司法試験の行政法科目についての参考書や基本書などは世の中に沢山存在しています。

これから行政法を勉強し始めるという段階で、どの本が良いのか分からないという方も多いのではないでしょうか。

このコラムでは、そんな悩みを抱える司法試験受験生に向けて、行政法のおすすめ参考書・問題集・判例集等を紹介していきます。

【司法試験】行政法の入門書~行政法 第2版(有斐閣ストゥディア)~

※引用:amazon

行政法は民法や刑法といった法律と異なり、馴染みが無い用語や事例が多いためイメージしにくい法律です。
そのため、初心者にはとっつきにくい科目といえるでしょう。

本書は、そんなイメージの掴みにくい行政法を、図表や事例を用いて解説しておりビジュアル的に学べる入門書となっています。

また、ページ数は300ページと、非常にコンパクトにまとまっているため、行政法を本格的に勉強する際の導入にピッタリです。

※関連コラム:【司法試験・予備試験】正しい入門書の使い方とおすすめ本11冊

【司法試験】行政法の基本書

基本行政法 第4版(日本評論社)

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司法試験受験生御用達の基本書の一つです。

本書はケースメソッドが採用されており、判例等を簡略化した事例と関連する個別法が掲載。
その後、事例に関連する論点の解説及び解答への道筋が示されています。

基本書に書かれたケースを具体的に学ぶことで、行政法に必要な基本的知識から個別法の当てはめ方まで勉強することができます。
読み終えたころには行政法の全体像を理解できるようになるでしょう。

処分性や原告適格の当てはめ方など、司法試験受験生の悩みどころについても他の基本書より深く解説しているので、司法試験の頻出テーマについても丁寧に学べます。

行政法 第6版(弘文堂)

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こちらも司法試験受験生御用達の基本書で、受験生の間では「サクハシ」の愛称で親しまれています。

概念や定義が端的に記載されており、非常に読みやすくなっています。

本書では処分性や原告適格等の判例をまとめて整理した表も付属されているので、行政法の重要なテーマに対する理解を深める手助けにもなるでしょう。

※関連コラム:【7科目・目的別】司法試験・予備試験におすすめ基本書32冊

【司法試験】行政法の判例集

行政判例ノート 第4版(弘文堂)

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本書は上記に挙げた基本書『行政法 第6版』とリンクしています。

『行政法 第6版』では判例の事実や判旨についての解説が少ないので、基本書とセットで読むことにより、より事案を意識して勉強をすることができます。

また、本書では、各判例について事実・判旨・POINTという流れで解説。
行政法学習に欠かせない多くの判例を短時間で学習することが可能です。

行政判例百選Ⅰ 第7版・行政判例百選Ⅱ 第7版(有斐閣)


※引用:amazon

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司法試験受験生の多くが使用している判例百選シリーズの行政法バージョンです。

行政法科目は他の科目と比較して、判例による枠組みを学習することが多い科目と言えます。
そのため、様々な事例に触れ、行政法の各分野を理解しなければなりません。

Ⅰ・Ⅱ巻合わせて合計255件の判例を解説しており、行政法を体系的に理解するための道しるべになっています。

基本書の中で出てきた判例をより詳しく知りたい際に本書を使って勉強すると、判例に対する理解が深まるでしょう。

※関連ラコム:【司法試験・予備試験】正しい判例集の使い方とおすすめ本6冊

【司法試験】行政法の演習書

基礎演習 行政法 第2版(日本評論社)

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行政法の基本書を読破した後に取り組むと効果的な一冊です。

基本書を読めば、様々な行政法の知識を手に入れることはできます。
しかし、司法試験は自分の内部にある知識を答案に反映させる必要があるため、そこで悩んでしまう方も少なくありません。

本書ではそんな方を対象に、行政法科目の重要テーマの事案と問題が掲載しつつ、具体的な問題の解き方や思考方法を解説しています。

行政法科目の事案分析の視点や、解答の導き出し方を学べます。

事例研究行政法[第4版] (日本評論社)

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本書は根強い人気がある行政法の演習書です。

法科大学院の定期試験等で出題された問題を題材に解説が加えられており、学生が間違えやすい部分についてもしっかりと記載されています。

「行政裁量と司法審査の方法」といった重要なテーマについては、ミニ講義という形で深掘りした解説がなされており、行政法の実力を伸ばせる演習書です。

第2部は司法試験合格にはオーバースペックなので、「第1部 行政法の基本問題」を繰り返しておけば十分でしょう。

※関連コラム:【司法試験・予備試験】正しい演習書の使い方と科目別おすすめ本14冊

【司法試験】行政法の問題集・参考書

論文過去問答案パーフェクト ぶんせき本(辰巳法律研究所)

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司法試験合格のためには過去問の分析が欠かせません。

本書では過去問の分析が丁寧になされており、問題の読み方や重要な着眼点を学べます。

また、本書には受験生の再現答案付き

司法試験では、2時間の短い時間の中で出題趣旨全ての点に触れることはまず不可能で、現実の受験生の合格ラインを知ることが重要となります。
それぞれの順位の答案を比較することで合格ラインを知ることができるので、実際に自分が試験を受ける場合にも非常に参考になります。

趣旨・規範ハンドブック1 公法系 第8版(辰巳法律研究所)

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行政法は、処分性の定義や原告適格の判断手法など、暗記したうえで答案に正確に記載しなければならない規範や趣旨があります。

本書ではそのような規範や趣旨をまとめ、短時間で反復学習できる素材です。

直近の司法試験の出題趣旨・採点実感における書き方を要約して掲載しており、試験直前に見返して記憶を喚起するといった使い方もできます。

アガルートの司法試験・予備試験 総合講義 1問1答 行政法(アガルートアカデミー)

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司法試験では暗記と理解双方が重要で、暗記に頼った勉強だけでは合格が難しい試験です。

本書では、行政法の各分野について一問一答形式で解説を加えることにより、定義の背後にある制度趣旨や概念を理解することができます。

丸暗記から脱却でき、制度趣旨を意識して規範の意味内容を学ぶことができるので、司法試験合格に近づくことができるでしょう。

※関連コラム:司法試験・予備試験の問題集・参考書とは?おすすめの論証集・過去問集4シリーズ

まとめ

【司法試験】行政法のおすすめ参考書・問題集・判例集等10選

  • 行政法 第2版(有斐閣ストゥディア)
  • 基本行政法 第3版(日本評論社)
  • 行政法 第6版(弘文堂)
  • 行政判例ノート 第4版(弘文堂)
  • 行政判例百選Ⅰ 第7版・行政判例百選Ⅱ 第7版(有斐閣)
  • 基礎演習 行政法 第2版(日本評論社)
  • 事例研究行政法[第4版] (日本評論社)
  • 論文過去問答案パーフェクト ぶんせき本(辰巳法律研究所)
  • 趣旨・規範ハンドブック1 公法系 第8版(辰巳法律研究所)
  • アガルートの司法試験・予備試験 総合講義 1問1答 行政法(アガルートアカデミー)