ファイナンシャル・プランニング技能検定(以下、FP技能検定)の2級と3級は、試験の難易度が異なります。

受検資格や試験科目なども異なるため、これから受検される方はどこが違うのかを把握しておきたいですよね。

本コラムでは、FP技能検定の2級と3級の違いについて解説します。

取得によって得られるメリットの違いや、2級と3級の併願が可能かどうかについても触れているため、ぜひ最後までご覧ください。

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FP2級と3級の試験概要の違いを5つ紹介

FP技能検定の2級と3級には、難易度以外にもさまざまな違いがあります。

ここでは、FP技能検定の2級と3級における試験概要の違いを5つ取り上げ、それぞれについて解説します。

  • 受検資格が違う
  • 受検方式が違う
  • 受検料が違う
  • 出題範囲が違う
  • 出題形式が違う

受検資格が違う

FP技能検定の2級と3級は、受検資格が異なります。

以下に、2級および3級の受検資格を記載します。

3級2級
・FP業務に従事している者または従事しようとしている者・3級ファイナンシャルプランニング技能検定合格者
・AFP認定研修の受講修了者
・2年以上の実務経験者
・金融渉外技能審査3級合格者
参考:3級FP技能検定 試験要綱 | 日本FP協会
参考:2級FP技能検定 試験要綱 | 日本FP協会

2級FP技能検定試験の受検資格は、要件として定められた資格のいずれかを保有していること、またはAFP認定研修の受講を修了していることです。

また、FPとして2年以上の実務経験がある場合も受検資格を得られます。

AFP認定研修の受講を修了されている方は、受検申請書を提出する際に受講者番号の記入が必要です。

また、3級FP技能検定試験に合格されている方は、合格証書または合格証明書類のコピーの提出が求められます。

なお、金融渉外技能審査については2001年に認定が終了しているため、すでに取得されている方のみが対象です。

これから取得することはできないため注意しましょう。

対して、3級FP技能検定試験の受検資格は、「FP業務に従事している者または従事しようとしている者」です。

実務経験や資格に関する要件が定められていないため、実質誰でも受検できるといえるでしょう。

そのため、実務経験がない方は3級からの受検がおすすめです。

受検方式が違う

FP技能検定の2級と3級は、試験の受検方式が違います。

3級FP技能検定の学科試験、および実技試験は2024年4月よりCBT方式に移行します。

そのため、年間を通して好きな時期に受検できます。

対して、2級FP技能検定の試験はあらかじめ日程が決まっています。

なお、試験の日程はFP協会・きんざいのどちらで受検する場合も同じです。

以下に、2024年9月および2025年1月に実施される2級FP技能検定の試験日を記載します。

試験日受検申請期間合格発表日
2024年9月8日(日)2024年7月2日(火)~7月23日(火)2024年10月21日(月)
2025年1月26日(日)2025年11月13日(水)~12月3日(水)2025年3月7日(金)
参考:【2024年】FP技能検定試験の概要~試験日・申込方法・試験形式・試験時間

受検料が違う

FP技能検定の2級と3級は、受検料が異なります。

学科試験と実技試験の両方を受検した場合の受検料は、3級が8,000円であるのに対し、2級は11,700円です。

なお、2級・3級ともに、受検団体による受検料の違いはありません。

以下に、それぞれの受検料の詳細を記載します。

学科実技合計
3級4,000円4,000円8,000円
2級5,700円6,000円11,700円
参考:3級FP技能検定 試験要綱 | 日本FP協会
参考:2級FP技能検定 試験要綱 | 日本FP協会

出題範囲が違う

FP技能検定の2級と3級は、試験の出題範囲が違います。

以下に、各級の試験科目と出題範囲を記載します。

科目名3級2級
ライフプランニングと資金計画・ファイナンシャル・プランニングと倫理・関連法規
・ライフプランニングの考え方と手法
・社会保険
・公的年金
・企業年金・個人年金など
・年金と税金
・ライフプラン策定上の資金計画
・ローンとカード
・最新動向
3級の範囲に加え
・中小法人の資金計画
リスク管理・リスクマネジメント
・保険制度
・生命保険
・損害保険
・第三分野の保険
・リスク管理と保険
・最新動向
3級の範囲と同じ
金融資産運用・マーケット環境
・預貯金・金融類似商品
・投資信託
・債券投資
・株式投資
・外貨建商品
・保険商品
・金融派生商品
・ポートフォリオ運用,
・セーフティーネット
・関連法規
・最新動向
3級の範囲と同じ
タックスプランニング・税制
・所得税のしくみ
・各種所得の内容
・損益計算
・所得控除
・税額控除
・所得税の申告、納付
・個人住民税、個人事業税
・最新動向
3級の範囲に加え
・法人税
・法人住民税
・法人事業税
・消費税
・会社および役員の税務
・法人決算書
・法人税申告
・諸外国の税制度
不動産・不動産見方・取引
・法令上の規制
・不動産取得・保有に関する税金
・不動産譲渡に関する税金
・不動産賃貸
・不動産の有効活用
・不動産の証券化
・最新動向
3級の範囲と同じ
相続・事業承継・贈与にかかわる法律と税金
・相続にかかわる法律と税金
・相続財産の評価
・不動産や保険の相続対策
・相続と保険の活用
・最新動向
3級の範囲に加え
・事業承継対策
・事業と経営
参考:ファイナンシャル・プランニング 技能検定 3級 | 一般社団法人 金融財政事情研究会
参考:ファイナンシャル・プランニング 技能検定 2級 | 一般社団法人 金融財政事情研究会
参考:3級FP技能検定 試験要綱 | 日本FP協会
参考:2級FP技能検定 試験要綱 | 日本FP協会

FP技能検定の学科試験では、6つの科目が出題されます。

3級FP技能検定試験の出題範囲は、個人の資産運用に関する内容が中心

対して、2級FP技能検定の試験では、中小企業の資金計画や、法人のタックスプランニングに関する内容が追加されます。

試験科目は共通ですが、2級は3級よりも出題範囲が広いため、より高度な知識が求められるでしょう。

出題形式が違う

FP技能検定の2級と3級は、出題形式にも違いがあります。

3級FP技能検定の学科試験は、○×式および三答択一式なのに対して、2級では四答択一式のため、選択肢が多い分、問題の難易度が高いと考えられます。

3級2級
学科○×式および三答択一式四答択一式(マークシート形式)
実技FP協会:多肢選択式20問
きんざい:事例形式5題
FP協会:記述式40問
きんざい:事例形式5題
参考:ファイナンシャル・プランニング 技能検定 3級 | 一般社団法人 金融財政事情研究会
参考:ファイナンシャル・プランニング 技能検定 2級 | 一般社団法人 金融財政事情研究会
参考:3級FP技能検定 試験要綱 | 日本FP協会
参考:2級FP技能検定 試験要綱 | 日本FP協会

日本FP協会(以下、FP協会)が実施する試験を受検する場合は、2級と3級の実技試験の問題数が異なるのも、大きな違いです。

FP2級と3級の難易度の違い

FP技能検定の2級と3級は、試験の難易度が異なります。

試験の難易度は合格率から推測できるため、過去の難易度を比較してみましょう。

以下は、2022年9月から2024年1月までに実施された試験の合格率です。

・日本FP協会(FP協会)

3級2級
2024年1月学科83.14%39.00%
実技86.56%61.12%
2023年9月学科74.78%53.54%
実技77.67%52.02%
2023年5月学科88.25%48.82%
実技86.83%58.61%
2023年1月学科85.25%56.12%
実技88.34%59.53%
2022年9月学科80.78%42.16%
実技84.44%56.55%
参考:FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ | 日本FP協会

・一般社団法人 金融財政事情研究会(きんざい)

3級2級
2024年1月学科46.40%13.27%
実技48.61%41.52%
2023年9月学科62.29%22.75%
実技57.87%40.80%
2023年5月学科54.13%17.51%
実技59.80%39.49%
2023年1月学科56.00%29.07%
実技50.95%35.14%
2022年9月学科43.41%15.75%
実技49.46%38.05%
参考:ニュース | 一般社団法人 金融財政事情研究会

FP協会が実施する3級FP技能検定試験の合格率は、学科試験・実技試験ともに約80%〜90%です。

また、一般社団法人 金融財政事情研究会(以下、きんざい)が実施する3級FP技能検定試験の合格率は、学科試験・実技試験ともに約40%〜60%で推移しています。

対して、FP協会が実施する2級FP技能検定試験の合格率は、学科試験・実技試験ともに約40%〜60%です。

また、きんざいが実施する2級FP技能検定試験の合格率は、学科試験が約10%〜30%・実技試験が約30%〜50%という結果でした。

2級FP技能検定試験は、3級に比べて出題範囲が広く、出題形式が異なります。

学科試験・実技試験ともに難易度が上がるため、合格率が低くなっていると考えられるでしょう。

FP2級と3級の合格点は同じ

FP技能検定の2級と3級は試験の難易度が異なるものの、合格点は同じです。

いずれも問題の6割に正解すれば合格となります。

ただし、実施団体によって、問題数や配点が異なるという点に注意しましょう。

以下に、各実施団体における2級・3級の合格点を記載します。

日本FP協会(FP協会)

3級2級
学科36点/60点36点/60点
実技60点/100点60点/100点
参考:FP技能検定 | 日本FP協会

FP協会が実施するFP技能検定における学科試験の合格点は、2級・3級ともに60点満点中36点です。

また、実技試験の合格点は100点満点中60点となっています。

一般社団法人 金融財政事情研究会(きんざい)

3級2級
学科36点/60点36点/60点
実技30点/50点30点/50点
参考:ファイナンシャル・プランニング 技能検定 2級 | 一般社団法人 金融財政事情研究会
参考:ファイナンシャル・プランニング 技能検定 3級 | 一般社団法人 金融財政事情研究会

きんざいが実施するFP技能検定試験を受検した場合、学科試験の合格点は2級・3級ともに60点満点中36点です。

また、実技試験の合格点は、50点満点中30点です。

FP2級と3級の勉強時間の違い

FP技能検定の2級と3級は、試験の合格に必要な勉強時間が違います。

各FP技能検定の勉強時間は以下の通りです。

3級FP技能試験約30~100時間
2級FP技能試験約150~300時間

1日あたり3時間勉強すると仮定した場合、必要な期間の目安は、2級で1.5か月~3か月・3級では1週間〜1か月となります。

約3倍の期間が必要であると考えれば、両者の難易度の差が伺えるでしょう。

ただし、必要な勉強時間は、個人の経験や知識の量によって変わります。

金融や法律に関する知識がある方や投資経験がある方は、スムーズに勉強を進められるでしょう。

また、資格試験の勉強経験が豊富な方は、要領良く学習を進めるためのスキルを身につけていると考えられます。

一方で、勉強の経験が少ない方や、金融・法律などの分野に苦手意識をお持ちの方は、勉強時間を多めに見積もっておく必要があるでしょう。

なお、3級の試験に合格してから2級を受検する場合は、なるべく間隔をあけずに受検することで、学習の効率が上がります。

さらに、自分に合った教材を選べば、学習時間の短縮に繋がるでしょう。

参考:FP試験3級の勉強時間の目安は?合格に必要な期間と勉強時間からみる難易度を解説
参考:ファイナンシャルプランナー2級の勉強時間は?2か月合格できる? | FP試験コラム

FP2級と3級のメリットの違い

FP技能検定2級を取得すれば、3級を取得するよりも多くのメリットを得られます。

一般的に、履歴書の資格欄に記載して評価を得られるのはFP2級以上です。

FP2級の資格があれば、金融や資産運用に関する一定の知識をアピールできるため、保険業界や金融業界への転職・就職において有利に働く場合があります。

さらに、一部の金融機関では、FP2級の取得が昇進の条件として定められているケースも見受けられます。

すでに金融機関や保険業界で働いている方は、FP2級の取得によって、キャリアアップや収入アップを目指せるでしょう。

FP3級を取得すれば、保険やお金に関する知識が身につき、金融リテラシーが向上します。

自身の生活に役立つため、自己啓発を目的として取得する方も多いでしょう。

ただし、3級の場合は高度な知識を有しているとは評価されないため、ビジネスにおいて大きなメリットを得ることは難しいかもしれません。

FP2級と3級は併願できない

FP技能検定試験の2級と3級を同時に受検することはできません。

3級を受検する方は、まず3級に合格してから、2級の試験を受けましょう。

また、3級を受検せずに2級の試験を受けたい方は、一定の条件を満たす必要があります。

ただし中には、「FP3級を受検せずにFP2級を受検したい」という人もいるでしょう。

そこで、FP技能検定試験の3級を受けずに、2級を受検する2つの方法を紹介します。

FP3級を受けずにFP2級を受検する2つの方法

FP3級を受けずにFP2級を受検する方法は以下の2つ。

  • AFP認定研修を終了する
  • FP業務に関して2年以上の実務経験を積む

AFP認定研修を修了する

FP技能検定試験の3級を受けずに2級を受検する方法のひとつは、AFP認定研修を修了することです。

日本FP協会が認定するAFP認定研修に対応した講座を受講し、修了された方は、実務経験がなくても2級FP技能検定試験を受検できます。

AFP認定研修の修了は最短で1か月です。

ただし受講開始日から、1年以内に確認問題と提案書課題の両方で合格点を取得する必要があります。

基本的には、修了まで2~3か月かかると考えておきましょう。

FP業務に関して2年以上の実務経験を積む

通算2年以上の実務経験がある方は、2級FP技能検定試験の受検資格を得られます。

すでにFP業務に携わっていて、あと少しで実務経験の期間が通算2年に達するという方は、先に2級の勉強を進めておいても良いでしょう。

ただし、2級FP技能検定試験で出題される内容には、3級の出題範囲が含まれています。

そのため、いずれにせよ3級の範囲を学習しなければなりません

3級を受検しなくても、学習範囲は変わらないという点に注意しましょう。

以下に、受検資格として認められる実務経験の例を紹介します。

  • 銀行・証券会社・保険会社をはじめとする金融機関での勤務
  • 資産に関する相談業務の経験(税理士・弁護士・司法書士・行政書士など)
  • 不動産会社や建設会社における土地建物取引・建築・相談業務
  • 会計事務所の職員
  • 生活協同組合や共済などの担当職員
  • 保険会社や保険代理店の職員
  • 商品先物取引会社の職員
  • 投資顧問会社の職員
  • 一般事業会社や官公庁における福利厚生担当者、および金融・財務・経理担当者
  • 商事会社の商社金融担当者
  • 商事会社やコンピュータ会社などでの金融機関営業担当者、およびソフト開発担当者

参考:2級FP技能検定 受検資格「実務経験」について | 日本FP協会

未経験の人はFP3級から受検しよう

実務経験がない方がFP2級を目指す場合、実務経験以外の要件によって受検資格を満たす必要があります。

そのため、FP業務未経験の方は、まず3級FP技能検定試験に合格してから2級を取得しましょう

3級FP技能検定試験は比較的やさしい試験であるため、独学で挑戦する方も多くおられます。

また、3級の学科試験は○×式および三答択一式であるため、知識が完全に定着していなくても、それなりに点数を取れてしまう場合があります。

しかし、2級の試験は難易度が大幅に上がるため、付け焼き刃の知識ではなかなか合格できません

FP2級の取得を視野に入れている方は、通信講座などの利用がおすすめです。

あらかじめ3級と2級の両方の内容が含まれた講座を選べば、受講にかかる費用を最小限に抑えつつ、効率良く学習を進められるでしょう。

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本コラムでは、FP技能検定の2級と3級の違いについて解説しました。

FP技能検定の2級と3級は、検定試験の受検資格や出題範囲が違います。

試験の出題形式や受検方式なども異なるため、受検する級に合わせた適切な対策が必要です。

また、FPの資格は、どの級を取得するかによって得られるメリットが異なります。

キャリアアップや転職・就職に役立てたい方は、FP2級の取得を目指しましょう。

最短距離で2級FP技能検定試験の合格を目指したい方には、アガルートのFP(ファイナンシャル・プランニング)技能検定講座がおすすめ。

アガルートの通信講座は、低価格かつ高品質であることが強みです。

フルカラーの見やすいテキストや、音声ダウンロードが可能な講義動画を使って、スキマ時間に効率良く学べるでしょう。

また、アガルートのFP技能検定講座は、3級・2級の範囲をカバーしているため、3級を取得してからブランクがある方や、初学者の方でも無理なく2級の合格を目指せます。

独学に不安がある方や、学習費用を抑えて効率良く学びたい方は、ぜひ無料の受講相談や資料請求などをご活用ください。

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