「賃貸不動産経営管理士試験は年々難しくなってるらしい」「合格率も下がった」「どのくらい勉強すれば受かるの?」

賃貸不動産経営管理士試験を受けようかと思っている方は、このようなことが気になりますよね。

この記事は賃貸不動産経営管理士試験の難易度について解説します。

アガルート受講生の合格率79.2% 全国平均の2.9倍

資料請求で無料プレゼント!
・サンプル(お試し版)テキスト
・サンプル講義動画:約1.5時間

2分で簡単無料体験(会員登録→お申込み→視聴)!

20日間無料で講義を体験!

賃貸不動産経営管理士の難易度とは?

結論から言って、賃貸不動産経営管理士試験はそこまで難しい試験ではありません。

合格率は現在30%前後で推移しています。

令和4年度(2022年度)の賃貸不動産経営管理士試験の合格率は27.7%でした。合格点は50中の34点。7割ほど正解することが目安といえそうです。

出典:令和4年度 試験結果-賃貸不動産経営管理士(賃貸不動産における専門家の資格)

現時点では、賃貸不動産経営管理士試験は対策さえすれば合格できる試験といえるでしょう。

試験の難易度について、詳しく見ていきます。

賃貸不動産経営管理士 合格率の推移

過去5年の賃貸不動産経営管理士試験の合格率は、下の表のようになっています。

年度受験者数合格者数合格率
平成30年度(2018年度)18,488名9,379名50.7%
令和元年度(2019年度)23,605名8,968名36.8%
令和2年度(2020年度)27,338名8,146名28.8%
令和3年度(2021年度)32,459名10,240名31.5%
令和4年度(2022年度)31,687名8,774名27.7%

※令和2年度より、問題数が全40問から全50問となりました。

賃貸不動産経営管理士は令和3年度より、国家資格化されました。

令和元年度に合格率が下がったのは、賃貸不動産管理業務が登録制になるのに伴い、申込者数が上昇したことが主な要因であると考えられます(申込者数が約6,000名ほど増えているにも関わらず、合格者数が前年度に比べ700名程度しか変化していません)。

申込者数が増加した要因は、賃貸不動産経営管理士の国家資格化に向けて試験制度の変更等が令和2年度(2020年度)から行われることに伴う、いわゆる“駆け込み受験”です。

合格率は下がっていますが、他の国家試験と比べると、まだ高い合格率を維持しています。

賃貸不動産経営管理士の合格点

合格点は、合格発表時に公開されます。

90点取れれば必ず合格できる運転免許の試験などと違い、賃貸不動産経営管理士試験の合格点は毎年異なります。合格点の決定は、試験結果をもとに一定の合格率や合格者数をキープするラインに基づくといわれています。

1点差の中に数百人から千人単位の受験者がいるため完全に一定にはなりませんが、「合格点を〇点にすると〇人の合格者」という理屈です。

賃貸不動産経営管理士試験 合格点の推移

次に、過去5年の合格点の遷移を改めて見てみましょう。

年度合格率合格点合格ラインの正答率
平成30年度(2018年度)50.7%29点(40問中)72.5%
令和元年度(2019年度)36.8%29点(40問中)72.5%
令和2年度(2020年度)28.8%34点(50問中)68.0%
令和3年度(2021年度)31.5%40点(50問中)80.0%
令和4年度(2022年度)27.7%34点(50問中)68.0%

令和2年度より、問題数が全40問から全50問に増えました。

令和4年度は全50問中34点という合格ラインです。50問中なので、これまでで最も低い点数となりました。

賃貸不動産経営管理士講習者の合格点・合格率推移

賃貸不動産経営管理士試験には、事前に講習を受けることで試験科目が5問免除になる制度があります。
管理士講習の修了者の合格点・合格率の推移をみてみましょう。

年度合格率合格点 合格ラインの正答率
平成30年度(2018年度)53.7%25点(35問中)71.4%
令和元年度(2019年度)38.4%25点(35問中)71.4%
令和2年度(2020年度)33.7%29点(45問中)64.4%
令和3年度(2021年度)36.0%35点(45問中)77.8%
令和4年度(2022年度)30.7%29点(45問中)64.4%

賃貸不動産経営管理士試験の講習受講者の合格率をみると、免除がない場合に比べてやや高い傾向です。また、合格ラインの正答率は低くなっています。

講習は有料ですが、試験に合格できる可能性が高くなります。自分の合格率を上げるためには、講習を受けることをおすすめします。

関連コラム:賃貸不動産経営管理士講習を受けて5問免除は活用すべき?合格率への影響は?

令和4年度 賃貸不動産経営管理士試験講評動画

2022年12月26日の令和4年度合格発表を受けて、アガルートの賃貸不動産経営管理士講座担当工藤講師と中里講師による講評動画です。令和5年度に向けた対策についても語られているので、ぜひ参考にしてみてください。

賃貸不動産経営管理士の難易度とは?他の不動産関連資格と比較

賃貸不動産経営管理士の試験としての難易度を、ほかの不動産関連資格と比べてみましょう。

難易度ランキング 合格率を比較

下の表は、試験の難易度の大きな目安となる、合格率を低い順に示したものです。

順位資格名合格率受験資格
1不動産鑑定士5%前後なし
2マンション管理士8~9%なし
3一級建築士8~12%あり
4土地家屋調査士8~10%なし
5宅建15~17%なし
6管理業務主任者20~23%なし
7賃貸不動産経営管理士30%前後なし


これら不動産系の資格試験と比べてみても、賃貸不動産経営管理士試験はまだまだ合格しやすい資格といえます。

もちろん、試験に向けてしっかりとした準備をしていく必要があるのは間違いありません

ちなみに、一級建築士は合格率が二桁となっていますが、大学・短期大学・高等専門学校・専修学校等において指定科目を修めて卒業した者、または二級建築士といった厳しい受験資格があります。
他資格と比べ、受験段階ですでにある程度の実力・知識が必要なことから、合格率以上に合格難易度は高いといえるでしょう。

難易度ランキング 勉強時間を比較

続いて、合格までに必要とされる勉強時間の量を多い順に示しました。

順位資格名勉強時間(目安)
1不動産鑑定士3,000時間
2一級建築士1,000~1500時間
3土地家屋調査士1,000時間
4マンション管理士500時間
5宅建300時間
6管理業務主任者300時間
7賃貸不動産経営管理士100~200時間


ほかの資格に対しての難易度は、このような位置づけとなります。

文系三大難関資格で、不動産資格の最高峰である不動産鑑定士の必要とする勉強時間はやはり際立っています。

宅建士も300時間と、難関試験ではないのですが、受験者が20万人前後と非常に多く1点足りずに再トライとなる人も多いうえ、初学者・実務経験なしの方が300時間で合格するには、効率よい学習が必要です。

そんな中、賃貸不動産経営管理士は最短3か月から8か月ほどの計画を立て、無理のない勉強時間を確保すれば合格できる、取得に取り組みやすい資格と言えるでしょう。

関連コラム:賃貸不動産経営管理士の勉強時間は?独学の場合・勉強法も解説

賃貸不動産経営管理士は難しくなった?

他の不動産関連資格と比べると難易度は低い賃貸不動産経営管理士ですが、「賃貸不動産経営管理士試験は難しくなった」といわれることがります。その理由は、以下のようなことです。

  • 試験が開始されて年数が浅いうえ、法令改正などの影響で、出題内容が安定していない
  • ここ数年国家資格化の影響で受験者が増えたことに対して、合格者数の安定化をはかった
  • 難解な言い回しや、全肢の正誤を確定させる必要のある個数問題・組合せ問題が増えた

国家資格は有資格者の数が充分でないと、その資格が守るべき法令遵守や業務の遂行ができないため、一定数の試験合格者を送り出す必要があります。

一方、賃貸住宅管理業法の施行は、不動産業界にとって非常に大きなインパクトでした。

賃貸不動産経営管理士試験の合格者WEB登録3,706名のうち、不動産業従事者が3,276名=実に88.3%にもなりました。

出典:受験申込者数および資格登録者に関するデータ-賃貸不動産経営管理士(賃貸不動産における専門家の資格)

不動産業界で働く人の本音は「国家資格になった!国土交通省は本気だ!試験が簡単なうちに受かりたい!」でした。ということで、次項のように令和3年試験で合格点基準が40点・80%正解に跳ね上がり、合格者が1万人を超えたのは、当然の結果だったのです。

そして翌令和4年の試験では問題の難易度調整がおこなわれ、合格点34点・合格率27.7%となりました。

賃貸不動産経営管理士の難易度がそこまで高くない理由

賃貸不動産経営管理士試験には、筆記の解答が求められる問題(記述式)は出題されず、マークシート形式による解答が求められる問題(択一式)のみ出題されます。

試験の形式を見る限り、比較的取り組みやすい試験ですよね。

また試験問題の内容も、公式テキストが発売されることからも明らかなように、出題範囲もはっきりとしています。

試験で問われることも、賃貸不動産管理業務を行うにあたって知っておくべき基本的な事項が中心です。

もっとも、基本的な事項と言っても専門知識であることは間違いありませんから、ちょっと勉強したくらいですぐに自分のものになるほど易しくはありません

それに、合否判定基準も試験全体の約70%強とされているため、ケアレスミス等の取りこぼしが許されません。

以上から、問題自体はそれほど難しくはないものの、基本的な事項の取りこぼしは許されない試験であるというのが、賃貸不動産経営管理士試験の特徴と言えるでしょう。

今後は難易度が上がる可能性が高い

賃貸不動産経営管理士が人気の理由のひとつは、「難易度が(少なくとも今は)そこまで高くないのに、今後重視される資格!」という点です。

国家資格として独占業務(有資格者しかおこなってはならない業務)や必置義務(企業が一定数の有資格者を雇用する義務)ができました。現状はまだ移行期間とされており、「今すぐ賃貸不動産経営管理士が必要!」という状況には至っていません。

しかし法令上のニーズだけではなく、賃貸管理担当で事務職的な業務をおこなってきた人に、プロパティマネージメントやアセットマネージメントのキャリアを拓くきっかけとなります。

売買営業にキャリアをささげると決めている人にとっても、投資物件を商う場合、気になる資格です。

このようなニーズが、賃貸不動産経営管理士試験の背景にはあります。

受験者の増加に対応するためにも、国家資格化から今しばらく、問題の難化が予想されます。

まとめ

賃貸不動産経営管理士試験の難易度についてご紹介しました。

難しくないとはいえ、油断大敵、合格に向けてしっかりと準備を進めていきましょう。

効率良く短期間で合格が目指すためには、通信講座の利用をおすすめします。

ご健闘をお祈りします!

アガルート受講生の合格率79.2% 全国平均の2.9倍

資料請求で無料プレゼント!
・サンプル(お試し版)テキスト
・サンプル講義動画:約1.5時間

2分で簡単無料体験(会員登録→お申込み→視聴)!

20日間無料で講義を体験!