行政書士・司法書士・宅建士のトリプルライセンスを取得すると、幅広いクライアント層への対応・専門性と信頼性の強化・競争力アップといった大きなメリットが得られます。

実際に、行政書士と他資格を組み合わせる方は多く、アガルートの受講相談データを見ると相談者の6.7%の方が他資格との組み合わせを学習の動機に挙げ、さらに4.1%の方が司法書士や予備試験など上位資格への足がかりとして行政書士を位置づけていました。(※出典:アガルート行政書士講座 受講相談データ)

行政書士・宅建・司法書士は、民法をはじめ学習範囲が重なる部分があります。

そのため、取り組みやすい資格から段階的に取得していくと、先に学んだ知識を次の資格学習に活かしやすく、トリプルライセンスを現実的に狙えるでしょう。

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トリプルライセンスのメリット4つ

トリプルライセンスのメリット4つ

司法書士・行政書士・宅建士のトリプルライセンスのメリットは以下のとおりです。

  • 幅広いサービス提供が可能となる
  • 専門性・信頼性を強化できる
  • 競争力をアップできる
  • 効率的に試験対策ができる

幅広いサービス提供が可能となる

メリットとして、トリプルライセンスによって取り扱うことができる業務が拡大するため、より多くのクライアントにアプローチできます。

それぞれの士業には法律で決められた業務が限定されており、資格が増えれば単純に業務範囲が広がる計算です。

クライアントの層も拡大できるうえ、一人の顧客に対してワンストップサービスで複数の業務を提供できるでしょう。

ワンストップサービスは、顧客としては、複数の専門家にバラバラに手続きを依頼する手間が省けるメリットがあり、依頼を受ける士業としては、複数の業務を一度に受任することで顧客単価のアップにつながります。

専門性・信頼性を強化できる

行政書士・司法書士・宅建士はそれぞれが高い専門性を持ったスペシャリストです。

それらの知識を融合することで、さらなる専門性や顧客からの信頼性を強化することが期待できます。

それぞれの業務にはつながりがあるため、複数の専門知識を身につけることの相乗効果で深みのある知識となります。

また、クライアントは相談相手がわかっていないことも多いため、トリプルライセンスがあれば幅広い分野について精通している専門家と認識され、安心して相談することができるでしょう。

競争力をアップできる

トリプルライセンスがあることは強いアピールになり、同業者との差別化を図ることができます。

行政書士・司法書士・宅建士のどれか一つの資格を持っている人は大勢いますが、全てを持っている人はとても数が少なく希少価値が高いことは間違いありません。

難関資格のトリプルライセンスはそれだけで一目置かれる存在となり、ハイレベルな専門家として評価されやすくなるでしょう。

効率的に試験対策ができる

3資格の試験には民法など重複する科目が多く、1つ目の資格取得後は既習知識を活かした状態でスタートできるため、ゼロから学ぶ場合に比べて学習時間を大幅に短縮できます。

たとえば民法はいずれの試験においても重要な科目です。

また、他の資格の勉強経験があることで資格試験の学習方法や習慣も身についているため、対策が立てやすくなるでしょう。

司法書士・行政書士・宅建士の年収

司法書士の平均年収は約981万円、行政書士は約583万円、宅建士は約660.7万円です(厚生労働省調査等より)。ただし、独立開業か勤務かによって年収差は大きく、個人差も非常に大きい職種です。

司法書士

司法書士の平均年収は、厚生労働省の調査によると981.1万円です。

出典:司法書士 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

司法書士は、独立開業の場合と勤務の場合で年収差が大きい傾向があります。

独立開業している場合で年収のボリュームゾーンは年収1,000~4,999万円で全体の約30.8%です。

それ以上の年収も含めると、独立開業している司法書士の3分の1以上が年収1000万円を超えています。

一方で、勤務の場合は年収のボリュームゾーンは300~500万円で、全体の39.3%がここに入ります。

参考:司法書士白書2021年度版

勤務の場合の平均年収は400万円程度になると考えられ、これは大手企業などの会社員と比較すると決して高いとは言えないでしょう。

行政書士

行政書士の平均年収は、厚生労働省の調査によると583.3万円です。

出典:行政書士 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

ただし、行政書士は収入の個人差がとても大きい職業です。

独立開業している場合には年収1000万円を超えていく人も多くいる一方、年収300万円未満のままという人も一定数います。

勤務の場合は公的なデータはないものの、年収の目安は300万~400万円程度となるようです。

宅建士

宅建士だけの公的な平均年収データはありませんが、厚生労働省の調査の不動産業のデータから算定すると、660.7万円程度となります。

出典:住宅・不動産営業 – 職業詳細 | job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

宅建士は不動産仲介の取引代金の割合で報酬を取るため、高額な不動産の仲介をすれば多額の報酬を得ることもできます。

そのため、営業能力の高い人などは、平均年収とはかけ離れたかなり高額の収入を得ている場合もあります。

勤務の場合でも、報酬に歩合制が採用されていることが多く、個人の営業力等によって大きく稼いでいる人もいます。

トリプルライセンスなら平均以上も十分可能

トリプルライセンスを持つことで業務範囲が広がり、競合との差別化が図れるため、司法書士・行政書士・宅建士それぞれの平均年収を上回る収入を目指しやすくなります。

それぞれの業務には季節性のものや情勢に左右されるものもあり、たとえば司法書士の仕事が少ない時期に行政書士や宅建士の仕事で利益を上げられるため、安定的な収入を確保しやすくなるでしょう。

いずれにせよ、トリプルライセンスがマイナスになることはなく、平均年収以上を目指すことは十分可能です。

トリプルライセンス難易度ランキング

司法書士・行政書士・宅建士の難易度ランキングは以下のとおりです。

  • 難易度1位:司法書士
  • 難易度2位:行政書士
  • 難易度3位:宅建士

司法書士の難易度

司法書士は合格率が4~5%程度と非常に低く、数ある国家資格の中でもトップクラスの難易度です。

科目数も多く、1科目当たりの学習範囲も非常に広いため、暗記しなければならない量もとても多いです。

試験科目は11科目あり、勉強時間の目安は3000時間以上が必要です。

試験内容は、択一式問題に加えて記述式問題があり、登記申請書を限られた時間で作成しなければなりません。

合格に必要な得点は年度によって異なりますが、おおむね75%以上の得点率が求められます。

行政書士の難易度

行政書士の合格率は10%程度で、司法書士ほどではないものの難しい試験です。

試験科目は「行政書士の業務に関し必要な法令等」と「行政書士の業務に関し必要な基礎知識」の2つの区分(細目8分野)に分かれており、勉強時間の目安は600~1000時間程度です。

試験内容は択一式問題と記述式問題があり、記述式では決められた文字数で文章で解答することが求められます。

合格には全体の6割以上の得点率が求められます。

宅建士の難易度

宅建士の合格率は15~18%程度で、司法書士、行政書士ほどではありませんがある程度難易度の高い試験です。

科目数は大きな区分で4科目で、1番出題が多く重要なのが宅建業法です。

択一式問題のみで、記述式問題はありません。

勉強時間の目安は300時間程度です。

合格に必要な得点は年度によって異なりますが、72%程度の正答率が求められます。

司法書士・行政書士・宅建士はどの順番で取得すべき?

基本的には自分が最もやりたい仕事に関連する資格から取得するのがおすすめです。迷う場合は、難易度が低い宅建士→行政書士→司法書士の順に取得する方法も有効です。

基本的にはより興味がある資格から

基本的には、自分が一番目指している、より興味がある仕事の資格から取得するのがおすすめです。

それが最も受験勉強のモチベーション維持につながり、合格しやすくなると考えられます。

まずメインでやりたい仕事をイメージしてみましょう。

取りやすい資格から取得する方法も

他の考え方として、難易度が低いものから順番に取得する方法もあります。

その場合、最初に宅建士、次に行政書士、最後に司法書士という順番になります。

まずは比較的取得しやすい試験の合格を目指し、一つ資格が取得できれば自信にもつながり、その後の学習がスムーズに進む可能性もあるでしょう。

司法書士と行政書士のダブルライセンスが人気

3資格の中でも特に目指す人の多い組み合わせが、司法書士と行政書士です。

司法書士と行政書士は民法などの主要科目で重なるものも多く、続けて受験をするとまだ知識が十分に記憶に残った状態で2つ目の資格を目指すことができます。

順番はどちらからでもよいですが、司法書士と行政書士は連続して受験勉強をするのがおすすめです。

税理士×社労士×行政書士のトリプルライセンスもおすすめ

ここまで司法書士・行政書士・宅建士の組み合わせを解説してきましたが、もう1つ人気が高いのが「税理士×社労士×行政書士」のトリプルライセンスです。企業向けの顧問業務を軸にしたい方には、こちらの組み合わせが向いています。

中小企業の経営支援をワンストップで担える組み合わせ

この3資格が揃うと、会社の設立から日々の経営まで、中小企業に必要な手続きをほぼ一手に引き受けられます。

資格担える領域
行政書士会社設立の書類作成、営業許認可の申請、契約書の作成
社労士従業員の労働・社会保険手続き、就業規則、助成金
税理士税務申告、記帳、税務相談

起業したばかりの会社は「設立→人を雇う→決算・申告」という流れで次々に専門手続きが必要になりますが、この3資格があれば別々の専門家を探す手間なく1つの事務所で完結できます。顧問契約として継続的な収益につながりやすいのも、この組み合わせの強みです。

資格制度上の相性も良い:取得ルートに「近道」がある

この3資格は、制度上の相互関係により効率的な取得ルートを組めるのが特徴です。

  • 行政書士試験に合格すると、社労士試験の受験資格を満たせます。社労士試験には学歴等の受験資格要件がありますが、行政書士資格はその1つとして認められています
  • 税理士となる資格を有する者は、行政書士試験を受けずに行政書士登録が可能です(行政書士法第2条第5号)

このため、たとえば次のような順序が考えられます。

  1. 行政書士 → 社労士 → 税理士:難易度の低い順に実績を積み上げる王道ルート。行政書士合格が社労士の受験資格になるため、学歴要件を気にせず進めます
  2. 税理士 → 行政書士(無試験登録)→ 社労士:税理士を先に取れば行政書士試験が不要になり、実質2つの試験で3資格が揃います。ただし税理士試験自体が長期戦のため、会計キャリアの方向けです

難易度と勉強時間:長期計画で挑む組み合わせ

3資格の難易度の目安は次のとおりです。

資格勉強時間の目安特徴
行政書士600〜1,000時間法律系資格の登竜門。受験資格なし
社労士800〜1,000時間程度合格率が一桁台の年もある難関。科目ごとの足切りあり
税理士3,000時間以上科目合格制のため、働きながら数年かけて取得するのが一般的

司法書士×行政書士×宅建士の組み合わせと違い、科目の重複(民法など)による学習の相乗効果は小さめですが、税理士が科目合格制であるため、他の2資格と並行しながら数年計画で積み上げられるのがこの組み合わせの現実的な戦い方です。まずは受験資格が不要で企業法務の土台にもなる行政書士から始めるのがおすすめです。

まとめ

司法書士・行政書士・宅建士のトリプルライセンスは、決して生半可な気持ちで取得できるものではありませんが、ゼロから3つの資格の勉強をするわけではないので、工夫次第で十分狙うことができます。

すでにどれかの資格を持っている人であれば、より受験勉強はスムーズに進むでしょう。

トリプルライセンスを取得することのメリットは大きく、自分にとっても大きな自信につながり顧客へもアピールしやすくなるのではないでしょうか。

ただし、自己流の勉強でこれらの資格を取得するのは至難の業です。

特に働きながら勉強する場合は、まとまった時間を確保するのも困難でしょう。

そんな方には、効率的にいつでもどこでも自分の都合に合わせて学習しやすいアガルートの通信講座がおすすめです。

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