技術士 応用理学部門とは?難易度や取得メリット、勉強法を解説!
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建設コンサルタントや各地の土木課などに所属することが多い技術士の応用理学部門。
「どんな分野の技術士?」「試験は難しいのかな?」など、概要や難易度について気になっている方もいるでしょう。
当コラムでは、技術士応用理学部門について仕事の内容や取得メリット、試験難易度など詳しく解説します。
技術士に興味がある方や受験を検討している方はぜひ参考にしてください。
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技術士応用理学部門とは?
技術士応用理学部門とは、技術士の中でも「地質系」の知識に精通した技術者に与えられる資格です。
「地質」「物理及び化学」「地球物理及び地球化学」の3分野があり、特に「地質」分野は地質調査を行う際の必要資格として挙げられます。
主な就業先は、やはり各企業・団体の「地質調査」を担当する部署などです。
建設コンサルタントや各自治体の土木課、国土交通省の土木工事専門職などから出される求人が多くなります。
また、地質や物理、化学などの専門知識を有する人材として、地震をはじめとする災害対策に携わっている方もいます。
技術士応用理学部門を取得するメリット
技術士応用理学部門を取得するメリットは、以下の3つが挙げられます。
- 専門性の証明と社会的信頼の向上
- キャリアアップと活躍の場の拡大
- 専門技術者としての倫理観と責任感の向上
専門性の証明と社会的信頼の向上
応用理学部門の技術士は、高度な専門知識と実務経験に加え、倫理観と責任感を持つ技術者であることを証明することが可能です。
地質調査、環境アセスメントなど、専門性が求められる業務において、顧客や社会からの信頼獲得に繋がります。
技術士は最新の技術動向を踏まえ、的確な判断と技術提案を行うことで、社会の安全・安心に貢献し、専門家としての社会的信頼を高めます。
技術士資格は、個人の専門性を高めるだけでなく、社会全体の安全・安心に貢献する重要な役割を担う存在です。
キャリアアップと活躍の場の拡大
技術士資格は、昇進や転職において有利に働くことが多く、キャリアアップに繋がります。
また、公共事業の入札条件や、コンサルタント業務など、技術士資格が必須となる業務も存在し、活躍の場が広がります。
特に、応用理学部門の技術士資格は、専門知識と実務能力を証明するため、管理職やプロジェクトリーダーへの昇進に有利です。
企業によっては、資格手当や昇進の必須条件となる場合もあります。
転職市場でも、技術士資格は高く評価され、より専門性の高い業務や待遇の良い企業への転職を可能にします。
専門技術者としての倫理観と責任感の向上
技術士は、社会の安全・安心に関わる重要な業務を担うことが多く、その判断や行動が社会に大きな影響を与える可能性があります。
そのため、常に公共の安全、健康、福祉を最優先に考え、科学的根拠に基づいた客観的な判断を下さなくてはなりません。
また、専門家としての知識や経験を独占するのではなく、社会全体の利益のために活用する責任があります。
技術の進歩や社会の変化に伴い、新たな倫理的な課題も生じる可能性がありますが、技術士は、常に自己研鑽を怠らず、社会から信頼される技術者であり続けることが大切です。
技術士倫理綱領には、技術士が遵守すべき行動規範が示されており、技術士は、この倫理綱領を深く理解し、日々の業務の中で実践することが求められます。
技術士応用理学部門の難易度は?
技術士応用理学部門の難易度は、総合的に見て難しいです。
もっとも大きな要因としては、第一次試験・第二次試験の両方に合格する必要があることが挙げられるでしょう。
以下で、第一次試験・第二次試験の合格率や難易度について解説します。
第一次試験の合格率
技術士応用理学部門の第一次試験の難易度は「やや難しい」です。
以下は、技術士応用理学部門の第一次試験における直近5年間の合格率をまとめたものです。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 令和6年度 | 201名 | 113名 | 56.2% |
| 令和5年度 | 173名 | 112名 | 64.7% |
| 令和4年度 | 194名 | 107名 | 55.2% |
| 令和3年度 | 192名 | 93名 | 48.4% |
| 令和2年度 | 181名 | 105名 | 58.0% |
直近の合格率は、50〜65%ほどを推移しています。
2段階の試験の最初のハードルとしてはまずまずの数値といえるでしょう。
ただし、母数となる受験者数が多くないことや、試験内容の専門性の高さは考慮する必要があります。
高度な知識を習得してきた少数の受験者の約半数が第一次試験の時点で不合格ということは、実際はかなりの難易度と考えられます。
第二次試験の合格率
技術士応用理学部門の第二次試験の難易度は「難しい」です。
以下は、技術士応用理学部門の第二次試験における直近5年間の合格率をまとめたものです。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 令和6年度 | 608名 | 76名 | 12.5% |
| 令和5年度 | 575名 | 58名 | 10.1% |
| 令和4年度 | 551名 | 75名 | 13.6% |
| 令和3年度 | 499名 | 83名 | 16.6% |
| 令和2年度 | 499名 | 83名 | 16.6% |
直近の合格率は18〜25%を推移しており、資格試験としては一般的な難易度のように見えます。
しかし、「18〜25%」はあくまで第二次試験のみの合格率であり、第一次試験・第二次試験を通しての最終合格率はさらに下がります。
第一次試験を突破した受験者でも10人中8人は不合格であることを考えても、国家資格らしい難易度を備えた試験であるといえるでしょう。
技術士応用理学部門の難易度が高い理由
技術士応用理学部門の難易度が高い理由は、以下の3つが挙げられます。
- 高い専門性がもとめられ試験範囲が広い
- 実務経験の表現と論文作成が難しい
- 口頭試験のレベルが高い
高い専門性がもとめられ試験範囲が広い
応用理学部門は、地質学・地球物理学・水文科学・環境科学など、多岐にわたる分野をカバーする部門です。
それぞれが高度な専門性を持ち、かつ相互に関連しているため、広範な知識と深い理解が必要になります。
技術士試験では、各分野における最新の技術動向や研究成果も問われるため、日頃から新しい情報を収集し、学習し続ける必要があります。
また、実務経験に基づく応用力や問題解決能力も重視されるため、単に専門知識を暗記するだけでは合格できません。
実務経験の表現と論文作成が難しい
技術士第二次試験では、実務経験に基づく論文作成が必須となります。
応用理学部門では、自然現象や環境問題など、複雑で多様な現象を扱うため、的確な現状分析・課題抽出・解決策の提案をすることが必須条件です。
また論文では内容を論理的に構成し、分かりやすく記述する能力が求められるうえ、技術士倫理に基づいた高い倫理観と責任感を示さなくてはなりません。
これらの要件を満たす論文を作成するには、高度な専門知識と豊富な実務経験に加え、優れた文章力と倫理観が求められます。
口頭試験のレベルが高い
技術士第二次試験では、筆記試験に合格した後、口頭試験が課されます。
応用理学部門の口頭試験は、筆記試験で問われた専門知識や実務経験に加え、コミュニケーション能力・プレゼンテーション能力・判断力・リーダーシップなどを評価する内容です。
試験官は、受験者の専門知識だけでなく、技術者としての適性や資質を総合的に判断するため、多角的な質問をします。
これらの質問に対し的確かつ論理的に回答するためには、高度な専門知識に加え、豊富な実務経験に基づいた自信と対応力がなくてはなりません。
技術士応用理学部門の試験内容
ここでは、技術士応用理学部門の試験内容について、以下の内容で解説します。
- 第一次試験の概要
- 第二次試験の概要
第一次試験の概要
受験資格
技術士応用理学部門の第一次試験には、特別な受験資格は必要ありません。
試験内容
技術士応用理学部門の第一次試験の内容は「基礎科目」「適性科目」「専門科目」の3科目で構成され、筆記形式で実施されます。
3科目のそれぞれに合否判定があり、各科目で50%以上得点することで合格できます。
科目ごとの試験内容は以下の通りです。
【基礎科目】
- 設計・計画に関するもの(設計理論、システム設計、品質管理等)
- 情報・論理に関するもの(アルゴリズム、情報ネットワーク等)
- 解析に関するもの(力学、電磁気学等)
- 材料・化学・バイオに関するもの(材料特性、バイオテクノロジー等)
- 環境・エネルギー・技術に関するもの(環境、エネルギー、技術史等)
【適性科目】
技術士法第四章(技術士等の義務)の規定の遵守に関する適性
【専門科目(応用理学)】
- 物理及び化学
- 地球物理及び地球化学
- 地質
第二次試験の概要
受験資格
技術士応用理学部門の第二次試験の受験資格は以下の通りです。
- 技術士補として技術士を補佐した経験が規定以上あること(受験申し込み時に第一次試験に合格か、もしくはJABEE課程を修了している)
- ①科学技術関連の専門的応用能力が必要な計画・研究などの従事者、または該当の業務の指導者の監督下で業務に従事した経験+②技術士補となる資格を取得したあと、①の従事期間が規定以上になること(必要年数は出願する経路によって異なる)
- 科学技術関連の専門的応用能力が必要な計画・研究に従事、または該当業務を指導した経験が規定以上あること(必要年数は出願する経路によって異なる)
技術士補は、第一次試験に合格することで登録・取得できる資格です。
つまり、第二次試験の受験には「第一次試験の合格」と「実務経験」が必要となります。
必要な実務経験は状況によって異なりますが、最短で4年・最長で7年です。
参考:公益社団法人日本技術士会|令和7年度 技術士第二試験の実施について
試験内容
技術士応用理学部門の第二次試験の内容は「筆記試験」と「口述試験」の2セクションで構成されています。
各セクションの科目ごとに合否が判定され、すべての科目で60%以上得点できれば合格です。
第二次試験の試験内容は以下の通りです。
【筆記試験】
- 総合技術監理部門:必須科目(択一試験40問と記述試験1問) 選択科目は技術士登録者(二次試験合格者含む)が申請をすることで免除
- 総合技術監理部門を除く技術部門:必須科目1問/選択科目II−1とIIー2各1問、並びにⅢ1問の解答
【口述試験】
- 総合技術監理部門(必修)
- 総合技術監理部門(選択)
- 総合技術監理部門を除く20の技術部門
技術士応用理学部門の勉強法
第一次試験の勉強法
技術士応用理学部門一次試験の勉強法は、過去問を中心とした対策と、基礎知識の強化が重要です。
最初に、過去5年分の過去問を繰り返し解きましょう。誰でも技術士会のHPからダウンロードすることが可能です。
過去問題の傾向を把握し、頻出分野を重点的に学習します。解答を丸暗記するのではなく、なぜその答えになるのか、正解に導くプロセスの理解が重要です。
基礎科目は、数学・物理・化学・情報・生物などの幅広い工学系分野から出題されます。苦手分野を洗い出して重点的に学習しましょう。
苦手分野を克服するために、参考書や問題集を活用するのもおすすめです。
適性科目は、技術者倫理や法令に関する問題が出題されます。技術士法や倫理に関する参考書を読み込み、過去問で出題傾向を把握しましょう。
イメージしにくい内容なため、技術士法や関係法令をしっかり確認することが大切です。
専門科目は、自身の専門分野に関する深い知識が必要です。過去問を解き、専門書で知識を深め、基礎から応用まで幅広く学習しましょう。
学習計画は、試験日から逆算して立てることが重要。毎日少しずつでも良いので、継続して学習することが大切です。
試験が迫ってきたら、模擬試験を活用し、時間配分や弱点を確認しましょう。
第二次試験の勉強法
技術士応用理学部門二次試験の勉強方法は、以下の点を中心に進めると効果的です。
まずは過去5年分程度の過去問を分析し、出題傾向を把握します。過去問は技術士会のHPから誰でもダウンロードできます。
頻出テーマ、重要キーワードを洗い出し、自身の実務経験から重点的に学習する分野を決めるのがおすすめです。
また論文形式に慣れるため、実際に過去問を解き、時間配分を意識した練習を重ねてください。
継続的に専門知識を深めることも重要です。
応用理学に関する専門書、論文、技術資料などを参考に、深い知識を習得し、最新の技術動向や研究成果にも目を配り、論文に活かせる情報を収集します。
自分の専門分野だけでなく、関連分野の知識も広げておくと、多角的な視点から論述できます。
加えて技術士に求められる論文構成(課題抽出、解決策提案、倫理観など)を理解しましょう。
論理的な文章構成・的確な表現力・図表の効果的な活用など、論文作成スキルを磨くことが大切です。
論文を書いたら第三者に添削してもらい、客観的な評価と改善点を得るのもおすすめ。
上記を補強するために、応用理学に関連する最新の技術ニュースや社会問題に関心を持ちましょう。
新聞・雑誌・インターネットなどを活用し、多角的な情報を分析する習慣を身につけてください。
また関係省庁が公表している白書などを確認して最近のトレンドを知っておくことも重要です。
まとめ
当コラムでは、技術士応用理学部門について以下の内容で解説しました。
- 技術士応用理学部門とは、地質を専門分野とする技術士資格。建設コンサルタントや自治体の土木課などから求人が出ていることが多い。
- 第一次試験の合格率は50〜65%ほどで、難易度は「やや難しい」。
- 第二次試験の合格率は18〜25%ほどで、難易度は「難しい」。最終合格率は推定値9〜14%ほどで、総合的な難易度は非常に高い。
- 第一次試験に受験資格はない。3科目それぞれで50%以上得点できれば合格。
- 第二次試験の受験には、第一次試験の合格+実務経験が必要。
- 第二次試験は筆記・口述の2セクションで実施され、各セクションのすべての科目で60%以上得点できれば合格。
技術士応用理学部門の試験は難易度が高いだけでなく、各科目50〜60%以上と、非常に厳しい合格基準が設定されています。
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この記事の監修者
北海道大学卒業後,工業用界面活性剤と食品油脂を製造する会社のプラントマネジャーを経て,大手製薬会社系列食品会社で食品素材の研究・開発ならびにテクニカルサービス業務を経験。
1994年に独立し,技術コンサルタント会社を創業,現在に至る。
平成28年,技術士(経営工学部門と総合技術監理部門を併願)試験を受験し,合格。
平成29年3月2部門同時登録。同年から技術士試験受験指導にも携わり,先達の導きもあり,4年間で数十名の受験生を支援する。
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