賃貸不動産経営管理士試験で法令が問われる場合、課題になりがちな点が「法改正」です。

「本試験に対してどの時点の規定が基準となるのか」など、効果的な試験対策のために正確な情報を知りたいと思っている方も多いでしょう。

当コラムでは、賃貸不動産経営管理士試験における「法令」がどの時点の規定を基準としているかについて詳しく解説します。

受験を検討している方はぜひ参考にしてください。

賃貸不動産経営管理士試験での法改正について！いつの法律に基づく出題？

賃貸不動産経営管理士試験の問題に含まれる「法令等」は、例年試験が実施される年の4月1日時点で施行されている規定に基づいて出題されることになっています。

「規定」には、関係機関による関連告示や通達なども含みます。

令和7年度試験に関しては、問題中の法令等に関する部分は、令和7年4月1日現在で施行されている規定（関係機関による関連告示、通達等を含む。）に基づいて出題します。との記載があります。

なお、賃貸不動産経営管理士試験でも出題のある賃貸住宅管理業法は、2020年6月に可決され、2021年6月に施行された比較的新しい法律です。

近年における賃貸住宅オーナーの高齢化や兼業化、業務の高度化などの社会情勢が主な施行背景。

法律全体で賃貸住宅管理業者の登録制度やサブリース契約を適正化する措置などを規定することで、良好な居住環境を備えた賃貸住宅の確保を目的としています。

特に、賃貸不動産経営管理士資格を取得後、独立開業を検討している場合は要チェック。

賃貸住宅管理業法では、賃貸不動産経営管理士が独立開業して200戸以上の住宅を管理する場合は、国土交通省に登録する必要があると定められています。

なお賃貸住宅管理業法は2021年の施行後、直近では2023年に改正され、現行法として用いられています。

2023年改正のポイントは主に以下の4点です。

• 定期報告の説明方法の見直し
• 重要事項の説明方法の見直し
• オーナーチェンジがあった場合の新オーナーへの対応方法の合理化
• 更新回数の優遇措置に係る取扱いの見直し

出典：https://www.chintaikanrishi.jp/about/law_outline

テキストや予備校は最新年度のものを使うべき

賃貸不動産経営管理士の試験対策を行う場合、テキストや予備校は最新のものを使いましょう。

例年の賃貸不動産経営管理士試験では、問題中の法令に関する部分が試験年度の4月1日時点で施行されている規定に基づいて出題されます。

受験年の4月1日までに法改正が行われた場合は、改正後の内容を対策することが重要となります。

特に独学でテキストや問題集などを自分で用意する場合は、該当年の4月1日以降に出版されたものを選ぶ・改正情報を自分で調べるなどの対策を取りましょう。

通信講座や予備校を利用する場合も同様に、最新年のコースを選びましょう。

特に、複数の講座が提供されている学校の場合は最新の法改正に対応しているかどうかを事前にしっかり確認する必要があります。

過去問題で演習を行いたい場合は、試験の実施団体である賃貸不動産経営管理士協議会の公式ページで無料で閲覧することも可能です。

但し、当時の問題がそのまま出題されており最新の法改正に対応していないため、試験対策上この過去問をそのまま利用するのは避けた方が良いでしょう。

過去問による学習をする場合は市販の過去問集や予備校の過去問解説講座の最新年度版を利用すべきでしょう。

　

まとめ

当コラムでは、賃貸不動産経営管理士試験における「法改正」の扱いについて、以下の内容で解説しました。

• 賃貸不動産経営管理士試験における「法令」問題は、試験実施年度の4月1日時点で施行されている規定に基づいて出題される。「規定」には、関係機関による関連告示や通達なども含まれる。
• 賃貸住宅管理業法は賃貸住宅オーナーの高齢化などの社会情勢を背景に、良好な居住環境を備えた賃貸住宅の確保を目的に施行された法律。2023年に定期報告・重要事項の説明方法など4点が見直される改正が行われた。
• 試験対策上は、最新のテキストや予備校を選ぶとよい。

賃貸不動産経営管理士試験における「法令」問題は、試験実施年の4月1日時点で施行されている規定に基づきます。

本試験は例年11月の実施のため、該当年の4月1日以降に出版された対策テキストを用いるなどの工夫をして最新情報をしっかり押さえましょう。

自力で教材を選定したり法改正について調べたりすることが難しいようであれば、通信講座や予備校の最新講座の受講を検討してもよいでしょう。

最適化されたカリキュラムで、より効率よく合格を目指せるはずです。