インテリアコーディネーターの資格取得を目指している方にとって、インテリアコーディネーターの給料や年収は気になるところです。

あまりに給料や年収が低いと資格勉強のモチベーションも上がりませんね。
インテリアコーディネーターとして企業に所属するのか、それとも独立するのかでも給料や年収が異なります。

この記事では、インテリアコーディネーター資格試験講座講師でもある筆者が、インテリアコーディネーターの給料や年収についてご紹介します。

インテリアコーディネーターの年収とは?

インテリアコーディネーターの年収は、所感としては、360〜480万円です。

ただし、インテリアコーディネーターの年収について公的なデータはありません。

インテリア小売業では接客販売とインテリアコーディネーターを兼任したり、建築事務所では建築士がインテリアコーディネーターの資格を保有したりと、インテリアコーディネーターのみで活躍されることが少ない、というのも理由の一つといえるでしょう。

インテリアコーディネーターのデータ上の年収

インテリアコーディネーター全体の年収について公的なデータはありませんが、関連データがあるのでご紹介します。

統計データ上の年収は480.6万円

厚生労働省令和5年賃金構造基本統計調査のデータ上のインテリアコーディネーターの年収は480.6万円でした。

参照:職業情報提供サイト

しかし、このデータは「インテリアコーディネーター」としてのデータではなく、インテリアコーディネーターが属する職業分類である「デザイナー」の統計情報としての年収になります。

インテリアデザイナーは何も無いところに一からデザインし、建築に付随します

店舗や宿泊施設などの商業空間や、寝台列車やコンサートホールなど公共施設などの内装デザインなど幅広く多岐に渡ります。

デザインした飲食店のカトラリー(食器)やサイン(看板)のトータルデザインを行う事もあります。

インテリアコーディネーターはオリジナルの造作家具のデザインを行うこともありますが、家具・ラグ・カーテン・壁紙などを組み合わせて空間をコーディネートし、主に住宅(マンション・戸建て)を手掛けています。

実はデザイナーもコーディネーターも明確な線引きはなく、両方行っている方も居ます

ただインテリアデザイナーの扱う物件は総工費や規模が大きくなる傾向があるため、1案件あたりのデザイン費用も高くなります。

正社員の求人データ上の平均年収は420万円

求人データ上の正社員の平均年収は420万円、アルバイト・パートの平均時給は1,098円、派遣社員の平均時給は1,620円でした。

参照:求人ボックス

このデータにはフリーランスや業務委託などは含まれていません。

ハウスメーカーや工務店、インテリアショールーム、インテリア販売店(家具やカーテンなど)に所属している場合のデータになります。

この場合、インテリアコーディネートを主業務としていても、お客様対応やアフターフォロー、営業業務、DM作成、など幅広く仕事をこなします。

正社員以外のインテリアコーディネーターの年収は?

フリーランスや業務委託の場合、1案件に対して報酬が発生します。

1案件あたりの費用は各企業からの請負内容によっても異なりますが、住宅メーカーの場合、クライアントとの同席打合せ3回前後+インテリアカラースキーム+仕様書提出など含めて8万円〜12万が基本コーディネート料となり、家具やカーテン、照明の販売金額に応じて3〜5%がインテリアコーディネーターの報酬となることが私の経験上では多くありました。

依頼元は住宅メーカーやデベロッパー、不動産、リフォーム会社など企業からの依頼になります。

自分で仕事の量を調節できるメリットがありますが、依頼される案件が一定数では無いので、不安定な収入となってしまう事があります。
ひと月に新規1案件の時もあれば、新規5案件ということもあります。

頑張れば頑張った分だけ収入となりますが、自分の体は1つですので、請け負える仕事量には限りがあります。

フリーランスは実力主義の世界です。一度依頼が来て終わってしまう事もあれば、継続的に依頼が来る事もあります。

フリーランスや業務委託に限らず、依頼が絶えないインテリアコーディネーターであれば年収800〜1,000万ほどになるでしょう。

インテリアコーディネーターとして給料・年収を上げるには?

ここでは、インテリアコーディネーターとして給料・年収を上げる方法を3つお伝えします。

独立する

私自身も企業ICから独立し、今はインテリアデザイン事務所を経営しています。

私はとても運が良く、独立間もない頃よりお客様に大変恵まれました。

日本の不動産投資や円安などもあり、ご依頼いただくお客様は海外の方が比較的多いですが、YouTuberの方、クリエイターの方、作曲家さんなど幅広くご依頼いただいています。

独立するとそれまでの企業ICや業務委託と異なり、新たな出会いが生まれます

他にも歴史あるお寺の建替えや、企業の保養所の案件など、1案件ごとに凝ったインテリアコーディネートやデザインとなるケースも増えました。

また独立することで、インテリア講師、各企業とのコラボレーション企画、インテリア商品企画・インテリアコンサルティング(VMD)など、幅広く仕事を請け負う事が可能になり、より収入を上げることができます

場所や働き方を選ぶ

地方に立派なマンションや戸建ての大型分譲地が開発されたとしても、モデルルームなどの内装インテリアの決定権は東京都内のデベロッパー、建設会社であることが殆どです。
そのため全国の案件が集中する東京では、インテリアコーディネーター賃金も高く設定されています

ただ、郊外では戸建て住宅の需要が高いので、地場の工務店やハウスメーカーと複数社契約しているフリーランスの方も居ます。

賃金だけで見ると東京は魅力的ですが、自分の得意分野や提案したいインテリアコーディネートによっては郊外でも充分、収入を上げる事が可能です。

他の資格と兼業する

インテリアコーディネーター資格のみではなく、他の資格と兼業するのもおすすめです。

建築士、ファイナンシャルプランナー、カラーコーディネーター、窓装飾プランナー、福祉住環境コーディネーター、照明プランナー、インテリアデザイン技能検定、整理収納アドバイザーなど、他の資格と兼業することで、インテリアの得意分野を訴求できます。

資格を持っているということは、その分野の知識を一定以上有しているという証明です。より高みを目指し仕事をこなすことで、結果がついてくるでしょう。

まとめ

今回の記事では、インテリアコーディネーターの給料や年収についてお伝えしてきました。

私もインテリアを学んでいた頃、インテリアコーディネーターの年収や給料について調べましたが、明確な回答を得ることができませんでした。

それはインテリアコーディネーターが実力主義の世界だからかも知れません。

資格取得は、あなたの実力を証明してくれます。迷っている方は、ぜひインテリアコーディネーター資格試験に挑戦してみてはいかがでしょうか。

関連コラム:インテリアコーディネーターの仕事内容とは?具体的な業務内容・やりがいを解説

この記事の著者

虎岩 さおり 講師

インテリア小売業にて家具・カーテンの販売接客、VMD演出、法人デベロッパーへのモデルルームコーディネート提案、インテリア社内講師に従事。
その後ハウスメーカーで新築戸建・分譲住宅のインテリア提案、展示場の設営などを行う。


独立後は、エンドユーザーへの提案をはじめ、御殿場プレミアムアウトレット第四期増床工事内の飲食店舗のインテリアデザイン提案や、海外のクライアントのインテリアコーディネート・デザイン、街づくりの景観に携わるなど活動は多岐にわたる。


現在は虎岩インテリアデザイン事務所にてインテリアコーディネーター、インテリアデザイナーとして活躍している。

インテリアコーディネーター資格試験講座を見る