行政書士は毎年約40,000人が受験する人気の国家資格で、弁護士や司法書士と同じ士業のひとつです。

行政書士になるには資格を取得する必要があり、取得することでさまざまなメリットを得られます。

本コラムでは行政書士資格を取るメリットと、人気の理由について、詳しくご紹介していきます。

行政書士資格を取る6つのメリット

行政書士資格を取得するメリットは以下のとおりです。

1. 行政書士になれる
2. 独立・開業できる
3. 法律の知識が身につく
4. 就職・転職に有利
5. 比較的簡単に取得できる
6. 他の法律系の資格の足がかりになる

1.行政書士になれる

行政書士になるには行政書士資格が必要です。

当然のことながら、行政書士は資格がないとなれません。

行政書士国家試験に合格することで、初めて行政書士としての資格を得ることができます。

したがって行政書士として働くことを考えている方は、行政書士資格を得る必要があります。

2.独立・開業できる

行政書士は、独立開業しやすい職業です。

最大の魅力は、実務経験がなくても開業できること。開業するのに実務経験が必要な税理士などの他の士業に比べて、比較的独立しやすいのが行政書士の特徴といえます。

3.法律の知識が身につく

資格を取得するために行政書士試験の勉強をすれば、法律に関する知識を身につけることが可能です。

行政書士試験では、憲法・民法・行政法といった日常生活に密着した法律科目が出題されます。法学部で学んでいる方や、法務部に所属している会社員の方が知識を深めるのにうってつけでしょう。

4.就職・転職に有利

就職活動において、行政書士資格は法律に関する知識の証明になります。

また行政書士試験は合格率10%と難しい試験であり、しっかりと勉強しないと受からない試験。そのため高度な学習能力や、物事に集中的に取り組む力があることを示すことが可能です。

どれだけ就活で有利に働くかは職種によりますが、アドバンテージになることは間違いありません。

5.比較的簡単に取得できる

行政書士試験は法律系の資格の中では難易度が低いため、比較的取得しやすい資格といえます。

たとえば、法律系資格の最難関である「司法試験」を受験する場合はロースクールに通わなければならず、難易度も非常に高いので、目指すだけでも相当な覚悟が必要です。

しかし行政書士試験は科目数もそれほど多くなく、内容も「難しすぎる」というわけではありません。法律系資格の取得を考えている方の第一歩に適した資格といえるでしょう。

6.他の法律系の資格の足がかりになる

行政書士試験は、司法試験などの他のより難しい法律系資格への足がかりになります。

たとえば行政書士試験で出題される憲法・民法・行政法・商法は、司法試験でも同様の試験範囲です。このように、まずは行政書士試験の合格を目指すことで、他資格にステップアップしやすくなります。

行政書士資格が人気の理由

行政書士資格を取るメリットをご紹介したましたが、あわせて行政書士が人気の理由もご紹介します。

• 受験資格がなく誰でも受験できる
• 独立開業がしやすい
• 職域が広い
• 一生働ける

受験資格がなく誰でも受験できる

行政書士試験には受験資格がありません。

年齢・学歴・国籍を問わず誰でも受験可能。合格者の過半数を40代以上が占めています。

2024度行政書士試験では、最年長合格者が81歳、最年少合格者が13歳でした。

これまでの経験や人脈を活かし、独立開業を考える方に適した資格なのが大きな理由でしょう。

独立開業がしやすい

先ほど行政書士資格を取得するメリットとして独立開業できることを挙げましたが、行政書士は士業の中でもとりわけ独立開業しやすい資格です。

弁護士（司法試験）は1年間の司法修習、司法書士は3つの新人研修、税理士は2年以上の実務経験を得なければ登録ができません。しかし、行政書士は登録するために研修や実務経験が要求されません。

自宅兼用事務所・PC・電話があれば開業できるので、初期投資も少ない点も人気の理由のひとつです。

職域が広い

行政書士が作成できる許認可等書類は10,000種類以上あり、権利義務・事実証明等の書類は1,000種類を超えるといわれています。

また、書類作成を通じての相談やコンサルティングなど、職域が非常に広く、本人の才覚次第でさまざまなビジネスチャンスを開拓できる資格です。

人によって収入の差はありますが、年収1000万円以上となる行政書士も多数存在し、やり方次第で稼げるという点も魅力のひとつでしょう。

一生働ける

行政書士は、経験と人脈がものをいう職業。実際、行政書士登録者の平均年齢は50代後半です。

書類作成、許認可届出の代行、相談業務など、年齢・性別を問わず活躍のできる仕事であるのも、行政書士の大きな魅力のひとつでしょう。

まとめ

以上のように、行政書士として働くことを目指している人はもちろん、法律の知識を深めたい方や他の法律系資格を目指している方にとっても、行政書士試験は有効です。

また、法律系の国家資格の中では比較的難易度が低く、受験資格の制限もないので気軽に勉強を始めることができます。少しでも興味がある方は、ぜひ合格を目指して勉強をはじめてみてください。