インテリアコーディネーター資格試験の取得を検討している方は、試験の難易度がどのくらいか、気になるところですね。

この記事では、インテリアコーディネーター資格試験の難易度を、他のインテリア関連資格と比較してランキング形式でご紹介します。

試験に必要な知識や勉強時間など、合格までにどんな準備が必要か、ぜひ情報収集にお役立てください。

インテリアコーディネーター資格 合格率の推移

まずは、インテリアコーディネーター資格試験の過去の合格率をみていきましょう。

過去10年間の合格率

実施回(年度)受験者数(人)合格者数(人)合格率(%)
2022年度(令和4年度)8,9432,19324.5
2021年度(令和3年度)9,9352,33423.5
2020年度(令和2年度)8,4682,045 24.1
2019年度(令和1年度)7,5611,89625.1
2018年度(平成30年度)8,9662,13523.8
2017年度(平成29年度)8,5691,93122.5
2016年度(平成28年度)8,5892,05523.9
2015年度(平成27年度)9,1542,06322.5
2014年度(平成26年度)9,3612,29724.5
2013年度(平成25年度)9,6052,36224.6

参照:公益社団法人インテリア産業協会公益社団法人インテリア産業協会

インテリアコーディネーター資格試験の合格率は、概ね22〜25%で推移しています。

これは、資格試験の難易度としては、「やや高い」といえます。

インテリアコーディネーター資格試験には、一次試験(筆記)と二次試験(プレゼンテーション・論文)があり、一次試験の合格者が、二次試験の受験資格を得ることができます。

二次試験の合格をもって、インテリアコーディネーター資格取得となります。

一次試験・二次試験の合格率

直近のインテリアコーディネーター資格試験における、一次試験と二次試験の合格率は、次の通りです。

2022年度(令和4年度)受験者(人)合格者(人)合格率(%)
一次試験8,6692,96934.2
二次試験3,7952,19357.8

参照:公益社団法人インテリア産業協会公益社団法人インテリア産業協会

一次試験の合格率34.2%に対して、二次試験の合格率は57.8%と、かなり高くなっています。

これは二次試験が簡単ということではありません

二次試験は過去3年以内に一次試験に合格していれば受験することが可能です。3回挑戦して合格を手にすることも多く、ストレートで合格するには、かなりの努力が必要です。

ですが、まず一次試験を突破しなくてはいけません。いかにして一次試験に合格するかがポイントとなるでしょう。

インテリアコーディネーター合格者数の男女別割合

インテリアコーディネーター資格試験合格者の割合は、女性が80%をしめています。

※インテリア産業協会公式サイトより数値を参照

合格者の男女別年齢層は、20〜50代と幅広く、インテリアコーディネーターがどの年代でも人気の資格であることがうかがえます。

【合格者数の年齢割合(左:男性 右:女性)】

※インテリア産業協会公式サイトより数値を参照

合格率で見るインテリアコーディネーター資格の難易度ランキング

インテリアコーディネーター資格試験以外の、インテリアや建築業界の資格試験について、合格率を比べると以下のようになります。

順位資格合格率
二級建築士22~24%
インテリアコーディネーター22~25%
インテリアプランナー23~27%
インテリアデザイナー非公開(30%程度)
キッチンスペシャリスト30~37%
マンションリフォームマネージャー35%程度
色彩検定(1級)30~50%
カラーコーディネーター(アドバンスクラス)62~65%
照明コンサルタント非公開(80~90%)

参照:試験運営団体の公式サイト

二級建築士の合格率は22〜24%で、一見すると他の資格とあまり変わらないようにみえます。

しかし、二級試験は国家資格で、尚且つ受験資格も必要となります。よって、今回の資格の中では、最も難易度が「高い」試験です。

インテリアコーディネーター資格試験の合格率は22〜25%です。難易度は「やや高い」といえます。

合格を手にするのは、そう簡単ではありません。

とはいえ、インテリアコーディネーター資格試験は知名度も高く、インテリア業界で活躍するためには、取得しておきたい資格の有力候補です。

ここで、合格者の勤務先人数のデータをみると、住宅業界の方はもちろんのこと、学生や主婦の方が多くを占めています。

【合格者の勤務先人数(取扱い品目別)】

※インテリア産業協会公式サイトより数値を参照

このデータから、インテリアコーディネーター資格試験は、計画的に勉強を進めていくことで、未経験者でも十分合格を勝ち取ることができることが分かります。

「インテリアコーディネーターになりたい」と思う気持ちがあり、しっかりと対策を行えば誰でも取得できる資格なのです。

インテリアコーディネーター資格以外の各試験概要

インテリアコーディネーター資格試験以外の、各試験の概要をご紹介します。

それぞれの資格によって、求められるスキルや人物像があります。

ご自身が携わる仕事に合わせて、必要な資格を見つけるヒントとしてみてください。

二級建築士 

どんな資格?建築基準法によって定められている、国家資格。
建物の設計や工事監理、建築主への重要事項説明、契約に関わる事務などに携わる。
管轄都道府県知事(国家資格)
受験資格あり
試験方法学科の試験/設計製図の試験

インテリアプランナー

どんな資格?住宅や商業施設など、建物のインテリア設計に関するプロフェッショナル。
建築士資格保有者は、学科試験免除。
管轄建築技術教育普及センター
受験資格なし
試験方法学科/設計製図

インテリアデザイナー

どんな資格?家具や照明など、インテリア商材の知識、
販売や技術に関して基礎知識を表現力を有するもの。
管轄日本デザインプランナー協会 
受験資格なし
試験方法在宅からインターネットで在宅受験

キッチンスペシャリスト

どんな資格?キッチン空間・機能・設計・施工の知識を活かし、
快適で使いやすいキッチン空間を提案するスペシャリスト。
管轄公益社団法人インテリア産業協会
受験資格なし
試験方法学科試験/実技試験

マンションリフォームマネージャー

どんな資格?マンションのリフォームについて、設計、工事、施工管理などをする専門資格者。
管轄(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センター
受験資格なし
試験方法学科試験/設計製図試験

色彩検定(1級)

どんな資格?色のプロフェッショナルとして、色彩設計に携わり、色彩を提案する力を有するもの。
管轄公益社団法人色彩検定協会
受験資格なし
試験方法一次試験(マークシート)/2次試験(記述)

カラーコーディネーター

どんな資格?色の性質、特徴を学び、住宅やオフィス、店舗など仕事に役立つ色彩の知識を有するもの。
管轄東京商工会議所
受験資格なし
試験方法IBT・CBTによる多肢選択式

照明コンサルタント

どんな資格?住宅や店舗、オフィスの照明計画、照明コンサルティングに必要な照明技術を有するもの。
管轄一般社団法人照明学会
受験資格なし
試験方法課題演習提出

インテリアコーディネーターの合格ラインは非公開…他の資格は?

インテリアコーディネーター資格試験の合格ラインは公開されていません。

その他の資格については、どうなっているのでしょうか。

インテリアコーディネーター資格試験と同じく、インテリア産業協会が主催するキッチンスペシャリスト以外は、下記のように合格ラインが示されています。

【各試験の合格基準】
二級建築士学科4科目とも13点。合計60点以上。
インテリアプランナー学科50点満点、概ね30点以上。
インテリアデザイナー正答率70%以上
キッチンスペシャリスト非公開
マンションリフォームマネージャー学科5分野とも25点。合計150点以上。
色彩検定(1級)正答率70%
カラーコーディネーター(アドバンスクラス)70点以上。
照明コンサルタント60点以上。

どの資格試験も、概ね70%を合格ラインとしていることが分かります。

インテリアコーディネーターやキッチンスペシャリストの合格ラインは公表されていませんが、他の資格の合格基準を踏まえて、正答率70〜75%を目標としていくのが妥当です。

勉強時間から見るインテリアコーディネーター資格試験の難易度ランキング

次に、各試験において、合格までに必要な勉強時間の一般的な目安をランキング形式で比較していきます。

順位資格勉強時間(目安)
二級建築士700時間
インテリアコーディネーター300時間
インテリアプランナー200~300時間
マンションリフォームマネージャー200~300時間
キッチンスペシャリスト200時間
インテリアデザイナー50~100時間
色彩検定(1級)50時間
カラーコーディネーター(アドバンスクラス)50時間
照明コンサルタント20時間

資格試験の勉強時間は、これまで建築やインテリアの勉強をしたことがあるか、また、業界経験があるかなどの条件によって大きく変わってきます。

一概には言えない部分もありますが、勉強時間からみた、各試験の難易度を解説していきます。

勉強時間からみた各試験の難易度

二級建築士は、勉強時間の目安は700時間で、難易度は「高い」といえます。

受験資格として、大学や専門学校で指定科目の履修が必要です。受験資格を得たうえで、試験の対策を立て、勉強を進めていくことになります。

インテリアコーディネーター資格試験合格に必要とされる勉強時間の目安は約300時間で、その他の関連資格の中では、比較的長期の勉強期間が必要となります。

このことから、難易度は「やや高い」といえます。

300時間は、一日1〜3時間の勉強で、半年から1年程度の期間を有するイメージです。

合格を確実なものにするためには、しっかりとした学習計画をたて、着実にこなしていくことがポイントです。

インテリアコーディネーター資格の試験範囲は、インテリアだけでなく、建築や法律に関することなど、非常に幅広い範囲から問題が出題されます。
未経験の方は、聞きなれない専門用語に苦戦してしまうかもしれません。

また、二次試験では、実際に図面を描くことになるので、製図のスキルも必要です。
製図のスキルは、一朝一夕では身に付けることが難しいものです。試験から逆算して、無理のない学習スケジュールをたてていきましょう。

インテリアプランナー、マンションリフォームマネージャーは、すでに業界経験のある方が目指される傾向があります。
勉強時間は200〜300時間となっていますが、難易度は「普通」、未経験の方には「やや高い」といえます。

キッチンスペシャリストは、勉強時間の目安は200時間で、難易度は「普通」といえます。
キッチンスペシャリストは、インテリアコーディネーターと並んで取得することが多い資格のひとつです。
合格すれば、キッチンの機能やレイアウト、販売まで幅広い知識を有していることを証明できます。

インテリアデザイナーの勉強時間は、50〜100時間で、難易度は「やや易しい」といえます。
インテリアコーディネーターほど、出題範囲は広くなく、家具や照明などの商品の知識を中心とした内容となっています。

色彩検定、カラーコーディネーター、照明コンサルタントは、いずれも50時間程度の勉強時間が必要で、難易度は「易しい」といえます。

しかし色彩検定の一級は二次試験で実技があるため、易しいといわれていても対策が必要な試験です。

照明コンサルタントに関しては、演習課題の提出で合格が可能となっています。

まとめ

今回の記事では、インテリアコーディネーター資格試験の難易度についてお伝えしてきました。

インテリアコーディネーター資格試験の難易度は、他の業界関連資格と比較して「やや高い」といえます。

インテリアコーディネーター資格試験は広い知識が求められるため、今回紹介した資格や検定と学習内容が重複します。他の試験も視野に入れて学習を進めても良いかもしれません。

インテリアコーディネーター資格試験は計画的に勉強を進めていけば、必ず合格を勝ち取ることができる試験です。

独学ではちょぴり心配な方は、より効率よく短期間で勉強を進めるために、通信講座などを上手く活用するのもおすすめです。

資格取得は、あなたの実力を証明してくれます。インテリアコーディネーターとして、ワンランクアップするチャンスです。

迷っている方は、ぜひインテリアコーディネーター資格試験に挑戦してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

虎岩 さおり 講師

インテリア小売業にて家具・カーテンの販売接客、VMD演出、法人デベロッパーへのモデルルームコーディネート提案、インテリア社内講師に従事。
その後ハウスメーカーで新築戸建・分譲住宅のインテリア提案、展示場の設営などを行う。


独立後は、エンドユーザーへの提案をはじめ、御殿場プレミアムアウトレット第四期増床工事内の飲食店舗のインテリアデザイン提案や、海外のクライアントのインテリアコーディネート・デザイン、街づくりの景観に携わるなど活動は多岐にわたる。


現在は虎岩インテリアデザイン事務所にてインテリアコーディネーター、インテリアデザイナーとして活躍している。

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