社会保険労務士(以下、社労士)と労務管理士(以下、労務士)は、どちらも人事や労務管理にかかわる職種です。

そのため、「社労士と労務士は、具体的にどう違うの?」と疑問に思う方は多いでしょう。

名前が似ているため混同されがちですが、実は資格の有無・業務範囲・働き方などで違いがあります。

本コラムでは、社労士と労務士の仕事内容をわかりやすく解説し、違いを紹介します。

加えて、各試験の難易度や合格率も解説するため、キャリア選択で迷っている方はぜひ最後までチェックしてください。

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社労士と労務士の違い

社労士は国家資格であり、労務士は民間資格である点が大きな違いです。

国家資格の社労士は厚生労働省が管轄しており、独占業務が認められています。

対して、労務士は、一般社団法人日本人材育成協会・一般社団法人日本経営管理協会が認定する民間の資格です。

社内人事に関する実務や制度設計に特化した知識を証明する資格であり、業務範囲に制限があります。

次に、各資格の仕事内容を詳しく見ていきましょう。

社会保険労務士(社労士)の主な仕事

社労士は企業の労務管理における専門家として、主に次の3つの業務を行います。

  • 1号業務:労働保険や社会保険に関する申請・届出書類の作成と提出代行
  • 2号業務:労働社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成
  • 3号業務:人事・労務に関する相談やコンサルティング

以上のうち、1号・2号業務は独占業務であり、社労士しか認められてません。

そのため、書類作成と提出の代行や、帳簿類の作成が社労士が担う業務のメインになります。

また、専門知識を活かし、クライアントなどから人事・労務に関する相談やコンサルティング業務も行います。

社労士は企業の外部顧問として、独立開業しているケースが多い点も特徴です。

労務管理士(労務士)の主な仕事

労務士は、労働基準法や労務管理に関する専門知識を持ち、採用から退職までの就業管理や社内制度の設計・改善を担当します。

主な業務は社内の人事制度づくりや運用・管理となり、社労士のように書類の提出代行などの業務を行うことはできません。

なお、労務士が社労士の独占業務を行うと違法となり、罰則が課されます。

ただし、独占業務ではない第三号業務である人事コンサルティングの分野では、労務士も活躍が可能です。

社労士と労務士の難易度の違い

社労士と労務士では、受験に必要な条件や取得方法などにも違いがあります。

次に、受験資格・取得方法・合格率の3つのポイントで、2つの資格の違いを紹介していきましょう。

受験資格の比較

まず、受験資格の段階で難易度に差があります。

社労士試験の受験資格

社労士試験の受験資格には、学歴・実務経験・試験合格の3つの要件が設定されています。

各要件の中で、次のいずれかひとつを満たせば受験可能です。

学歴・大学・短期大学・専門学校を卒業している者
・専門職大学、専門職短期大学もしくは高等専門学校(5年制)を卒業した者
・専門職大学の前期課程を修了した者・大学において62単位以上の卒業要件単位を修得した者
・大学において一般教養科目36単位以上を修得し、かつ専門教育科目などの単位を加えて合計48単位以上の卒業要件単位を修得した者
実務経験  健康保険組合・公務員・社労士事務所での補助業務や、一般企業の労務担当などの実務経験が指定年数以上ある者
試験合格行政書士試験や司法試験予備試験など、厚生労働大臣が認めた国家試験に合格した者
参考:受験資格について

また、試験の出願時には「受験資格証明書」などの提出が必須であり、事前に自分が要件を満たしているか確認する必要があります。

受験資格の詳しい内容は、社会保険労務士試験オフィシャルサイトで確認してください。

労務士試験の受験資格

労務士試験は、20歳以上であれば誰でも受験可能です。

社労士試験のような学歴・職歴などの制限は一切なく、比較的受験へのハードルが低い試験といえるでしょう。

資格取得方法の比較

社労士と労務士では、資格取得の手段にも大きな違いがあります。

社労士は国家試験の合格が必須である一方、労務士は複数の取得方法が用意されています。

社労士の資格取得方法

社労士になるためには、まず国家試験に合格し、登録手続きを行わなければなりません。

試験は選択式と択一式の2部構成となっており、どちらもマークシート方式です。

選択式は空欄補充形式、択一式は5択から正解を選ぶ形式となります。

また、試験科目は計10科目であり、「科目ごとの足切り」がある点が特徴です。

つまり、総得点が合格基準を超えていたとしても、1科目でも基準点を下回ってしまうと不合格となります。

試験合格後、2年以上の実務経験または事務指定講習の修了により登録要件を満たし、各都道府県の社労士会に登録できると、正式に社労士として働けます。

労務士の資格取得方法

労務士は、認定講座・通信講座・書類審査・WEB資格認定講座の4つの方法で資格取得が可能です。

各取得方法の概要は、以下のとおりです。

公開認定講座による取得全国の主要都市で開催される講座に参加し、労働基準法などに関する筆記試験に合格することで取得する方法
通信講座による取得自宅で学べる通信講座を修了し、所定の試験を合格することで取得する方法
書類審査による取得3年以上の実務経験があり、推薦書・課題論文を提出して審査を受ける方法
WEB資格認定講座による取得eラーニングで研修を受講し、インターネット上での資格認定試験に合格することで取得する方法

いずれの方法でも合格後、所定の登録手続きを行うと2級労務管理士として認定されます。

さらに資格者研修を受講し、一定の成績を修めた者で昇級審査試験に合格できると、1級労務管理士として認められます。

合格率の比較

社労士と労務士では、試験の難易度にも大きな差があります。

それぞれの合格率について見ていきましょう。

社労士試験の合格率

社労士試験の合格率は、例年6〜7%と非常に低く、国家資格の中でも難関の部類に入ります。

受験者数は年間で約4万人ですが、そのうち合格できる人数は毎年2,000〜3,000人です。

労務士試験の合格率

労務士試験は民間資格であり、合格率は公表されていません。

ただし、試験自体は一定の知識習得を前提とした理解度確認が目的のため、真摯に学習に取り組めば合格を十分狙えるレベルです。

仮に試験に不合格だった場合は受講料免除で再受験できるため、再挑戦しやすくなっています。

社労士と労務士、どちらの資格を取得するべき?

独立を目指すなら「社労士」、企業内でのキャリアアップを目指すなら「労務士」がおすすめです。

社労士は国家資格であり、独立開業が可能な点が最大の魅力。

多くの企業が労務管理や社会保険については社外の専門家に外注しており、今後も高い需要が見込まれます。

また、社労士の資格があれば、企業内でも労働法や社会保険制度の専門家として重宝され、就職・転職の際にも強力なアピール材料になるでしょう。

さらに年金・医療・介護分野に関する専門知識を活かして年金アドバイザーとして働くこともでき、高齢化社会に対応した活躍の場も広がっています。

一方、労務士は民間資格であり、企業内部での活用が目的です。

人事や総務部門でのキャリアアップや、異動・昇進を目指す際のスキル証明として効果があります。

どの資格を選ぶかは、自分が目指すキャリアや理想とする働き方を明確にしたうえで、慎重に判断することが大切です。

まとめ

本コラムでは、社労士と労務士の違いについて詳しく解説しました。

コラムの要点である社労士と労務士の主な違いは、以下のとおりです。

  • 社労士は国家資格、労務士は民間資格である
  • 社労士には独占業務があるが、労務士にはない
  • 社労士試験の受験には条件があり、合格率も例年6〜7%と低い
  • 労務士試験は20歳以上なら誰でも受験可能で、取得方法も柔軟
  • 社労士は独立開業に、労務士は企業内でのキャリアアップに向いている

社労士と労務士は、どちらも労務管理にかかわる専門資格ですが、資格の種類・働き方・難易度は大きな違いがあります。

どちらを選ぶかは、「自分がどんなキャリアを築きたいのか」「将来的にどんな働き方を希望するのか」によって変わります。

将来の自分の姿を具体的にイメージしたうえで、最適な資格を選択しましょう。

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