社労士試験の科目免除制度とはどのようなものでしょうか?

有利に試験を進めることができるのであれば、科目免除を利用したいと思うかもしれません。

このコラムでは、社労士試験の科目免除制度について解説します。

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社労士試験の科目免除制度とは?

社労士試験における科目免除とは、実務経験など一定の条件により、試験科目の一部を免除する制度です。

科目免除はその資格を得ると合格するまでずっと有効となります。
また、科目免除を受けるか否かは選択することが可能です。

社労士試験の受験戦略の幅が広がる制度だといえるでしょう。

科目免除になると普通に試験を受けた場合と何が違う?

では、普通に受験した場合と科目免除者の場合は、どのように違うのでしょうか?

科目免除なしで受験した場合、社労士試験の全ての科目を受験しなければいけません。
一方、科目免除ありで受験した場合、免除された科目の受験は必要なくなります

ただし、注意すべきは、免除科目を受けた科目は、合格基準点をもとにして以下のように点数が算出されるという点です。

選択式試験の免除科目の配点=合格基準点÷満点(40点)×各科目の満点(5点)
択一式試験の免除科目の配点=合格基準点÷満点(70点)×各科目の満点(10点)

(例)
①選択式の総得点の合格基準点が 25 点の場合
25 点÷ 40 点×5点 = 免除となる科目に 3.1 点を配点(小数第2位を四捨五入)

②択一式の総得点の合格基準点が 44 点の場合
44 点÷ 70 点× 10点 = 免除となる科目に 6.3 点を配点(小数第2位を四捨五入)

※ただし、労災法及び雇用保険法は7点満点、徴収法は労災・雇用の各配点分の合計で6点満点とする

このように、社労士試験の科目免除を受けた場合の点数は、各年度の合格基準点をもとに算出されます。
合格基準点をもとにした点数が免除科目の得点となることから、人によっては科目免除を利用せずに受験した方が合計点数が高くなる可能性も。

免除対象者となる方は基本的にはその分野に詳しい人です。
免除科目で合格基準点を上回る点数を獲得できる自信がある場合には、科目免除制度を利用しないという選択肢も有効です。

科目免除の対象になる条件

科目免除になる方はどのような人でしょうか。
主に以下の人が対象となります。

  1. 国又は地方公共団体の公務員として労働社会保険法令に関する施行事務に従事した期間が通算して10年以上になる方
  2. 厚生労働大臣が指定する団体の役員若しくは従業者として労働社会保険法令事務に従事した期間が通算して15年以上になる方又は社会保険労務士若しくは社会保険労務士法人の補助者として労働社会保険法令事務に従事した期間が通算して15年以上になる方で、全国社会保険労務士会連合会が行う免除指定講習を修了した方
  3. 日本年金機構の役員又は従業者として社会保険諸法令の実施事務に従事した期間(日本年金機構の設立当時の役員又は職員として採用された方にあっては、社会保険庁の職員として社会保険諸法令の施行事務に従事した期間を含む。)が通算して15年以上になる方
  4. 全国健康保険協会の役員又は従業者として社会保険諸法令の実施事務に従事した期間(全国健康保険協会設立当時の役員又は職員として採用された方にあっては、社会保険庁の職員として社会保険諸法令の施行事務に従事した期間を含む。)が通算して15年以上になる方

※引用:社会保険労務士試験オフィシャルサイト 試験科目の免除

これ以外にも対象者となる方がいます。
もっと詳しく知りたい人は、社会保険労務士試験オフィシャルサイト 試験科目の一部免除資格者一覧をご覧ください。

このように、科目免除は労務管理の実務経験を積んできた人を対象としていることが分かります。

なお、これら科目免除者に自身が当てはまるかどうか分からない場合もあるでしょう。
社会保険労務士オフィシャルサイトにて事前確認が受け付けられており、通常は確認書類が到着して1週間以内に回答が行われます。

免除指定講習

前述した「2.」では、実務経験のほかに免除指定講習の修了が必要になります。
この場合には、最大4科目の免除を受けることが可能です。

受付は8月から9月初旬にかけて受け付けており、費用は1科目につき45,000円。
講習内容は10月から3月までの6カ月間、通信添削指導と18時間(3日間)の面接指導、40~50分の修了試験となっています。

そして、下記の中から最大で4科目の免除を選択できます。

  • 「労働災害補償保険法」、「雇用保険法」、「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」のうち2科目
  • 「厚生年金保険法」、「国民年金法」のうち1科目
  • 「労務管理その他労働及び社会保険に関する一般常識」

最大の4科目の免除を得ようとすると、講習費用だけで合計180,000円と高額になるうえ、修了試験の合格率も科目免除のための試験の合格率としては高くありません。
月刊社労士7月号によると、令和2年3月に行われた修了試験の合格率は30~80%となっています。

そのため、免除指定講習を受けるか否かは慎重に検討する必要があるでしょう。

おすすめの免除科目は?

免除指定講習を受けるならば、自身が苦手とする科目で免除を受けるのが良いでしょう。

判断に迷っている場合は、下記の科目を推奨いたします。
参考にしてみて下さい。

おすすめの免除科目

  1. 労一社一(選択式で奇・難問が多いため)
  2. 厚年法(難解なため)
  3. 雇用法(暗記が多いため)
  4. 労災法(比較的暗記が多いため)

科目免除を受けた人の方が合格率は高い?

では、社労士試験において科目免除者の合格率は高いといえるのでしょうか。
過去5年分の受験者全体と科目免除者の合格率を比較してみました。

年度受験者全体科目免除者
2023年6.4%9.4%
2022年5.3%11.3%
2021年7.9%12.6%
2020年6.4%8.6%
2019年6.6%9.9%
※参考:社会保険労務士試験の結果について

これを見ると、科目免除者は科目免除でない人より1.5倍前後、合格率が高いことが分かります。

科目免除の分、他の分野に集中できる効果が発揮されているからだと推測できます。

ただし、それほど大きな差になっているわけではないため、実務経験や免除講習指定といった時間やお金をかけるほどの価値があると見なすかは、人によって異なるでしょう。

科目免除の申請方法

科目免除の申請を考える場合、受験申込書の出願の際に申請しなければなりません。

受験申込時に交付される「社会保険労務士試験科目免除申請書」の所定箇所を記入します。
これは受験申込書と同じ用紙なので、別に取り寄せる必要はありません。

そして、実務経験を証明する書類(免除指定講習の修了者は講習修了証のコピーも必要)を出願時に提出します。
なお、受験資格証明書類と実務経験を証明する書類は兼ねることができないので、これらが同じ書類である場合には必ず2通同封しましょう。

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この記事の監修者 池田 光兵講師

池田 光兵講師

広告代理店で、自らデザインやコピーも考えるマルチな営業を経験後、大手人材紹介会社で長年キャリアアドバイザーを経験、転職サポートを行う。

面接対策のノウハウや数々の自作資料は現在でも使用されている。

その後、研修講師や社外セミナーの講師などを数多く経験。

相手が何に困って何を聞きたがっているのかをすばやく察知し、ユニークに分かりやすく講義をすることが得意。

ほぼ独学で就業しながらも毎日コツコツと勉強し、三度目の社労士試験で合格した苦労談も面白く、また、三度やったからこそ教えられる「やっていいことと駄目なこと」も熟知している。

合格のノウハウをより多くの受講生に提供するため,株式会社アガルートへ入社。

自らの受験経験で培った合格のノウハウを余すところなく提供する。

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