統計検定3級とは?難易度や勉強法や勉強時間、テキスト・参考書まで紹介!
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「統計検定3級」は、一般財団法人である統計質保証推進協会が実施している「統計検定」の中の1つです。
統計検定4級と同様に入門向けの資格ですが、統計検定3級ではより深い統計リテラシー、統計的推論の能力が問われます。
この記事では統計検定3級について、試験の概要や学習方法について解説します。
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・演習問題(6問)と解説を用意
可視化や統計量など基礎となる概念から丁寧に解説いたします!
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目次
統計検定3級とは?
統計検定3級は、5等級ある「統計検定」の資格の中で2番目に難易度が低く、入門者向けの試験にあたります。
統計検定とは、一般財団法人である統計質保証推進協会が実施している検定で、統計に関する知識や活用力を評価する検定試験です。
統計検定3級では、短時間で正確にグラフや図の内容を理解することが求められます。
計算問題は高校数学(ⅠA、ⅡB) の知識で回答できる問題が出題されるので、統計学関連の資格の中では、数学に苦手意識がある人や文系出身者でも比較的とっつきやすい内容となっているのが特徴です。
また、受験者の年齢分布は18-20才が最も多く、統計学の学習を始めた高校生や大学生が多く受験していることがうかがえます。
このことからも、これから統計学やデータ活用について学び始めたい人の最初のステップに適した資格といえるでしょう。
また、統計検定3級の学習の中では重要なデータリテラシーの基礎や統計的な推論力を身につけることができます。
業務や課題で取り扱うデータを正しく解釈・表記できるようになるほか、相関と因果の違いなどの重要な概念を学べるため、ビジネスや日常生活にも大いに活かすことができます。
なお、統計検定には受検資格が定められていないため、より上級の資格から受験することも可能です。
自分のレベルにあった級から受験すると良いでしょう。
求められる数学知識
統計検定3級で必要な数学の範囲は「高校数学レベル」とされています。
数学ⅠA、ⅡBで学習する知識のうち、特に「データの分析(数学Ⅰ)」「場合の数と確率(数学A)」「統計的な推測(数B)」の内容が中心となります。
特に、「データの分析(数学Ⅰ)」の内容は合格を目指す上で必須と言えるため、平均値や中央値といった語句の意味や計算方法をよく理解することが必要です。
電卓の持ち込みが認められているため計算自体に手間取ることはありませんが、問題を解く上でどのような式が必要になるのかを把握しておきましょう。
統計検定3級をおすすめする人
以下のような人は、統計検定3級からのチャレンジがおすすめです。
- 統計学やデータの取り扱いについての基本を身に付けたい人
- 統計学を学びたいが、数学から離れて時間が経っている人
- 初学者だが、統計検定4級の内容は易しすぎると感じる人
データの読解に加え、統計数学の基礎にあたる内容が含まれているため、これから統計学やデータ分析を学び始める方に向いています。
特に、しばらく数学から離れていた人が統計学を勉強する際には、無理なくす基本を学び直せるちょうどいい難易度の試験です。
統計検定3級の試験内容
資格名称 | 統計検定3級 |
受験日程 | 通年 |
出題形式 | CBT方式 (4~5肢選択問題) |
受験料 | 一般:6000円(税込) 学生:4000円(税込) |
問題数 | 30問程度 |
試験時間 | 60分 |
合格点 | 正答率65% |
統計検定3級試験は、試験会場のパソコン上で表示される4〜5択の選択肢の中から回答を選ぶ形式の試験です。
本試験では電卓の持ち込みが認められています(関数電卓等は不可)。
計算問題では中央値や確率を計算する問題などが出題され、手計算では手間がかかるため、電卓を忘れず持参するようにしましょう。
出題される問題数は30問程度で、結果は試験終了後すぐにレポートとして確認することができます。
試験時間は60分で、1問あたり約2分程度の計算です。
データの読解のようにさほど回答に時間がかからない問題もありますが、複雑な計算問題に時間を取られてしまうと時間が足りなくなってしまう場合もあります。
スムーズに回答できるよう、出題パターンや計算問題に慣れておきましょう。
出題の傾向
統計検定3級試験では、統計学の基本的な用語を問う知識問題と、データの内容を読み取って回答する読解問題・計算問題が出題されます。
主な出題内容は4級の内容に加え、下記の内容が含まれます。
- データの種類
- 標本調査と実験
- 統計グラフとデータの集計
- 時系列データ
- データの散らばりの指標
- データの散らばりのグラフ表現
- 相関と回帰
- 確率
- 確率分布
- 統計的な推測
知識問題では変数についての理解を問う問題がよく出題されています。
質的変数・量的変数の意味の違いや、どのようなデータがそれらに当てはまるのかは必ず押さえておきたいところです。
データの内容を読み取る問題では、表やグラフに示されている内容を読み取り、正しい文章を選ぶ正誤選択問題が出題されます。
また、表やグラフから数値を読み取り、これらを計算する複合問題も頻出です。
平均値・中央値・標準偏差はもちろんのこと、分散や相関係数を求める問題も出題されるため、これらの計算方法についてはよく理解しておく必要があります。
統計検定3級の難易度・合格率
統計検定3級は統計学の入門向け資格であるため、難易度は易しい試験です。
数学の基礎力がある人なら、公式問題集を一通り勉強するだけでも合格圏内に入ることが可能です。
なお、2021年の試験から紙媒体を利用した従来の試験(PBT方式試験)が終了して全てCBT方式の受験に移行しました。
以下では、PBT方式とCBT方式それぞれの過去の合格率をまとめています。
PBT方式:Paper Based Testing、紙ベースで問題を解く試験形式
CBT方式:Computer Based Testing、コンピュータを利用して実施する試験方式
CBT方式 | 合格率 |
---|---|
2023年 | 53.9% |
2022年 | 57.1% |
2021年 | 61.9% |
2020年 | 64.5% |
2019年 | 72.6% |
PBT方式 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|---|---|
2021年6月 | 380 | 320 | 242 | 75.6% |
2020年(試験中止) | ー | ー | ー | ー |
2019年11月 | 2,221 | 1,907 | 1,178 | 61.8% |
2019年6月 | 1,977 | 1,688 | 1,165 | 69.0% |
2018年11月 | 1,608 | 1,391 | 899 | 64.6% |
2018年6月 | 1,980 | 1,698 | 1,141 | 67.2% |
2017年11月 | 1,575 | 1,352 | 855 | 63.2% |
2017年6月 | 1,745 | 1,502 | 942 | 62.7% |
年によってばらつきはありますが、統計検定3級受験者のおよそ7割前後が合格しています。
受験者の多くが初学者と想定される18-20才の層であることも踏まえると、比較的合格しやすい難易度の試験と言えるでしょう。
統計検定3級で出題される例題
統計検定3級については、公式HPに過去問が公開されています。
例年多く出題されているのは、以下のような問題です。
- グラフや表のデータが示され、そこから読み取れる内容を回答する問題
- 与えられた文章中の数値をもとに計算する問題
- 与えられた数値やデータを示すのに適切な手法を選択する問題
統計検定4級と似た傾向の問題が出題されますが、統計検定3級の方が図表のバリエーションが多く、読解と計算の複合問題が多く出題される傾向にあります。
単純に用語の意味を問う問題は少なく、あるシチュエーションが与えられ、その状況や数値を踏まえた上で当てはまる用語を選択する問題が出題されます。
1では問題によって様々な種類の図表と状況が与えられ、そこに示されている内容を示す適切な文章を選択する問題が出題。
データを論理的に読み解くだけにとどまらず、統計量を計算して状況に当てはまるかどうかを確かめる必要がある設問もあり、効率的に回答を進めることが求められます。
例題)
2019年11月試験問題
2は数学の試験のような文章題が出題されます。特に統計的推論や確率の問題の出題が多く、カードやサイコロを用いた確率計算についての設問が毎年出されています。
1との複合問題では比較的簡単な計算が多いですが、計算問題が単独で出題されるときはや計算の難易度が高くなっているのが特徴です。
例題)
2019年11月試験問題
3では、表や文章題として与えられた数値を表すのに最適なグラフの種類を選択する問題が出題されます。
選択肢として提示されるグラフの種類が統計検定4級よりも多く、それらの特徴をより深く理解しておく必要があります。
例題)
2019年6月試問題
また、データを得るのに適切な調査方法を選択する問題が出題されることもあり、無作為抽出や標本数などの統計調査の手法についてもよく確認しておきましょう。
統計検定3級の勉強方法
統計検定3級は、公式の対応テキストと問題集が出版されています。
まずはこれらを用いて出題範囲の内容を一通り学ぶことをおすすめします。
また、統計検定公式サイトには過去問も掲載されています。
統計検定3級で初めて統計学を学ぶ場合や、数学の基本から確認したい場合は、まず公式テキストを用いて基礎的な内容を一通り押さえましょう。
公式テキストは高校生・大学1、2年生の読者を想定して書かれており、統計検定3級に必要な数学が分かりやすく解説されています。
練習問題も付属しているため、理解度を確認しながら学習を進めることができます。
もっとも、こちらのテキストは統計検定4級相当の知識を有している読者を想定されているので、統計学の基本的な用語や定義についての理解が不足していると感じた場合は統計検定4級の公式テキストを合わせて確認することをおすすめします。
ひととおりテキストの学習が進んだら、過去問や公式の例題集に取り掛かります。
まずはこちらの問題を解き、基本的な用語や計算問題で理解が不十分な部分がないかを把握しましょう。
なお、公式サイトに掲載されている過去問には解説がついていません。
解答のみしか掲載されていないので、わからない部分や、計算につまづく部分があれば都度テキストを確認し、理解を深める必要があります。
正解した問題であっても、理解が曖昧な用語や計算がある場合はテキストを確認し、知識の穴を埋めていきましょう。
しっかりとした解説のある問題で知識を定着させたい場合は、公式例題集がおすすめです。
公式例題集は一冊で統計検定4級・3級の両方に対応しています。
統計検定3級から受験を開始した場合は、4級の問題と解説にも目を通しておくと問題の傾向や重要な語句が把握しやすく、学習の助けになります。
統計検定3級の勉強時間の目安
統計検定3級の学習は、この級から統計学の学習を始めた人で20〜30時間程度、統計検定4級を既に取得済みであったり、数学にある程度自信がある人で10時間程度です。
試験内容はデータの読解と確率などの計算問題が中心なので、勉強時間の多くは数学の学習や、過去問や例題を解く演習となります。
そのため、数学の学び直しをする場合は、基本的な用語の理解や数式を覚えるために時間を使う必要があります。
一方、既にある程度数学に自信がある場合は、実際に問題を解いて感覚を掴むことが中心となるため、比較的短時間の学習で十分でしょう。
より短時間で効率的に学習したい場合は、統計検定3級の講座を受講することをおすすめします。
まとめ
統計検定3級は、高度な統計調査とデータの活用に関する能力を認定する試験です。
統計学の基礎となる数学の基礎を学ぶことができ、これから統計やデータ分析の学習を始める第一歩として最適な資格ですので、本記事を参考に統計検定3級資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。
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・演習問題(6問)と解説を用意
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