通関士試験は3ヶ月・4ヶ月で合格できる?短期合格のためのスケジュールも解説
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通関士試験を3ヶ月で受けようと決めたものの、間に合うのか不安な方も多いでしょう。
結論として、通関士試験は3ヶ月でも4ヶ月でも合格を狙えます。
ただし1日4〜5時間を確保できるかどうかで、現実味は大きく変わります。
そのため、時間の枠を先に決めてから教材へ進む順番が有効です。
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【結論】通関士試験は3ヶ月・4ヶ月でも合格可能
通関士試験は、3ヶ月でも4ヶ月でも合格を狙える試験です。
働きながら3ヶ月程度で合格した受講生の事例も、以降の章で紹介します。
ただし前提条件は人によって違うため、同じ3ヶ月でも負荷は同じになりません。
学習の開始時点で通関業務の経験があるか、平日にどれだけ時間を取れるかが分かれ目です。
通関業務の経験がある人は、通関業法の学習を1〜2週間分短縮できます。
初学者が独学で3ヶ月に挑む形は、原則としてきびしい選択となります。
以下で示す時間の目安も、あくまで目安として読み進めてください。
合格の可否は、期間だけで決まるものではありません。
特に、通関実務は短期計画のボトルネックになりやすい科目です。
短期で仕上げるなら、通関実務にいつ手を付けるかが計画の骨です。
通関士試験は3ヶ月・4ヶ月で合格できる?勉強時間の目安
通関士試験の勉強時間は、期間と生活の条件によって変わります。
3ヶ月合格は1日4〜5時間を確保できる人なら射程に入ります。
一方、初学者の独学で3ヶ月を狙う形は原則きびしい選択です。
時間を確保できるかどうかが最初の分岐点。
目安としてよく使われる約400時間も、公式の数字ではありません。
働きながら3ヶ月程度で合格した実例は、次の章で紹介します。
時間の考え方を5つに分けて解説します。
目安の勉強時間は約400時間(公式の数字ではない)
通関士試験の受験対策でよく使われる累計の目安は、300〜500時間です。
中心となる数字は約400時間で、多くの学習計画が基準として採用しています。
ただし税関は、合格に必要な勉強時間を公表していません。
約400時間は受験対策の側で積み上がった経験値であり、公式の基準ではない点を押さえてください。
公式に確認できるのは合格の実績のほうです。
第59回通関士試験は受験者6,322人に対し合格者954人で、合格率は15.1%でした。
3科目すべてを受験した人に限ると、合格率は13.9%まで下がります。
約400時間の目安は、13.9%の側に立つための水準と考えてください。
特に、時間の目安と合格率は別の話であるため、混ぜて考えないようにしましょう。
3ヶ月なら1日4〜5時間が前提になる
通関士試験を3ヶ月で受けるなら、1日4〜5時間が前提となります。
90日に1日4.5時間を掛けると、累計は約400時間です。
週あたりでは25〜30時間が目安で、週30時間なら約390時間に届きます。
土日に8時間ずつ積めれば、平日は1日3時間弱で届く計算。
例えば、平日2時間だけの計画だと3ヶ月で約130時間にしかなりません。
同じ3ヶ月でも、目安の半分に届かない水準です。
休日にまとめて上乗せするか、平日の枠そのものを広げる必要があります。
どちらも取れないなら、期間を4ヶ月へ延ばす検討に入ります。
なお、税関が1日の勉強時間を定めているわけではありません。
睡眠を削って5時間を積む方法の危うさは、後のポイントの章で扱います。
4ヶ月なら1日3〜4時間まで落とせる
通関士試験を4ヶ月で組むなら、1日3〜4時間まで負荷を落とせます。
120日に1日3.5時間を掛けると、3ヶ月の累計に近い水準へ届きます。
累計はほぼ同じで、変わるのは1日あたりの配分です。
3ヶ月との差は、1日あたり1時間ほどの余裕。
1時間の差が効くのは、予定が崩れた週の吸収力です。
残業や体調で休日が1日欠けても、4ヶ月なら翌週で取り返せます。
3ヶ月だと同じ欠けが累計に残りやすくなります。
予定が崩れた週の翌週に、1日30分ずつ足せば戻せる幅です。
特に、平日の枠を安定して取れない人は4ヶ月を先に検討してください。
時間をさらに分散させるなら、期間もさらに長く取る前提で組みます。
働きながら1日2時間だと3ヶ月では足りない
働きながら平日2時間だけの計画では、通関士試験の3ヶ月合格は届きにくくなります。
1日2時間を毎日続けても、3ヶ月の累計は約180時間。
平日だけ2時間なら、累計は約130時間まで落ちます。
次の章で紹介する合格事例は、平日約3時間と休日約8時間の組み合わせでした。
平日2時間のプランとは、そもそも別物の負荷です。
1日2時間の学習でも合格に近づいている実感は生まれます。
休日を積まずに平日2時間だけなら、週10時間で目安の3分の1程度です。
ただし実感と累計時間の不足は、別の問題として切り分けてください。
残業の多い月がある前提なら、1日単位ではなく週単位で時間を固定します。
週次で枠を決める具体的な進め方は、スケジュールの章で解説します。
実務経験・再受験があると時間を短縮しやすい
通関士試験は、実務経験や再受験の有無で必要な時間が変わります。
経験があるほど、同じ時間で進める範囲は広がります。
通関業務の経験がある人は、通関業法と関税法等のインプットを短縮しやすい立場です。
前回の受験で一度全範囲に触れている人も、同じ理由で立ち上がりが速め。
ただし貨物を扱う仕事と試験対策は、別のものと考えてください。
次の章で紹介する事例は倉庫業で輸出入の貨物を担当していた人ですが、講義では「ほぼ無学者の状態」でした。
現場で貨物に触れていても、法令の知識はほぼ一からの積み上げです。
再受験の場合は、前回に取れなかった科目へ時間を寄せる判断も可能です。
科目免除の年数や手続きは、記事後半のよくある質問で整理します。
通関士試験に働きながら3ヶ月で合格した事例
働きながら通関士試験に3ヶ月程度で合格した受講生の事例を紹介します。
取り上げるのは、アガルートアカデミーの合格者の声に掲載された佐藤輝空さんの1件です。
1人の事例であり、すべての受験者に同じ結果を保証するものではありません。
佐藤輝空さんは、講座の感想で次のように述べています。
「働きながら3ヶ月程度と短い期間で合格できたのは間違いなくアガルートさんと加藤先生のおかげです」
※引用:「合格者の声(佐藤輝空さん)」アガルートアカデミー
「まず通関士を受験しようと思ったのが2024年の6月頃とかなり遅めでした」と振り返っています。
その後は暗記量の多さに圧倒され、1ヶ月ほど勉強から離れています。
7月後半に再開し、そこから試験日まで走り切りました。
あわせて、時間の取り方と学習環境の2点を見ていきます。
平日約3時間・休日約8時間で勉強時間を確保
佐藤輝空さんが通関士試験の学習に充てた時間は、平日約3時間と休日約8時間でした。
本人は時間の取り方を次のように書いています。
「平日は朝6時に起きて1時間、仕事後23時に寝るまでに2時間の計3時間程度、土日は8時間程度勉強するようにしていました」
仕事が忙しく夜の時間が取れない期間でも、朝の1時間と休日は続けていました。
通勤時間と昼休憩は集中できず、直前期以外は休憩時間と割り切ったと述べています。
週あたりに直すと、平日3時間×5日と休日8時間×2日で約31時間。
つまり、前の章で示した週25〜30時間・累計約400時間の目安に近い水準です。
平日2時間のプランが届きにくい理由も、佐藤輝空さんの事例からわかります。
輸出入の仕事があり、独学ではなく講座で短期決戦
佐藤輝空さんが通関士試験を目指した契機は、担当していた輸出入の業務でした。
勤務先は倉庫業で、輸出入関係の貨物の取り扱いを担当していました。
純粋な興味に加え、業務理解にも役立つ点を挙げています。
加えて、会社で通関士の資格を取ると定額昇給がある点も後押しになりました。
学習手段はオンライン講座と市販教材での独学の2つで迷っていました。
資格の特性上、市販の教材が多くないためオンライン講座を選んでいます。
講義の入り口では「ほぼ無学者の状態」だったと振り返っています。
テキストに目を通して講座を一通り再生した段階では、内容が頭に入らず手が止まりました。
再開後は2回3回と講義を聞き直すうちに理解が進み、勉強が苦ではなくなりました。
佐藤輝空さんの合格は、独学で3ヶ月を走り切った成功談ではありません。
通関士試験の3ヶ月・4ヶ月合格が難しい理由3つ
通関士試験の3ヶ月・4ヶ月合格が難しい理由は、次の3つです。
- 合格率は約15%で3科目すべて基準点が必要
- 通関実務に計算・申告書・品目分類が集中する
- 試験は年1回なので短期のやり直しが効きにくい
3つはいずれも、期間を短くしたときに効いてくる条件です。
あわせて、計画の組み方を先に決めるべき理由にもつながります。
順番に詳しく解説します。
合格率は約15%で3科目すべて基準点が必要
通関士試験は合格率が約15%で、3科目すべてで基準点を満たす必要があります。
第59回通関士試験の合格率は、全体で15.1%でした。
第60回通関士試験の受験案内には、掲げる試験科目すべてで合格基準を満たす必要がある旨が示されています。
3科目のどれかで基準を割れば、ほかの2科目の点が高くても不合格です。
受験案内には、合格基準に関する次の注記もあります。
「なお、通関士試験の合格基準は合格発表の際に公表することとしており、事前には公表しておりません。」
第59回の結果では、通関業法・関税法等・通関実務のいずれも満点の60%以上が合格基準でした。
ただし第60回の合格基準が60%になると決まっているわけではありません。
得意科目で稼いで1科目を落とす計画は、基準点の設計と噛み合いません。
3科目を均して基準を超える組み方が、短期では現実的です。
通関実務に計算・申告書・品目分類が集中する
通関士試験の3科目のうち、短期計画の負担が重いのは通関実務です。
第60回通関士試験の科目と試験時間は次のとおりです。
| 試験科目 | 時間 |
| 通関業法 | 9:30〜10:20(50分) |
| 関税法、関税定率法その他関税に関する法律及び外国為替及び外国貿易法(同法第6章に係る部分に限る。) | 11:00〜12:40(100分) |
| 通関書類の作成要領その他通関手続の実務 | 13:50〜15:30(100分) |
通関実務には、申告書の作成と税額の計算、そして品目分類が入ります。
受験案内の配点でも、通関書類の作成要領は2問で20点を占めます。
1問あたりの重みが大きく、手を動かす練習を抜きにして点が伸びる科目ではありません。
特に、短期計画では通関実務が最終月へ後回しになりやすい点に注意してください。
最初の月から演習に触れておく組み方が、短期では効きます。
後回しにすると、通関実務だけ演習量の足りない状態で本番を迎えます。
試験は年1回なので短期のやり直しが効きにくい
通関士試験は年1回の実施で、短期計画のやり直しが効きにくい試験です。
第60回通関士試験の試験日は、令和8年10月4日(日)です。
3ヶ月の計画が途中で崩れると、次の受験機会は翌年となります。
月単位の遅れを取り戻す場が、年内には残っていません。
9月に遅れが出ても、10月の試験日が動くことはありません。
そのため、計画は崩れる前提でバッファを組み込んでおく必要があります。
週単位で1〜2割の余裕を残す形が、年1回の試験には合います。
なお、試験日は年によって動くため、学習を始める時点で公式ページを確認してください。
出願のタイミングは、記事後半のよくある質問で扱います。
通関士試験に3ヶ月で合格するための勉強スケジュール
通関士試験に3ヶ月で合格するためのスケジュールは、次の5つで組みます。
- 開始前に1日の勉強時間を週次で固定する
- 1ヶ月目は通関業法を得点源にし関税法の骨格を置く
- 通関実務は最初の月から並行して手を動かす
- 2ヶ月目は過去問を周回して弱点を潰す
- 3ヶ月目は時間を測った演習と法令の基準日を確認する
5つはいずれも、限られた期間で3科目の基準点を揃えるための順番です。
なお、第60回なら試験日の令和8年10月4日から逆算する形が一例です。
ひとつずつ詳しく解説します。
開始前に1日の勉強時間を週次で固定する
通関士試験の学習に入る前に、1週間の勉強時間の枠を決めておきます。
決めるのは平日の枠、休日の枠、そして週の合計です。
平日は帰宅後と休日は午前に固定するなど、時間帯まで決めておくと崩れにくくなります。
週合計の目安は、前の章で示した25〜30時間。
1日単位で欠けた分は、週のうちに取り返す運用にします。
日ごとに管理すると、1日崩れただけで計画全体が破綻したように見えかねません。
週で管理すれば、残業や体調による欠けを吸収できます。
特に、4時間を安定して確保できないなら、始める前に4ヶ月へ延ばす判断が有効です。
走り出してから期間を延ばすより、開始前に決めたほうが計画は素直に組めます。
週の枠は紙に書き出し、家族や職場の予定と重ねて確認しておきましょう。
1ヶ月目は通関業法を得点源にし関税法の骨格を置く
通関士試験の1ヶ月目は、通関業法を得点源にすることから始めます。
通関業法は3科目の中で範囲が相対的に狭い科目です。
短期計画では、先に得点源化しておくと後半の負担が軽くなります。
通関業法で基準点を確保できれば、残り2科目へ時間を寄せられる形。
一方、関税法等は範囲が広く、1ヶ月で仕上げる対象ではありません。
最初の月は通関手続きの流れと課税の枠を押さえる粒度に留めます。
条文の逐条解説まで踏み込むと、通関実務に回す時間が残りません。
使う教材は1系統に絞り、同じテキストを繰り返す形にしてください。
複数の教材を並べると、進度の管理だけで時間を取られます。
1系統に絞れば、どこまで進んだかを週単位で数えられます。
通関実務は最初の月から並行して手を動かす
通関士試験の通関実務は、最初の月から並行して手を動かします。
計算と申告書、そして品目分類を最終月に固める計画では3ヶ月に間に合いません。
3科目のインプットが終わるのを待つと、演習に入る時期が試験直前となります。
そのため、1ヶ月目から毎日短い演習を差し込む方針にしてください。
1日20分でも、申告書の手順に触れる日を切らさないことが効きます。
手を動かす日を作れば、最終月に初見の形式に出会う状況を避けられます。
使う問題は、税関が公開している通関実務の過去問です。
※参考:「通関士試験」税関
税関のページで公開されているのは、直近3回分の試験問題です。
解き方の詳細は別途学ぶとして、まずは形式に慣れる段階から入ります。
あわせて、解けなかった論点をメモに残して2ヶ月目へ引き継ぎます。
2ヶ月目は過去問を周回して弱点を潰す
通関士試験の2ヶ月目は、過去問の周回に軸を移します。
インプットの完了を待たずに過去問へ入ってください。
全範囲を理解してから解き始める順番では、周回する回数が足りなくなります。
早い段階で解けば、残りの期間は弱点の補強に使える形です。
3科目とも基準点が必要なため、得意科目だけを伸ばす計画は避けます。
通関実務の点が伸びない週は、他科目の周回を減らしても構いません。
通関実務が基準を割る組み立てになっていないか、周回のたびに確認してください。
過去問の入手先は、税関の試験問題のページです。
※参考:「通関士試験」税関
特に、間違えた問題は日付を付けて記録し、同じ論点を3回以上外さないようにします。
周回の目的は正答数ではなく、外し方の型をつぶすことにあります。
3ヶ月目は時間を測った演習と法令の基準日を確認する
通関士試験の3ヶ月目は、本番と同じ時間で解く演習に切り替えます。
通関業法は50分、関税法等は100分、通関実務は100分です。
時間を測らずに解いていると、本番で配分を崩します。
50分の通関業法は、見直しの時間を残せるかが分かれ目。
あわせて、出題範囲の基準日を確認しておいてください。
第60回通関士試験の出題範囲について、受験案内は次のように定めています。
「これらの科目の出題範囲は、法律のほか、それぞれの法律に基づく関係政令、省令、告示及び通達とし、令和8年7月1日(水)現在で施行されているものとします。」
古いテキストを使っている場合は、基準日に照らして記述を補正します。
基準日より後に施行される改正は出題範囲に入らないため、追う必要はありません。
改正の中身を深掘りするのではなく、手元の教材との差分を潰す作業に留めてください。
通関士試験を独学・短期で3ヶ月合格するときのポイント3選
通関士試験を独学・短期で受けるときのポイントは、次の3つです。
- 睡眠を削った1日5時間は続きにくい
- 教材を増やしてインプットだけで試験日を迎える
- 独学で分からない箇所を質問せずに残す
3つはいずれも、3ヶ月計画が途中で崩れる典型的なきっかけです。
いずれも独学に限らず、短期計画そのものの弱点です。
ただし、先に知っておけば崩れる前に手を打てます。
それぞれ詳しく解説していきましょう。
睡眠を削った1日5時間は続きにくい
通関士試験の計画で最初に崩れやすいのは、睡眠を削って積んだ5時間です。
机の上で組んだ5時間と、90日続く5時間は別のものです。
睡眠時間を削る前提の計画は、体調を崩した週に一気に破綻します。
残業や家庭の事情で欠ける週がある前提で組んでください。
具体的には、週の枠に2〜3時間のバッファを置いておきます。
そのうえで、欠けた分をバッファで埋める運用にします。
バッファを使わずに済んだ週は、そのまま先へ進む余裕です。
特に、最終週だけ詰め込んで挽回する計画は避けてください。
年1回の試験では、直前の詰め込みが崩れたときに回収する場がありません。
睡眠を確保したうえで積める上限を、開始前に見極めておきましょう。
教材を増やしてインプットだけで試験日を迎える
通関士試験の短期学習では、教材を1系統に絞ってください。
不安になると新しい参考書を足したくなります。
ただし教材が増えるほど、1冊を終える前に次へ移る形になりがちです。
結果としてインプットだけで3ヶ月が終わり、演習量が残りません。
新しい参考書を1冊足すより、同じ過去問を1周多く回すほうが3ヶ月には合います。
同じ問題を繰り返すと、出題の型と自分の外し方が見えてきます。
解説を読み返す回数が減った論点が、仕上がった箇所の目印です。
あわせて、教材を替えたくなった理由を書き出してみてください。
多くの場合、足りないのは教材ではなく演習の回数です。
教材を足す判断は、過去問を3周終えたあとに回してください。
独学で分からない箇所を質問せずに残す
通関士試験の独学では、わからない箇所を質問せずに残す形が大きな落とし穴です。
通関実務の計算と品目分類は、解説を読んでも解けない箇所が残りやすい分野です。
3ヶ月の計画では、放置した論点がそのまま合格基準点に響きます。
基準点は3科目すべてで必要なため、通関実務の穴を他科目では埋められません。
前の章で紹介した事例も、独学ではなく講座を受講した形でした。
1人で抱える時間が長いほど、3ヶ月の残り日数は減っていきます。
解けない論点を1週間持ち越すと、3ヶ月では1割近い日数を失います。
特に、同じ論点で2回つまずいたら、質問できる環境の検討に移ってください。
質問先をもつかどうかは、短期計画では時間の使い方そのものにかかわります。
独学を選ぶ場合も、質問先の代わりになる手段を先に決めておきましょう。
通関士試験の3ヶ月合格でよくある質問
通関士試験の3ヶ月合格をめぐって残りやすい疑問を、3つ取り上げます。
出願の時期、科目免除の効果、未経験からの独学の可否が中心です。
あわせて、答えの根拠は税関の公開資料に置いています。
試験3ヶ月前の7月から始めて出願に間に合う?
通関士試験の3ヶ月前から始めても、出願そのものには間に合います。
第60回通関士試験の受験申込受付は、令和8年7月21日(火)から8月4日(火)までです。
試験実施は令和8年10月4日(日)です。
3ヶ月前開始はおおよそ7月上旬であるため、学習1ヶ月目に出願期間が重なります。
願書の準備に使う時間を、学習の枠から先に抜いておいてください。
抜かずに始めると、1ヶ月目の週次計画が出願作業で崩れます。
第60回については、令和8年熊本地震にともなう受験申込手続の特例措置も公表されています。
なお、日程は年によって動くため、公式ページで最新回を確認しましょう。
科目免除があると3ヶ月合格は現実的になる?
科目免除があると学習範囲は狭まりますが、合格が確実になるわけではありません。
税関の説明では、免除の要件は従事期間によって2段階に分かれます。
まず、通関業者の通関業務または官庁における関税その他通関に関する事務。
従事期間が通算15年以上になると、関税法等と通関実務の2科目が免除されます。
もうひとつは、通関業務または官庁における通関事務です。
通算5年以上になると、免除されるのは通関実務の1科目のみとなります。
自己の判断を要しない入力事務、使送事務、貨物の内容点検業務などの機械的事務は、従事期間に含まれません。
第59回通関士試験の結果を見ると、免除の効果は一様ではありません。
| 受験区分 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 全科目受験者 | 5,584人 | 777人 | 13.9% |
| 2科目受験者 | 561人 | 58人 | 10.3% |
| 1科目受験者 | 177人 | 119人 | 67.2% |
1科目受験者の合格率は67.2%と高い一方、2科目受験者は10.3%で全体を下回りました。
申請は、免除申請書と証明書を受験願書と一括して税関へ提出します。
未経験から独学3ヶ月は避けるべき?
通関士試験に受験資格の制限はなく、未経験でも独学3ヶ月に挑戦できます。
第60回通関士試験の受験案内は、学歴・年齢・経歴・国籍等についての制限はないと定めています。
ただし、未経験と独学と3ヶ月の3条件が重なる形は原則おすすめしません。
通関実務の練習量を確保しにくく、つまずいた論点を質問できない状態が重なります。
本文で紹介した事例も、貨物を扱う仕事があり、学習手段は講座でした。
未経験で独学を選ぶなら、期間を4ヶ月以上に延ばす判断が現実的です。
期間を動かせないなら、質問できる学習環境へ切り替える選択となります。
まとめ
通関士試験は3ヶ月でも4ヶ月でも合格を狙えますが、条件付きの話です。
受験対策でよく使われる目安は約400時間で、公式の数字ではありません。
3ヶ月なら1日4〜5時間、4ヶ月なら1日3〜4時間が前提となります。
紹介した合格事例は平日約3時間と休日約8時間で、独学3ヶ月の保証ではありません。
このように、通関実務は最初の月から並行して手を動かす形が要となります。
まずは週の枠を決め、始める前に3ヶ月と4ヶ月のどちらで組むかを選んでみてください。
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- 勉強をどう進めて良いかわからない
- 勉強時間も費用も抑えたい
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