インテリアコーディネーターは、居住空間を快適にしていくスペシャリスト。そのため、さまざまな知識やスキルが必要とされます。

インテリアの知識をトータルに養うために、インテリアコーディネーター資格試験の受験を検討されている方は多いのではないでしょうか。

この記事では、インテリアコーディネーター資格試験の概要や、試験内容、合格のポイントまでをご紹介していきます。試験に関する予備知識をつけて、今後の受験計画の参考にしていただければ嬉しいです。

インテリアコーディネーター資格試験とは

インテリアコーディネーター資格試験は、公益社団法人インテリア産業協会が認定する民間資格です。

インテリアコーディネーターは、インテリアに関する幅広い専門知識を有し、お客様のお住まいの夢や理想を叶えるため、的確なアドバイスを行う専門職として認知されています。

とはいえ、インテリアコーディネーターとして仕事をするために、資格取得は必須ではありません。
資格を持っていなくても、インテリアの提案を行うことは可能です。

では、インテリアコーディネーター資格取得のメリットは何でしょうか。

インテリアの提案には、商品の選択や総合的なデザイン、コンサルティングなど、さまざまな知識やスキルが必要です。

これらを体系的に学べて、さらに知識やスキルを身に付けている証明となることが、インテリアコーディネーター資格取得のメリットと言えます。

資格を取得していることで、お客様からの信頼を得ることもでき、インテリアのプロとしての誇りを持って仕事に邁進できるでしょう。

インテリアコーディネーター資格の試験制度

インテリアコーディネーター資格試験の試験制度をご紹介します。

試験制度について

インテリアコーディネーター資格試験は、毎年1回、実施されます。

試験には一次試験と二次試験があります。一次試験の合格者が二次試験へ進むことができます

受験資格

インテリアコーディネーター資格試験の受験資格はありません

年齢、性別、国籍、学歴、職業、経験の有無に限らず、インテリアコーディネーターを目指す方なら、どなたでも受験できます。

試験日程

2022年度のインテリアコーディネーター資格試験日は一次試験は2022年10月9日(日)、二次試験は2022年12月4日(日)です。

毎年1回実施されます。例年、一次試験は10月中旬、二次試験は12月の第一日曜に行われます。

関連コラム:インテリアコーディネーター資格試験の試験日と申込方法は?

試験内容

インテリアコーディネーター資格試験は、一次試験と二次試験からなります。

一次試験(学科)マークシートによる択一式、50問、160分
二次試験プレゼンテーション(図面)+論文、180分

一次試験は学科試験で、マークシートによる択一式で回答します。インテリアの商材や、歴史、建築、関連法規、人間工学寸法、家具知識、ウインドートリートメント(カーテン・窓装飾)など、幅広い範囲から出題されます。

二次試験は、プレゼンテーションと論文による、インテリア計画の提案を行います。

プレゼンテーションでは、建物の条件や依頼主の希望をふまえ、平面図に手描きでプランニング・照明計画を行います。そのプランをもとに立・断面図やパース図、アイソメ図を作成します。

論文はテーマに沿った内容を550〜600文字でまとめます。

受験タイプと受験料

インテリアコーディネーター資格試験には、3つの受験タイプがあります。

試験タイプ受験料
1. 基本タイプ(一次試験+二次試験)14,850円(税込み)
2. 一次試験先取りタイプ(一次試験のみ)11,550円(税込み)
3. 二次試験タイプ(一次試験免除)11,550円(税込み)

1. 基本タイプ(一次試験+二次試験)

基本タイプは、同年に一次試験と二次試験の両方の受験を希望する方が対象です。

ただし、一次試験が不合格の場合は、二次試験の受験はできず、受験料の返金もありません。

2. 一次試験先取りタイプ(一次試験のみ)

一次試験先取りタイプは、一次試験のみを受験する方が対象です。

一次試験に合格しても、同年の二次試験を受験することはできません

3. 二次試験タイプ(一次試験免除)

二次試験タイプは、すでに一次試験に合格している方が対象です。

一次試験に合格した方は、次年度から3年間の一次試験免除期間を得られます。この3年の間に二次試験に挑戦します。

3年以内に二次試験に合格できない場合は、一次試験から再挑戦することになります。

申込み方法

申込み方法は、インターネットの「受験申込ページ」から、もしくは、インテリアコーディネーター資格試験運営事務局への書類郵送の2つの方法があります。

申込みから資格取得までの流れ

インテリアコーディネーター資格試験の申込から資格登録開始までのスケジュールです。

申込み一次試験一次発表二次試験二次発表資格登録
7月下旬~10月中旬11月上旬12月中旬2月中旬4月

例年、一次試験は10月中旬の日曜日、二次試験は12月の第一日曜日に実施されます。

変更となる場合もありますので、情報はインテリア産業協会のホームページで、こまめに確認をしていきましょう。

一次試験の内容

 インテリアコーディネーター資格試験の一次試験は筆記試験です。マークシートによる択一式で回答します。

一次試験の試験範囲

試験範囲は、次の9つの項目からなります。

  1. インテリアコーディネーターの誕生とその背景に関すること
  2. インテリアコーディネーターの仕事に関すること
  3. インテリアの歴史に関すること
  4. インテリアコーディネーションの計画に関すること
  5. インテリアエレメント・関連エレメントに関すること
  6. インテリアの構造・構法と仕上げに関すること
  7. 環境と設備に関すること
  8. インテリアコーディネーションの表現に関すること
  9. インテリア関連の法規、規格、制度に関すること

出典:インテリア産業協会試験概要

合格基準、合格ライン

試験の明確な合格ラインの発表はありません

他の資格試験や合格率から予想すると、70〜75%の正答率を目指していくのが妥当です。

ただ70~75%は合格ギリギリのラインなので、普段の学習から80%以上は取れるようにしておくと良いでしょう。

合格のポイント、難易度

一次試験の合格率は22〜25%で推移しています。

資格試験の難易度としては、「やや高い」と言えます。

一次試験の出題範囲は、前述の通り非常に広く、どの項目からもある程度まんべんなく出題されます。

合格のポイントは、過去問題に徹底して取り組むことです。

過去問題を繰り返し演習していくことで、問題の傾向を掴んでいくことができます。試験は、マークシートによる択一式ですので、正答以外の選択肢も網羅するように学習を進めていきましょう。

二次試験の内容

二次試験は、インテリア提案のプレゼンテーションと論文の試験です。

建物の構造や家族構成など、実際のお客様を想定して、図面やパース、論文で、インテリアの提案をしていきます。

合格基準、合格ライン

一次試験同様に、合格ラインは発表されていません。

合格のポイント、難易度

二次試験の合格率は、56〜59%で推移しています。

一見高そうに見えますが、二次試験の受験者には、一次試験免除者も含まれます。複数回、挑戦している受験者も多くいることを考えると、決して簡単な試験ではありません。

二次試験では、建物や、依頼者の要望など、与えられる条件が詳細に記されています。

この条件を正確に読み取り、条件に沿った提案ができているかということが最も重要です。

また試験時間にプレゼンテーションを必ず完成させなければ、未完成となってしまい減点ではなく一発不合格となります。

二次試験は時間との戦いです。日頃の学習から時間を意識しておくと良いでしょう。

まとめ

今回は、インテリアコーディネーター資格試験について、試験の概要や内容、合格のポイントについてお伝えしました。

インテリアコーディネーター資格取得は、多様化する住まいの形やライフスタイルの変化に適応するため、今後ますますその必要性は高まっていくことでしょう。

インテリアコーディネーターとして、プロの自覚と自信を持って活躍するために、ぜひ、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。

この記事の監修者

虎岩 さおり 講師

インテリア小売業にて家具・カーテンの販売接客、VMD演出、法人デベロッパーへのモデルルームコーディネート提案、インテリア社内講師に従事。
その後ハウスメーカーで新築戸建・分譲住宅のインテリア提案、展示場の設営などを行う。


独立後は、エンドユーザーへの提案をはじめ、御殿場プレミアムアウトレット第四期増床工事内の飲食店舗のインテリアデザイン提案や、海外のクライアントのインテリアコーディネート・デザイン、街づくりの景観に携わるなど活動は多岐にわたる。


現在は虎岩インテリアデザイン事務所にてインテリアコーディネーター、インテリアデザイナーとして活躍している。

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