宅建士は、不動産業界において特に重要とされる資格。

しかし、宅建士を目指している方の中には「やめとけ」という意見を耳にして、迷っている方もいるのではないでしょうか。

このコラムでは、宅建の取得がなぜ「やめとけ」と言われるのか、また逆に宅建が「おすすめ」である理由について解説します。

宅建資格を取得しようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

宅建の取得はやめとけと言われる理由を3つ紹介

まずは一般的に「宅建の取得はやめとけ」と言われやすい理由について、見ていきたいと思います。

具体的には

• 宅建は難易度も高く、取得まで時間がかかる
• 宅建に合格すれば必ず営業成績が上がるわけではない
• 不動産業界は仕事がきつそう

といった理由が考えられるでしょう。

なお、次の章ではその一方で「宅建の取得がおすすめである理由」についても見ていきます。

それぞれを比較した上で、宅建を取得するかどうかの判断材料にしていただければ幸いです。

※関連コラム：宅建とは？宅建士の仕事内容や独占業務・求められる能力について紹介

宅建は難易度も高く、取得まで時間がかかる

資格試験の勉強時間別の難易度ランキング！一覧で紹介によると、宅建は取得まで300〜400時間程度の勉強時間が必要だと考えられます。

300〜400時間というのは、例えば司法試験の学習に必要とされる3,000〜8,000時間などと比較すると、努力すれば合格自体は不可能ではない程度の数字であると言えます。

しかし、不動産会社などで勤務するにあたって「全ての業務において宅建資格が必須」というわけではありません。

そんな中、仕事をもっと頑張ったり、あるいは別の資格の取得に時間を割いた方が良いとする考え方もあるようです。

宅建に合格すれば必ず営業成績が上がるわけではない

宅建の取得を検討している人の中には、不動産会社で営業職として働いている方も多いのではないでしょうか。

そういった人たちからすると、宅建資格を保有していることで顧客に安心感を与えられるなど、副次的なメリットも考えられます。

ですが、宅建に合格したからといって、それだけで成績を直ちに上げられるわけではありません。

前述の通り、宅建資格を取得するためには一定の時間がかかります。それならやはり他のことに時間を割いた方が良いとする考え方も否定できないでしょう。

不動産業界は(特に営業は)仕事がきつそう

宅建の資格が役立つとされるのは、主に不動産業界においてです。

その一方で、不動産業界、特に営業職ではノルマが厳しいといったイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか。

そのため、特に別業種に転職したいと考えて、資格を取得することによって転職を実現しようと考えた場合、わざわざそのようなきつそうな業界に有利になるような資格を選んで取るのはどうなのか、といった考え方もあるようです。

せっかく時間を割いて資格の取得を目指すのであれば、好待遇が期待できる業界に関連する資格を選びたいと考える気持ちも十分に理解できます。

宅建の取得がおすすめであると考えられる理由を3つ紹介

次に、宅建の取得がおすすめであると考えられる理由について見ていきたいと思います。

具体的には

• 頑張れば取得できる資格である
• 「独占業務」がある
• 不動産業界は離職率がそこまで高くない

といった理由が考えられるでしょう。

この前の章では、一方で「宅建の取得はやめとけと言われる理由」についても解説しています。

宅建資格を取得するメリット・デメリットをそれぞれ比較し、ご自身の判断材料としていただければ幸いです。

頑張れば取得できる資格である

前述の通り、資格試験の勉強時間別の難易度ランキング！一覧で紹介によると、宅建は取得するまでに300〜400時間程度の勉強時間が必要だと考えられます。

その一方で、司法試験の合格には3,000〜8,000時間、司法書士資格の取得には3,000時間が必要です。

これらの数字と比較すると、宅建の資格は1/10程度の勉強時間で済むと考えることもできるでしょう。

宅建は、決して「簡単」に取得できる資格ではありません。

とはいえ、学歴などの受験資格も特段定められておらず、例えば予備校を上手に活用などすれば、資格取得も全く不可能というわけではないでしょう。

その上、特に不動産業界においては、次の項目でも述べる通り「宅建士でないと行うことができない業務」すなわち「独占業務」というものがあり、その意味でも一定のニーズがあるとされています。

つまり、300〜400時間程度の努力をしさえすれば、誰でも比較的安定的に職を得られるといった考え方も可能でしょう。

「独占業務」がある

宅建士が行う業務の中でも

• 重要事項の説明
• 重要事項説明書（35条書面）への記名押印
• 契約書（37条書面）への記名押印

などは宅建士の独占業務（有資格者でないと行うことのできない業務）です。

また、これらの業務は不動産屋においてはほぼ必須の業務となります。

そのため、不動産会社では事実上、宅建士の有資格者の存在が必須となるのです。

※関連コラム：宅建とは？宅建士の仕事内容や独占業務・求められる能力について紹介

不動産業界は離職率がそこまで高くない

不動産業界に関しては、営業職を中心に「ノルマなどがきつそう」といったイメージを抱いてる方も多いのではないかと思います。

しかし、データを確認してみると、必ずしもそうではないと考えられそうです。

厚生労働省が発表している「令和2年雇用動向調査結果の概要」によると、産業別の離職率は全体で14.2%です。

これに対し、不動産業・物品賃貸業は14.8%と、大きく超過しているわけではありません。

例えば、宿泊業・飲食サービス業の離職率は26.9%となっています。

また、宅建資格は担保などとしての不動産取引を行うことがある「金融業界」においても重宝される資格です。

そしてその金融業・保険業の離職率は7.7%と、極めて低い数値になっています。

このように、宅建の取得が効果的と思われる不動産・金融業界は、必ずしも離職率が高いわけではないため、イメージほどきつい業界ではないとも考えられます。

取得を目指すなら予備校の利用もあり！

以上、本記事では宅建資格の取得について「やめとけ」とされる理由と、「おすすめ」であるとされる理由について見てきました。

これらの内容を加味した上で「宅建資格の取得を目指す」場合、確実な合格や時短での合格のためにも、予備校の活用がおすすめです。

中でも、オンラインでの学習が可能な予備校であれば、時間や場所を選びません。

アガルートの宅地建物取引士試験講座では、令和5年度宅建試験における受講生の合格率が64.8%と、全国平均の3.77倍という高い実績を残しています。

アガルートではオンラインの受講相談も無料で承っています。宅建の取得を目指している方は、まずはお気軽にご相談ください。

※関連コラム：宅建とは？宅建士の仕事内容や独占業務・求められる能力について紹介