日本には数多くの法律事務所(弁護士事務所)が存在していますが、特に弁護士数が多い5つの事務所は「五大法律事務所」と呼ばれ、日本を代表する法律事務所となっています。

今回は、そんな日本を代表する「五大法律事務所」とは何か、詳しく解説します。
五大法律事務所で働くメリットや、五大法律事務所に入るには出身大学が関係するのかについてもご紹介しています。

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五大(四大)法律事務所とは?

五大(四大)法律事務所とは国内位の法律事務所の所属弁護士の数が多い上位5位(4位)の大手法律事務所のことを指します。

  • 西村あさひ法律事務所
  • アンダーソン・毛利・友常法律事務所
  • 長島・大野・常松法律事務所
  • 森・濱田松本法律事務所
  • (TMI総合法律事務所)

弁護士白書より

かつては「四大法律事務所」と言われていましたが、TMI総合法律事務所の人数が増加してきたため、今では5つまとめて「五大法律事務所」として広く知られています。

五大法律事務所の弁護士数はいずれも400人を超えており、人数が突出して多いのが特徴です。

日本の法律事務所では、弁護士数が1〜5名程度と少数なのが一般的。
そのため、五大法律事務所に所属する弁護士の人数の多さは特異と言えるでしょう。

また、企業法務案件を多く扱っているのも五大法律事務所の特徴です。

国際関係の案件を扱うケースも多く、五代法律事務所で働く弁護士には語学力も欠かせません。

続いて、五大法律事務所ごとに事務所の詳細をご紹介します。

西村あさひ法律事務所

西村あさひ法律事務所
西村あさひ
事業所東京、大阪、名古屋、福岡、札幌ほか、海外拠点
弁護士数約830名(外国弁護士を含む)
設立1966年12月
特徴グローバルなリーガルサービス

西村あさひ事務所は、国内最大規模の大手法律事務所。

その所属弁護士の数は五大法律事務所の中でトップであり、所属弁護士は800人以上です。(2024年1月時点)

設立当初は「西村法律事務所」でしたが、2004年1月に「西村ときわ法律事務所」に名称変更。
2007年7月に「あさひ法律事務所(国際部門)」と統合し、「西村あさひ法律事務所」となりました。

日本では東京、大阪、名古屋、福岡の4拠点に、海外ではバンコク、北京、上海、ニューヨーク、フランクフルト、シンガポールなど11拠点を展開。
国内だけでなく、海外進出も積極的に行っています。

法律事務所の最大手だけあって取り扱い分野は多岐に渡り、特に、銀行・金融、独占禁止法・競争法、企業法・M&A、不動産取引・事業再生などで高い評価を得ています。

所属している弁護士が多いことから、元検事や元エンジニアなど多種多様な経歴を持つ人材が活躍しているのが特徴です。

※参考:西村あさひ法律事務所

アンダーソン・毛利・友常法律事務所

アンダーソン・毛利・友常法律事務所
アンダーソン・毛利・友常法律事務所
事業所東京、大阪、名古屋
ほか、海外拠点
弁護士数弁護士等数698名
設立2005年1月
特徴グローバルなリーガルサービス
バイリンガル弁護士が多数所属

アンダーソン・毛利・友常法律事務所は弁護士数が698名と、日本で2番目に大きい法律事務所です。(2024年1月時点)

国際法律事務所として第一線で活躍していた「アンダーソン・毛利法律事務所」と、国際金融取引などで評判高い「友常木村法律事務所」が合併して、2005年に「アンダーソン・毛利・友常法律事務所」が設立されました。

日本では東京、大阪、名古屋の3都市に、海外では北京、上海、香港、シンガポール、ホーチミン、バンコク、ジャカルタの8都市に拠点を構えています。

アンダーソン・毛利・友常法律事務所の得意領域は、銀行・金融・キャピタル・マーケット、紛争解決、労働法、知的財産、生命科学など。

海外クライアントの比率が大きく、国際企業法務の分野において、外資系の企業からも高い評価を得ています。

※参考: アンダーソン・毛利・友常法律事務所

長島・大野・常松法律事務所

長島・大野・常松法律事務所
長島・大野・常松法律事務所
事業所東京
ほか、海外拠点
弁護士数603名(日本弁護士553名、外国弁護士50名)
設立2000年1月
特徴様々なバックグラウンドを有する弁護士・スタッフが在籍
幅広い法的ニーズにワンストップで対応

企業の大型案件を得意とする「長島・大野法律事務所」と、国際的証券・金融関係を中心に業務を拡大していた「常松簗瀬関根法律事務所」が2000年に合併し、「長島・大野・常松法律事務所」となりました。

長島・大野常松法律事務所の所属弁護士数は603名。(2024年1月時点)
日本で初めて所属弁護士数が100名を超えた事務所であり、今では日本で3番目に大きい法律事務所となっています。

長島・大野・常松法律事務所は、東京のほか、ニューヨークやシンガポール、バンコク、ホーチミン、ハノイ、上海に拠点を展開。

銀行・金融、キャピタル・マーケット、紛争解決、保険法、税務などで高評価を得ています。

渉外法務も得意とし、大手渉外事務所の1つとして知られています。

※参考:長島・大野・常松法律事務所

森・濱田松本法律事務所

森・浜田松本法律事務所
森・濱田松本法律事務所
事業所東京(従事務所:大阪、名古屋、福岡、高松、札幌)
ほか海外拠点
弁護士764名
設立2002年12月
特徴若手弁護士の育成やITの活用に注力

森・濱田松本法律事務所は、日本で4番目に弁護士数が多く、764名の弁護士が在籍しています。(2024年1月時点)

2002年12月に、渉外事務所として有名な「森綜合法律事務所」と、渉外金融法務を得意とする「濱田松本法律事務所」が統合し、「森・濱田松本法律事務所」が設立されました。

日本では東京、大阪、名古屋、福岡、高松に、海外では北京、上海、シンガポール、バンコク、ヤンゴン、ホーチミンに拠点を持っています。

森・濱田松本法律事務所の得意領域は、銀行・金融・キャピタル・マーケット、訴訟・紛争、企業法・M&A、投資ファンドなど。

若手弁護士の育成やITの活用にも力を入れている大手法律事務所です。

※参考: 森・濱田松本法律事務所

TMI総合法律事務所

TMI総合法律事務所
TMI総合法律事務所
事業所東京、名古屋、大阪、京都、神戸、福岡
ほか、海外拠点
弁護士数575名
設立1990年10月
特徴海外案件を積極的に取り扱う
知的財産領域が得意

TMI総合法律事務所は、1990年に設立した法律事務所。
所属弁護士の数が急増したことから、TMI総合法律事務所を加えて「五大法律事務所」と今では呼ばれています。

TMI総合法律事務所の所属弁護士数は575名。(2024年1月時点)

所属している弁護士は、国内業務だけでなく、渉外業務も経験を積んだ弁護士が多く在籍しているため、海外案件を積極的に扱っているのが特徴です。
また、弁理士も多く在籍しているので、知的財産領域も得意としています。

TMI総合法律事務所は、日本では東京、名古屋、大阪、京都、神戸、福岡に。
海外では、中国、ベトナム、シンガポール等といったアジア各国、シリコンバレーやロンドンに拠点を構えています。

さらに、フランス、ブラジル、インド、フィリピン、インドネシア等にも駐在員を置き、積極的に海外進出をしています。

※参考:TMI総合法律事務所

五大法律事務所の年収は?

5大法律事務所の年収は1年目は1000万~1200万円近くで、月収は90~100万円程度です。

弁護士1年目の平均年収は約550万円と比較すると倍以上の年収で給与水準は高いことが分かります。

五(四)大法律事務所は激務?ブラック?

5大法律事務所は弁護士事務所の中でも忙しく激務だと言えるでしょう。

理由としては扱う案件の規模が大きいため、やらなければいけない仕事も多くなるからです。

実際に五大法律事務所で働いていた方によると、予定によっては深夜や朝方に仕事が終わることがあったり、遅くまで仕事をした次の日は遅めに出勤するなど忙しい中でも柔軟な働き方ができます。

五大法律事務所に入るには出身大学(法科大学院)や学歴は関係ある?

五大法律事務所に入るには必ずしも学歴が必要というわけではありませんが、難関ロー又は予備試験に合格していることが求められていると言えるでしょう。

下記の表は、五大法律事務所の出身法科大学院をまとめたものです。

東京大学法科大学院が2〜4割程度占め、つづいて、慶應義塾大学法科大学院、早稲田大学法科大学院、京都大学法科大学院などの出身者が占めています。

いわゆる「難関ロー出身者」が主に採用されていることが見て取れます。
五大法律事務所は人気が高く、競争が激しいため、難関ロー出身の方が有利であるのは間違いないでしょう。

ただし、難関ローに属していなくとも、十分に可能性はあります。

それは予備試験合格者です。

表のように、五大法律事務所は予備試験合格者を多く採用しています。
司法試験よりも競争の激しい予備試験を突破していることから、予備試験合格者は法律事務所から高く評価される傾向にあるためです。

「五大法律事務所に入りたい!」と考えている方は難関ロー or 予備試験合格を目指すと良いでしょう。

※関連コラム:弁護士になるには?予備試験ルートを推奨する6つの理由~年齢や費用など~

ただし、実際には、最終学歴だけで判断するわけではありません。
当然ですが、面接内容も評価の対象になります。

弁護士は「ヒト」を相手にする職業ですので、人間性が最も評価されるポイントだということを押さえておきましょう。

五大法律事務所に入るには?必要なスキルや条件

五大法律事務所に入るためには、以下のような条件やスキルを持っていると有利になります。

司法試験の順位が高い

司法試験の順位は、選考の参考にされるため、順位が高い方が有利となります。
目安としては、100位以内に入っておくといいでしょう。
順位だけで決定されるわけではありませんが、学歴等と合わせて能力を見られることが多いことは覚えておいた方がいいでしょう。

語学スキルがある

大手法律事務所では、海外案件に対応するケースも多く、語学スキルがあると、就職に有利になります。語学系の資格がある場合や留学経験を持つ人は、積極的にアピールした方がいいでしょう。
目安としては、TOEIC800点以上の人材を求めている事務所が多いため、語学力を高めることも視野に入れておくことをおすすめします。

体力があり、タフである

五代事務所の弁護士業務は、多忙になりやすい傾向があるため、体力があり、タフである人が向いています。
そのような適正についても、選考で見られる可能性があるため、自分が向ているか?という点も自己分析しながら、PRできる部分を考えておくといいでしょう。

五大(四大)法律事務所、弁護士人数ランキング

五大法律事務所の人数ランキングは、以下の通りです。

  • 1位:西村あさひ法律事務所(約830名)
  • 2位:森・濱田松本法律事務所(764名)
  • 3位:アンダーソン・毛利・友常法律事務所(弁護士等数698名)
  • 4位:長島・大野・常松法律事務所(603名)
  • 5位:TMI総合法律事務所(575名)

(※2024年1月時点、公式サイト公開人数を元に作成)

五大(四大)法律事務所で働くメリット

給与が高い

五大事務所では、1年目から1,000万円程の年収が設定されています。
一般的な法律事務所の1年目平均値は500~600万円となっているため、2倍近い年収となっています。
これが、人気の一つの理由であり、大きなメリットといえます。

また、一度高い水準での給与が設定されている五大事務所に入れば、今後転職をしたとしても、高い年収を狙える可能性は高くなります。

転職等でも有利

五大法律事務所に就職できれば今後の転職等でも有利になります。

もともと就職が難しいこともあるうえ、認知度も高いため、就職時にも能力や信頼性というポイントで高評価を得られる要素となります。
また、独立する場合でも、クライアントから信頼してもらいやすくなるでしょう。

国際的な案件を経験できる

五大法律事務所では、国際的な案件を多く取り扱っているため、他の事務所では経験できないような大規模な仕事に携わることができます。
他にはないやりがいを感じられ、高い対応力を身に着けることができるでしょう。

プロフェッショナル集団の中でスキルを磨ける

五大事務所には、弁護士が数多く在籍しているため、さまざまな弁護士と仕事をすることができます。
また、能力の高いプロフェッショナルが多いため、切磋琢磨しながら、自分の弁護士としてのスキルを高めることができるでしょう。

福利厚生が良い

五大事務所は、福利厚生が充実しています。
手当や保険、研修制度について、高い水準になっており、長く働きやすい環境であるといえます。
快適に働ける条件を与えられ、業務に集中できる点は五大事務所に入るメリットの一つです。

五大(四大)法律事務所で働くデメリット

五大事務所で働くデメリットは、ハードワークになりやすいということです。
規模の大きな案件に携わる分、やりがいがありますが、その分仕事量が多くなりやすい傾向にあります。
海外案件も多いため、時間外での仕事が発生するケースもあります。
拘束時間については、小さな事務所に比べると長くなることが多いでしょう。

まとめ

五大事務所には、以下の5つがあります。

  • 西村あさひ法律事務所
  • 森・濱田松本法律事務所
  • アンダーソン・毛利・友常法律事務所
  • 長島・大野・常松法律事務所
  • TMI総合法律事務所

弁護士数が多く、大きな規模の案件も経験できるため、就職すれば今後のキャリアにおいて有利になることは間違いないでしょう。
五大事務所を目指したい方は、この記事を参考にぜひチャレンジしてみてくださいね。

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  • 司法試験の勉強についていけるか不安
  • 司法試験に合格している人の共通点や特徴を知りたい

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