宅地建物取引士（以下、宅建）の資格を取得すると、不動産取引に関する知識の証明になります。

不動産業界で働いている方の中には、「宅建をもっていないと恥ずかしい」と感じる方もいるのではないでしょうか。

本コラムでは、「宅建をもっていないことは恥ずかしいことなのか」をわかりやすく解説します。

宅建を取得しなければ従事できない業務についても紹介するため、興味がある方はぜひ参考にしてください。

宅建を持っていないことは恥ずかしい？名刺に記載がないと恥ずかしい？

宅建をもっていないことは、必ずしも恥ずかしいことではありません。

確かに宅建は国家資格であり、取得できると不動産業界で高く評価されます。

宅建をもっていることに対して、誇りに思う人もいるでしょう。

しかし、宅建に限らず資格は仕事で最大限活かすことが重要であり、価値が生まれます。

また、一般的に多くの仕事は、1人だけの力で完結するものではなく、同僚などさまざまな人との協力によって成立するものです。

そのため、宅建の有資格者がほかの人より活躍しているように見えても、その裏には「宅建をもっていない人」の支えがあることがほとんどです。

不動産業界でも、さまざまな立場の人が協力して進めていく業務が多いため、「宅建をもっていないことが恥ずかしい」とは断言できないでしょう。

また、宅建試験は国家試験であり、難易度も高いです。

例年の合格率は約20％であり、令和6年度宅建試験の合格率は18.6％でした。

※出典：令和6年度宅地建物取引士資格試験結果の概要｜一般社団法人 不動産適性取引推進機構

つまり、受験者の5人のうち約4人は不合格となるため、「宅建をもっていないことは恥ずかしい」とは考えにくいです。

宅建は、「もっていないことが恥ずかしい」資格ではなく、「もっていることがすごい」と評価される資格だといえるでしょう。

恥か否か以前に宅建士でないとできない業務もある

宅建の資格をもっていないことは、必ずしも恥ずかしいことではありません。

しかし、恥ずかしいかどうかの前に、宅建士ではないと従事できない独占業務があります。

具体的な宅建士の独占業務は、以下のとおりです。

1. 重要事項の説明
2. 重要事項説明書（35条書面）への記名
3. 37条書面への記名

宅建士の主な仕事内容は、不動産の売買などにかかわる業務です。

特に売買や賃貸契約における重要事項の説明は宅建士の独占業務となり、ほぼすべての取引で必要な業務です。

また、重要事項の説明は、不動産の専門知識がない一般の方に契約内容を理解してもらうために行うため、業務の中でも重要な役割を担っています。

さらに不動産取引の際には説明だけではなく、重要事項が記載された説明書をお客様に交付しなければなりません。

交付する書類は、「重要事項説明書（35条書面）」と呼ばれており、宅建士だけが記名できる書類です。

そのほか、契約成立後には一定の事項を記載した書類を交付することが義務づけられています。

交付される書面は一般的に「37条書面」といい、37条書面も宅建士だけが記名できます。

不動産取引での重要事項に関する業務は宅建士の独占業務のため、「恥ずかしい」と感じる以前に宅建をもっていないとできない仕事です。

不動産取引に関する業務を主体的にやってみたい方は、宅建資格の取得をおすすめします。

どうしても恥ずかしいなら取得のための努力を！

本コラムでは、「宅建をもっていないことは恥ずかしいことなのか」について深堀りし、解説しました。

コラムのポイントは、以下のとおりです。

• 宅建をもっていないことは必ずしも恥ずかしいことではない
• 仕事は多く人の協力のうえで成り立っており、不動産でも宅建をもっていない人が活躍し、宅建士を支えている
• 宅建試験は例年合格率が約20％と難易度が高いため、宅建をもっていないことが珍しいことではない
• 宅建士には独占業務があるため、やりたい業務がある場合は宅建資格を取る必要がある

コラムでは、宅建をもっていないことは一般的に恥ずかしいことではないと解説してきました。

しかし、中には「どうしても恥ずかしい」と感じてしまう方がいるかもしれません。

恥ずかしさが勝っている場合は、一歩踏み出して宅建取得を目指してみましょう。

しかし、仕事や子育てで忙しい社会人の方が独学で取得しようとすると、普段の生活と勉強の両立が難しく、挫折してしまう危険性があります。

効率良く合格を目指すためには、予備校や通信講座を活用した学習がおすすめです。

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さらに動画講義やデジタルテキストを活用すれば、スマホひとつでいつでもどこでも好きなタイミングで学習が可能です。

講師にすぐ質問ができるなどフォロー制度が整っているため、通信講座でも孤独感を感じずに勉強ができるでしょう。

仕事や家事と両立しやすいアガルートを活用して、宅建士を目指しましょう。