ラインケア研修とは?目的や内容・事例についても紹介

最近では、職場におけるメンタルヘルスケアが注目されています。

「職場のメンタルヘルス問題を改善したいが、どんな研修を受ければいいかわからない」

「ラインケア研修の具体的な方法や、得られる効果を知りたい」

上記のようなお悩みをもつ企業も多いのではないでしょうか。

本コラムでは、ラインケア研修の目的や、効果について解説します。

ラインケア研修のメリットや、実際の事例についても触れているため、ぜひ参考になさってください。

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ラインケア研修とその目的とは

ラインケア研修とは、適切なラインケアの実施を目的として行われる研修のことです。

ラインケアとは「ラインによるケア」を略した言葉で、管理監督者が従業員のメンタルヘルスをケアするための施策を指します。

例えば、従業員と日常的なコミュニケーションを取り、メンタルの不調を未然に防いだり、相談に応じたりすることもラインケアに含まれます。

つまり、ラインケアにおいては、職場のライン上に位置する直属の上司や、課長・部長などの管理職が、自ら部下のケアに携わる必要があるのです。

ラインケアの目的は、従業員の安全および健康に対する配慮を行い、労務管理における対応を行うことです。

ラインケアによって従業員のメンタル不調を早期発見できれば、速やかな対応が実現するでしょう。

適切なラインケアを行うためには、部下の状態を観察するうえで注目すべきポイントや、具体的な対応方法などを把握しておく必要があります。

しかし、すべての管理監督者がラインケアに関する知識を有しているとは限りません。

そのため、自社で新たにラインケアを開始する際は、ラインケア研修の実施が望ましいとされています。

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管理職が直面するメンタルヘルスの課題とは

管理職が直面するメンタルヘルスの課題として、以下の5つが挙げられます。

  • 遅刻や欠勤が増える
  • 仕事の能率や質の低下
  • コミュニケーションの減少 
  • ミスや事故の増加 
  • チーム全体の仕事への意欲の低下

遅刻や欠勤が増える

従業員のメンタルヘルスが悪化すると、遅刻や欠勤が増える場合があります。

他人から見た印象では、一時的な体調不良なのか、心身の不調によるものなのかがわかりにくいため、どう対応すべきか判断が難しいかもしれません。

特に、今まで勤務状態に問題がなかった従業員が遅刻や欠勤を繰り返している場合には、注意が必要です。 

仕事の能率や質の低下

メンタルヘルスの不調は、仕事の能率や質の低下に繋がります。

不安や悩み事を抱えた従業員は、業務に集中できない場合があります。

また、業務に対する意欲が低下するため、作業のスピードが落ちてしまうことも。

さらに、周囲への影響により、職場全体の生産性が下がってしまうリスクもあります。

コミュニケーションの減少 

メンタルヘルスに不調がある従業員は、周囲とのコミュニケーションが減少します。

不安やストレスを抱えている場合、周囲とのかかわりが億劫になりがちです。

コミュニケーションに消極的になるあまり、業務に必要なやり取りを行えなくなったり、身だしなみに変化が現れたりする場合があるでしょう。

ミスや事故の増加 

メンタルヘルスの悪化により、ミスや事故が増加するリスクがあります。

悩み事などでメンタルが不調な状態では、判断力が低下します。

また、目の前の仕事に集中できないため、ミスが増加するでしょう。

さらに、ミスを咎められることで、一層モチベーションが低下するという悪循環に陥ってしまう場合もあります。

チーム全体の仕事への意欲の低下

従業員のメンタルヘルスの悪化により、チーム全体の意欲が低下します。

ストレスを抱えた従業員は、周囲に影響を与えます。

職場の士気が下がり、生産性の低下や、人間関係の悪化に繋がる場合があるでしょう。

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ラインケア研修のメリット5つ

ラインケア研修の実施により、以下のようなメリットが期待できます。

  • 問題の早期発見と対処 
  • 離職率の低下
  • 職場環境の改善
  • 生産性の向上
  • 管理職のスキル向上

問題の早期発見と対処 

ラインケア研修の実施により、メンタルヘルスに関する問題の早期発見が実現します。

管理職がラインケア研修を受け、メンタルの不調によって現れる変化や、注目すべきポイントを学ぶことで、従業員が抱える問題を早期に発見できるでしょう。

例えば、いつも自分から挨拶していた従業員が急に挨拶をしなくなった場合や、今まででは考えられないようなミスを繰り返している場合は、メンタル面の問題を抱えていると考えられます。

ラインケア研修を実施していれば、このような変化を見逃さず、適切な対処を行えるでしょう。

離職率の低下

ラインケア研修に取り組むことで、離職率を低下させる効果が期待できます。

近年では、メンタル面の不調を理由とした休職や離職が増加していると言われています。

人員が不足しがちな企業にとって、従業員の離脱は大きなダメージです。

また、離職率が高いと、企業に対するイメージが悪化し、新しい人員を確保しづらくなる場合があるでしょう。

社員の離職を防ぎ、定着率を高めるためには、ラインケア研修の実施をはじめとしたメンタルヘルス対策が不可欠であるといえます。

職場環境の改善

ラインケア研修の実施は、職場環境の改善に繋がります。

ラインケア研修の実施により、適切なラインケアが実現すれば、従業員に対する理解が深まります。

従業員が安心して働ける環境を構築することで、職場が活性化し、一人ひとりのパフォーマンスが向上するでしょう。

また、従業員が「理解されている」と感じることで、職場全体の雰囲気が改善される効果も期待できます。

生産性の向上

ラインケア研修の実施により、生産性が向上するというメリットが得られます。

職場にメンタル不調者がいることで、周囲の生産性が低下する恐れがあります。

ラインケア研修の実施により、管理職が部下の不調を速やかに察知できれば、周囲への影響を最小限に抑えることが可能です。

また、管理職と部下との人間関係が良好になり、心理的安全性が担保されることで、すべての従業員が安心して実力を発揮できるでしょう。

管理職のスキル向上

ラインケア研修を実施することで、管理職のスキル向上が見込めます。

ラインケア研修では、管理職が部下のケアを行いながら、より効果的なリーダーシップを発揮するための知識を学べます。

そのため、ラインケア研修を受講した管理職は、コミュニケーションや問題解決に関するスキルが向上するでしょう。

これにより、管理職のリーダーシップが向上し、チームビルディングが強化されます。

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ラインケア研修の事例

以下に、ラインケアを中心としたメンタルヘルス対策に取り組んだ事業所の事例を紹介します

【事業所の概要】

業種介護事業
労働者数84名(男性:21名 女性:63名)
平均年齢38歳

この事業所では、離職率を下げるための取り組みとして、メンタルヘルス対策を開始しました。

はじめに、職場全体にメンタルヘルス対策への取り組みを共有。

続いて、中間管理職員からヒアリングを行い、メンタルヘルスの基礎に関する理解を深めるための研修を実施しました。

ヒアリングでは、「部下とのかかわり方に自信がない」と感じている中間管理職員が多く見受けられたため、研修によって傾聴手法やストレス対処法などを伝え、自信の回復を促進。

また、部下から相談を受けた際の対応方法について、実践的な個別面談の機会を設けました。

結果として、中間管理職員から「部下との対話の機会を意識するようになった」「部下から相談された場合の焦りや不安感が減少した」といった感想が見受けられました。

参考:ラインケアを中心に職場環境改善を取り組んだ事例

ラインケア研修の主な内容

ラインケア研修の主な内容は、以下の通りです。

  • メンタルヘルスの基礎知識
  • 管理職におけるメンタルヘルスマネジメント 
  • 休職と職場復帰 

メンタルヘルスの基礎知識

ラインケア研修では、メンタルヘルスの基礎知識を学びます。

ラインケアの定義をはじめ、職場におけるメンタルヘルスの対策や、安全配慮義務などの事例を学習。

また、厚生労働省による「労働者の心の保持増進のための指針」において示された、4つのメンタルヘルスケアの概要についても学びます。

なお、近年ではメンタルヘルスに起因する労災事例が増加しているため、具体的な事例を交えた研修が行われる場合も多いでしょう。

管理職におけるメンタルヘルスマネジメント 

ラインケア研修では、管理職として部下のメンタルヘルスを管理し、サポートするためのスキルを学びます。

適切なラインケアを実施するためには、メンタルヘルスマネジメントに関する知識が不可欠です。

ラインケア研修では、部下から悩みを相談された場合における対応や、傾聴の手法などを学べるため、部下が相談しやすいと感じる人間関係の構築方法を習得できるでしょう。

また、部下のストレスやメンタルの不調が現れやすいサインを学ぶことで、問題をいち早く察知するスキルを身につけられます。

休職と職場復帰 

ラインケア研修では、メンタルヘルスの不調による休職者に対する支援や、職場復帰をスムーズに進める方法を習得できます。

メンタルヘルスの不調が原因で休職している従業員がいる場合、管理職による適切な支援が必要です。

復帰後の従業員の不安を和らげるために、上司からの声かけなどが必要になるケースも見受けられます。

従業員の精神状態への配慮はもちろん、業務量の調整をはじめとするさまざまなサポートが求められるでしょう。

加えて、ラインケア研修では、従業員の個人情報の取り扱い方法についても学びます。

相談内容や健康情報を周囲に漏らさず、適切に取り扱うための知識を身につけられるでしょう。

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ラインケア研修を選ぶ際のポイント

ラインケア研修を選ぶ際は、以下のポイントに注目しましょう。

  • 自社に必要なスキルを確実に学べるカリキュラムである
  • 経験豊富な講師から受講できるか
  • 実践的なカリキュラムになっているか

自社に必要なスキルを確実に学べるカリキュラムである

ラインケア研修を選ぶ際は、自社に必要なスキルを確実に学べるカリキュラムのものを選びましょう。

ユーザーからの口コミが良く、人気が高いカリキュラムであっても、自社に合っていなければ十分な効果を得られません。

ラインケア研修ではさまざまな内容を取り扱うため、自社の課題を解決できる研修を選ぶことが重要です。

自社が抱える課題を明確化し、どのようなスキルを学べる研修が必要かを判断しましょう。

自社に合ったラインケア研修の選び方がわからない場合は、研修内容のカスタマイズが可能なものや、オーダーメイドの研修を作成できるものがおすすめです。

経験豊富な講師から受講できるか

ラインケア研修を選ぶ際は、研修を行う講師の質にも注目しましょう。

経験豊富な講師は、専門的な知識に加え、さまざまな対応事例に基づく判断力を備えていると考えられます。

講師の選び方で迷ったら、自社に似た事例の研修実績や、実務経験が豊富な講師を選ぶことがおすすめ。

担当講師の経歴や、指導実績を掲載している研修会社なら、講師のスキルを確認できます。

さらに、有資格者による指導を受けられる研修なら、安心して受講できるでしょう。

実践的なカリキュラムになっているか

ラインケア研修を選ぶ際は、カリキュラムの内容が実践的かどうかを確認しましょう。

例えば、グループワークやケーススタディが組み込まれているカリキュラムなら、研修で学んだ内容を実務に活かしやすくなります。

受講内容をスムーズに実践するためにも、研修の内容を確認し、業務での活用方法をイメージできるカリキュラムのものを選びましょう。

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ラインケア研修ならアガルート

本コラムでは、ラインケア研修のメリットや、研修の選び方について解説しました。

ラインケアは、従業員のメンタルヘルスをサポートし、労働環境を改善するために必要な施策です。

ラインケアの実施により、部下のメンタルヘルスの不調を早期発見し、適切な対策をとることができます。

一方で、ラインケアを行うためには、個人情報の保護や、労務管理などに関する知識が求められます。

そのため、適切なラインケア研修を実施することが重要です。

自社でラインケア研修を行うことが難しい場合は、アガルートのラインケア研修を活用してみましょう。

アガルートの企業研修は、研修を実施する企業に合わせた個別のカスタマイズが可能です。

自社のニーズに合った研修を受けられるため、研修の効果を最大化できるでしょう。

ラインケアによって従業員のメンタルヘルスを改善し、働きやすい職場づくりを目指しましょう。

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