社会保険労務士(社労士)試験は、マークシート方式の「択一式試験」と「選択式試験」の2つに分かれています。
択一式とは、二つ以上のものの中から一つを選ぶことを意味していて、読み方は「たくいつしき」です。

「選択式試験」は条文などの文章中の空欄に当てはまる言葉や数字を複数の選択肢の中から選ぶのに対し、「択一式試験」は5つの選択肢から適切なものを選ぶという違いがあります。

この記事では社労士試験の「択一式」について深堀りしていきます。
択一式問題を勉強するコツにも触れていきますので、社労士試験を受験しようと考えている方はぜひご覧ください。

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社労士試験の択一式とは

「択一式」とは,社労士試験の出題形式の1つで,1問あたり,5つある選択肢から「正しいもの」や「誤っているもの」を1つ解答することを基本とする出題形式です(中には,正しい組み合わせの肢を選ぶ「組み合わせ問題」,正しい肢または誤った肢の数を答える「個数問題」も出現しています)。

「択一式」は,13:20~16:50の210分で行われます。
計7科目出題され,1問につき1点,合計70問(70点満点)。

択一式の場合,合格基準(基準点)は,原則として「総得点70点満点中49点以上正解,各科目10点中4点以上正解」です。

総得点については毎年の平均点等に応じて補正が行われるため、最新の第58回(令和8年度)試験では「総得点47点以上・各科目4点以上」が合格基準となりました。

特に注意したいのが「各科目10点中4点以上正解」の箇所で,1科目でもこれを下回る結果となったら,その時点で不合格(いわゆる「基準点割れ」です)となってしまいます。

ただし,「補正」(いわゆる救済措置)として,この基準が一部の科目で変更されることがあります。
もっとも,「選択式」と異なり,ほとんどの年で「択一式の補正」が行われることはほぼありませんので,この点はあまり期待しないほうが良いでしょう。

近年の合格基準の推移(択一式)

次に,近年の選択式の試験結果を見てみましょう。

年度合格基準補正
平成18年度総得点 41点以上
各科目 4点以上
3点:労基労衛,労一社一
平成19年度総得点 44点以上
各科目 4点以上
-
平成20年度総得点 48点以上
各科目 4点以上
-
平成21年度総得点 44点以上
各科目 4点以上
-
平成22年度総得点 48点以上
各科目 4点以上
-
平成23年度総得点 46点以上
各科目 4点以上
-
平成24年度総得点 46点以上
各科目 4点以上
-
平成25年度総得点 46点以上
各科目 4点以上
-
平成26年度総得点 45点以上
各科目 4点以上
3点:労一社一
平成27年度総得点 45点以上
各科目 4点以上
-
平成28年度総得点 42点以上
各科目 4点以上
3点:労一社一,厚年,国年
平成29年度総得点 45点以上
各科目 4点以上
3点:厚年
平成30年度総得点 45点以上
各科目 4点以上
-
令和元年度総得点 43点以上
各科目 4点以上
-
令和2年度総得点 44点以上
各科目 4点以上
-
令和3年度総得点 44点以上
各科目 4点以上
-
令和4年度総得点 44点以上
各科目 4点以上
-
令和5年度総得点 45点以上
各科目 4点以上
-
令和6年度総得点 44点以上
各科目 4点以上
-
令和7年度総得点 42点以上
各科目 4点以上
3点:雇用保険
令和8年度総得点 47点以上
各科目 4点以上
-

先ほどもお伝えしましたが、合格基準(基準点)は原則として「総得点70点満点中49点前後正解、各科目10点中4点以上正解」です。
「補正」はほとんど行われていないことから,この基準が社労士試験の「択一式」対策を考えるうえでの軸になります。

また「各科目10点中4点以上正解」という基準があることから,いわゆる苦手科目を作ることができない点は,選択式と同様です。

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択一式の勉強法

⑴ 勉強の方針

ここまでの話を踏まえて,最後に「『択一式』の勉強法」を考えてみましょう。

まず「択一式」には,「合格基準」が設定されていました。
基準のなかには「各科目10点中4点以上正解」とあります。

したがって,すべての科目について,しっかりと勉強する必要があります。
「特定の科目が極端に苦手である」という状態にしてはなりません。

「択一式」は,13:20~16:50の210分(3時間30分)のなかで,全10科目の問題を一気に解いていきます。
1問3分程度で解かなければならず,「選択式」とは違い,時間不足になりやすいです。

また,問題文が長文化傾向にあり,個数問題のように時間がかかる問題形式もありますから,近年はより解答時間がシビアになってきています。

「短い時間のなかで,素早く正誤を判断していく」には,知識の深い理解やより正確な記憶が求められてきます。

問題文の各選択肢を見た段階で,「あれ?どうだったかな……」と考え込むほどの時間はありません。
極端な話,選択肢を見た瞬間に「○(マル)!」とか「×(バツ)!」というようにパッと素早く判断できるようにしたいところです。

それが出来れば,全肢を見ずに次の問題へ移ることもできるので時間の短縮に繋がりますし,また,短い問題肢から見ていくという癖付けも重要です。

※関連記事:社労士試験の択一式で合格点を取る時間配分は?ポイントを解説

⑵ 択一式ならではの勉強

「択一式」の場合,「選択式」と異なり,過去の本試験で出題されたことのある知識が,形を変えて再度出題されることがよくあります。
法改正があったら,改正の内容を反映させて,改めて出題されます。

そのため,「択一式」の場合,いわゆる過去問学習が大変効果的です。

テキストや講義等いわゆるインプットを行っている段階でも,早い段階から積極的に「過去問」に接するようにしましょう。
「過去問」に積極的に接することにより,テキストや講義で学習したものが,本試験ではどのような形となって出題されるのかを具体的に把握することができます。

その結果,覚えるべき知識のポイント(重要箇所)も把握することができ,効率的な記憶ができるようになります。

例えば「この科目では数値が問われますので,数値を覚えてください」と講義で言われたとしたら,一般的な受験生であれば,ちょっとイヤな気持ちになると思います。

しかし「実際はどのくらい出ているのか?」ということで過去問集を開いてみて,何度も何度も繰り返して出題されていることがわかるとどうでしょう。
「これだけ出ているのだから,覚えてしまえば,これだけの問題が解けるのか!」となりますよね。

また,何度も出題されているということは,自分が受験する年にも出題される可能性が高いといえます。

つまり,ここで覚えてしまえば,合格がグッと近づくと言えます。
覚えるうえでの強烈な動機になってきますね。

このように,インプットの段階で過去問学習を積極的に取り入れることは,知識の理解や記憶の助けになりますし,勉強の意欲をグッと高めてくれます。

試験勉強の場合,「自分は理解力で勝負する」などと「覚える」ことを避けがちですが,社労士試験の場合,「覚える」ことを真正面から受け止めた方から合格しますので,積極的に取り組みましょう!

⑶ まとめ

① 知識の深い理解や正確な記憶を心がけること

② 過去問学習を早い段階で取り入れて,出題傾向に沿った勉強を心がけること

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※2027年合格目標

この記事の監修者 池田 光兵講師

池田 光兵講師

2000年に、中央大学経済学部を卒業。同年より広告代理店で企画営業職に従事。
2006年より、大手人材紹介会社2社にて、キャリアアドバイザー、研修講師、転職セミナー講師などを幅広く経験。
2020年に社会保険労務士試験に合格後、2021年より株式会社アガルートに入社し講師として従事。
2024年に、第一種衛生管理者試験に合格。

社会保険労務士試験は、ほぼ独学で就業しながらも毎日コツコツと勉強し、三度目の挑戦で合格した苦労談も面白く、また、三度やったからこそ教えられる「やっていいことと駄目なこと」も熟知している。
合格のノウハウをより多くの受講生に提供するため,株式会社アガルートへ入社後は自らの受験経験で培った合格のノウハウを余すところなく提供する。

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