通関士は、貿易に関する国家資格。

通関士になるためには通関士試験に合格する必要がありますが、実務経験がなくても受験できるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。

本コラムでは、通関士の実務経験について解説します。

通関士資格が活かせる就職先や、向いている方の特徴についても触れているため、ぜひ参考になさってください。

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通関士は実務経験なしでも転職できる?

通関士の資格があれば、貿易に関する実務経験がなくても通関士として転職できます。

ただし、通関士として働くためには、通関士の資格が必要です。

通関士は業務独占資格であるため、未経験であっても一定のニーズが期待できます。

特に、貿易関連業界への転職においては、通関士の資格が有利に働くでしょう。

実務経験資格なしでも転職可能?

通関士の資格や、貿易に関する実務経験がない方でも、貿易関連の業界なら転職が可能です。

ただし、通関士として働くためには通関士の資格が必須であるため、通関士の資格や実務経験がない方は、通関士として転職することはできません。

また、通関士の資格がない方を対象とした求人も存在しますが、貿易関連の仕事の実務経験を求められるケースが多いです。

そのため、通関士の資格や実務経験がない方は、まず通関士の資格を取得しましょう。

通関士試験は実務経験なしでも合格できる?

通関士試験は貿易関係の実務経験がなくても、合格を目指せます。

通関士試験には、実務経験・年齢・学歴などの受験資格が定められていません。

そのため、基本的にはどなたでも受験可能です。

通関士試験を受験し、合格点を取得すれば、通関士になるための資格を得られます。

一方で、通関士試験では、通関に関する法律や、申告書類の作成に関する知識が問われます。

そのため、実務経験がある方や、法律に関する学習経験がある方は、試験において有利に働く場合があるでしょう。

関連コラム:【2024年】通関士試験の概要・試験日・申込方法・出題科目・免除制度を解説

通関士の合格率は?

通関士試験の合格率は、例年約10〜15%で推移しています。

ただし、通関士試験には科目免除制度が設けられているため、受験科目数によって合格率が異なります。

2019年 (令和元年)〜2023年(令和5年)における通関士試験の合格率は、以下の通りです。

全体の合格率全科目受験者 合格率2科目受験者 合格率1科目受験者 合格率
2023年24.2%23.0%22.0%70.8%
2022年19.1%17.7%17.2%65.6%
2021年15.8%14.9%10.6%59.1%
2020年16.9%14.4%20.7%75.4%
2019年13.7%12.5%12.5%61.9%
参考:通関士試験:税関 Japan Customs

令和5年における通関士試験全体の合格率は、24.2%でした。

対して、全科目受験者の合格率は23.0%・1科目受験者の合格率は70.8%となっています。

1科目受験者の合格率が全体の合格率を引き上げているため、全科目受験者合格率は全体の合格率よりも低めの水準であると考えられます。

関連コラム:通関士試験の合格率はどのくらい?推移と合格点を解説

通関士資格が活かせる就職先は?

通関士の資格を活かせる主な就職先は、以下の通りです。

  • 通関業者
  • 物流業界
  • 倉庫会社
  • 貿易会社・メーカー

通関業者

通関業者は、通関士の主な就職先として知られています。

通関士は、「通関書類の審査」および「通関書類への記名」の2つの業務を独占する業務独占資格です。

そのため、これらの業務を行う通関業者においては、通関士に対して常に一定の需要があると考えられます。

物流業界

通関士資格があれば、物流業界への転職・就職も可能です。

物流業界の企業の中には、輸入品の保管や、通関業務を行う企業も存在します。

そのため、通関士として活躍できる場合があるでしょう。

倉庫会社

倉庫会社は、通関士が活躍できる就職先のひとつです。

倉庫会社では、外国貨物を保管する「保税蔵置場」を設け、通関手続きが完了した物品の保管を行う場合があります。

また、物流業界と同様に、自社で通関業務を行うケースも見受けられます。

通関士としての知識を活かせる場面が多いため、通関士に対するニーズが期待できるでしょう。

貿易会社・メーカー

通関士は、貿易会社やメーカーへの就職も可能です。

貿易会社は、海外取引や輸出入の手配などを行う場合があります。

また、部品や素材の一部を海外から輸入しているメーカーの多くは、自社で通関業務を行っています。

そのため、通関士の資格があれば、このような業務を行う貿易会社やメーカーへの就職が有利になるでしょう。

通関士資格はさまざまな企業で役に立つ

通関士資格は、通関業者だけでなく、貿易や流通に携わるさまざまな企業で活かせます。

輸出入を行う企業や、郵便事業などでも活躍も期待できるでしょう。

通関士の年収は?

令和5年厚生労働省の統計調査によると、通関士の平均年収は約551.4万円です。

ただし、通関士の主な就職先は民間企業であるため、就職する企業によっては、これ以上の収入も期待できます。

大企業や外資系企業へ就職すれば、高収入が見込めるでしょう。

通関士に向いている人の特徴3選

通関士に向いている人の特徴は以下の3つ。

  • 責任感のある仕事がしたい人
  • コミュニケーションを取るのが好きな人
  • 細かいタスクをこなすのが好きな人

責任のある仕事がしたい人

責任のある仕事がしたい方は、通関士に向いています。

通関士には、高度な専門知識が必要です。

さらに、タスクを期限内に処理するための能力や、効果的なスケジュール管理のスキルが求められます。

また、通関士にしか行えない業務が多く存在するため、責任ややりがいを感じられるでしょう。

コミュニケーションを取るのが好きな人

コミュニケーションを取るのが好きな方は、通関士に向いていると考えられます。

通関士は、税関やクライアントとのやり取りが多く、人とのかかわりが多い仕事です。

そのため、交渉力やコミュニケーション力が求められるでしょう。

コミュニケーションに自信がある方や、人とのかかわりにストレスを感じない方におすすめです。

細かいタスクをこなすのが好きな人

通関士は、細かいタスクをこなすことが好きな方にも向いています。

通関士は、輸出入に関する書類の作成や、通関手続きなどに携わります。

地道な作業が多いため、細かいタスクをこなすことが苦にならず、やりがいを感じる方に向いているでしょう。

まとめ

本コラムでは、通関士の実務経験について解説しました。

実務経験がなくても、貿易関連業界に就職できます。

ただし、通関士資格、または貿易関連業務の実務経験があると有利です。

なお、通関士試験には受験資格が設けられておらず、どなたでも受験できます。

そのため、実務経験がない方は、まず通関士試験に合格することで、就職先の選択肢が広がるでしょう。

ただし、通関士は合格率が低い難関資格であるため、十分な対策が求められます。

通信講座の活用によって、早期合格を目指せるでしょう。

通関士になれば、通関業者はもちろん、物流業界・倉庫会社・貿易会社・メーカーなどで活躍できます。

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