測量士資格試験の「多角測量」について、どのような科目か、その重要度また、どの程度の学習量が必要か悩まれる方がいらっしゃるのではないでしょうか。

これから測量士資格試験を勉強する方や、すでに勉強されている方むけに測量士資格試験科目の多角測量(トラバース測量)についての概要や、勉強法について紹介します。

また、その知識がどのように実務につながるのかについてまとめています。

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「多角測量」科目とは?【トラバース測量】

「多角測量」とはトラバース測量ともいいひとつの既知点Aから出発し距離と夾角を計測して未知点の座標を求めていく測量です。

簡単にいうと、座標がわかっている基準点から測量器を使用して距離と夾角を計測した結果を三角関数などを使って座標を持っていない点に座標を持たせる作業です。

測量作業に携わる人であれば、外業で現場作業を行う人や内業でデータ処理を行う人の両者ともに必要不可欠な知識の一つであるため、しっかりとした学習が必要となります。

また、測量を行うにあたって基準となるデータを作成する作業となることから、毎年必ず科目のひとつとして出題されています。

問題数は、例年4~5問が出題され、そのうち2~3問が測量法や測量誤差、測量機器に関する知識を語句の組み合わせや、択一の中から選択する問題となります。

また、例年1~2問は観測データから角度や距離を計算で求める問題が出題されています。

「多角測量」の勉強法

「多角測量」では、距離や角度を求める計算問題が出題されるため、三角関数などの数学的知識がすでに身についている方は、その分の学習を短縮できます。

こちらでは、以下の流れで勉強法を紹介します。

  1. まずは語句と意味を理解する
  2. 計算作業が無い選択問題は過去問を繰り返す
  3. 計算問題は三角関数などの数学的知識を修得するところから

1.まずは語句と意味を理解する

測量士試験では、TS(トータルステーション)、最確値、標準偏差、偏心補正、方向角、既知点など様々な語句がでてくるので、それぞれがどのような意味なのか理解できるようにしておくと学習がスムーズなります。

2.計算作業が無い選択問題は過去問を繰り返す

測量の基準、測量誤差、TS(トータルステーション)、GNSSなどについての知識を問う問題が出題されます。

基本的には、過去問を繰り返して問題に慣れる作業と素早く解答できるようになるよう学習を進めていきましょう。

はじめは、わからない言葉やイメージがしずらいと思いますので、問題に慣れるまでは言葉の意味を調べることや図解が載っている参考書などで学習を行い、問題を見た時に頭にイメージができるようになると良いでしょう。

3.計算問題は三角関数などの数学的知識を修得するところから

例年1~2問が出題される計算問題では、三角関数などの数学的知識を習得しているかによって学習時間が異なります。

数学の学習から行う方は、まずは測量に使用する数学について学習することとなりますので、多角測量で使用する数学の学習時間が必要となります。

はじめに過去問の解説書などを見ながら実際に問題を解いていくなどの学習をして、理解が定着できない問題については、測量に関する数学の書籍で学習することをオススメします。

数学の学習を終えている方は、過去問を解いてみて不正解だった問題やさらに理解を深めておきたい問題について学習しておくと良いでしょう。

【試験科目ごとの勉強法はこちら】
測量に関する法規及びこれに関連する国際条約
多角測量
汎地球測位システム測量
水準測量
地形測量
写真測量
地図編集
応用測量
地理情報システム

関連記事:【測量士の勉強法】午前試験(択一式)・午後試験(記述式)それぞれ解説

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この記事の監修者 中山 祐介 講師

中山 祐介 講師 (講師紹介はこちら

独学で土地家屋調査士試験全国総合1位合格の同試験を知り尽くした講師。

「すべての受験生は独学である」の考えのもと、講義外での学習の効率を上げ、サポートするための指導をモットーに、高度な知識だけでなく、自身の代名詞でもある複素数による測量計算([中山式]複素数計算)など、最新テクニックもカバーする講義が特徴。日々、学問と指導の研鑽を積む。

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