【2024年】社労士試験の合格率は6.9%!合格率が低い5つ理由と合格点の推移
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社労士試験を受験するにあたり、合格率がどのくらいであるのかは気になりますよね。
結論から言うと、社労士試験の合格率は他の国家資格と比べても低い傾向にあります。
とはいえ、社労士試験の合格率が低い理由を知って対策を立てれば、決して諦めるべき試験ではないことも分かります。
当コラムでは社労士試験の合格率・合格点の推移と、合格率が低い理由について解説します。
合格率を高めるために大事なポイントについても解説しますので、社労士試験への合格を目指す方はぜひ最後までチェックしてみてください。
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社会保険労務士試験の合格率は6.9%
2024年(令和6年)に実施された第56回社会保険労務士試験の合格率は6.9%、受験者数は43,174人、合格者数は2,974人という結果でした。
令和5年の合格率6.4%と比べると上昇、さらに過去14年の合格率の平均値は6.3%となるため、例年と比べると比較的高い数字になっていると言えるでしょう。
社労士試験の合格率の推移
令和6年社会保険労務士試験は、受験者数43,174人に対して、合格者数2,974人、合格率6.9%という結果でした。
まず、過去の社労士試験の受験者数・合格者数・合格率の推移を見てみましょう。
厚生労働省『合格者等の推移』によると、合格率は以下のようになっています。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|
2023年(令和6年) | 43,174 | 2,974 | 6.9% |
2023年(令和5年) | 42,741 | 2,720 | 6.4% |
2022年度(令和4年) | 40,633 | 2,134 | 5.3% |
2021年度(令和3年) | 37,306 | 2,937 | 7.9% |
2020年度(令和2年) | 34,845 | 2,237 | 6.4% |
2019年度(令和元年) | 38,428 | 2,525 | 6.6% |
2018年度(平成30年) | 38,427 | 2,413 | 6.3% |
2017年度(平成29年) | 38,685 | 2,613 | 6.8% |
2016年度(平成28年) | 39,972 | 1,770 | 4.4% |
2015年度(平成27年) | 40,712 | 1,051 | 2.6% |
2014年度(平成26年) | 44,546 | 4,156 | 9.3% |
2013年度(平成25年) | 49,292 | 2,666 | 5.4% |
2012年度(平成24年) | 51,960 | 3,650 | 7.0% |
2011年度(平成23年) | 53,392 | 3,855 | 7.2% |
100人の受験生のうち6~7人しか合格できないと考えると、社会保険労務士試験の合格率は低いといえるでしょう。
特に、2015年度では2.6%ときわめて低い水準となっています。
2011年から2024年までの合格率の平均は6.3%、また受験者数は2020年までは減少傾向にあったものの、2022年以降は4万人台に持ち直しています。
合格率が低い理由として、科目数が多く勉強する量が膨大、科目ごとに合格しても不合格になると翌年も同じ科目を受験する必要がある、などがあります。
また、法改正が頻繁になされるため勉強する範囲が膨大なことや、1日で試験科目をこなす必要があり、長時間の集中力が要求されるのも合格率が低い理由の一つです。
社労士試験の合格基準点と科目最低点一覧
選択式試験 | 総得点 | 40点中 | 28点以上(12年度平均点25.9点) |
各科目 | 5点中 | 3点以上 | |
択一式試験 | 総得点 | 70点中 | 49点以上(12年度平均点35.1点) |
各科目 | 10点中 | 4点以上 |
この基準はあくまで目安となりますが、科目ごとにきちんと得点し、総得点の7割程度を獲得する必要があります。
過去の合格基準点はこちら(見たい方はクリックしてください)
年度 | 択一式 合格基準点 | 択一式 科目最低点 | 選択式 合格基準点 | 選択式 科目最低点 |
---|---|---|---|---|
令和6年 | 44点 | 4点 | 25点 | 3点 |
令和5年 | 45点 | 4点 | 26点 | 3点 |
令和4年 | 44点 | 4点 | 27点 | 3点 |
令和3年 | 45点 | 4点 | 24点 | 3点(労一→1点,国年→2点) |
令和2年 | 44点 | 4点 | 25点 | 3点(労一・社一・健保→2点) |
令和元年 | 43点 | 4点 | 26点 | 3点(社一→2点) |
平成30年 | 45点 | 4点 | 23点 | 3点(社常・国年→2点) |
平成29年 | 45点 | 4点(厚年→3点) | 24点 | 3点(雇用・健保→2点) |
平成28年 | 42点 | 4点 (常識・厚年・国年→3点) | 23点 | 3点(労常・健保→2点) |
平成27年 | 45点 | 4点 | 21点 | 3点(労常・社常・健保・厚年→2点) |
平成26年 | 45点 | 4点(常識→3点) | 26点 | 3点(雇用・健保→2点) |
平成25年 | 46点 | 4点 | 21点 | 3点(社常→1点,労災・雇用・健保→2点) |
平成24年 | 46点 | 4点 | 26点 | 3点(厚年→2点) |
平成23年 | 46点 | 4点 | 23点 | 3点(労基安衛・労災・社常・厚年・国年→2点) |
平成22年 | 48点 | 4点 | 23点 | 3点(国年→1点,健保・厚年・社常→2点) |
平成21年 | 44点 | 4点 | 25点 | 3点(労基安衛・労災・厚年→2点) |
平成20年 | 48点 | 4点 | 25点 | 3点(健保→1点,厚年・国年→2点) |
平成19年 | 44点 | 4点 | 28点 | 3点 |
【難関資格】司法書士・行政書士・宅建士と合格率を比較
資格 | 合格率 |
司法書士試験 | 4%前後 |
社労士試験 | 6~7%前後 |
行政書士試験 | 10%前後 |
宅建試験 | 15~17%前後 |
社労士は司法書士よりも合格しやすいものの、行政書士や宅建士と比較すると合格率が低いことがわかります。
社労士は800~1000時間ほど勉強が必要と言われています。
ほかの国家資格と比較しても難易度は上位に位置し、合格率も低い難関資格と言えるでしょう。
社労士の合格率が低い5つの理由
では、ここからは社労士の合格率が低い理由について解説します。
社労士の合格率が低い5つの理由
- 科目数が多く、法改正が頻繁になされるため勉強する範囲が膨大
- 択一、選択それぞれの総得点と各科目に基準点が存在する
- 科目ごとの基準点や合格点を突破しても、不合格になれば翌年もその科目を受験しなければならない
- 準備不足の受験生が多い
- 1日で試験科目をこなす必要があり、長時間の集中力が要求される
以下で詳しく解説します。
試験科目数が多く、勉強する範囲が膨大
社労士試験の科目数は以下の通りです。
試験科目 | 択一式 計7科目(配点) | 選択式 計8科目(配点) |
---|---|---|
労働基準法及び労働安全衛生法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
労働者災害補償保険法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
雇用保険法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
労務管理その他の労働に関する一般常識 | 10問(10点) | 1問(5点) |
社会保険に関する一般常識 | ∟労一、社一合わせて | 1問(5点) |
健康保険法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
厚生年金保険法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
国民年金法 | 10問(10点) | 1問(5点) |
合計 | 70問(70点) | 8問(40点) |
※出典:『社会保険労務士試験の概要』社会保険労務士試験オフィシャルサイト
このように科目数が多く、試験範囲が非常に広いです。
また、労務管理に関するこれらの法令は頻繁に法改正があります。
そのため法改正の情報にも目を配る必要があります。
過去に出題された当時と勉強している現在とで、正誤の答えが異なる場合もあります。
社労士試験の学習範囲は膨大であることは、合格率が低い一因となっています。
択一、選択それぞれの総得点と各科目に基準点が存在する
社労士試験では、択一式と選択式の総得点と各科目に基準点が存在します。
基準点とは、合格のために突破する必要がある最低点のことで、この基準点に到達しない科目などがある場合には全得点が合格ラインに到達していても不合格になります。
参考までに、令和6年度社労士試験のの合格基準点は以下のようになっています。
- 選択式試験の総得点40点中25点以上、かつ各科目5点中3点以上
- 択一式試験の総得点70点中44点以上、かつ各科目10点中4点以上
この基準はあくまで目安であり、年度によって上下することがあります。
各科目にも合格基準点があるのでどの科目もまんべんなく得点しなければならず、弱点を作ることができません。
そのため、基準点に到達しない受験生も多く、また苦手分野を作らないように幅広く勉強する必要があります。
この点も、合格率が低い一因となっています。
科目合格制度がなく、不合格だと翌年も全科目を受験しなければならない
例えばFP試験では実技科目と学科科目に分かれ、どちらかに合格すれば一部合格として次回以降の合格科目の試験が免除されます。
しかし、社労士試験にはそのような一部合格による科目の免除はありません。
つまり、ある年に択一式で合格基準点を上回っても、翌年再び択一試験を受験しなければなりません。
このように、一部合格による科目免除がないので、不合格になった場合、試験の全範囲を学習し直す必要があり学習時間を短縮できません。
準備不足の受験生が多い
社労士試験の合格者の年齢層及び職業を見て見ます。
例えば令和6年度を例に挙げると合格者の職業は会社員が59.9%と最も多く、その他公務員(8.6%)、団体職員(4.9%)、自営業(4.2%)、 役員(3.4%)となっています。
社会人が多く受験しているため、合格者も社会人が多くなっているといえるでしょう。
社会人は働きながら勉強するため、勉強時間の確保は簡単ではありません。
また、このような社会人は2年や3年ほどかけて合格を目指す人も多く、翌年に合格するためのお試し受験という人もいます。
そのため、勉強時間が足りない準備不足の受験生が多いことも、合格率が低い原因の一つになっています。
1日で試験科目をこなす必要があり、長時間の集中力が要求される
社会労務士試験は、10:30~11:50(80分間)が選択式試験の試験時間、13:20~16:50(210分間)が択一式試験の試験時間になっています。
両者の試験時間を合わせると290分(約5時間)も問題と向き合わなければならない長時間の試験です。
これらの試験を1日で行うため、集中力が大事ですがずっと維持するのは大変です。
そのため、集中できない人が科目基準点を下回るなどにより合格率が下がってしまいます。
社会保険労務士試験の合格者の属性は?
社労士試験合格者の男女比
令和6年度社労士試験の合格者の男女比は、男性が61.1%、女性が38.9%となりました。
社労士試験合格者の年齢
令和6年度社労士試験の合格者の年齢層は、30代が32.5%と一番多く、次いで40代の28.9%、50代の19.2%となります。
社労士試験合格者の職業
令和6年度社労士試験の合格者の職業は、会社員が59.9%、無職が10.6%、公務員が8.6%という結果になりました。
会社員が約6割を占めており、働きながら社労士試験を受ける人が多いと考えられます。
予備校利用者の合格率(アガルートの場合)
このように合格率の低い社労士試験ですが、予備校利用者の合格率はどのようになっているでしょうか。
オンライン予備校のアガルートアカデミーでは、社会保険労務士試験における受講生の合格率は28.57%でした。(令和5年度実績)
これは、全国平均よりも4.46倍も高い合格率となっています。
※合格率は,アガルートアカデミーカリキュラム受講生の合否アンケート集計結果により,合格者数を受験者数で除して算出しております。
予備校利用者は、利用しない人と比べ社労士試験の合格率が高いことが伺えます。
社労士試験突破への大きな可能性が見えるのではないでしょうか。
合格率を高めるために大事なポイント・試験対策
社労士試験の合格率を高めるための3つのポイント
- 苦手科目を作らない
- スキマ時間を有効活用し、勉強時間を確保する
- 予備校を利用する
①苦手科目を作らない
社労士試験は苦手科目を作らないことが大事です。
先ほど見たように社労士試験では科目別の合格基準点が設定されており、各科目で基準点以上の得点を取る必要があります。
苦手科目があると基準点を下回るおそれが出てくるので、全科目をまんべんなく得点できるようになることが大事です。
②スキマ時間を有効活用し、勉強時間を確保する
特に社会人にとって、勉強時間の確保は大きな課題です。
毎日の通勤で暗記する部分を覚えることや講座の音声を聞くなどしてスキマ時間を有効に使いましょう。
勉強期間に間が空いてしまうと忘れることも多くなるので、できれば毎日勉強したいです。
このように勉強時間を確保することも合格率を高めるために重要です。
③予備校を活用する
前述のように、予備校(アガルートアカデミー)を活用した受講生は、全国平均よりも合格率が高い傾向にあります。
予備校の場合、社労士試験に特化した講座によってポイントを押さえた学習ができるため、勉強時間を大きく短縮できます。
また、法改正についても教材などでフォローされています。
予備校を活用することで、社労士試験合格に必要な「広い出題範囲において合格基準をクリアするだけの知識」「本番で集中力を保つ実践力」を身につけることを目指せます。
オンライン予備校のアガルートアカデミーでは、膨大な出題範囲において要点を抑えて学習できるようになっています。
また、受講生の方を対象にわからない点を講師に聞きながら進めるサポート制度も充実しているため、疑問は都度、解消しながら勉強を進めることができます。
社労士試験の合格に必要な勉強時間は独学の場合、1,000時間程度と言われており、予備校を利用しない場合、分からない部分を自力で調べたり、膨大な出題範囲からポイントとなる点も自分で見つけ、抑えなければいけません。
合格率を高めたいなら、予備校の活用は検討したいとても大きなポイントです。
まとめ
以上、このコラムでは社労士試験の合格率についてお伝えしました。
最後に、このコラムの要点をまとめます。
・社労士試験の合格率は例年6~7%と低い
・合格率が低い理由は、出題範囲の膨大さや基準点の存在、一部合格による科目免除制度がない、準備不足の受験者も多いことなどが挙げられる
・合格のためには、苦手科目を作らず勉強時間を確保することなどが重要
・予備校なら効率的に学ぶことができる
繰り返しになりますが、社労士試験は合格率が低いものの、腰を据えてしっかり勉強すれば合格が目指せる試験です。
社労士は労務管理のエキスパートとしてキャリアアップにつながる人気資格なので、ぜひいち早く勉強を開始してみてはいかがでしょうか?
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この記事の監修者 池田 光兵講師
広告代理店で、自らデザインやコピーも考えるマルチな営業を経験後、大手人材紹介会社で長年キャリアアドバイザーを経験、転職サポートを行う。
面接対策のノウハウや数々の自作資料は現在でも使用されている。
その後、研修講師や社外セミナーの講師などを数多く経験。
相手が何に困って何を聞きたがっているのかをすばやく察知し、ユニークに分かりやすく講義をすることが得意。
社会保険労務士試験は、ほぼ独学で就業しながらも毎日コツコツと勉強し、三度目の挑戦で合格した苦労談も面白く、また、三度やったからこそ教えられる「やっていいことと駄目なこと」も熟知している。
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