自己紹介

名前:細谷 直史さん
年代:20代
属性:学生

受講されていたカリキュラム

■ 予備試験1年合格カリキュラム マネージメントオプション

合格体験記

【勉強の方針とどのように勉強を進めていたか】

年が明けるまでは、開始時期が遅くカリキュラムの遅れが生じていたせいもあって、週ごとに指定された課題をすべて消化することで手一杯でした。

主な勉強内容は、週に2通の答案作成とその提出、それから映像授業の受講です。

この時期に意識していた工夫としては、毎週の指導で講師の方より指摘された修正点を、次の指導日まで毎日復習するようにしていた点が挙げられます。

失敗経験や挫折については、この期間の勉強時間の確保が十分でなかった点が挙げられます。

自己規律能力の不足という内在的な原因だけでなく、この時期に色々なイベントが続いたという外在的な原因も勉強時間の不足という結果に大きく寄与していたと思います。

もっとも、当時からこの反省点には気づいていたため、年明け以降は少しずつ修正を図りました。

年が明け、1月からは、予備試験の論文過去問演習が中心となりました。

もっとも、1月は学部試験のため時間がなかなか取れず、また、未着手であった短答過去問の処理のため2月以降、多大な時間を費やすことを余儀なくされた結果、論文過去問を週に2問解き、その復習と関連論点や判例の復習をするのが限界でした。

この時期に意識していた工夫としては、勉強内容が論文式試験の過去問とその復習、短答過去問に収斂し、かつ学部の授業もなく毎日同じような時間の使い方が可能であったため、日毎のアウトプットを一定に保つことを強く意識していた点が挙げられます。

具体的には、起床から就寝までの時間割を作成して作業内容を事前に確定し、同時に、短答一日67問(アガルートの短答過去問の見出しを基準にしています。

肢別ではありません。)といった具体的達成目標を設定し、日々その達成状況を記録していました。

安定したアウトプットが勉強量の最大化につながると考えたからです。

もっとも、短答の科目やテーマ、その日の体調により目標達成の難易度は変化します。

しかし、そこで日々の目標達成の成否にばらつきが出ると勉強のリズムがうまく作れないので、確実に目標を達成できるよう毎日夜8時以降は予定を入れず、バッファーとして残余の課題の処理のための時間を確保しておきました。

勉強時間の確保にかかるその他の工夫は後述の通りです。失敗経験や挫折については、短答の勉強方法の拙さが挙げられます。

私は、アガルートの短答問題集を中心に、そこで出題された条文や、知らなかった知識をポケット六法に書き込むという形式の勉強方法を採っていました。

出題頻度の可視化と、記憶すべき知識の一元化が目的です。

この点について、使用する六法を判例六法にすべきであったと反省しています。

理由としては、判例六法は主要判例を簡潔に収録しているため、既出・未出の判例は把握でき、ポケット六法よりも網羅的な一元化教材となるからです。

とりわけ、判例知識が重要となる公法系で、判例六法を利用することの恩恵は大きいと思います。

学部授業が始まってから短答までの1か月程度は、授業を受けてノートを作成する時間と各週の論文過去問の課題をこなす時間の他、ひたすら短答過去問をしていました。

この時期に意識していた工夫としては、主に学部の授業対策ですが、授業は定時に必ず受けてノートを作成し、疑問点などを書き出しておくことを墨守していました。

裏返せば、疑問点を参考書で調べたり、定時以外の時間でダラダラと授業を視聴したりすることはせず、最低限の時間で済ませることを意識していました。

私の所属する大学では、期末試験が7月後半から8月頭にかけて行われるため、論文式試験後2週間程度の時間が見込まれていました。

そのため、過去の自分の試験対策の手順に鑑み、授業内容の全体像を頭に入れ、勉強の端緒となる疑問点が明らかになっていれば論文後2週間の準備期間で足りるだろうと考え、上記のような講義の受講形態を採ることにした次第です。

失敗経験や挫折については、公法系の短答の勉強方法が挙げられます。

私の実感としては、公法系の問題は判例の事案や判決原文を読んで初めて応用の効く知識が身につくものと今でこそ思います。

しかし、当時は、進捗の遅れによる焦りもあって、問題集の解答に引用されている判決文のみを読むにとどまってしまい、結果、何度解いてもよく分からない、という状態を最後まで抜け出すことができませんでした。

短答から論文までは、引き続き論文過去問の消化・復習に加え、当時重問を1.5周しかこなすことができていなかったため、論文の日までに全問題を最低2回、難しい問題については追加で1~2回検討できるようスケジュールを組んで、それを黙々とこなしていました。

この時期に意識していた工夫としては、論文過去問と重問のみに教材を絞り、毎日のノルマを淡々とこなすようにスケジュールを組んだことです。

とりわけ、重問の進捗がはかばかしくなく、令和2年の刑事訴訟法のように、半ば知識問題ともいえる出題に対応できる自信がなかったため、各科目で少しでも知識の穴が無くし本番で何かしら書ける内容が頭に入っているよう、意識していました。

失敗経験や挫折については、短答式試験までに殆ど重問をつぶせていなかったことが挙げられます。可処分時間に鑑みても、前年12月までに最低でも全体2週、可能であればそれ以上行い、重問上の全ての論点について定義・規範、重要な事実を押さえておくが出来ていれば理想的だったと思います。

【学習時間はどのように確保し、一日をどのように過ごしていたか】

学生であるので、原則として、一日中時間を使えます。

しかし、現実には学部の授業があり、例えば一日に2つ受ければ3時間半を消費し、体力も集中力も一程度減り、文字通り一日中時間を使えるわけではありませんでした。

さらに、自己規律の欠如とのお叱りを受ければそれまでですが、ときにSNS等に時間を溶かしてしまうことも多々ありました。

そのため、気付くと殆ど予備試験の向けた勉強をしないまま日が暮れてしまった、というようなことも一度や二度ではありません。

もっとも、日々の生活を観察していると、自分の生活に特有の陥穽は次第に明らかとなります。

そこで、それらについて個別的対応策を講じるようにしていました。例えば、オンライン授業を105分受けると、疲労と授業が終わった開放感から、そのままパソコンでネットサーフィンをしてしまうこともしばしばでした。

そこで、よく使うSNSへの日中のログインができなくなるアプリを購入し、SNSにつながらない状況を作り、また、ネットサーフィンの代わりに、授業後は必ず外に出て決まった散歩道を歩き気分転換をすることを習慣づけました。

加えて、家で勉強をしていると、人の目がないせいか息抜きが長くなりがちであったため、予備試験対策期間中は必ず外部の自習室で勉強するようにしていました。

以上のように、自分の意志の力に少しでも頼らなくて済むよう、誘惑の少ない生活環境や習慣の形成に腐心していました。

【直前期の過ごし方】

短答直前の1週間は、時間の許す限り、複数回間違えた選択肢とその解説を読んでいました。

準備が十分であったとは思えず、不安な気持ちで試験を迎えました。

論文直前の1週間は、前半は全年度分の論文過去問を復習し、後半の3日間は論証集を読んでいました。

設問に形式的に答えること、正解の分からない問題でも3段論法等の形式を死守することができれば、恐らく合格できるだろうという気持ちで試験を迎えました。

口述直前の1週間は、要件事実や構成要件の暗記に費やしました。

ただ、口述式試験直前は、精神的に非常に辛かったです。精神的に追い込まれ、記憶の限り、人生で最もつらい期間の一つであったと思います。

試験中に動転したり、精神的疲労のために本領を発揮できずに不合格となっては、悔やんでも悔やみきれないと思い、直前期は、友人や家族と毎日話すようにし、試験当日に向けて自分の精神状態を落ち着かせることを試みました。

【試験期間中の過ごし方】

短答は一日で終わったので、割愛します。

論文の一日目を終えてから二日目にかけては、公法系と刑事系の手ごたえが比較的良かったこともあり、落ち着いて過ごすことができました。

試験後に自習室に向かい民事訴訟法の論証集を確認した後、帰宅し夕飯をとって、寝るまでは実務基礎の過去問を復習していました。

対照的に、口述の一日目の民事が終わってから、二日目の刑事までの間は、取り乱していたと思います。

原因は民事の手ごたえが良くなかったことだったのですが、そこから「明日の刑事は絶対に失敗できないのに、刑事手続は穴だらけだ」とか「ここで落ちたら、またあの無味乾燥な試験対策に後戻りだ」などという思考に囚われてしまい、状況を悪化させました。

当初予定していた復習事項の見直しは何とか終えましたが、どうにも落ち着かず、思い切って二日目の朝から午後の試験までは、友人や家族と話をして自分を落ち着かせることに時間を使いました。

幸いにも、周囲の助けのおかげで覚悟を決めることができ、幸いにも試験自体には腹の据わった状態で臨むことができました。

【受験した時の手ごたえと合格した時の気持ち】

短答は、公法系でも民事系でも手応えがなく、落ちたかもしれないと思って帰路についたことを覚えています。

ただ、即日自己採点をしたところ、法律科目だけで140点は超えていることが分かりました。過去問での教養の点数に鑑みれば、恐らく大丈夫だろうと安堵に包まれました。

短答の合格発表について、以上のように、大幅なマークミスさえなければ確実に受かっているだろうと思っていたため、合格を確認するような落ち着いた心持で臨みました。

実際に自分の番号があったときも、少しほっとした程度で、直ぐに論文の勉強に戻りました。

論文は、前述のとおり、1日目の手応えは良かったものの、2日目は、民事訴訟法で途中答案となってしまい、一般教養でも最後まで題意がつかめなかったため、やや不安が残りました。

もっとも、試験後は解放感に包まれ、同じ会場で受験してた友人3人と飲みに行きました。

論文の合格発表について、試験直後には手ごたえがあったとはいえ、3か月近くもたてば次々に粗が見つかるもので、発表当時には半ば合格を諦めていました。

皆さんも経験されると思いますが、合格発表時間になっても、法務省のサイトにアクセスが集中するため、しばらくは発表を見ることはできません。

更新ボタンを連打している間、心臓が早鐘のように鳴り、手に汗がにじんでいたのを今でも思い出されます。

自分の番号を見つけた瞬間は、意識するよりも前に、歓声を上げていました。本当に嬉しかったです。
口述は、先にも述べた通り、一日目の手応えは悪かった一方、二日目の刑事は詰まるところもなく終えられました

初日も58点が付く出来とは思えず、二日目でどうにか60点は来るだろうと思い、恐らく合格しているだろうという手応えでした。

とはいえ、口述の合格発表について、確認するときには非常に緊張しました。発表直前には、どうにか受かっていてくれと半ば懇願するような気持でした。

自分の番号が無事にあるのを確認したときは、喜びよりも安堵の方が強かったです。

【振り返ってみて合格の決め手は?】

予備試験を受けると決めたこの一年間、色々なことがありました。

その中でどうにか合格にたどり着くことができたのは、家族や友人の支えと、マネージメントオプションでお世話になった先生方のご指導のおかげであると切に思います。

また、知識面でも重要問題習得講座は合格の最大の要因の一つだと感じています。

【アガルートアカデミーを一言で表すと】

練達の導き手

【受験生に対するメッセージ】

私は予備試験を受けるに当たり、自分の状況を評価・修正するため、合格者の方の体験記を参考にさせていただくことがしばしばありました。

本体験記もそうした経験を思い出しながら少しでもお役に立てればと思い作成しました。

私は来る司法試験を控えた一介の受験生に過ぎず、有益な情報を提供できたか甚だ心許ないですが、本体験記が読者の皆様にとり僅かでも参考となれば、望外の喜びとするところです。