第三級陸上特殊無線(三陸特)はドローンのFPVや各種無線を使用するために必要な国家資格です。

国家資格と聞くと手を出し難い傾向がありますが、このコラムでは、三陸特の実際の難易度などについて解説していきます。

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第三級陸上特殊無線技士の難易度は低い!

三陸特の難易度ですが、ズバリ低いです。

理由としては次のようなものがあげられます。

理由1 計算問題が殆ど無い

基本的に計算問題はありません。

ある場合でも公式に当てはめ、そこ公式も中学生で習うようなものしか出てきません。

2 過去問と同じ問題が多い

全てとは言いませんが、殆どの問題が、過去問と同じか選択肢を少し変えただけの焼き直しの問題となります。

したがって、過去問からしっかり対策を行えば十分合格可能です。

無線資格との難易度比較

三陸特と比較される資格としては、第四級アマチュア無線技士(4アマ)や二陸特があげられます。

それぞれの操作範囲は次の通りです。

資格名 操作範囲
二陸特 1.次に掲げる無線設備の外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作
イ 受信障害対策中継放送局及び特定市区町村放送局の無線設備
ロ 陸上の無線局の空中線電力10W以下の無線設備(多重無線設備を除く。)で1606.5kHzから4000kHzまでの周波数の電波を使用するもの
ハ 陸上の無線局のレーダーでロに掲げるもの以外のもの
二 陸上の無線局で人工衛星局の中継により無線通信を行うものの空中線電力50W以下の多重無線設備
2.第三級陸上特殊無線技士の操作の範囲に属する操作
三陸特 陸上の無線局の無線設備(レーダー及び人工衛星局の中継により無線通信を行う無線局の多重無線設備を除く。)で次に掲げるものの外部の転換装置で電波の質に影響を及ぼさないものの技術操作
1.空中線電力50W以下の無線設備で25010kHzから960MHzまでの周波数の電波を使用するもの
2.空中線電力100W以下の無線設備で1215MHz以上の周波数の電波を使用するもの
4アマ アマチュア無線局の無線設備で次に掲げるもの(モールス符号による通信操作を除く。)
1.空中線電力10W以下の無線設備で21MHzから30MHzまで又は8MHz以下の周波数を使用するもの
2.空中線電力20W以下の無線設備で30MHzを超える周波数の電波を使用するもの

それぞれの合格率などは次の通りです。

  二陸特 三陸特 4アマ
国家試験 問題数 無線工学

12問

12問

12問

法規

12問

12問

12問

試験時間

60分

60分

60分

受験者数(R2)

4,177名

1,410名

1,305名

合格者数(R2)

3,528名

1,211名

1,061名

合格率(R2)

84.5%

85.9%

81.3%

養成課程 受講要件

なし

なし

なし

受講時間 無線工学

4時間以上

2時間以上

4時間以上

法規

5時間以上

4時間以上

6時間以上

実施数(R2)

315回

603回

257回

受講者数(R2)

11,519名

15,225名

7,331名

修了者数(R2)

11,471名

15,221名

7,198名

修了率(R2)

99.6%

99.9%

98.2%

※令和3年度以降に関して電話で問い合わせたところ「公表していない」との返答がありました。

このようにほぼ同一で、難易度に違いは殆どありません。

三陸特を会社などで取得する人は養成課程が多く、国家試験を受験する人は個人的理由で取得したいという人が多いのが傾向です。

また、4アマを取得した人がプロの免許が欲しいと三陸特を受験することもあるようです。

なお、これらのデータは令和2年度のデータで、このときは年間4回程度の指定された会場で行う方法でした。

しかしながら、令和3年2月からCBTというパソコンを使用した試験方法に変更されたため、受験者数が増加することも想定されます。

なお、CBTになった後も、従前と同じように過去問の焼き直しの問題が多く出題されています。

第二級と第三級特殊無線技士の難易度の差は?

二陸特と三陸特は若干二陸特が難易度が高いですが、殆ど変わりません。

どちらを取得するかは活躍場所を参考にして検討してください。

資格名活躍場所
二陸特気象レーダーや速度取り締まりレーダーの操作、VSAT地球局の操作
三陸特消防、タクシーなどの無線基地局

一般的にレーダーやVSATを有するのは、地方公共団体や気象会社なので、基本的には三陸特で問題ありません。

しかしながら、難易度は殆ど変わりませんので、三陸特を包括する二陸特を取得することをお勧めします。

第三級陸上特殊無線技士試験に落ちるのはどんな人?

三陸特に落ちる人は、「全く勉強をしていない人」です。

先に書いているように、過去問をしっかり行えば十分合格できます。

ただ、試験になれていない人は、どこから手をつければ良いか解らないと思います。

その場合はeラーニングを使用するのも一つの手段です。

更に、eラーニングでも自信が無いという人は養成課程を受講してみるのもいいかもしれません。

ただし、いずれの場合も勉強しないと落ちますので、気を抜かずにしっかり勉強をして下さい。

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この記事の著者  橋爪 兼続 講師

橋爪 兼続 講師 講師紹介はこちら


【保有資格】
・第一級陸上無線技術士
・第一級海上無線通信士
・航空無線通信士
・第二級アマチュア無線技士

海上保安大学校卒業後、大型巡視船の主任通信士として通信業務に携わりました。
退職後、地場鉄道会社の子会社において、鉄道関連の無線設備の保守等に従事し、社内向けに第一級陸上特殊無線技士の取得講座を行っています。

その一方で、他社からの依頼により、第二級及び第三級陸上特殊無線技士並びに第三級及び第四級アマチュア無線技士の養成課程講師としても活動しています。

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