弁理士は、知的財産専門の法律家です。

企業のニーズが多様化している昨今、クライアントへのヒアリングを通じて、相手が抱えている課題や悩みを把握し解決につなげるコミュニケーション能力の高さが弁理士にも求められています。

今回は特許事務所で働く弁理士であり採用担当でもある筆者が、弁理士に求められる能力や向いている人について解説します。

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弁理士の仕事内容

弁理士の主な業務として、特許や実用新案、意匠、商標の出願手続きや拒絶理由対応といった権利化業務が挙げられます。

このほかにも、下記の業務も行うことも。

■知的財産に関する訴訟の保佐人や訴訟代理人としての業務
■クライアントや自社開発部門等からの知的財産全般に関する相談を受ける相談業務
■知的財産に関する契約書や覚書等の作成やチェック業務

これら業務を幅広く経験することで、クライアントや自社の経営戦略に応じた知的財産戦略の提案力が磨かれていきます。

世界中のあらゆる企業や特許事務所から求められる人材になることは、間違いないでしょう。 

弁理士は、特許事務所や企業に勤めたり予備校で講師として活躍したり、弁理士にはさまざまな働き方があります。

ライフステージの変化に合わせて、自分に合った働き方を選択できるのも弁理士ならではの魅力です。

また、事務作業が多い弁理士の仕事はデスクワークが中心となります。

関連コラム:弁理士とはどんな資格?仕事内容や主な業務など徹底解説!

弁理士に求められる能力・スキル

弁理士に求められる能力・スキルとしては主に以下の3つが挙げられます。

  • 傾聴力
  • 提案力
  • 素直さ

以下でそれぞれについて詳しくみていきます。

傾聴力

弁理士の業務には、クライアントや自社他部門とのコミュニケーションが欠かせません。

そのため、弁理士には高いコミュニケーション能力が求められます。

ここでいうコミュニケーション能力とは、話題を振って場を盛り上げることではありません。

弁理士に必要なのは、相手が本当に伝えたいことや抱えている悩みを引き出して理解する、傾聴力です。

クライアントの本質を理解することで、課題解決に向けた提案を行えるようになります。

提案力

クライアントが自身の判断で進めようとしていた手続きが、弁理士から見ると相手にとって不利になるケースもあります。

そのような場合、クライアントが望んでいることを理解したうえで、どのように手続きを進めていくのか今後の方針を提案するのも弁理士の役割。

クライアントを説得できるかどうかは、弁理士が自分を信じられるかどうかも重要です。

素直さ

わからないことを「勉強不足で申し訳ございません」と素直にいえるかどうかも、必要なスキルのひとつです。

弁理士の業務において、たったひとつの言葉の間違いが大きな問題につながるリスクも十分考えられます。

疑問や不明な点があったら、うやむやなままにせず相手に確認しましょう。

弁理士に向いている人

弁理士に向いている人は、「柔軟な考え方ができる人」「体力がある人」「何事にも興味を持って行動できる人」「1人で地道に作業を進めるのが得意な人」「新しいものが好きな人」です。

弁理士は、最新技術に触れる機会が多く、好奇心旺盛な人に適しています。
また、書類業務も多く、地道な作業が得意な人が向いており、依頼が立て込んでもこなせる体力も必要です。

柔軟な考え方ができる

先入観なく相手の意見や考えを受け入れられる人は、弁理士に向いているといえるでしょう。

職場では、自分よりも年齢の若い弁理士が上司になることもあります。

アドバイスや𠮟責を素直に受け止められる人は、成長機会のチャンスを得やすくキャリアアップにもつながります。

体力がある

弁理士の仕事には体力が必要です。

特に特許事務所で出願業務を担当している場合、年末や年度末に向けて出願依頼が立て込むことも多く体力勝負になることもあります。

何事にも興味を持って行動できる

弁理士として仕事を続けていくうえで、最新技術や法改正へのフォロー、判例などさまざまな知識をインプットしておく必要があります。

どんなことにも関心を持って学べるかどうかで、弁理士として活躍できるかどうかが決まるといっても過言ではありません。

1人で地道に作業を進めるのが得意

弁理士は、1つの案件を1人で受け持つことも少なくありません。

特許性の調査から特許出願に至るまで1人でこなることも多く、地道にコツコツと進める必要があります。

日本弁理士会『弁理士白書』の「事務所の規模別分布(16ページ)」を見てみましょう。

特許事務所のうち、68%の事務所では所属する弁理士が1人という結果になっています。

つまり、多くの事務所で1人の弁理士が多数の案件をこなしているということです。

1人で地道に作業を進めるのが得意な人は、弁理士に向いているといえるでしょう。

新しいものが好き

弁理士の仕事の1つである特許権の取得では、従来の技術とは異なる新規性・進歩性が権利取得に必要となります。

弁理士は、世に出ていない最新技術に触れられる機会が多く、知的好奇心を刺激されるでしょう。

弁理士に向いていない人

逆に、弁理士に向いていない人としては、以下の4要素があると考えられます。

  • 時間管理に疎い人
  • 勉強など新しい知識の導入を続けようと思わない人
  • 論理的でない人
  • 口が軽い人

以下で詳しくみていきます。

時間管理に疎い人

弁理士の仕事は、時間や期限が決まっているものが多い傾向です。

例えば、拒絶査定における審判請求では30日以内と決まっています。

スケージュル管理ができない人・苦手な人は弁理士には向いていないかもしれません。

勉強など新しい知識の導入を続けようと思わない人

弁理士は、日々新しいものに触れるため常に情報のキャッチアップが不可欠です。

また、知的財産法は日々流動する社会の変化に沿って法律を改正していく必要があることから、頻繁に法改正が行われます。

ネットニュースをこまめにチェックしたり、セミナーや勉強会に参加したり、情報・知識のアップデートは積極的に行いましょう。

論理的でない人

特許の出願における書類作成では、特許の内容をわかりやすく論理的に説明する必要があります。

論理的に説明することで、相手は特許の要件を明確に審査でき、申請から知的財産権の取得までをスムーズに進められます。

口が軽い人

弁理士は、法律により依頼人の情報に関して守秘義務を負っています。

飲みの席でうっかり情報を漏らしてしまった……ということになれば、特許発明を利用されクライアントが不利益を被るリスクがあります。

まとめ

新しいものに触れたいという好奇心旺盛人や地道な作業が苦にならない人は、弁理士に向いているといえます。

自分の可能性を信じて弁理士資格の取得を目指してみてはどうでしょうか。

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