弁理士法人みなとみらい特許事務所代表の辻田 朋子様にインタビューを行いました。

現在の業務や開業の経緯、今後の展望などについて詳しくお答えいただいています。

これから弁理士を目指す方は、ぜひ参考にして下さい。

なぜ資格を取得しようと思ったのですか?

弁理士という職業を初めて知ったのは、高校時代の職業調査がきっかけでした。

大学4年生で研究をしながら就職活動をしていたときにも、ふと頭をよぎったことがあったのですが、その時の私は、自分の仕事、将来に対してあまり真剣に考えておらず、その時点ではまだ資格取得を本気で目指すには至りませんでした。

転機となったのは、新卒で入社したITベンチャー企業で働いていた時のことです。

何のプロを目指しているのか分からないまま仕事をしている自分に不安を感じていた時、再度思い出したのが「弁理士」でした。

将来の方向性が見えずに悩んでいた中で、チャレンジするなら今しかないと思い、会社を辞めて弁理士資格の取得を短期間で目指すことを決意しました。

主にどのような業務をされていますか?

現在は、個別の案件を行うことよりも、顧客の一連のビジネスと知財戦略について相談に乗ったり、メンバーの業務について一緒に方針を考えることが多いです。

内容は多岐にわたり、特許や意匠の出願戦略、契約書のチェック、紛争対応など様々です。

1日の簡単なスケジュールを教えてください

日によって業務は異なりますが、お客様やメンバーと話す時間が多くを占めています。

実務案件の打合せだけでなく、事務所のリーダーとして、業務プロセスや社内システム、人事・採用に関する打合せも行います。

また、毎週水曜日のお昼には、中小企業やスタートアップ経営者向けに配信しているYouTube番組「知財まるわかりTV」の撮影も行っています。

仕事の魅力ややりがいを感じる瞬間は?

弁理士としては、お客様のビジネスや商品について直接お話を伺い、「一緒に頑張っていきたい」と心から思える瞬間にやりがいを感じます。

また、メンバーが特許査定を得たときや、顧客から喜びの声をいただいたときなど、仲間の成長や成果を感じるときも大きな喜びがあります。

なぜ独立開業をしようと思ったのですか?

前職は、東京の大手事務所で勤務していました。

ほとんどの業務は大企業メーカーの出願業務でしたが、たまたま、大企業と中小企業の共同出願の案件を担当することがありました。

中小企業の社長から、中小企業が世界で戦うための知財戦略についてアドバイスが欲しいと言われたのですが、その時の私は何もアドバイスができませんでした。大手事務所としても力を入れている領域ではないとのことでした。

その時に、グローバル視点を持つ中小企業を支援する特許事務所は、足りないのではないか、と感じ、そうであればそのような特許事務所となりたいと思いました。
それ以来、全ての企業に知財戦略を。をミッションとしています。

また、「いい組織をつくりたい」という思いが強くありました。新しい文化をもつ未来の組織を作りたいと思いました。

所員が大きく幸せに活躍できる、そしてその結果お客様にとって最高のサービスが提供できる、日本一人気のある特許事務所を作りたいと、独立を決意しました。

開業後、最も苦労されたのはどのような部分ですか?

開業直後は資金枯渇ですね。今だから言えますが、ギリギリでした。

ただ、苦労しているのは今が一番かもしれません。

多様で優秀な人が、皆活躍できるように組織の文化や仕組みを作っていくことが最も難しい挑戦だと考えています。

今後の展望を教えてください

クライアントの成長や挑戦に寄り添い、信頼されるパートナーであり続けられるよう、これからもチームとともに進化を続けていきたいと考えています。

これから資格取得を目指している方へメッセージをお願いします

弁理士の仕事は、技術を深く理解し、その本質を言葉で表現するという点に独自の面白さがあります。

また、お客様との信頼関係を築く中で、自分の存在価値を実感できる、とてもやりがいのある仕事です。

人によって得意な分野やスタイルはさまざまですが、それぞれが自分らしい形で力を発揮できるのがこの仕事の魅力でもあります。

試験勉強は決して楽ではありませんが、その先にあるやりがいを思い描きながら、ぜひ頑張ってください。応援しています。

この記事の著者 弁理士法人みなとみらい特許事務所 辻田 朋子

弁理士法人みなとみらい特許事務所代表。

ミッションは「すべての企業に知財戦略を」。

特に中小・スタートアップ企業の知財サポートに力を注ぎ、YouTubeチャンネル『みなとみらい特許事務所 知財まるわかりTV』で毎週金曜日に中小・スタートアップ経営者に向けて情報配信中。

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