弁理士になるには、弁理士試験に合格するなどして「弁理士となる資格」を取得した上で、日本弁理士会に弁理士として登録する必要があります。

その一方で、弁理士試験に合格してはいるが弁理士として登録をしないという方も一定数おられます。

「弁理士試験に合格しても弁理士登録をしないのは弁理士に需要がないからだろうか」などと、不安に思っておられる方もいらっしゃるでしょう。

そこで、今回は弁理士の登録制度について詳しく解説していきます。

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弁理士の業務を行うには「登録」が必要

弁理士になるためには、日本弁理士会に弁理士として登録する必要があります。

弁理士の業務は、弁理士法という法律によって定められた独占業務です。

そのため、弁理士として業務を行うためには、特許庁に対して、日本弁理士会から発行される弁理士登録番号を登録しておく必要があります。

また、弁理士としての職印である弁理士印等についても特許庁に登録しておく必要があります。

一方、弁理士試験に合格していたとしても、弁理士としての業務を行わない場合には弁理士登録をする必要はありません

後で詳しく説明しますが、日本弁理士会に弁理士として登録するには登録費用が必要です。

また、毎月15,000円の弁理士会費を支払う必要があります。

この会費を会社や事務所が負担してくれる場合は良いのですが、個人で支払うとなると負担が大きいでしょう。

そのため、「スキルアップのために弁理士試験を受験し合格したが、実際には弁理士の業務を行う予定がないため登録しない」ということもあります。

※関連コラム:弁理士とはどんな資格?仕事内容や主な業務など徹底解説!

弁理士登録の方法や登録料など

ここでは弁理士登録の方法から登録費用までを見ていきます。

弁理士になるために必要なステップ

弁理士になるためのステップは以下の通りです。

①弁理士試験に合格する

弁護士となる資格を有する、あるいは特許庁で審査業務に従事するなどの場合、以下で述べる実務修習から始めることとなります。

しかし、それ以外の場合には弁理士試験に合格することが必要です。

※参考:【2024年最新】弁理士試験の試験概要・試験科目など

②実務修習を修了する

弁理士試験に合格すると実務修習を受講する資格が得られます。

実務修習は弁理士となるのに必要な技能及び高等の専門的応用能力を修得させることを目的とするものです。

※参考:弁理士取得後の実務修習って何?概要と実際の研修内容

③日本弁理士会に登録する

実務修習を修了した後、日本弁理士会に対して登録申請を行います。

日本弁理士会で審査が行われた後に許可されて初めて弁理士として登録することができます。

弁理士登録の方法

弁理士として登録するには、以下の申請書類一式を郵送で日本弁理士会に提出する必要があります。

◼︎申請書類一覧

  • 弁理士登録申請書・届出書
  • 誓約書
  • 勤務証明書(勤務する事務所を記載、経営者の場合は不要)
  • 履歴書(写真を添付)
  • 登録後の会費納付方法に関する書類
  • 銀行振込等の写し(登録料及び初月会費)
  • 登録免許税納付証明書
  • 住民票(マイナンバーの記載がないもの)
  • 弁理士となる資格を証明する書面(弁理士試験の合格証書及び実務修習の修了証)
  • 身分証明書(本籍地の地区町村で発行)

弁理士の登録申請手続きには期限などはありません。

弁理士となる資格を有するものであり、懲戒等によって制限を受けていない限りは基本的にいつでも申請することができます。

申請書類のひな形は、弁理士会のホームページから入手することが可能ですが、一部の書類については各自で取り寄せる必要があります。

外国籍の方や、国外に住んでおられる方、旧姓での登録を希望する方については、上記以外にも各事情に応じた書類の提出が必要です。

弁理士登録に必要な費用

弁理士試験に合格してから弁理士登録し、弁理士として業務をするために必要な費用は以下の通りです。合計でおよそ23万円かかります。

①実務修習費用 118,000円 (会場が遠い場合には交通・宿泊費等が別途必要です。)

②登録免許税   60,000円 (登録申請前に納付する必要があります。)

③登録料     35,800円 (登録申請前に振り込む必要があります。)

④会費      15,000円/月 (弁理士登録を継続する間は毎月必要です。)

弁理士に登録しないとどうなる?

ここまで弁理士登録について説明しましたが、以下では弁理士登録をしない場合について解説します。

弁理士として登録しない場合には、たとえ弁理士試験に合格していても、弁理士を名乗ることはできません

もちろん名刺などに記載することもできません。

ただし、弁理士試験に合格しても、弁理士として必ず登録しないといけないということではありません。

前述したように弁理士登録にはかなりお金がかかりますので、業務上必要がない場合には、弁理士登録をしないという選択肢もあります。

また、弁理士試験に合格した直後は弁理士業務を行う予定がなく登録しなかったとしても、例えば、数年後に弁理士登録をすることも可能です。

登録申請はいつでもできますが、実務修習は一年に一度だけしか開催されません。

そのため、将来弁理士登録をする可能性がある場合には、実務修習だけは先に受講しておくのが良いでしょう。

弁理士登録の抹消が激増しているって本当?

せっかく弁理士登録をしたのに登録を抹消する人が増えているとなると、弁理士という資格に需要がないのではないかと心配になると思います。

そこで、申請により弁理士登録を抹消した人数を調べてみました。

弁理士登録をした場合や、弁理士登録を抹消した場合には官報に登録者及び抹消者の名簿が掲載されます。

弁理士会のホームページに、弁理士の登録情報に関する官報がまとめられています。

この弁理士会HP 弁理士登録及び抹消(弁理士登録公告)並びに付記(付記公告)によると、2018年から2021年までの4年間においては、申請により弁理士登録を抹消した人数は190名余りで変動しておらず、激増しているということはないと言えます。

◼︎申請抹消者人数の推移

  • 2022年 189名
  • 2021年 195名
  • 2020年 194名
  • 2019年 190名
  • 2018年 195名

※弁理士会HPよりhttps://www.jpaa.or.jp/about-us/registration/ ※死亡抹消はカウントしていません

特定侵害訴訟代理業務の付記公告とは?

弁理士会ホームページに掲載されている官報には、弁理士の登録及び抹消に加えて「付記公告」というものがあります。

「付記公告」とは、弁理士が特定侵害訴訟代理業務試験という試験に合格して、特許等の侵害に関わる訴訟を代理することができる資格を得たことを世の中に知らせるものです。

この付記公告をされるためには、数か月にわたる研修を受け、弁理士試験の論文試験と同じような筆記試験を受ける必要があります。

弁理士の再登録について!抹消後も再登録可能?費用は?

弁理士登録を抹消した場合であっても、弁理士として業務を再開する場合には再登録が可能です。

弁理士登録申請の手引きによると、再登録のための手続きは新しく弁理士登録をする場合とほとんど同じです。

しかし、登録申請時の費用や履歴書の記載方法において異なる点もあります。

弁理士登録申請時の費用については、前回登録抹消時に未納会費がある場合には、今回の登録費用と併せて納入する必要があります。

また、履歴書の職歴欄には、前回(前々回)の登録年月日及び抹消年月日及び前回(前々回)登録番号を記入することが求められています。

前回登録時の会費の未納分がある場合その確認をする必要があり、また、前回の抹消が懲戒によるものであり再登録できない場合もあるためです。

弁理士登録のためにもまずは試験に合格しよう!

以上に解説してきたように、弁理士として業務を行うには登録が必要であり、登録には基本的に弁理士試験に合格することが必要です。

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