アパートやマンションの経営を行う際は、さまざまな知識が必要です。

「アパート・マンションの経営に資格は必要？」

「アパート・マンション経営に役立つ知識を得られる資格は？」

本コラムでは、上記のようなお悩みをもつ方のために、アパート・マンション経営に役立つ資格を紹介します。

アパート・マンション経営を行う際に必要な知識についても触れているため、ぜひ参考になさってください。

アパート・マンション経営に資格は必要？

アパート・マンションの経営は、資格がなくても行えます。

しかし、資格がなくても行えるからといって、知識も不要であるという訳ではありません。

アパート・マンション経営の業務は多岐にわたります。

そのため、経営を継続し、長期的な利益を得るためには、一定の知識が必要になるでしょう。

例えば、不動産の売買を行う際は、宅建の知識が役立ちます。

また、建物の管理方法に関する知識があれば、自身が所有する物件の自主管理を行うことも可能です。

次章からは、アパート・マンション経営に必要な知識や、経営に役立つと考えられるおすすめの資格を紹介します。

ぜひ最後までご覧ください。

アパート・マンション経営をするために必要な知識は？

アパート・マンション経営を行うためには、以下のような知識が必要です。

• 不動産全般に関する知識
• アパート・マンションの経営に関する知識
• 会計・税務に関する知識

アパート・マンション経営を始める際は、まずどのような物件を購入するかを判断しなければなりません。

そのため、物件の収益性や、建物の状態を見極めるための知識が必要です。

また、アパートやマンションの空室を減らし、満室経営に近づけるためには、適切な家賃を設定するための知識や営業の能力などが求められるでしょう。

加えて、税理士に確定申告を依頼しない場合は、帳簿の作成や確定申告などを自力で行うことになります。

そのため、簿記の知識や、税に関する知識を有していることが望ましいです。

また、不動産に関連する法律は多岐にわたるため、法改正が行われた際には対応が求められる場合があります。

アパート・マンションの経営に対する影響を予測するためにも、法改正や税制の改正に関する情報を常に収集し、経営に活かす努力が重要です。

アパート・マンション経営に役立つ資格 

アパート・マンション経営に役立つ主な資格として、宅建や管理業務主任者などがあげられます。

ここでは、アパート・マンション経営に役立つ資格を9つ取り上げ、それぞれについて解説します。

• 宅地建物取引士（宅建）
• 管理業務主任者
• マンション管理士
• 賃貸不動産経営管理士
• ファイナンシャルプランナー（FP）
• 土地家屋調査士
• 司法書士
• JSHI公認ホームインスペクター（住宅診断士）
• 不動産鑑定士

宅地建物取引士（宅建）

宅地建物取引士（以下、宅建）とは、不動産取引の専門家であることを証明するための国家資格です。

宅建士の主な仕事は、不動産売買取引のサポートや契約内容の説明などです。

また、以下の3つの業務を独占する「業務独占資格」としても知られています。

• 重要事項の説明
• 重要事項説明書（35条書面）への記名
• 37条書面への記名

宅建試験の合格率は、例年約15〜17%です。

また、初学者が宅建合格を目指す場合、必要な勉強時間の目安は約300～400時間といわれています。

合格率は低いものの、不動産鑑定士や土地家屋調査士などの難関資格と比べれば、比較的取得しやすい資格であるといえるでしょう。

宅建の知識は、アパート・マンション経営に用いる物件を取得する際に役立ちます。

また、不動産の売買を行う際に、取引の進行がスムーズになるでしょう。

参考：宅建とは？宅建士の仕事内容や独占業務・求められる能力について紹介

管理業務主任者

管理業務主任者とは、分譲マンションの管理に関するプロフェッショナルです。

管理業務主任者資格は「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」によって定められた国家資格です。

また、以下の4つの業務を独占する、業務独占資格でもあります。

• 管理受託契約に際しての重要事項の説明
• 管理受託契約に関する重要事項説明書への記名・押印
• 管理受託契約書への記名・押印
• 管理組合に対する管理事務の報告

管理業務主任者の主な仕事は、上記の独占業務です。

管理業務主任者資格を取得すれば、アパート・マンション経営に必要な各種法令に関する知識を身につけることができます。

さらに、建物の価値を維持するために必要な管理方法などの知識を得られるため、自分が所有する物件の管理に活かせるでしょう。

参考：管理業務主任者とは？仕事はきつい？平均年収は？意味ない資格って本当？

マンション管理士

マンション管理士とは、分譲マンションの管理や運営に関する専門家です。

また、マンション管理士資格は「マンション管理適正化法」において位置付けられた国家資格です。

マンション管理士の業務は、マンション管理規約の策定・長期修繕計画の作成・区分所有者間のトラブルの解決など多岐にわたります。

マンション管理士の資格を取得することで、住民同士のトラブルの対処法や、建物の修繕に関する知識を得られます。

これらの知識は、アパート・マンション経営にも役立つでしょう。

参考：マンション管理士とは？役に立たない？やめとけと言われる理由も解説

賃貸不動産経営管理士

賃貸不動産経営管理士とは、賃貸住宅の管理に関する専門家です。

賃貸不動産経営管理士資格は国家資格であり、「業務管理者」になるための要件のひとつとして定められています。

賃貸不動産経営管理士の主な仕事は、賃貸住宅の管理業務を受託し、管理を行うことです。

また、賃貸住宅の管理に加え、物件取得時の市場調査や、入居者の募集・審査・退去時対応などのさまざまな実務に携わります。

そのため、賃貸不動産経営管理士の資格を取得すれば、アパート・マンション経営の実務に役立つ知識を得られるでしょう。

参考：賃貸不動産経営管理士とは？仕事内容となり方を解説！

ファイナンシャルプランナー（FP）

ファイナンシャルプランナーとは、ファイナンシャル・プランニング業務を行う人の通称です。

ファイナンシャルプランナーに必要な知識を証明するためには、国家資格である「ファイナンシャル・プランニング技能検定」を取得することが一般的です。

3級から1級までに分かれているため、資格の取得を目指す方は、まず3級から挑戦してみましょう。

ファイナンシャルプランナーの主な仕事は、個人の資産運用に関するアドバイスです。

金融・保険・税制などに関する知識に加え、不動産や相続に関する知識を活用し、資産形成のサポートを行います。

これらの知識によって、アパート・マンション経営における収支の状態を理解しやすくなるでしょう。

参考：FPの資格は不動産業界で活きる？転職で有利になるのは2級以上？

土地家屋調査士

土地家屋調査士とは、不動産の登記に関する専門家です。

不動産登記は大きく分けて「不動産の表示に関する登記」と「不動産の権利に関する登記」の2つに分類されますが、土地家屋調査士は「表示に関する登記の代理」を独占業務としています。

土地家屋調査士は難易度が高い国家資格としても知られており、例年の最終合格率は約8〜9%で推移しています。

また、土地家屋調査士試験に合格するために必要な勉強時間の目安は、約1,000時間です。

土地家屋調査士は、不動産の登記に必要となるさまざまな業務を行います。

登記を行う不動産の現地調査や測量に加え、登記に必要な書類の作成なども土地家屋調査士の仕事です。

また、土地の境界に関する紛争が発生した際に、解決手続きの代理を行う場合があります。

アパート・マンション経営において「表示に関する登記」が必要になった場合や、土地の境界に関するトラブルが発生した場合には、土地家屋調査士の資格が役立つでしょう。

参考：土地家屋調査士とは？資格の基本情報と仕事内容

司法書士

司法書士とは、登記手続の代理や、法務局等に提出する書類の作成などを独占業務とする国家資格です。

司法書士の主な業務は、不動産登記や商業登記の代行です。

また、相続の手続きに関するアドバイスや、簡易裁判所での訴訟代理業務なども請け負う場合があります。

不動産の登記は本人による申請が可能ですが、登記の手続きは複雑であり、知識がない方が本人申請を行うことはおすすめできません。

司法書士資格の取得によって、アパート・マンション経営において不動産の登記が必要になった場合に、自分で手続きを行えるでしょう。

また、別の司法書士に登記の代行を依頼する際も、やり取りを円滑に進めることができます。

参考：「不動産登記」とは？司法書士の仕事について具体的に解説

JSHI公認ホームインスペクター（住宅診断士）

ホームインスペクター（住宅診断士）とは、住宅の劣化状況や不具合の有無などを確認し、改修に関するアドバイスを行う専門家です。

ホームインスペクターに必要な知識を証明するためには、民間資格である「JSHI公認ホームインスペクター」を取得することが一般的です。

ホームインスペクターとしての知識があれば、経営しているアパートやマンションの劣化状態を見極めることができます。

そのため、建物の修繕計画を立てやすくなり、将来的にどれくらいの費用が必要になるかを予測できるでしょう。

また、住宅の状態の良し悪しを判断できるため、新たな物件を取得する際にも役立つ可能性があります。

参考：ホームインスペクター（住宅診断士）になるには

不動産鑑定士

不動産鑑定士とは、不動産の適正な価値を調査するスペシャリストです。

また、「不動産の鑑定評価」は不動産鑑定士の独占業務です。

不動産鑑定士になるためには、国家試験である不動産鑑定士試験に合格し、登録を行う必要があります。

不動産鑑定士の主な業務は、不動産の経済的な価値を評価することです。

また、不動産に関する知識を活かし、コンサルティング業務にも携わる場合があります。

不動産鑑定士資格の取得によって、不動産の価値を評価するための方法や、不動産の権利に関する知識を身につけることができます。

そのため、物件を購入する際に、知識に基づいた的確な判断を行えるでしょう。

参考：土地家屋調査士と不動産鑑定士の違い！難易度やどっちから？等も

資格の取得を考えるなら予備校の利用も

本コラムでは、アパート・マンション経営に役立つ資格を紹介しました。

本コラムで取り上げた資格は以下の通りです。

• 宅地建物取引士
• 管理業務主任者
• マンション管理士
• 賃貸不動産経営管理士
• ファイナンシャルプランナー
• 土地家屋調査士
• 司法書士
• JSHI公認ホームインスペクター（住宅診断士）
• 不動産鑑定士

アパート・マンション経営に役立つ資格には多くの種類があり、それぞれ難易度が異なります。

どの資格を取得すればいいか迷った場合は、アパート・マンション経営において解決したい課題を明確にし、課題の解決に役立つと思われるものを選びましょう。

アガルートアカデミーでは、本コラムで紹介した資格のうち、以下の講座を取り扱っています。

• 宅地建物取引士
• 管理業務主任者
• マンション管理士
• 賃貸不動産経営管理士
• ファイナンシャルプランナー
• 土地家屋調査士
• 司法書士
• 不動産鑑定士

アガルートアカデミーの特徴は、オンラインの環境があれば、いつでも・どこでも学習できるという点です。

また、プロの講師によるわかりやすい解説を受けられるため、独学が難しい難関資格でもスムーズな合格を目指せます。

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