通関士試験をこれから受験する人にとって、「通関士の仕事に将来性はあるの?」「AIに切り替わってしまわないか」という疑問を抱くことは不思議ではありません。

本コラムでは、通関士の今後の需要・将来性について詳しく解説していきます。

先を見据えて通関士を目指すために参考にしてくださいね。

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通関士は将来性がある?

専門性の高い仕事だからこそ、通関士という仕事には将来性があると考えられます。

物品の輸出入にあたって必要となる業務を実施する役割を担うのが通関士です。

貨物について、税関の審査を通過するようサポートする、いわば通関業務のスペシャリストですね。

輸出入には必ず関税等に関する業務が必要となるため、貿易がなくならない限りは必要とされ続ける仕事と言えます。

日本の輸出入総額をチェックしてみても、多少の前後はあれど何十兆円という単位で貿易が行なわれています。

そしてこの莫大な金額を構成するのは、一つひとつの通関業務を担う通関士です。

海外との貿易に欠かせない存在である通関士は、今後も必要とされる職業と言えるでしょう。

関連コラム:通関士とは?仕事内容や就職先・年収・なり方まで詳しく解説

通関士は将来性がある理由

通関士に将来性がある理由として、次の3つが挙げられます。

需要が見込まれる(輸出入の件数が増えている)

近年は輸出入の件数が増えており、通関業務の数も同様に増えています。

以下は日本の税関が公表している輸出入に関する最新データです。

■年度別の輸出入申告件数

20182019202020212022
輸出申告件数(万件)1,9941,9852,1872,7093,010
輸入申告件数(万件)3,9744,6406,9669,56211,289
参照元:税関 関税レポート

輸出入のいずれも申告件数は右肩上がりです。

世界情勢や感染症などの影響によって輸出入の増減は生まれますが、中長期的に見ても輸出入は増加する見込みです。

結果として通関業務の業務量が増加し、業務を担う通関士のニーズは高まり続けると考えられます。

信頼性の高い資格とされている

次のような特徴を持つ通関士という資格は、非常に信頼性が高いとされています。

・貿易業界で唯一の国家資格である

貿易業界にはさまざまな資格がありますが、その中で唯一の国家資格が通関士です。

国が定めた資格制度であることからも、信頼性が高く将来も必要とされていることが読み取れます。

・資格保有者の配置が法律で定められている

法律によって通関士の役割が明言されていることからも、通関士の高い将来性を考えることができます。

通関業法に基づき、通関業務を行う営業所には(一定の場合を除いて)通関士を配置することが義務付けられています。

法律という揺るがないルールに役割が明示されていることから、通関士は継続的に需要が見込まれると言えますね。

難関資格で担い手が多くない

通関士が難関資格であることも、将来性の高さに関連しています。

以下は税関のホームページで公開されている最新データをもとにした通関士試験の結果です。

■通関士試験における年度別の受験者数・合格者数・合格率

年度受験者数合格者数合格率
2023年度6,332名1,534名24.2%
2022年度6,336名1,212名19.1%
2021年度6,961名1,097名15.8%
2020年度6,745名1,140名16.9%
参照元:税関

毎年実施されている通関士試験ですが、合格者は受験者の10~15%程度、約1,000名に留まっています。

つまり、通関士の担い手は毎年わずかにしか増加していないと言えます。

結果として、需要に対して供給が追いつきづらく、通関士の希少価値はある程度担保されていると考えられます。

ある程度のニーズが高い業界に飛び込んでいけることが、これから通関士を目指す人のメリットと言えるでしょう。

AIに切り替わる可能性は?

「AIの発展によって通関士の仕事がなくなってしまうのでは?」という心配の声も聞こえてきますが、実際のところはそれほど心配する必要はありません。

AIによって通関士の仕事がなくならない理由は、人間ならではの対応が求められる点にあります。

例えば、関税率を決定する業務では、書類の情報だけでは判断ができないこともあり、輸入者に対して別途詳細の問合せ等が必要となる場合があります。

また、継続的な輸出入を行う業者だけでなく、単発的な輸出入をする業者とのやりとりももちろん存在します。

AIによって対応しきれいないイレギュラー業務や、人間ならではのコミュニケーションが求められる業務は少なからず残るでしょう。

単一的に対処できる業務ばかりではないからこそ、通関士資格を持った人間が担う仕事は残り続けると考えられます。

将来も長く活躍できる通関士でいるために大事なポイント

以上をふまえ、通関士として長く活躍するためのポイントを紹介します。

通関士としての知識・経験を養う

通関士としてプロフェッショナルを目指して学び続けることが長期的な活躍につながります。

どんな業界にも共通しているのは、安心できる専門家に仕事を任せたいということです。

通関士になる以上は、通関士の業務を全うできるように勉強し続けることが長期的な活躍にダイレクトにつながります。

安心して業務を任せられる通関士であれば、雇用主も大切に守ってくれることは言うまでもありません。

イレギュラー対応の実績を積む

AIに奪われない仕事として、人間ならではのイレギュラー対応があります。

現場での日々の業務内に発生するイレギュラーに積極的に向き合うことで、AI時代になっても必要とされる通関士に近づくことができます。

単純作業やルーティン作業ではない業務の経験こそが、時代が変わっても求められる仕事人の資質を培ってくれますよ。

関連する業界にも目を向ける

幅広い知識を持っていることで、さまざまな業界から必要とされる通関士になることができるでしょう。

通関業務と関連が深いのは、例えば商社やメーカーといった業界です。

他業界の知識を持つことで、通関業務においてスムーズなコミュニケーションをとれるだけでなく、通関士としてのキャリアアップの道も拓けます。

目の前の業務をこなすことに加え、かかわる業種や業界にも目を向けながら知見を蓄えることをおすすめします

まとめ

本コラムでは、通関士の将来性について紹介しました。

自身のキャリアを考えるうえで、ニーズが高まっている通関士資格を目指すにはベストですね。

自国の発展にダイレクトに貢献しつつ長期的な活躍ができるのは、通関士ならではのやりがいと言えます。

将来のキャリア形成のため、通関士資格取得に向けて一歩を踏み出してみませんか

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この記事の監修者 加藤 佑喜講師

【保有資格】
・通関士
・貿易実務検定®A級
・通関ビジネス実務検定™C級
・STC Advanced
・銀行業務外国為替3級
・EPAビジネス実務検定C級
・日商ビジネス英語検定2級等

【経歴】
大阪の専門学校や大学にて通関士試験、貿易実務の対面・オンライン講座を担当。約15年間、高校生までの個別指導、塾講師を経験。

頑張る人にはしつこいくらいに応援するタイプです。苦手な部分は目をそらさせません!できる限り、難しくない表現での解説を心掛けております。

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