小山克明 著(アルク)

直前期の過ごし方(どのような勉強をして、どのような心構えで試験を迎えたか)

年度末に近づく直前期も業務が忙しく、特別な勉強はしていないが、各大学院のHPやパンプレットを読み込み、自らの業務内容とキャリアイメージが、当該大学院での学びとどういう関係にあるのかのイメージをするように心掛けていた。
こうすることで、志望動機の整理とやる気の持続が両立できたように思う。

また、自社の経営課題(組織構造、既存事業の整理、新規事業展開等)と時事論点との関係についても想いを巡らすように意識していた。

それ以外は、アガルートのテキスト熟読を中心に勉強した。

 特に

  • 『国内MBA 経営学の基礎講座』
  • 『国内MBA小論文添削講座 基本編』
  • 『国内MBA 小論文添削講座 大学院別対策編』

 は何度も読み返した。

試験期間中の過ごし方

基本的には直前期の過ごし方と同様である。
地方在住であったことと、早稲田1次論文試験と慶應EMBA2次試験が同一日になっていたため、どちらを受けるか悩む日が続いた。
早稲田については基礎からみっちり仕込まれ、修論を作成する過程があることに魅力を感じていた。
一方、慶應EMBAは自らと似た境遇の役員・幹部クラスのメンバーが集まり、ケースやフィールドスタディをできるところに魅力を感じていた。

結論としては、午前早稲田論文、午後慶應面接と上手く予定があったため、両方とも受験でき、両方とも合格できた(後の早稲田の面接では落ちた)。
面接については、自己紹介と自らの強みの整理を頭なのかでするにとどまっていたが、本番では上手くいったり行かなかったりとムラがあったため、やはりここは文章で整理・推敲を繰り返しておけばよかったと後から後悔した。

受験した時の手ごたえと合格した時の気持ち

①受験した時の手ごたえ

面接試験において、職歴から、MBAの志望動機となぜ慶應EMBAである必要があるのかの理由が、流れ良く説明できた。
また、自らのイメージする自社の成長する姿とそこに至るために、慶應のフィールドワーク授業に期待をしている点を熱く語ることができた。
主たる試験官も、笑顔で前のめりに興味深そうに聞いていただいていたので、もしかしたらいけるのではないか、という手応えはあった。

②合格した時の気持ち

1年前に受験をしたときは殆ど準備もせずに面接に臨み、志望理由も、自らの強みも自信を持って伝えることが出来ず、ボロボロだったため、今回は自らの経歴から来る自分の強みと、それが慶應のEMBAとどのように関係するのかを伝えられるように心掛けていた。
1浪した形になっていたため、合格できて非常にホッとした。

振り返ってみて合格の決め手は?それに、当該講座はどの程度影響したのか

①合格の決め手

慶應EMBAプログラムの合否は、志望者調書Bの最終設問の論述内容(今年は「地政学リスクと社会の不確実性の高まりの中で必要とされるリーダーの視点と行動」)と、面接が全てであると感じた。
そして、論述内容も面接内容も付け焼刃ではなく、本人の生き様と人間性と志が問われていると感じた。

②講座の影響度

慶應EMBAは、今年は小論文が無かったが、早稲田夜間主の小論文合格については、『小論文添削講座』テキストが非常に役立った。
また、経営学の体系的な整理についても『経営学の基礎講座』テキストがコンパクトにまとめられてあり経営学を概観する上で重宝した。

しかし、2023年に関しては、慶應も早稲田も経営学の知識自体は求められておらず、日頃から社会課題をどう自らの問題、自社の問題として認識しているかが問われていると感じた。
その意味では、慶應も早稲田も、予備校の型を超える視点を持った人材を求めている気がした。

卒業後のキャリアについて

①MBAに期待するもの

  1. 経営戦略、組織マネジメント、マーケティング、会計管理、グローバル経営、経営倫理等、経営者として求められる知識・技能を体系的に学ぶこと。
  2. ケーススタディでの議論や同期とのフィールドワークで得た知見・分析力・経験を通して理論と実践を往復学習することで知識の血肉化を図ること。
  3. 自社が直面する経営課題に対して的確な判断と行動ができる人材となり、主体的に経営課題にチャレンジする自信を身につけること。
  4. 共に学ぶ同期や教授との交流を深め、自社経営に資する人脈を形成すること。

②今後のキャリアビジョン

2025年3月  慶應大学大学院EMBA卒業(49歳)

     ~ 地元四国で洋上風力開発を加速化~

2025年10月 弊社の取締役就任 新規ビジネスを企画(50歳)

2026年10月 弊社の新規ビジネス立ち上げ主導(51歳)

2028年10月 弊社の代表取締役就任(53歳)

推薦書について

①提出されましたか?

提出した。

②提出された方はどなたに推薦書をご依頼しましたか?

弊社の代表取締役。

受験生に対するメッセージ

受験予備校で基本の型を学んでおくことは安心材料となるだけでなく、自ら整理し体得するための時間が節約できるため、忙しい社会人には非常に効率がよく有意義である。
しかし、付け焼刃の対応で合格するものではない。
社会に貢献する志と、日頃からの問題意識からくる人間性が、合否を決める。