第一級陸上特殊無線技士を受験される方で一番つまずくのが計算問題です。

今回は計算問題でどのような問題が出るのか、その解法を含めて解説していきます。

計算問題で躓いている人の一助になれば幸いです。

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第一級陸上特殊無線技士試験の計算問題の範囲

一陸特では、計算問題が多く出てきます。

四則演算、ルートの計算、対数の計算ですが、ちゃんと練習しておかないと解けない問題も多くあります。

具体的な問題については次項において例示します。

また、選択肢があるので、計算が間違っても選択肢になければ再度計算するなど、諦めずにやり直すことも重要です。

計算問題の例題と解き方

良く出題される問題の一部について解説していきます。

オームの法則の問題 令和元年6月期 無線工学A[3]

【解説】

7.0 [Ω]に1.5 [A]流れたので、7.0 [Ω]の両端の電圧は7.0×1.5=10.5 [V]です。

7.0 [Ω]と3.0 [Ω]は並列なので、3.0 [Ω]の両端の電圧も同様に10.5 [V]です。

したがって、3.0 [Ω]に流れる電流は10.5÷3.0=3.5 [A]です。

これより、3.5 [Ω]に流れる電流は3.5+1.5=5.0 [A]です。

3.5 [Ω]の両端の電圧は、3.5×5.0=17.5 [V]となります。

以上より、端子ab間の電圧は、17.5+10.5=28.0 [V]となります。

交流回路の問題 令和3年10月期 無線工学A[4]

【解説】

この回路で電力が消費されるのは抵抗のみです。

したがって、抵抗に流れる電流を

とすると、

となります。

これを解くと、

です。

電源は100[V]なので、回路のインピーダンスを|Z|とすると、

です。

これを解くと、

となります。

であるので、これを解くと、

となります。

デシベルの計算問題 令和3年10月期 無線工学A[23]

【解説】

14 [dB]の減衰器を通して電力計で75[mW]なので、送信機の出力は75[mW]から14[dB]高い値です。

14[dB]を真数表示すると、

14[dB]=20[dB]-6[dB]=25[倍]

です。

従って、送信機の出力は

75×25=1,875[mW]

となります。

レーダーの計算問題 令和3年10月期 無線工学B[15]

【解説】

レーダーの伝搬速度は

です。

物標による反射波が受信されるまでの時間が60μsなので、物標に届くまでの時間は30μsです。

したがって、

となります。

電波伝搬の計算問題 令和元年10月期 無線工学A[20]

【解説】

半波長ダイポールアンテナに対する相対利得が12[dB]なので、これを真数表示にすると、

12[dB]=3[dB]×4=16[倍]

です。

与えられた式に代入すると、

となります。

これを解くと、

d=16,000 [m]=16[km]

です。

アンテナ長さを求める問題 平成31年2月期 無線工学A[19]

【解説】

170[MHz]の波長は、

です。

ブラウンアンテナの放射素子の長さは1/4波長なので、

1.76÷4=0.44[m]

です。

見通し距離の計算問題 平成31年2月期 無線工学A[20]

【解説】

標準大気における電波の屈折を考慮する場合、2点間の見通し距離d[km]は、

です。

これに代入し、

です。

計算問題は苦手でも捨てるべきではない

一陸特では、計算問題を捨てると合格することは非常に難しくなります。

過去問を見ての通り、計算問題の難易度も簡単ではありません。

eラーニング等では、解き方のみならず、計算方法についても解説してある場合が多く、基礎からしっかり勉強することができます。

したがって、自信がない人は、eラーニングなどを用いて勉強することをお勧めします。

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この記事の著者  橋爪 兼続 講師

橋爪 兼続 講師 講師紹介はこちら


【保有資格】
・第一級陸上無線技術士
・第一級海上無線通信士
・航空無線通信士
・第二級アマチュア無線技士

海上保安大学校卒業後、大型巡視船の主任通信士として通信業務に携わりました。
退職後、地場鉄道会社の子会社において、鉄道関連の無線設備の保守等に従事し、社内向けに第一級陸上特殊無線技士の取得講座を行っています。

その一方で、他社からの依頼により、第二級及び第三級陸上特殊無線技士並びに第三級及び第四級アマチュア無線技士の養成課程講師としても活動しています。

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