社会保険労務士(以下、社労士)として実務を行うためには、試験合格後に全国社会保険労務士会連合会に登録しなければなりません。

登録には費用や手間がかかるため、登録するかどうか迷っている方もいるでしょう。

しかし、登録しないことで何ができなくなり、どんな影響があるのか正しく理解していないと、いざという時に後悔するかもしれません。

本コラムでは、社労士に登録しないとどうなるのか、メリット・デメリットを詳しく解説します。

登録していない人の割合や、登録に関するよくある質問なども紹介するため、迷っている方はぜひ参考にしてください。

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社会保険労務士に登録しないとどうなるのか

社労士試験合格者が社労士会に登録しなくても、特に問題はありません。

登録しなければ社労士として活動はできませんが、実務に就く予定がなければ、登録を保留にしてOKです。

なお、資格取得後の登録期限は設けられていないため、必要になったタイミングで申請ができます。

社労士として登録しないメリットとデメリット

社労士会に登録しない最大のメリットは、費用負担がないことです。

社労士会に登録する際には、入会金・登録免許税・手数料などで数万〜数十万円の費用が発生することに加え、1年毎に年会費も支払います。

すぐに社労士として働く予定がない場合は、登録を保留にすることで経済的な負担が避けられるでしょう。

対して、登録しないデメリットは、社労士業務ができないこと、社労士と名乗れないことの2点です。

社労士法では、登録をしていない資格保有者が社労士の独占業務である申請書類の作成や提出の代行を行った場合、法令違反となり、罰則が科されます。

また、登録をしないまま「社会保険労務士」と名乗ることは認められておらず、名刺や履歴書に記載することもできません。

さらに登録していない方は、経歴として社労士と名乗ることも禁止されており、違反すれば罰金が課されるケースもあります。

社労士として活動したい人や名乗りたい人は、早めの登録が望ましいですが、そうでない方は費用面などを踏まえて慎重に判断しましょう。

登録していない場合の名刺・履歴書の記載方法

登録をしていない人は、「社会保険労務士」「社労士」と単体で名乗ることはできません。

登録をせずに社労士の肩書きを名乗った場合は、100万円以下の罰金が課されるため注意しましょう。

登録していない場合、名刺や履歴書などには「社会保険労務士試験合格者」と記載することが望ましいです。

そのほか、「社労士試験に合格した」「社労士の資格を持っている」といった旨を記載する分には問題ありません。

以下、登録しなくても社労士試験合格を記載できる具体例をまとめて紹介します。

  • 社会保険労務士試験合格
  • 社会保険労務士試験合格者
  • 現在の所属・役割を明記し、「社会保険労務士試験合格」を併記

名乗り方ひとつで法令違反と見なされる可能性があるため、名刺や履歴書などは慎重に記載しましょう。

社労士会に登録していない人の割合は?

社労士試験に合格した人のうち、実際に社労士会へ登録している人の割合は公式には発表されていません。

しかし、参考として「社会保険労務士白書」に記載されている登録者数の前年比較を用いて、おおよその割合を推定することはできます。

具体的には、登録者数とその前年の登録者数の差分を「新規登録者数」と仮定し、同年の社労士試験合格者数と比較する方法です。

以下、2019〜2023年における登録者数や資格だけの人の割合の参考値をまとめた表です。

年度登録者数前年度比社労士試験合格者数登録の割合
2023年45,3865162,72019.0%
2022年44,8706672,13431.3%
2021年44,2037292,93724.8%
2020年43,4745872,23726.2%
2019年42,8878312,52532.9%
※参考:社会保険労務士白書

紹介した方法で算出したところ、登録者の割合は約20%~30%となりました。

つまり、社労士試験に合格した人のうち70〜80%は登録していない、いわば資格だけをもっているだけの状態だと推定されます。

ただし、算出した割合はあくまで推定にすぎず、実際には登録を一時的に保留している人や後年に登録する人も含まれるため、参考値としてご理解ください。

社労士の資格だけでも無駄じゃない3つの理由

社労士資格は、登録していなくても無駄ではなく、社労士試験に合格していること自体に大きな価値があります。

資格を持っているだけでも価値があるといわれる理由は、以下のとおりです。

  • 職場によっては資格取得で昇給や手当がもらえる
  • 転職する際の強みになる
  • 実務経験2年以上と認められれば事務指定講習費用が浮く

それぞれ詳しく解説します。

職場によっては資格取得で昇給や手当がもらえる

登録していなくても、社労士試験に合格したこと自体を高く評価してくれる職場は一定数存在します。

特に人事・労務部門がある企業や業務との関連性が高い職場であれば、資格手当や昇給・昇進の対象になることもあります。

また、社労士資格取得を推奨している会社では、報奨金制度を用意している場合もあり、自己投資として試験合格を目指す価値は十分にあるでしょう。

つまり、社労士資格を取得しただけでも、今の職場での待遇改善やキャリアアップのきっかけになる可能性があります。

転職する際の強みになる

社労士資格は、転職活動において自分をアピールするうえで非常に有効です。

特に総務や人事など、労務管理や社会保険手続きが業務に関係する職種では、資格をもっているだけで即戦力と見なされます。

また、社労士資格のスキルが活かせる職種は業種を問わずあらゆる企業に存在するため、幅広い業界に転職するチャンスにつながるでしょう。

登録してない場合でも、履歴書や職務経歴書に「社労士試験合格者」と記載できるため、専門スキルや知識の証明が可能です。

実務経験2年以上と認められれば事務指定講習費用が浮く

登録する前に実務経験を2年以上積んでいれば、登録時に事務指定講習を受講する費用が浮くメリットがあります。

社労士として登録するためには、原則として2年以上の実務経験が必要です。

実務経験の要件が満たない場合は、事務指定講習を受講する必要があり、費用が77,000円(税込)がかかります。

そのため、登録せずに一定期間働き、職務内容が社労士業務に該当すると認められれば、講習を受講するための高額な費用を払わずに済むでしょう。

つまり、登録せずに働いた期間が、将来的に金銭的な負担を減らすことにつながります。

※参考:「労働社会保険諸法令関係事務指定講習」のお知らせ

社会保険労務士として登録するメリット3選

社労士会に登録する場合は、以下のメリットが得られます。

  • 社労士の独占業務を請け負える
  • 社労士会を通じてスキルアップできる
  • 人脈が広がる

社労士の独占業務を請け負える

社労士会に登録する最大のメリットは、社労士にしか認められていない独占業務の1号・2号業務を請け負えることです。

1号業務は労働・社会保険に関する申請書の作成や提出の代行、2号業務には帳簿や書類の作成などが該当します。

独占業務は、登録を行って初めて社労士として業務を行うことができ、登録をせずに行うと処分の対象となります。

さらに登録していれば、社労士登録者限定の求人情報へ応募できる点や行政協力案件を請け負える点も魅力でしょう。

本格的に社労士として活動したい場合は、登録は必須条件といえます。

社労士会を通じてスキルアップできる

登録者は、各都道府県の社労士会が主催するセミナーや研修に参加できるため、継続的なスキルアップが可能です。

実施される研修では、年金・労務・人事などの専門分野を深掘りできることに加え、開業支援や実務ノウハウに関するテーマも多く、実践的スキルの向上に役立ちます。

また、登録すると社労士会から定期的に会報が届き、法改正・業界の動向・研修の実施状況など、必要な情報をスムーズにキャッチアップ可能です。

自分ひとりで情報を集めるよりも効率的であり、スキルアップにもつながるため、成長意欲の高い社労士には大きな利点となるでしょう。

人脈が広がる

社労士会に登録すれば、研修・セミナー・支部活動などを通して、ほかの社労士や士業関係者と交流できる機会が大幅に増えます。

特に独立開業を目指している人にとって人脈づくりは重要であり、社労士の先輩との交流がビジネスチャンスにつながることもあるでしょう。

また、社労士の仲間ができれば、業務の相談やアドバイスを受けられるだけでなく、案件を紹介してもらえるケースもあります。

人脈づくりはオンラインでも可能ですが、対面で交流するリアルなつながりは、社労士にとって安定した仕事の受注や信頼関係の構築に直結します。

長期的に社労士として活動したい人は、登録して人脈づくりに注力しましょう。

社労士の登録に関するよくあるQ&A

次に、社労士の登録に関してよく聞かれる質問を3つ紹介します。

社労士資格の有効期限はありますか?

社労士資格に有効期限はなく、一度合格できれば生涯有効です。

また、更新も不要なため更新料も発生せず、登録申請も好きなタイミングで行えます。

登録後に抹消した場合は再登録が可能ですが、登録費用や入会金が再度発生するため、注意が必要です。

さらに、登録した社労士は年会費が毎年かかるため、登録する前には所属する都道府県社労士会の費用について確認しておくと良いでしょう。

社労士会の年会費はいくらですか?

年会費は都道府県によって異なりますが、東京都の場合は、登録開業が年96,000円、勤務等登録が年42,000円かかります。

基本的に数万円〜10万円かかると認識しておきましょう。

年会費は社労士としての活動を維持するために必要な経費であり、支払いを怠ると懲戒処分の対象になる可能性があります。

社労士会の年会費を払わないとどうなりますか?

社労士会の年会費を滞納すると、納入督励・訓告・会員権の停止などの処分が科され、最終的には退会勧告により登録が抹消されます。

年会費を支払わないことに対する処分は、社会保険労務士法および各社労士会の会則に基づいて定められており、登録が抹消されると社労士業務は行えません。

また、未払いの年会費について、訴訟や債権差し押さえ処分などの法的措置により強制徴収されるケースもあるため、必ず納付が必要です。

まとめ

本コラムでは、有資格者が社労士会に登録しないとどうなるのか、メリット・デメリットを詳しく解説しました。

以下、コラムの要点まとめです。

  • 社労士会に登録しなくても問題はなく、資格は一生有効で登録期限もない
  • 未登録の場合、社労士と名乗ることや独占業務を行うことはできない
  • 登録すれば、社労士として実務ができるほか、研修やセミナーに参加できる
  • 試験合格者の70〜80%は登録せずに資格だけをもっていると推測できる
  • 登録者は登録費用や年会費を支払う必要があり、未納だと処罰される

社労士の登録には高額な費用が発生するため、登録するかどうかは自分の状況や希望するキャリアプランに応じて判断しましょう。

登録する際には費用に加え、要件を満たす手間がかかりますが、得られるメリットも大きいです。

社労士としてすぐ活動したい場合は、早めに登録を行いましょう。

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