弁理士法人みなとみらい特許事務所の吉岡 亜由美様にインタビューを行いました。

現在の業務や仕事の魅力、今後の展望などについて詳しくお答えいただいています。

これから弁理士を目指す方は、ぜひ参考にして下さい。

なぜ資格を取得しようと思ったのですか?

正直に言うと、「勢い」と「時間ができたから」です。

学生時代から弁理士になりたいという気持ちはあったものの、就職してからは日々の生活に手一杯で勉強が続かず、一旦は資格取得を諦めていたという状態でした。

それでも未練はあったので何度も勉強再開と挫折を繰り返していたのですが、そのような中で第一子出産後に夫婦ともに比較的長く育児休業を取得しました。

産後少し落ち着いたタイミングで応用情報技術者の資格を取得したのですが、その時についた勉強習慣がそのままなくなるともったいないな、という非常に軽いきっかけから夫に背中を押され、「挑戦するなら夫婦ともに休業している今が最後のチャンスかもしれない」と思い、勢いで受験を決めました。

主にどのような業務をされているのですか?

特許の権利化や調査、権利行使等のサポートをしています。

また最近では後輩指導も任せてもらえるようになりました。

仕事の魅力ややりがいを感じる時を教えて下さい

士業全般かもしれませんが、裁量が大きく、調整がしやすい点が非常に魅力的だと感じています。

このことが働きやすさにつながっており、子供を育てながらでも業務を調整して自分のペースで仕事ができる点が魅力だと思います。

また私は「先の見通しが立つ」という特徴も弁理士の仕事の大きな魅力だと思います。

好み次第だと思いますが、進めてみないと先の予定がわからないという状態に不安を感じる性格なので、期限がはっきり決まっていることやお客様の事業で想定されることの中で検討すること(無限の可能性を考える必要がない)等、いろいろな面で制限があることが私にとっては安心要素になっています。

印象に残っている仕事・案件のエピソードがあれば教えて下さい

難しい案件を特許にできたときにはやはり非常に大きなやりがいを感じます。

あるお客様から、普通の見方をすると先行技術との違いが非常に小さく、一見すると権利化はかなり厳しいと感じる発明についてご相談がありました。

しかしお客様が話された課題感やその発明の貢献に可能性を感じ、その分野ではあまりとらない手法ではありましたがひとつの戦略を立てて出願を行いました。

技術内容が高度であったこともあり、審査ではかなり難航したのですが、最終的には当初狙った通りの戦略で狙った内容の特許を取得できるところまで持っていくことができました。

難しいと感じる状況でも経験や知識を活用して最初に見込んだ通りの結果が出せ、お客様にも喜んでいただけたことが、非常に嬉しく印象に残っています。

これから資格取得を目指している方へメッセージをお願いします

ご存知の通り弁理士試験は要求される知識も膨大で、受験には非常に大きな労力がかかる試験です。勉強をする中で、先が見えず苦しい思いをされることもあるかと思います。

しかし私は実際に資格を取得してみて、受験前に想像していた以上にずっと大きな価値を得られたと感じています。

もちろん専権業務に携われるという直接的な価値もありますが、同期合格者や弁理士試験の受験仲間からの情報ネットワーク、資格を得たことによる自身の責任意識、様々な選択の自由等、その価値は受験前に想像していたものをはるかに超えていました。

もちろん資格を取れば仕事ができるようになるわけではないですし、資格取得後も一生勉強が続くことと思います。

それでも、試験勉強のために重ねた努力は必ず人生に大きな価値をもたらしてくれるものだと感じています。

ぜひ前向きな気持ちで、自分の可能性を信じて挑戦してみてください。

この記事の著者 弁理士法人みなとみらい特許事務所 吉岡 亜由美

大学卒業後なんとなく大学院に進学したものの、研究の世界の果てしなさから「研究職は自分には厳しい」と感じ、以前から興味のあった弁理士を目指してみなとみらい特許事務所に就職しました。

その後弁理士資格を取得し、弁理士として特許の権利化業務等に従事。

現在は子育てとの両立に奮闘しつつ、お客様にとって最善の提案ができるよう修行中です。

弁理士法人みなとみらい特許事務所