「日本語教育能力検定試験の合格率はどのくらい?」
「試験の難易度は高いの?」
「合格するためにはどれくらいの得点が必要?」

日本語教育能力検定試験の受験を検討している方や、日本語教師を目指している方には、こうした疑問や不安を持っている方が多いのではないでしょうか?

本コラムでは、日本語教育能力検定試験の合格率や難易度、そして具体的な合格点について詳しく解説します。

試験の特徴や難易度の理由についても触れながら、合格するためのポイントを明確にしていきますので、ぜひ参考にしてください。

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日本語教育能力検定の合格率

日本語教育能力検定試験の合格率は、例年25%~30%程度で推移しています。

令和7年度の試験では、合格率は29.8%、全科目受験者数が1,944人、応募者数は2,413人でした。2024年の第1回 日本語教員試験の実施を受け、受験者数は大きく減少しています。

以下の表は、平成23年度から令和7年度までの合格率、全科目受験者数、応募者数を示したものです。

年度合格率全科目受験者数応募者数
令和7年度29.8%1,9442,413
令和6年度31.0%3,3714,196
令和5年度31.0%8,21110,170
令和4年度30.9%7,0548785
令和3年度29.8%8,26910,216
令和2年度28.9%9,03311,316
令和元年度28.3%9,38011,699
平成30年度28.5%6,8018,586
平成29年度25.5%5,7337,331
平成28年度25.1%4,9076,167
平成27年度23.0%4,7275,920
平成26年度23.5%4,3625,436
平成25年度22.9%4,3745,439
平成24年度23.1%4,7985,877
平成23年度26.6%5,7327,034

受験者が試験対策にしっかりと取り組んでいることや、試験対策講座が充実してきた影響を受け、全体的な合格率は少しずつ向上しています。

計画的な勉強と過去問演習を重視し、自分に合った教材を活用して効率的に学習を進めていきましょう。

日本語教師としてのキャリアを目指す方は、試験対策を怠らず、しっかりとした準備を進めてください。

日本語教育能力検定試験の難易度

日本語教育能力検定試験の難易度は、合格率から見ても高いことがわかります。

最新のデータによると、合格率はおよそ25%から31%の間で推移しており、全受験者のうち約4人に1人しか合格できない試験です。

このことからも、日本語教育能力検定試験は簡単には合格できない試験であると言えます。

難易度が高い理由1 試験範囲が広い

日本語教育能力検定試験が難しい理由の一つに、試験範囲の広さがあります。

試験の出題範囲は「社会・文化・地域」「言語と社会」「言語と心理」「言語と教育」「言語」の5つの主要な分野に分かれており、それぞれに多くの細分化された項目があります。

例えば、社会言語学、異文化コミュニケーション、言語習得理論、教育評価法、日本語文法など、多岐にわたる分野の知識が問われます。

このため、受験者は広範囲にわたる知識を網羅的に学習する必要があります。

難易度が高い理由2 音声媒体による出題(聴解)の専門性が高い

日本語教育能力検定試験が難しいとされる大きな要因に、音声を用いた出題(試験2)の存在があります。

単に日本語を聞き取る一般的なリスニング試験とは異なり、音声学的な知識(アクセント、調音点、あるいは学習者特有の音声の誤りなど)を瞬時に分析して解答しなければなりません

普段の生活や通常の語学学習では馴染みの薄い専門分野であるため、感覚だけに頼らず、理論に基づいた徹底的な対策が必要不可欠です。

他の要因

これらの理由に加えて、日本語教育能力検定試験は出題内容が専門的であることも難易度を高めています。

例えば、音声学の分野では音声データを聞いて解答する問題があり、普段の学習ではなかなか体験できない形式の問題です。

また、教育理論や教授法の知識も問われるため、実践的な知識と理論的な知識の両方が必要とされます。

さらに、日本語教師養成講座を修了している受験者と比べて、独学で試験に臨む場合はさらに難易度が上がる可能性があります。

養成講座では体系的な教育とサポートが提供されるため、独学でこれに匹敵する学習を行うには相当な努力と計画が求められます。

日本語教育能力検定試験の合格点・合格ライン

日本語教育能力検定試験の合格点や試験ごとの足切り点などは、公式には一切公開されていません。

そのため、受験者は具体的な合格基準を知ることはできず、試験対策を行う際にはある程度の推測が必要となります。

従来のペーパー試験(240点満点)では一般的に165点前後が合格ラインの目安とされてきましたが、令和8年度からの新しいCBT試験(180点満点)も含め、共通して「概ね7割以上の得点率」を確保することが合格圏内に入るための重要な指標と考えられています。

このように考えられる理由は、過去の試験結果や受験者の体験談から導かれるものです。

以下は、令和7年度まで実施されていた従来のペーパー試験における配点と測定内容です。

後述する「令和7年度の平均点データ」はこちらの配点に基づいています。

【令和7年度までの旧試験の配点(240点満点)】

科目配点測定内容
試験Ⅰ100点原則として、出題範囲の区分ごとの設問により、日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定する。
試験Ⅱ40点試験Ⅰで求められる「基礎的な知識」および試験Ⅲで求められる「基礎的な問題解決能力」について、音声を媒体とした出題形式で測定する。
試験Ⅲ100点原則として出題範囲の区分横断的な設問により、熟練した日本語教員の有する現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定する。

一方、令和8年度(2026年度)から導入されるCBT試験では記述式試験が廃止され、以下のように2つの試験区分(180点満点)へと再編されています。

【令和8年度以降のCBT試験の配点(180点満点)】

科目配点測定内容
試験1100点原則として、出題範囲の区分ごとの設問により、日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定する。
試験280点原則として、出題範囲の区分横断的な設問により、熟練した日本語教師の有する現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定する。なお、音声媒体による出題形式においては試験1で求められる基礎的な知識も測定されます。

以下は、令和7年度(旧試験)の試験結果から見たマーク式と記述式の平均点等の一覧です。

マーク式平均点等一覧

試験区分受験者数平均点標準偏差最高点最低点
マーク式総合
(220点)
1,944143.3
(65.2%)
24.9
(11.3%)
20457
試験Ⅰ
(100点)
1,95763.4
(63.4%)
12.3
(12.3%)
937
試験Ⅱ
(40点)
1,95026.8
(66.9%)
5.5
(13.9%)
400
試験Ⅲマーク式
(80点)
1,94553.1
(66.3%)
9.3
(11.6%)
7618

記述式を含む平均点等一覧

試験区分受験者数平均点標準偏差最高点最低点
総合
(240点)
1,190170.0
(70.8%)
16.0
(6.7%)
217138
試験Ⅲ
(100点)
1,19069.2
(69.2%)
8.2
(8.2%)
9248
試験Ⅲ記述式
(20点)
1,19010.7
(53.4%)
4.0
(20.0%)
200

合格ラインの推測

日本語教育能力検定試験の合格ラインは公式には非公開ですが、令和7年度まで実施されていた従来のペーパー試験(240点満点)では、概ね65%〜70%前後の得点率(156点〜168点付近)が合格ラインの目安とされてきました。

根拠として、令和7年度の試験データを見ると、マーク式試験の総得点が上位60%に入った採点対象者の総合平均点が170.0点(得点率70.8%)となっています。
実際の合格率は例年25%〜30%程度で推移していることから、合格ラインはこの平均点よりも少し上の水準、あるいは同等クラスの得点率(約7割)に位置していたと推測されます。

令和8年度以降に導入される新しいCBT試験(180点満点)では記述式が廃止されますが、同様に約7割の得点率が合格基準になると仮定した場合、125点前後(180点満点中)がひとつの合格ラインの目安になると考えられるでしょう。

試験ごとの足切り点が公開されていないため、詳細な情報は不明ですが、全体的に高得点を目指すことで、合格の可能性を高めることが重要です。

日本語教育能力検定試験に合格するための勉強方法

日本語教育能力検定試験に合格するためには、計画的な勉強が欠かせません。独学で試験に挑戦する場合、以下の基本的な勉強法を参考にしてみてください。

勉強時間を確保する

まず、勉強時間を確保することが重要です。日本語教育能力検定試験は広範囲にわたる知識を問うため、十分な時間をかけて準備する必要があります。

一般的には、試験合格には400~500時間程度の勉強時間が必要とされています。この時間を確保するためには、毎日のスケジュールに組み込み、コツコツと積み重ねていくことが大切です。

例えば、平日は通勤時間や昼休み、夜の時間を活用し、休日にはまとまった時間を取るようにしましょう。

試験内容を把握し計画を立てる

次に、試験内容を把握し、計画を立てることが必要です。

令和8年度からのCBT試験では、試験が「試験1(基礎知識の測定)」と「試験2(音声問題を含む、現場対応・問題解決能力の測定)」という2つの試験で構成される形になりました

それぞれの試験で求められる知識やスキルを理解し、自分の強みや弱みを把握しましょう。そのうえで、具体的な学習計画を立てることが重要です。

月単位、週単位、日単位で目標を設定し、進捗を管理していくことで、効率的に勉強を進めることができます。

適切な教材を揃える

勉強を進めるうえで、適切な教材を揃えることも欠かせません。日本語教育能力検定試験に対応した教材としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 「日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 完全攻略ガイド」
  • 「日本語教育能力検定試験 合格するための本」
  • 「考えて、解いて、学ぶ日本語教育の文法」
  • 「日本語教育教科書 日本語教育能力検定試験 分野別用語集」

これらの教材は試験範囲を網羅しており、独学でも効果的に学習を進めることができます。また、教材選びの際には、自分の理解度や進捗に合わせて使い分けることが重要です。

おすすめの教材については以下の記事も参考にしてください。

日本語教育能力検定試験におすすめのテキスト・参考書13選!

過去問を解く

過去問を解くことは、試験対策において非常に重要です。

過去問を解くことで、出題傾向や問題の難易度、時間配分などを把握することができます。また、実際の試験形式に慣れることもできます。

過去問を解く際には、以下の点に注意しましょう。

  • 時間を計って解く:試験本番と同じように時間を計って解くことで、時間配分の感覚を養うことができます。
  • 解答を見直す:解答後に必ず見直しを行い、間違えた箇所を確認し、理解を深めるようにしましょう。
  • 繰り返し解く:一度解いただけではなく、複数回繰り返し解くことで、知識を定着させることができます。

日本語教育能力検定の試験内容

試験日時通年実施
試験範囲試験1、試験2
試験時間試験1: 90分
試験2: 約100分
受験料13,000円

日本語教育能力検定試験は、日本語教員となるために必要な基礎的な知識と能力を測定する試験です。

この試験は公益財団法人日本国際教育支援協会が主催し、文化庁や日本語教育学会などの後援を受けて実施されています。

試験の特長として、受験資格に特に制限がないことが挙げられます。

つまり、日本語教師を目指す人であれば誰でも受験が可能です。

CBT方式への移行に伴い、試験は従来の年1回(10月)から「通年実施」へと変更され、都合の良い日時を選択して受験できるようになりました

なお、令和8年度(2026年度)のCBT試験は2026年12月1日(火)から開始され、その申込受付は10月5日(月)から開始されることが公式に発表されています。

受験料は13,000円(税込)です。

試験は以下の二部構成で実施され、解答方式はすべて多肢選択方式(記述式はなし)となっています。

  • 試験1: 90分、100点満点

原則として、出題範囲の区分ごとの設問により、日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定します。

  • 試験2: 約100分、80点満点

原則として出題範囲の区分横断的な設問により、熟練した日本語教師の有する現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定します。なお、音声媒体による出題形式においては、試験1で求められる基礎的な知識も測定されます。

試験範囲は非常に広く、「社会・文化・地域」「言語と社会」「言語と心理」「言語と教育」「言語」の5つの区分に分かれています。

各区分はさらに細分化されており、日本語教育に関する幅広い知識が必要です。

出願方法はオンライン出願となり、受付期間はそれぞれの試験日の60日前から受付開始となります。

CBT試験への移行に伴い従来の受験票一斉送付のプロセスはなくなり、合否の結果は受験後1か月以内(予定)に受験者全員へ発送されます。

この試験に合格することで、日本語教育の現場で必要な知識と能力を備えていることが証明され、日本語教師としてのキャリアをスタートする大きな一歩となるでしょう。

独学での合格も可能ですが、しっかりとした計画と準備が必要です。試験対策としては、過去問を繰り返し解くことや、適切な教材を活用するのがおすすめです。

まとめ

今回は、日本語教育能力検定試験の合格率や難易度について解説しました。

  • 合格率は例年25%~30%程度で推移
  • 合格率から見た難易度は高いといえる
  • 合格には7割程度の得点が必要と思われる

日本語教育能力検定試験は難易度の高い試験ですが、しっかりと対策して臨めば合格できない試験ではありません。最短で合格したい方は、通信講座の活用なども検討してみてください。

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