スメハラ研修とは?職場の臭い人に耐えられない!伝え方や対策を紹介

スメハラ(スメルハラスメント)は、臭いによって相手が不快となる迷惑行為です。ただし、スメハラの行為者は気づいていないことが大きな課題となります。

本人は、周囲に迷惑をかけていないという認識が強いため、単刀直入な指摘でもめ事となるかもしれません。では、どのように気づかせれば良いのでしょうか。

今回は、スメハラの伝え方が学べるスメハラ研修について解説します。職場のスメハラ対策を模索している担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

「ハラスメント研修」会社探しにお困りではありませんか?

このような課題をお持ちでしたら
是非一度アガルートにご相談下さい

目次

スメハラ(スメルハラスメント)の意味とは?

職場において、対処の難しい問題はスメハラ(スメルハラスメント)ではないでしょうか。スメハラは、臭いによる迷惑行為、悪質な場合は嫌がらせ行為とも言えるハラスメントの一種です。

ビジネス現場では、狭い空間や至近距離でのやり取りで発生します。

スメハラの行為は、2つに分類できるでしょう。

  • 自分が臭いを発しているものと気づいていないケース
  • 自分の臭いを知っているうえで放置しているケース

当然ながら、後者の故意に臭いを放置する人は悪質なケースと考えられます。ところが、スメハラについては法的な迷惑行為と定められていません。その理由は、臭いの感じ方に個人差がある点です。そのため、企業も明確な基準を設けられない状況となっています。

アガルートの
ハラスメント研修を見る

スメハラに気づかせる!トラブルにならない伝え方や注意の仕方とは?

臭い人がいる職場では、その臭いでストレスを感じる人も存在します。臭いの発生元となる等の本人が気づいていなければ、解決することは不可能です。わざと臭いを発しているのでなければ、誰かがその人に伝えなければなりません。

ここでは、そのような場合のトラブルにならない伝え方や注意の仕方を紹介します。

  • 遠回しに伝える
  • 休憩時間などでさりげなく話題にする
  • ビジネスマンの立場として注意する

遠回しに伝える

自社のスメハラ問題が緊急を要するほどの状況でない場合や、悪質な状況でない場合は遠回しに伝えることも有効です。遠回しに伝えることは、トラブルを避ける方法として有効となる反面、時間が掛かります。

周囲への影響が大きくない場合は、時間を掛けてみるのも判断のひとつです。ただし、職場の雰囲気が悪くなるのであれば、直接伝えることになるでしょう。

休憩時間などでさりげなく話題にする

臭いを発している相手に直接指摘することは、最善策とも限りません。時と場所を選んで、さりげなく気づかせることも必要です。

たとえば、緊張感の緩む休憩時間などで、さりげなく話題にするなど。まずは、臭いの元となる相手の自尊心に配慮して伝えなければなりません。

さりげない話題から、相手が周囲に迷惑をかけていると気づけば改善される可能性もあります。

ビジネスマンの立場として注意する

さりげない伝え方でも臭うことを自覚してもらえない場合は、業務上のマナーとして注意することも必要です。顧客との距離が近い接客業であれば、臭いで印象を落とすリスクも考えられます。

注意を促す場合は、社内全体のルールにすることも方法のひとつです。相手に不快感を与えない配慮は、ビジネスマンとして当然のスキルでもあります。

上司などがビジネスマンの立場で注意するのであれば、企業方針として受け止めてもらえるでしょう。

アガルートの
ハラスメント研修を見る

スメハラとなり得るワキガや口臭の原因とは?

スメハラの原因の中でも、体質的な問題は本人の意思によるものではないことも考えられます。ここでは、ワキガや口臭の原因について解説しましょう。

ワキガの原因

脇の下や耳周りなどが臭うワキガは、自分では気づきにくい体質的な問題です。

ワキガは、単に汗をかくから臭うというものではありません。ワキガとなる原因は、汗の出る汗腺や脂(あぶら)の出る皮脂腺、雑菌の3つによるものです。

ワキガの原因内容
汗が分泌される汗腺汗腺のひとつのアポクリン腺から出る汗タンパク質脂肪酸糖質アンモニアなどを含む白く濁ってペタペタしている特徴がある
脂が分泌される皮脂腺脇の下などの毛穴から出る汗皮膚にとどまると臭が強くなる動物性脂肪のとり過ぎでも臭う
雑菌皮膚に残る汗の放置で臭う雑菌の繁殖が広がると臭いも強くなる

ワキガは、遺伝の影響も少なくありません。また、ストレスや肥満などが原因でワキガになることも考えられます。

※出典:フェミークリニック「ワキガの原因」

口臭の原因

スメハラ行為の要因には、口臭が考えられるでしょう。口臭は、3つの原因により発生します。

口臭の原因内容
生理的なもの起床したとき空腹なとき緊張したときストレスを感じているとき妊娠・生理時など
飲食や嗜好によるものニンニクを使った食事ネギを使った食事飲酒喫煙など
病気によるもの鼻の病気(蓄のう症、鼻炎など)呼吸器系の病気(ぜん息など)歯周病、むし歯、歯こうなど糖尿病肝臓疾患

※出典:公益社団法人日本口腔外科学会「口腔内のトラブル」

口臭は、揮発性硫黄化化合物(口内のばい菌が作る毒素)の増加により発生します。口内の乾きから細菌が増えることで発生する仕組みです。口臭は、飲食を原因として発生する場合と病気による原因が考えられます。

アガルートの
ハラスメント研修を見る

職場でのスメハラとなる具体例9選

前項では、ワキガや口臭によるスメハラの原因を解説してきました。ここでは、スメハラになり得る具体例を9つ紹介します。

  1. きつめの香水やヒゲ剃り後のローションの臭い
  2. 自分では気づきにくい体臭
  3. 対話が辛くなる口臭
  4. 食事による臭い
  5. 吸わない人には不快でしかないたばこの臭い
  6. 愛犬や愛猫などのペット臭
  7. 体臭を消す目的で使うボディスプレーなどの臭い
  8. 香料の強い洗剤の臭い
  9. 芳香剤や植物などのルーム臭

きつめの香水やヒゲ剃り後のローションの臭い

スメハラは、職場の同僚によるきつめの香水や過度なアフターシェーブローションの使用でも起こるでしょう。

自分が好む臭いでも、他人にとっては不快な臭いかもしれません。場合によっては、アレルギーを起こす可能性もあるため、周囲への配慮が必要です。

自分では気づきにくい体臭

ワキガなどの体臭は、自分で気づきにくい特徴を持っています。

ワキガは、汗により発生するため、清潔さの維持が必要となるでしょう。清潔さの維持を怠れば、強い体臭によるスメハラ行為となり得ます。

対話が辛くなる口臭

職場での打ち合わせや、クルマでの移動が必要な仕事では、口臭への配慮は不可欠です。

口臭は、他人に不快感を与える要因でもあります。個人が自覚しなければならない衛生習慣のひとつです。対面での打ち合わせ時に相手が辛くなるほど臭いは、仕事の精度も落としかねません。注意が必要です。

食事による臭い

食事(ニンニク、カレー、ネギなど)による臭いは、スメハラとなり得ます。

複数人で業務に取り組む職場では、臭いの元となる食事が原因で不快感を与えるでしょう。

吸わない人には不快でしかないたばこの臭い

現代は、喫煙スペースも縮小されている時代です。とはいえ、喫煙スペースでたばこを吸った場合、喫煙後の臭いで非喫煙者が不快になることも考えられます。

たばこを吸わない人にとっては、喫煙後の染みついた臭いも不快なものです。

愛犬や愛猫などのペット臭

スメハラは、犬や猫などを飼う人に染みついたペット臭でもなり得ます。

ペットの臭いは、動物を飼わない人にとって不快な臭いかもしれません。また、場合によってはアレルギー体質の人もいるため、配慮が求められます。

体臭を消す目的で使うボディスプレーなどの臭い

人によっては、ボディスプレーなどで自分の体臭を隠す場合もあります。

消臭目的で使う製品は、その香りが不快となるかもしれません。過度な使用は注意しましょう。

香料の強い洗剤の臭い

スメハラは、香水や消臭スプレーだけではなく、香料の強い洗剤でも起こる可能性があります。

職場の清掃で強い香料のクリーニング製品を使う場合は、周囲の承諾を得ることも必要です。

芳香剤や植物などのルーム臭

職場では、香りで癒されるために芳香剤を使うことも考えられます。

ただし、使う芳香剤によっては、不快となる人もいるでしょう。ルーム臭は、芳香剤だけではなく植物の臭いでも不快になり得ます。

スメハラは、個人の感覚や文化的背景でも意見が分かれる迷惑行為です。一つひとつを理解する必要があります。

アガルートの
ハラスメント研修を見る

スメハラ研修の目的

企業がスメハラ研修を行う目的は、次のとおりです。

  • スメハラの行為者への伝え方を知る
  • スメハラ被害で悪化する職場の人間関係の対処法を知る
  • スメハラ対策を知る

スメハラの行為者への伝え方を知る

スメハラ研修は、スメハラの行為者に伝える方法を学ぶ目的としても有効です。

スメハラは、ひとつ間違えれば行為者の自尊心を傷つけるだけではなく、侮辱(ぶじょく)行為になることも考えられます。

その対処法として、スメハラの行為者への伝え方をケースバイケースで理解しておきましょう。

スメハラ被害で悪化する職場の人間関係の対処法を知る

スメハラ研修は、スメハラ被害で悪化する職場の人間関係の対処法を学ぶ目的で活用できます。

スメハラは、行為者と被害者の双方にとって職場環境を悪化させる要因ともなり得ます。たとえば、強い香水で体臭を隠している行為者に対して、同僚から「臭いからその香水使わないで」と言われたとしましょう。その行為者と指摘した同僚の人間関係が悪化する可能性もあります。

スメハラ研修は、そのような状況での対処法を学べる機会となるでしょう。

スメハラ対策を知る

スメハラ研修の目的は、判断の難しい職場のスメハラ対策を理解することです。

スメハラの原因は、自覚のない生理的なものや病気なども考えられます。スメハラは、知識のない人が勝手な判断で指摘してしまうと、トラブルにつながりやすい迷惑行為です。

スメハラ研修では、状況に応じた最適な対処法を学べます。

アガルートの
ハラスメント研修を見る

スメハラ研修の一般的な内容

スメハラ研修は、自社に最適なスメハラ対策を理解できる講座です。一般的には、次の内容が受講できます。

  • スメハラの定義
  • スメハラの分類
  • スメハラによるトラブル事例
  • スメハラ対策と注意点
  • スメハラの対処を実践するワーク

スメハラの定義

スメハラ研修は、スメルハラスメントについて知識を深める内容となっています。

「臭いによる迷惑行為」は、放置しておくと社員の離職やコミュニケーションの悪化などが考えられるでしょう。そのような職場環境にしないための知識を習得する内容です。

スメハラの分類

スメハラ研修は、スメハラを分類する知識も内容に含まれています。スメハラは、自覚症状のない行為と周囲に配慮しない行為が考えられるでしょう。その2つの分類を基準にしたうえで考えます。

  • 体臭:ワキガ、加齢臭など
  • 口臭:生理的なもの、ストレスによるものなど
  • 飲食・喫煙による臭い:ニンニク料理、アルコール、たばこなど
  • 衛生的な問題:清潔さに欠ける身支度など

スメハラはデリケートな問題となるため、被害者だけではなく行為者への対応もきめ細かさが求められます。スメハラ研修では、職場環境とスメハラ行為者の状況を把握する知識習得に役立つでしょう。

スメハラによるトラブル事例

スメハラ研修では、過去のトラブル事例などから、自社に置き換えて学ぶことが一般的な内容です。

スメハラへの対応は、実際の職場で発生するトラブル事例を生かして業務上のマナーにも活用できます。

スメハラ対策と注意点

スメハラ研修では、「スメハラにどのような向き合い方をするのか」を具体的な状況を設定して学びます。

たとえば、中高年の男性社員による加齢臭などは、女子社員からスメハラ行為とみなされるかもしれません。また、個人差の激しい香水やコロンをつける量は、物議になる可能性もあります。

スメハラは、法的な判断基準がないため、明確に定義できない迷惑行為です。そのため、研修では注意点もふまえて検証しながら学ぶ内容となっています。

スメハラの対処を実践するワーク

スメハラ研修では、社員研修の一環として参加者がグループごとに実践ワークで知識を深められます。

実践ワークでは、当事者となって進めるため、より具体的な対処法が見つかる可能性もあるでしょう。

アガルートの
ハラスメント研修を見る

スメハラ研修はどんな人におすすめ?

スメハラ研修は、次のような課題を抱える人におすすめの研修プログラムです。

  • スメハラについて意識向上を目指す社員
  • 組織で身だしなみの改善を考えている人材開発部担当者
  • スメハラの行為者と被害者の対処に困っている管理者

スメハラについて意識向上を目指す社員

スメハラは、被害者が行為者にもなる迷惑行為です。自分の体臭は、自己判断しにくい特徴を持っています。たとえば、夫婦や家族であれば、臭いを指摘されるかもしれません。

しかし、会社の同僚や上司に対して体臭を指摘することは、トラブルの観点からも考えにくいです。そのような状況の組織には、社員研修での全体周知が適しています。

スメハラ研修は、組織のスメハラ意識を向上する機会にもなるでしょう。社員一人ひとりの知識を高める役割としても有効です。

組織で身だしなみの改善を考えている人材開発部担当者

スメハラ研修は、組織で身だしなみの改善を考えている部署におすすめな講座ではないでしょうか。組織の身だしなみの改善を模索する部署は、人材開発部などが該当します。

人材開発部の担当者は、社員のモチベーションを高める目的があるため、職場環境の改善で意欲向上につなげなければなりません。スメハラは、臭いが原因で起こる迷惑行為です。スメハラ対策は、身だしなみを整えることにもつながります。

社員研修の実施は、スメハラも含めて職場環境を見直せる機会になるでしょう。

スメハラの行為者と被害者の対処に困っている管理者

スメハラ研修がおすすめな人は、スメハラ行為者と被害者の対処に困っている管理者です。

スメハラは、行為者と被害者の判断基準が定められていないハラスメントの一種。そのため、管理者の立場でスメハラ対策を判断しにくい状況でもあります。

スメハラ研修は、参加者全員でスメハラの事例などから対策を検証することが可能です。管理者のスメハラ対処法の作成にも役立つでしょう。

アガルートの
ハラスメント研修を見る

スメハラ防止のためにすべき対策とは?

職場のスメハラ防止では、次の対策が効果的です。

  • 職場全体への連絡事項として周知を促す
  • 社員研修で理解を深める
  • スメハラ行為の当人に直接指摘する

職場全体への連絡事項として周知を促す

スメハラ防止を目指す企業は、職場全体へ周知すべき連絡事項として促す必要があります。まずは、朝礼や定例ミーティングなどの社員が集まる機会に知識を共有しましょう。

全員に伝えることで、何となく自分がスメハラ行為者であることに気づいていた人は、改善の機会となります。直接個人に伝えるよりも、全体連絡で伝えれば当事者の自尊心も傷つけないでしょう。

社員研修で理解を深める

社内の全体連絡でもスメハラ防止が進まない場合は、社員研修の開催がおすすめです。自社にスメハラなどの知識を持った人材がいなければ、外部サービスの活用も方法のひとつ。

外部サービスによる社員研修は、自社では学べない専門的な知識習得が期待できます。

スメハラ行為の当人に直接指摘する

職場では、社員研修を実施でもスメハラ行為が収まらないこともあるでしょう。とくに、体質的な問題や過度な不安を抱えている人は深刻な状況かもしれません。

その場合は、スメハラ行為の当人に直接指摘することも必要です。

個人的に指摘する場合は、上司や同性同士などの伝える人の厳選が求められます。スメハラは、デリケートな問題なだけに、迷惑行為の指摘ひとつでも細心の注意で対応しましょう。

アガルートの
ハラスメント研修を見る

スメハラ研修まとめ

スメハラは、目に見えない臭いが問題となる迷惑行為です。そのため、どこからどこまでと定義しにくい特徴を持っています。法的にも定まっていないため、スメハラ行為者への指摘に苦労するでしょう。

スメハラ研修では、スメハラ行為者への伝え方についても学べます。表面的な部分ではなく、スメハラの原因を深掘りした知識の習得が可能です。

社員研修は、企業ごとに抱える課題で内容の調整が必要。「ウチの会社は顧客との対面機会が多いため、ビジネスマナーとスメハラの2つで新人研修を行いたい」という事情を抱えた企業も少なくありません。

アガルートのスメハラ研修は、他のプログラムとの併用や必要に応じた組み合わせが可能です。プログラムのカスタマイズができるため、必要な講座だけで研修を開催できます。

さらに、アガルートの社員研修はオンライン完結型で学べる仕組みです。時間や場所を選ばないため、受講者も参加しやすくなるでしょう。まずは、自社の都合を踏まえたうえで気軽に相談してみてはいかがでしょうか。

「ハラスメント研修」会社探しにお困りではありませんか?

このような課題をお持ちでしたら
是非一度アガルートにご相談下さい

まずはお問合せ