日本語教師の試験である日本語教育能力検定試験は、受験日や会場が非常に限られていて試験の範囲も広いため、受験するかどうか悩んでしまう人が多い試験です。

調べようとすると最初はなんだか大変な試験のように見えてくるかもしれません。

でも、一歩ずつ歩みを進めていけば大丈夫です。コツコツと日本語教師に必要な知識や能力を身につけたその先にある試験です。

このコラムでは、まず最初に知っておきたい日本語教育能力検定試験の基本的な内容や日程・受験資格がわかります。

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日本語教育能力検定試験の日程

項目日程等
オンライン出願期間※原則オンライン出願(令和6年)7月1日(月)~ 7月31日(水)
試験日程※試験時間は、9:00~16:40(令和6年)10月27日(日)
受験料17,000円
試験地区北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、九州
合否結果通知の発送(令和6年)12月20日(金)(予定)

令和5年度以降の出願はオンライン出願となっています。

出願期間は例年7月です。

令和6年度に関しては7月1日(月)から7月31日(水)まででした。

出願方法は下記のとおりです。

まず、日本国際教育支援協会のWebサイト内のオンライン出願サイトにて、出願登録用のアカウントを作成します。

それから下記の手続きをします。

  • 出願者情報の入力
  • 顔写真データのアップロード
  • アンケートの回答

支払い方法を選択し、受験料の支払完了をもって出願手続き完了です。

なお、身体に障害がありインターネットの利用が困難な場合などは、直接協会に連絡をしてください。

受験票は試験のおおよそ1ヶ月前に郵送されます。

試験は毎年10月の日曜日に実施されます。

令和6年度の試験日は令和6年10月27日(日)です。

試験時間は、令和5年度に関しては9:00〜16:40で、内訳は下記のとおりです。

  • 開場 9:00
  • 試験Ⅰ 9:50開始 解答時間10:10~11:40(90分)
  • 昼休み 11:40
  • 試験Ⅱ 12:50開始 解答時間13:15~13:45(30分)
  • 試験Ⅲ 14:25開始 解答時間14:40~16:40(120分)

※令和6年(2024年)の時間割はまだ公開されておりません。公開され次第、最新の情報に更新されます。

受験料は17,000円で、コンビニエンスストア、クレジットカード、ペイジーでの支払いとなっています。

試験地区は、北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、九州の7地区で、関東に関しては例年東京都内の数カ所で実施されています。

合否結果については12月の下旬に合否結果通知書が郵送されます。

合格者には合格証書が併せて交付され、不合格者には合否結果通知書に各科目の得点と総合点、ならびに総合点が受験者全体の中でどの位置にあるかが記載されるという違いがあります。

なお、記述式問題(試験Ⅲ)の採点は、マークシート式問題の得点が上位60%の受験者を対象に行われます。

日本語教育能力検定試験とは?合格すると何に有利なの?

日本語教育能力検定試験は何のための試験なのでしょうか。

実施団体である日本国際教育支援協会による説明は以下のとおりです。

日本語教員となるために学習している者,日本語教員として教育に携わっている者を対象として,日本語教育の実践につながる体系的な知識が基礎的な水準に達しているかどうか,状況に応じてそれらの知識を関連づけ多様な現場に対応する能力が基礎的な水準に達しているかどうかを検定することを目的とする。

引用元:日本国際教育支援協会

受験者は、これから日本語教師になろうとしている人も既に日本語教育に携わっている人もいます。

試験では日本語教育の基礎的な知識があるかどうか、そしてその知識を用いて多様な現場に対応ができるかを問われます。

日本語教師未経験者は日本語教育について現役で学んでいて知識がしっかり定着している傾向があり、一方日本語教育経験者は現場での対応を実践している人が多く、どちらにもそれぞれメリットがあります。

合格すれば、日本語教育の仕事に就く際に有利になります。

現在日本語教師になるのに必須の試験ではありませんが、求人では試験に合格していることが望ましいと明記されている場合も多いです。

日本語教育能力検定試験の内容は3つのカテゴリーからなる

上の「日本語教育能力検定試験の日程」でも触れましたが、この試験は「試験Ⅰ」「試験Ⅱ」「試験Ⅲ」という3つで構成されています。

これらは出題範囲が異なるわけではなく、必要な知識はこれら3つにまたがっています。

ただしそれぞれの試験で求められていることが違っているので、学習を始める前に、必要な知識である試験の範囲と内容ならびに出題形式を確認しておきましょう。

日本語教育能力検定試験の試験範囲

区分項目
社会・文化・地域1.世界と日本
2.異文化接触
3.日本語教育の歴史と現状
言語と社会4.言語と社会の関係
5.言語使用と社会
6.異文化コミュニケーションと社会
言語と心理7.言語理解の過程
8.言語習得・発達
9.異文化理解と心理
言語と教育10.言語教育法・実習
11.異文化間教育とコミュニケーション教育
12.言語教育と情報
言語13.言語の構造一般
14.日本語の構造
15.言語研究
16.コミュニケーション能力

令和4年度から「必須の教育内容」(文化庁)に基づいて出題されています。

「必須の教育内容」とは、文化庁が日本語教育人材の在り方について(報告)改訂版(平成31年)において、日本語教師の養成における教育内容として示したものです。

ただし、それまでの日本語教員養成における教育内容の枠組みが踏襲されているので、出題内容が全面的に変わったということはありません。

試験Ⅰの内容と求められること

科目解答時間配点
試験Ⅰ90分100点

日本国際教育支援協会によると、「原則として出題範囲の区分ごとの設問により、日本語教育の実践につながる基礎的な知識を測定する。」とあります。

マークシート方式で基礎的な知識を問われる出題がされていて、準備をすれば確実に点が取れる部分なので、しっかり学習しておきましょう。

試験Ⅱの内容と求められること

科目解答時間配点
試験Ⅱ30分40点

日本国際教育支援協会によると、「試験Ⅰで求められる『基礎的な知識』および試験Ⅲで求められる 『基礎的な問題解決能力』について、音声を媒体とした出題形式で測定する。」とあります。

いわゆる「聴解」の試験です。出題の形式を知っておかないと解答に戸惑ってしまうため、過去問題などで慣れておく必要があります。

マークシート方式ですが、選択肢に専門用語が出てくるので、頻出の用語は学習して意味を理解しておくことが重要です。

試験Ⅲの内容と求められること

科目解答時間配点
試験Ⅲ120分100点

日本国際教育支援協会によると、「原則として出題範囲の区分横断的な設問により、熟練した日本語教員の有する現場対応能力につながる基礎的な問題解決能力を測定する。」とあります。

試験Ⅲの前半はマークシート方式ですが、試験Ⅰと違い、書籍で学んだ用語などの理解だけでは解答が難しいでしょう。日本語教育の現場で起こり得ることとその解決までをイメージできるかが重要です。

最後の部分は記述式問題で、400字程度の論述を求められます。

設問の内容は毎年多岐に渡っていて傾向は掴みにくいですが、過去問題集などでできるだけ慣れておきましょう。

日本語能力検定試験の受験資格は?

受験資格は特になく誰でも受験できます。よって受験者は年齢も日本語教育の経験の有無なども様々です。

また、数は少ないですが、過去に合格している人が複数回再受験しているケースもあります。

前回の合格から時間が経っているため実力を再確認したいという人、また、試験対策の問題集やYouTube動画などを作成するためという人が再受験しています。

まとめ

近年、日本語教育能力検定試験の合格率は25〜29%台だったのですが、令和4年度、令和5年度の試験はともに合格率が30%台になりました。

何点以上という合格点が示される試験ではないのですが、計240点のうち168点以上、70%の得点率で合格しているという意見が多いです。

超難関試験ということはなく、学習して準備をすれば合格できる試験であると言えます。

実は現在、日本語教師を国家資格化する法案が成立していて、日本語教育能力検定試験が今後どのような扱いになるかまだ不明、という状況でもあります。
ただしこの法案では現場で教える教師に経過措置も設けられています。ぜひ今から準備して試験に合格し、すぐに実践できる教師を目指しましょう。

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