技術士 金属部門とは?取得メリットや合格率、勉強方法を解説!
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技術士資格は、取り扱う専門分野によって部門が分かれています。
それぞれ試験内容が異なるため、金属部門の合格率や難易度が気になっている方も多いのではないでしょうか。
本コラムでは、技術士金属部門を取得するメリットや、試験の合格率について解説します。
試験概要やおすすめの勉強方法なども紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
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技術士金属部門とは?
技術士金属部門とは、21ある技術士の部門のひとつです。
金属部門の技術士には、さまざまな金属の製造や加工に関する専門知識が求められます。
取り扱う金属の種類は、鉄やステンレス、アルミや銅などの非鉄金属などが中心です。
また、金属部門は以下の3つの選択科目に分かれています。
- 金属材料・生産システム
- 表面技術
- 金属加工
金属部門の技術士の主な役割は、金属材料の製造や、素材の研究などです。
業務の例として、大手製鉄会社における生産業務や、自動車部品製造メーカーにおける金属加工処理などがあげられるでしょう。
技術士金属部門は受験者数が少ないことで知られていますが、我々の生活に密接した重要な部門といえます。
技術士金属部門を取得するメリット
技術士金属部門を取得するメリットは以下のとおりです。
- 高度な専門性を証明できる
- 活躍の場を広げられる
- 技術者として成長し続けられる
高度な専門性を証明できる
技術士金属部門の資格取得は、金属材料や金属加工、表面処理など、金属に関する高度な専門知識と豊富な実務経験を持つことの証明となります。
技術士は国家資格であり、技術力が国に認められていることが証明されているため、社会的な信頼性が非常に高いです。
中でも金属部門は、自動車・航空機・インフラなど安全性と品質が求められる分野で活躍する技術者が多く、プロフェッショナルとしての信頼性がなくてはなりません。
また技術士は技術者倫理に基づき、公共の安全や環境保全に貢献する責任を負います。
資格取得の過程で、技術者としての倫理観を高め、社会に貢献する意識を持つことは、自身の職業倫理を高めるうえで非常に効果的です。
活躍の場を広げられる
技術士資格は、昇進・昇格の要件とされることが多く、キャリアアップに大きく役立ちます。
特に大手企業や官公庁は、技術士の資格保有者を優遇する傾向が強いです。
また、技術士は専門知識を活かしてコンサルタントとして独立したり大学や研究機関で教鞭をとったりと、活躍の場を広げられます。
金属部門の技術士の活躍は材料開発・製造プロセス改善・品質管理・故障解析など多岐にわたり、資格はこれらの分野で専門家として認められるための強力な武器です。
またグローバル化が進む現代において、海外のプロジェクトに参加する機会も増加しており、技術士資格は国際的な舞台で活躍するためのパスポートとしても機能します。
技術者として成長し続けられる
技術士試験では高度な専門知識だけでなく、問題解決能力やコミュニケーション能力、倫理観など幅広い能力が求められます。
試験勉強を通じて体系的に習得し、総合的な技術力を向上させることが可能です。
また技術士には、資格取得後も継続的な自己研鑽が求められます。最新の技術動向や社会ニーズを把握し、自身の専門性をアップデートし続けなくてはなりません。
具体的には学会や研修会に参加したり論文発表から勉強したりと、生涯にわたって学び続ける姿勢は、技術者としての成長を促進するものです。
技術士同士のネットワークも貴重な財産となり、情報交換や共同研究を通じて、互いに刺激し合い、高め合うことができます。
技術士金属部門の難易度は?
技術士金属部門は、総合的に難易度が「高い」といえます。
大きな要因として、第一次試験・第二次試験の両方に合格しなければならないことが挙げられるでしょう。
第一次試験の合格率
技術士金属部門の第一次試験の難易度は「やや高い」です。
過去5年間における技術士金属部門の第一次試験合格率は、以下の通り。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 令和6年度 | 96名 | 33名 | 34.4% |
| 令和5年度 | 89名 | 47名 | 52.8% |
| 令和4年度 | 115名 | 41名 | 35.7% |
| 令和3年度 | 99名 | 41名 | 41.4% |
| 令和2年度 | 97名 | 49名 | 50.5% |
最近の第一次試験の合格率は34.4%〜52.8%で推移しており、受験者数は89〜115名、合格者数は33〜49名となっています。
年によって合格率にばらつきがあるものの、例年約半数以上が不合格であり、難易度はやや高いといえるでしょう。
第二次試験の合格率
技術士金属部門の第二次試験の難易度は「高い」です。
過去5年間における技術士金属部門の第二次試験合格率は、以下の通り。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 令和6年度 | 85名 | 16名 | 18.8% |
| 令和5年度 | 75名 | 14名 | 18.7% |
| 令和4年度 | 86名 | 17名 | 19.8% |
| 令和3年度 | 72名 | 19名 | 26.4% |
| 令和2年度 | 53名 | 19名 | 35.8% |
最近の第二次試験の合格率は18.7%〜35.8%で推移しており、合格者数は14〜19名とわずかです。
合格率が20%を下回る年もあり、第一次試験よりもさらに難易度が高い試験といえるでしょう。
技術士金属部門の難易度が高い理由
技術士金属部門の難易度が高い理由は以下のとおりです。
- 専門性が求められるから
- 試験範囲が広いから
- 実務経験が求められるから
専門性が求められるから
技術士金属部門の試験では、金属材料や金属加工、表面処理など、金属に関する高度な専門知識が幅広く問われます。
求められる知識は、大学の工学部レベルではなく、より実践的な専門知識です。
また試験では暗記した知識だけでなく、実際の現場でどのように応用できるかが問われるため、専門的な深い理解と応用力がなくてはなりません。
金属材料を例にすると、その種類や特性は多岐にわたり、使用環境や目的に応じて最適な材料を選択する必要があります。
また金属加工技術においても切削・研磨・溶接など多岐にわたる技術力が求められ、それぞれに関する深い知識と経験が必要です。
このように高度な専門知識と応用力が求められる点が、金属部門の試験の難易度を高めています。
試験範囲が広いから
技術士金属部門の試験範囲は、金属材料・金属加工・表面処理だけでなく、材料力学・熱力学・電気化学など、関連する幅広い分野に及びます。
すべての分野を網羅的に学習するには、かなりの時間と労力が必要です。
また金属技術は常に進化しており、新しい材料や加工技術が次々と開発されています。
試験では最新技術に関する知識も問われるため、常に情報を収集し、知識をアップデートし続けなくてはなりません。
また金属材料は、自動車・航空機・医療機器など、様々な産業分野で使用されており、これらの分野の技術動向にも精通する必要があります。
金属部門の試験に合格するには、広範な試験範囲と技術の進歩に対応することが必須条件です。
実務経験が求められるから
技術士試験では、単に知識を問うだけでなく、実務経験に基づいた問題解決能力や倫理観も評価されます。
特に金属部門では、実際の現場で発生する様々な技術的な問題に対して、適切な解決策を提案できる能力が必要です。
そのため過去の業務経験を振り返り、どのような課題に直面し、どのように解決したかを具体的に説明できるように準備しなくてはなりません。
また技術士は、公共の安全や環境保全に貢献する責任を負っており、高い倫理観が求められます。
試験では、技術者倫理に関する問題も出題されるため、倫理綱領を理解し、技術者としての倫理観を答案に反映させることも重要です。
技術士金属部門の試験内容
技術士金属部門の試験概要は、以下の通りです。
第一次試験の概要
受験資格
技術士金属部門の第一次試験には、特定の受験資格が設けられていません。
学歴や年齢、実務経験を問わず誰でも受験できます。
試験内容
技術士金属部門の第一次試験は、筆記試験によって実施されます。
合格基準は50%以上の得点です。
また、第一次試験は「基礎科目」「適性科目」「専門科目」の3科目で構成されています。
各科目の詳細は、以下の通り。
【基礎科目】
- 設計・計画に関するもの(設計理論、システム設計、品質管理等)
- 情報・論理に関するもの(アルゴリズム、情報ネットワーク等)
- 解析に関するもの(力学、電磁気学等)
- 材料・化学・バイオに関するもの(材料特性、バイオテクノロジー等)
- 環境・エネルギー・技術に関するもの(環境、エネルギー、技術史等)
【適性科目】
技術士法第四章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性
【専門科目(金属)】
- 鉄鋼生産システム
- 非鉄生産システム
- 金属材料
- 表面技術
- 金属加工
※引用:技術士第一次試験の科目
第二次試験の概要
受験資格
技術士金属部門の第二次試験の受験資格は、技術士補となる資格を有したうえで下記のいずれかを満たすことです。
- 技術士補としての実務経験
総合技術監理部門を除く技術部門で4年以上、または総合技術監理部門で 7年以上
- 技術士補としての科学技術に関する業務経験
総合技術監理部門を除く技術部門で4年以上、または総合技術監理部門で7年以上
(専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価に関する業務に限る)
- 科学技術に関する業務経験
総合技術監理部門を除く技術部門で7年以上、または総合技術監理部門で10年以上
(専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価に関する業務に限る)
試験内容
技術士金属部門の第二次試験は、筆記試験および口頭試験によって実施されます。
ただし、口頭試験は、筆記試験の合格者に対してのみ行われます。
合格基準は、筆記試験・口頭試験ともに各科目60%以上の得点です。
各試験の詳細は、以下の通り。
筆記試験
第二次試験の筆記試験は「必須科目」と「選択科目」に分かれています。
各科目の詳細は、以下の通りです。
【必須科目】
- 「技術部門」全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの
【選択科目】
- 「選択科目」についての専門知識及び応用能力に関するもの
- 「選択科目」についての問題解決能力及び課題遂行能力に関するもの
※引用:技術士第二次試験の科目
また、金属部門の選択科目は以下の3つに分かれています。
- 金属材料・生産システム
金属材料の製造方法、設備及び管理技術並びに構造材料・機能材料等の材料・製品設計、複合化、材料試験、分析、組織観察その他の金属材料に関する事項
- 表面技術
めっき、溶射、CVD(化学気相析出法)、PVD(物理蒸着被覆法)、防錆、洗浄、非金属被覆、金属防食その他の金属の表面技術に関する事項
- 金属加工
鋳造、鍛造、塑性加工、溶接接合、熱処理、表面硬化、粉末焼結、微細加工その他の金属加工に関する事項
※引用:第二次試験 技術部門/選択科目
口頭試験
口頭試験では、筆記試験における記述式問題の答案や業務経歴をもとに、技術士としての適格性が問われます。
※参考:技術士第二次試験の科目
技術士金属部門の勉強方法
技術者金属部門の勉強方法について、第一次試験・第二次試験それぞれ解説します。
第一次試験の勉強方法
技術士金属部門の第一次試験は、基礎科目・適性科目・専門科目の3科目で構成されています。
第一次試験は、過去問と似た問題が出題される傾向が強く、過去問分析は必須です。過去5年分を目安に、出題傾向を把握し、頻出分野を特定しましょう。
基礎科目の問題は数学 / 物理学 / 化学 / 生物学 / 地学などの広範囲から出題され、特に重要なのは物理学と化学です。
専門科目は過去問の類似問題が出題されやすく、重点的に対策が求められます。
過去問の正解を暗記するのではなく、なぜその解答になるのかを理解することが大切です。また、時間配分を意識して解答する練習をしましょう。
過去問分析を通じ、自身の弱点を把握し、重点的に対策しておいてください。
専門科目は金属材料・金属加工・表面処理など、幅広い分野から出題されます。
各分野の基礎知識を体系的に理解し、相互の関連性を把握することが大切。参考書や専門書の図表・イラストなどを活用して、視覚的に理解を深めておきましょう。
試験日から逆算して、詳細な学習計画を作成し、計画的に学習を進めることで、焦らずに試験対策を進めることができます。
スマートフォンやタブレットで過去問を解き、参考書を読むなど、場所を選ばずに学習できるツール活用を検討してみてください。
第二次試験の勉強方法
技術士金属部門の第二次試験は、高度な専門知識と実務経験に基づく応用力、そして記述式問題への対応力が求められる難関試験です。
金属部門では金属材料・金属加工・表面処理など、幅広い分野の専門知識が問われます。
過去問を分析して、頻出分野や自身の弱点を把握。加えて専門書籍や論文、技術雑誌などを活用し、体系的に知識を整理することが大切です。
また実務経験に基づいて、具体的事例を整理しながら知識を深めることも重要です。
過去に経験したプロジェクトや研究開発を整理し、どのような課題を設定したか、どのように解決したのかを具体的に説明できるようにしましょう。
失敗事例も教訓として活用し、多角的視点から問題解決能力を養うことが大切です。
答案作成では、問題文を正確に理解し、内容を的確に捉える力が求められます。結論を明確にし、具体例や図表を効果的に活用することで、説得力のある答案を作成してください。
おすすめは第三者の添削指導を活用し、客観的な評価を受けること。アガルートのような通信講座なら、スクールと比べて安く自分の弱点を見つけられます。
また関連技術は常に進化しており、新聞やニュース、技術雑誌を通して、社会情勢や技術動向に関心を持ち、最新の技術動向を収集することも重要です。
自身の専門分野との関連性を考察する習慣を身につけておきましょう。
まとめ
本コラムでは、技術士の金属部門について解説しました。
技術士の金属部門とは、主に金属の製造や加工に関する分野を取り扱う部門です。
技術士金属部門における最近の第一次試験の合格率は30%〜50%、第二次試験の合格率は25%〜35%となっています。
総合的に判断して、難易度が高い試験といえるでしょう。
技術士金属部門の試験に合格するためには、試験内容に応じた適切な対策が必要です。
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この記事の監修者
北海道大学卒業後,工業用界面活性剤と食品油脂を製造する会社のプラントマネジャーを経て,大手製薬会社系列食品会社で食品素材の研究・開発ならびにテクニカルサービス業務を経験。
1994年に独立し,技術コンサルタント会社を創業,現在に至る。
平成28年,技術士(経営工学部門と総合技術監理部門を併願)試験を受験し,合格。
平成29年3月2部門同時登録。同年から技術士試験受験指導にも携わり,先達の導きもあり,4年間で数十名の受験生を支援する。
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