賃貸不動産経営管理士とは実際どんな資格なのかわからない、どんな仕事をすることになるのかわからない、という人もまだまだ多いのではないでしょうか。

このコラムでは、「賃貸不動産経営管理士」とはいったいどんな資格なのか、どんな仕事をする資格なのか、資格を取得する方法は?ということについて、ご紹介したいと思います。

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賃貸不動産経営管理士とは?

賃貸不動産経営管理士とは、日本の不動産業界における専門資格の一つです。賃貸住宅管理の適正化・健全化に貢献することを目的とした国家資格であり、賃貸不動産の経営や管理に関する知識や技術を有する者が取得することができます。

賃貸住宅管理に必要な知識や技能、倫理観をもってアパートやマンションなどの賃貸住宅の管理にあたります。

賃貸住宅管理の業務を行うには「業務管理者」の設置が義務づけられています
賃貸不動産経営管理士であることで、「業務管理者」の要件を満たすことができます

関連コラム:賃貸不動産経営管理士・業務管理者の違いとなり方3つ!移行講習が必要なのは?

賃貸住宅に住む人々にとっては、安心・安全・快適な生活環境の実現のために、賃貸住宅の管理が適切に行われることがとても重要です。

また、賃貸住宅を貸し出す側の人々にとっても、そこに住む人々のニーズを的確につかみ適切な管理を実現することは、賃貸住宅の稼働率を高め、家賃収入を安定化させるためにとても重要です。

このような社会的な期待や要望に応えていくうえで、賃貸住宅の管理に関する知識や技能、倫理観を有する専門家である賃貸不動産経営管理士の存在はとても重要なのです。

賃貸不動産経営管理士の主な仕事内容

賃貸住宅にかかわる業務は物件管理、入居募集、入居審査、市場調査、企画立案…等々、多岐にわたります。

賃貸不動産経営管理士は、入居審査や入居中の管理、契約終了・更新時の対応、空室維持管理業務等、主に入居中から退去、更新までの長い期間の仕事を専門としています。

賃貸住宅の管理業務の流れ(賃貸管理業務のイメージ例)

イメージしやすいよう、以下で「大家さんから依頼を受けてから、入居者が賃貸住宅で生活を始めるまで」の下記の順に沿ってお話していきたいと思います。

  1. 大家さんから管理業務を受託する
  2. 入居者を探す
  3. 賃貸住宅の管理

1.大家さんから管理業務を受託する(管理業務受託契約)

まずは、大家さんから管理業務の依頼を受けます。

賃貸不動産経営管理士は賃貸不動産の経営の専門家ですから、ただ単に賃貸住宅の管理をしていればいいというわけではありません。

具体的には、まず初めに市場調査を行います。
賃貸住宅の経営ですから、居住者がいなければ家賃収入は当然入ってきません。
そこで、例えば近隣の家賃相場等を調査し、その賃貸住宅に合った適正価格を大家さんにご提案していくこととなります。

またその際には、例えば「バリアフリー住宅のご提案」など賃貸用建物の企画提案をすることもあります。
ニーズになってない賃貸住宅を市場に投入しても、居住者がうまく集まらないですからね。

このような賃貸住宅に関する市場調査は、大家さんの力だけで行うのはなかなか難しいため、賃貸経営に関する専門家である賃貸不動産経営管理士には、不動産を熟知した管理会社の目線で経営コンサルティングを行うことが望まれます。

なお、この他にも、賃貸不動産経営管理士は、「節税や相続に関する相談・提案への協力業務」「不動産証券化業務」なども行い、大家さんにとって大切な資産である賃貸住宅の経営・管理をトータルでサポートしていくことが期待されます。

2.入居者募集から契約まで

入居者がいないことには、賃貸不動産の経営は成り立ちませんから、とても大事な場面です。
入居者の募集から契約の締結までをサポートしていくこととなるのですが、その際「入居審査」という大事な作業があります。

これから長きにわたって賃貸住宅を貸し出す相手となる入居候補の方が適した方かどうか、例えば毎月きちんと家賃を収めてくれる方なのか、同じアパート・マンションの入居者の方とトラブルを起こすような方でないかどうか、身分のしっかりとした方かどうか等をチェックし、大家さんに助言します。

こういったことは、大家さんだけの力で行うのは難しいですから、まさに専門家である賃貸不動産経営管理士の出番というわけです。

無事に入居者が決まり、これでおしまい!……というと、実はそうではありません。
いえ、むしろ大切なのはここからと言ってもいいでしょう、賃貸住宅の管理(管理業務)があります。

3.賃貸住宅の管理(管理業務)

賃貸住宅管理の仕事は、賃貸住宅の建物維持管理や修繕オーナー(大家さん)への管理状況の定期報告があります。

日々の建物清掃も大事な仕事ですし、クレームやトラブル対応、毎月の賃料等収納業務や契約の更新、賃料の改定も、重要な仕事です。

また居住者が退去する際の立合い、そしてその後の敷金の清算や、原状回復工事の指揮空室維持管理も仕事に含まれています。

居住者の方たちの快適な住環境を実現するため、賃貸住宅の管理を、賃貸不動産経営管理士はその有する専門知識や技能を用いることとなります。

このように「賃貸不動産管理業務」全般に関する様々な業務に関わっていくのが賃貸不動産経営管理士であり、これからの賃貸不動産の経営・管理において、適切な管理業と消費者の安心を実現していくうえで重要な役割を担った職業であるといえるでしょう。

賃貸不動産経営管理士になるには?

賃貸不動産経営管理士になるには、1.賃貸不動産経営管理士試験に合格し、2.登録する必要があります。

1.賃貸不動産経営管理士試験に合格する

「賃貸不動産経営管理士」になるには、年に一度実施される全国統一試験に合格することが必要です。

この試験は、現在不動産業で仕事をしている方(不動産業従事者)だけでなく、学生さんや主夫・主婦の方等だれでも受験することができます。

2.登録する

試験に合格するだけでは「賃貸不動産経営管理士」と名乗って仕事をすることができません。

試験に合格したら、次は登録をする必要があります。
登録手続を通じて、賃貸不動産経営管理士として仕事をするのにふさわしい者だと認定してもらうのです。

登録するためには、「①管理業務に関し2年以上の実務の経験を有する者、又は②その実務の経験を有する者と同等以上の能力を有する者」という条件があります。
※②は実務経験2年とみなす講習(賃貸住宅管理業務に関する実務講習)の修了をもって代える者等を指します。

登録手続が完了すると、ようやく「賃貸不動産経営管理士」としてお仕事をすることができます。

なお、登録後は次のような待遇があります。

登録証やステッカーの交付

登録すると、登録証やステッカーの交付を受けることができます。

これらのツールを通じて、「ここに正式な『賃貸不動産経営管理士』が在籍してますよ。安心して取引してくださいね。」と顧客の皆様に紹介することで、賃貸住宅の大家さんや居住者の方たちは、適切な賃貸不動産の経営・管理サービスを受けることができるようになります。

賃貸不動産経営管理士協議会のホームページの利用

登録後は賃貸不動産経営管理士のホームページ上の有資格者専用ページで様々なコンテンツの利用が可能になったり、「賃貸不動産経営管理士を探す」にあなたの名前が掲載されたりします(公開は任意です)。

フォローアップ

さらには、実務セミナーやスキルアップ資格、実用書籍の案内等の有資格者へのフォローアップを受けることができるようになります(年1回)。

専門家としての知識や技能が求められる賃貸不動産経営管理士は、常に新しい知識や技能を習得することが求められますが、そのフォローを、登録することで受けることができるわけです。

これで、安心して専門家としての仕事をしていくことができます。

関連コラム:賃貸不動産経営管理士資格を取るメリットとは?活かし方を解説

賃貸不動産経営管理士のニーズは高い

2020年(令和2年)6月12日、「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」が可決成立し、2021年(令和3年)6月15日に施行されました。

この法律は、良好な居住環境を備えた賃貸住宅の安定的な確保を図るために、サブリース業者と所有者との間の賃貸借契約の適正化のための措置を講ずるとともに、賃貸住宅管理業を営む者に係る登録制度を設け、その業務の適正な運営を確保するために制定されました。

この法律により、賃貸住宅の大家さんから賃貸住宅管理業の依頼を受けるには、登録を受ける必要があります。
登録制度が設けられることにより、不適切な管理業者が排除され、賃貸住宅管理業全体の質の向上が期待されます。

そして、この登録を受けるための要件の1つが「業務の管理・監督に関する事務を行うために、事務所ごとに、 業務に関する必要な知識と能力、実務経験を有する者として 業務管理者を1名以上設置すること」なのです。

前述の通り、設置義務があるこの「業務管理者」の要件のひとつが賃貸不動産経営管理士であることです。

制度の面でも、賃貸不動産経営管理士を始めとした賃貸不動産の管理・経営に知識や技能を有する者が必要とされています。

賃貸不動産経営管理士は管理業法の施行規則の公布(4/21)をもって、国家資格化しました。

そのため、賃貸不動産経営管理士試験の難易度も、今後さらに上昇してくることが予想されます。
賃貸不動産経営管理士資格は早めに取得しておくことをおすすめします。

関連コラム:賃貸不動産経営管理士の難易度はどれくらい?合格点・合格率を確認

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