ネイリスト技能検定試験1級・技術試験の課題として出題される3Dネイル(3Dアート)。

ネイリストのなかには、「3Dの作り方がイマイチよくわからない」「うまく作れない」「初心者にはハードルが高そう」というようにネガティブなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。

本コラムでは、3Dネイルの作り方や必要な道具・材料、手順について詳しく解説します。ぜひ、練習の参考にしてみてください。

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3Dネイルとは?

3Dネイル(3Dアート)とは、アクリルのミクスチュアで作る立体アートのことを指します。

ネイルアートというと、爪にジェルや絵具でアートを描いたり、ストーンやスタッズなどで装飾したりするのが一般的です。

3Dネイルは、平面のアートよりも華やかさを演出できることからイベントやショーのデザインとして好まれる傾向にあります。

ネイリスト技能検定試験1級で出題される課題は、3Dネイルにほかの技法を組み合わせた「ミックスメディアアート」です。組み合わせは、以下のように自分で選択できます。

【組み合わせの例】
・3Dアート+フラットアート
・3Dアート+エンボスアート
・3Dアート+フラット+エンボス

3Dネイルのテーマは、試験によって異なります。

過去には、「キノコ」「夏祭り」「イヌ」「四つ葉のクローバー」など食べ物や動物に関するテーマが出題されました。

3Dネイルに必要なもの

3Dネイル(3Dアート)を作るには、通常のジェルネイルやポリッシュネイルとは違い専用の道具が必要です。3Dネイルの練習を始める前に、必要な道具が揃っているか確認しましょう。

アクリルリキッド(モノマー)

アクリルリキッド(モノマー)は、アクリルパウダーを溶かして3Dにするための液体です。

アクリルリキッドは、揮発性が高く酸化しやすいため必要な分だけダッペンディッシュに入れ、本体はしっかり密閉し保存しておきましょう。

アクリルパウダー

アクリルパウダーは、樹脂を細かく粉状にしたもの。アクリルリキッドを混ぜると、ミクスチャーとして形が作成しやすくなります。

クリアやホワイトのパウダーから3Dネイル専用の色付きのものまであり、パウダーを固めれば上からアクリル絵具で色付けすること可能です。

アクリルパウダーは、ミックスメディアアートのテーマに合わせて色を選ぶと良いかもしれません。

筆(3D用)

ミクスチャーの形を整えたら、筆を使って爪の表面にのせます。

アクリルリキッドは、ナイロン製の筆だと溶けてしまうことがあるため、3Dネイルを作るときはジェルネイルやフラットアートとは別に専用の筆を用意しておきましょう。

3Dネイルの筆は、コリンスキーやセーブルなどの動物の毛を使用した筆を選んでください。スカルプチュアに使うときは太めの筆、細かいアートを作るときは中〜細めがおすすめです。

ダッペンディッシュ

ダッペンディッシュは、リキッドを入れるためのガラスや陶器のこと。

ダッペンディッシュは、ネイリスト技能検定試験1級のスカルプチュアでも使用するため、大きめ且つ安定感のあるサイズを使いましょう。

シリコンマット

シリコンマットは、3Dネイルの練習を行う際にテーブルのうえに敷いて使用します。

3Dネイルで使用するアクリルリキッドは、こぼれてテーブルにつくと表面のコーティングを溶かす危険性があります。新聞やペーパータオルなども溶けてしまうため、シリコンマットがあると安心です。

3Dネイルの作り方

チップにマニキュアを塗る

ネイリスト技能検定1級では、プレスオンチップを使用してカラーポリッシュを2度塗りします。

表面が乾くまでは、3Dネイルをのせることができないため乾かしている間に3Dネイル作成の準備を行いましょう。

筆にアクリルリキッドをつける

ダッペンディッシュにアクリルリキッドを入れ、筆にリキッドをつけます。

リキッドをつけ過ぎると、アクリルパウダーが固まらずミクスチャーが扱いにくくなるためダッペンディッシュの淵で液体を落として調整しましょう。

筆をパウダーにつける

アクリルリキッドを含ませた筆の先端をパウダーにつけます。

ミクスチャーを上手く作れるようになることで、アートの仕上がりが格段に美しくなります

アートの形を作成する

ポリッシュを塗布したチップにミクスチャーをのせて形成します。

たとえば、バラを作るときは小さめのミクスチャーを潰して平たくし何枚も重ねて花びらを作るのがポイントです。テーマに合わせて、ミクスチャーの形や大きさを調整しましょう。

また、ミクスチャーは、時間が経つと硬くなり形を変えられなくなります。はじめにアートのバランスをイメージして、手早く進めるのがきれいに仕上げるコツです。

3Dネイルをコーティング

3Dネイルは、ミクスチャーが重なり合って作られているため少しの衝撃で壊れてしまうことがあります。

そのため、完成した3Dネイルは、ジェルやトップコートなどでコーティングして強度を高めましょう。

まとめ

3Dネイルは、ミクスチャーを成形したり組み合わせたりしてアートを作り上げていきます。時間が経つと固まって形成しづらくなるため、事前にどんなアートを作りたいか考え仕上がりをイメージしておくことが大切です。

また、ミクスチャーの粘土によってもアートの作りやすさは大きく変わります。アクリルリキッドとパウダーの量をバランスよく扱えるよう繰り返し練習しましょう。

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